「おはようございます、すいません遅れちゃって」
「ああ梓おはよう、大丈夫だよみんなまだ来てないから」
「そう、でしたか……唯先輩もまだ寝てるみたいで」
「だろうな、昨日の今日だし」
「そ、そうですね、あははは……」
「ん? ……そういや梓は昨日どうだった?」
「へ? な、何がですか!?」
「梓はあーいうの初めてだったろ? 大丈夫だったかなって心配してたんだ」
「な、なな、なんで私が初めてだって澪先輩が知ってるんですか?」
「え? ……初めてだろ? 違うのか?」
「いえ、そりゃあまぁ初めてでしたけど……」
「だよな……で、どうだった?」
「ど、どうって……そ、そんな事言える訳ないじゃないですか……恥ずかしいです」
「え? なんで恥ずかしい? ……もしかして楽しくなかったか?」
「えと、楽しい……っていうよりか、その……き、気持よかったですけど……」
「気持ちいい?」
「え?」
「ああ、いい感じだった って事か、なるほどな」
「そ、そうなりますね」
「じゃあ良かった、去年は唯とか大変だったからな」
「へ? 唯先輩ってどういう事ですか? それも去年って?」
「え、だって唯も去年やられたから」
「ちょっとそれ初耳です! 唯先輩昨日が初めてじゃなかったんですか?」
「いやいや、当然去年もやってるだろ」
「だ、誰と!?」
「そりゃあ私たちや晶達と、あと先輩達とだけど……」
「そ、そんな……そんな事って……」
「梓、どうした?」
「そんなのウソです!!」
「わわっ、なんでいきなり怒ってるんだよ!」
「だって唯先輩言ってたもん! 初めてだって!」
「……何の話だ?」
「だから!唯先輩の初めてが……って、……あ、あれ?」
「クリスマスパーティ、の事じゃないのか?」
「へ?……クリスマス? 唯先輩が大変っていうのは?」
「ああ、酔った先輩に絡まれて大変だったんだよ」
「……あ、あ〜〜〜そういう事でしたか……」
「……梓、お前昨日の夜何をしていた」
「いえ、何もしてませんよ! あ、ちょっと用事を思い出したので私はこれで!」
「待て!」
「は、離して下さい〜!」
「何を隠している、言ってみろ!」
「な、何も隠してませんってば!」
「じゃあなんで逃げようとしているんだ」
「してないです! ただ用事が……!」
「やっほ〜、あ、あずにゃんもう来てたんだ、も〜起こしてっていったのにぃ〜」
「ゆ、唯先輩! 来ちゃダメです!!」
「ふぇ?」
「唯! ちょっとこっち来い!」
「あ〜澪ちゃんずるい! なんであずにゃんに抱きついてるの!?」
「何言ってるんですか! いいから早く出てって!」
「え……あずにゃん酷いよ……昨日はあんなに愛s」
「わーーーーーっわーーーーーっ!!言っちゃだめーーーーーっ!!!」
「うわっ、梓声大きいって!」
「うわあぁぁあん、あずにゃんのばか〜〜!浮気者〜!!
私より澪ちゃんの方がいいんだ〜、うわぁぁあん!」
「ちょ、違います! 誤解ですよ!」
「だって、澪ちゃんと抱き合ってるし、さっき出てけって……」
「ごめんなさい、違うんです! 私には唯先輩しかいませんから!」
「ほんと?」
「ホントです! ホントですから泣かないでくださいよ」
「私の事……好き?」
「好きです、大好きです、愛してます!」
「えへへ、ぐすっ、嬉しいなぁ、私もあずにゃんが大好きだよ」
「もぅ、可愛いんだから唯先輩は……」
「……え、えっと……何がどうなってんだ?」
「話はすべて聞かせてもらったわ! そして録音させてもらいました!」
「ムギ!?」
「ぐすっ、ムギちゃん?」
「……ムギ先輩、後で削除してもらいますからね」
「そんなぁ!」
「それはこっちのセリフですよ」
「と、兎に角! 澪ちゃんこれでわかったでしょ? 唯ちゃんと梓ちゃんはお付き合いしてるのよ」
「な、なんだって!? でもだって二人とも女じゃないか!」
「そんなの些細な問題よ!」
「そんなの関係ないですよ」
「わ、わかった、わかったよ」
「すいません、昨日の夜はその、そういう事なのでお察しください」
「あ、ああ、わかったけど……でもまだそう言うのは早いと思うんだ」
「そうでしょうか?」
「ああ、そう言う事はもっと大人になってからだな……」
「……ああ、澪先輩の恋愛観は古風でしたね……」
「で、でもいいな、ファーストキスかぁ……私もちょっと憧れるよ」
「……へ? ファーストキス?」
「さっき”初めて”って言ってただろ? キスの事だろ?」
「も〜、違うよ澪ちゃん、キスじゃなくってエッむぐぐぐ」
「唯先輩は黙っててください!」
「もががむうぐもがぐ!」
「梓、何やってるんだ?」
「あのね澪ちゃん、梓ちゃん達のしてたのはキスじゃなくってね……」ポショポショ
「…………な、な、ななななんだtt」バタッ
「澪先輩っ!?」
「もががん!? ぷはっ! 澪ちゃん!?」
「あらあらあら、澪ちゃん気絶しちゃったみたい」
「ム、ムギ先輩、澪先輩に何言ったんですか?」
「そのままよ? 唯ちゃんと梓ちゃんはセックスしたのよ って」
「ちょ、もっとオブラートに包んでくださいよ」
「音の高さを揺らす演奏法?」
「それはビブラートです」
「ん〜、ゲームやアニメの?」
「……へ? なんですかそれ」
「ムギちゃんもしかしてそれ、バハムート?」
「さっすが唯ちゃん、だいせいかーい! よく分かったね〜」
「えへん!ムギちゃんの事ならお見通しだよ!」
「……なんだこのコントは……って、そんなのどうでもいいです!
ストレートに言うもんだから澪先輩倒れちゃったじゃないですか!どうするんですか!?」
「大丈夫よ、もうちょっとしたら気づくと思うから」
「……そんなアバウトな」
「でもこれで澪ちゃんからの詮索はなくなった訳でしょ、よかったじゃない」
「ええまぁ、それはそうですけど……いいのかなぁ」
「それでね!」
「は、はい!?」
「唯ちゃんと梓ちゃんは、昨日エッチしちゃったのよね!?」
「え、えと……ムギ先輩?」
「どこでしたの? どれくらいしてたの? どんな風に? やっぱり唯ちゃんが攻めで梓ちゃんが受けなの?
どんな体位を試したの? 何回くらいイッたの? 二人で一緒にイけたの!?」
「そ、そそそ、そんな事教えられるわけないじゃないですか−−−っ!!」
「あのね、あずにゃんが私を押したおs」
「ゆ、唯先輩は黙っててください!!」
「は、はい!!」
「(……これは澪先輩より厄介だわ……このままじゃ私と唯先輩の情事が全て知れ渡っちゃう……こうなったら)
唯先輩! 逃げますよ!?」
「へ?」
「いいから行きますよ!」
「う、うん、わかったよ」
「イくの? 梓ちゃんイっちゃうの!?」
「だーーーっ!字が違いますから! ではまたです!!」
「じゃ、じゃあね、ムギちゃん!」
「あああん、唯ちゃんと梓ちゃんが一緒にイっちゃったぁぁぁぁ、はあんん!!」
>>>>
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……と、とりあえず逃げれた……」
「はぁ〜はぁ〜……あ、あずにゃん、もういいの?」
「はい、す、すいませんでした走らせちゃって」
「いいよ〜、私は最初からいなかったからわかんないけど、あずにゃんも大変だったんだねぇ」
「ええまぁ、自分の撒いた種ですし……はぁ〜……」
「結局なんだったの?」
「えと、澪先輩と私とで話が噛み合って無かったというか」
「ん?」
「つ、つまりですね、クリスマス会の感想を聞かれたんですけど、私なぜか昨日のその……
唯先輩との、アレの事を聞かれたと思っちゃって」
「ぷっ! あはははは、澪ちゃんが私たちの事知ってるわけないじゃん」
「笑わないで下さいよ、その時はそう思っちゃったんだから……」
「あずにゃんったらあの時の事ばっかり考えてたんでしょ、だから勘違いしちゃったんだよ」
「だ、だって、嬉しかったんだもん……唯先輩とやっとそういう関係になれて……」
「私だって嬉しかったよ〜、今だって昨日の夜の事はっきりと思い出せるくらいだよ!」
「や、やめてください、恥ずかしいです」
「可愛かったよ、あずにゃんのはd」
「言っちゃダメーーー! そういう唯先輩だって可愛かったし、綺麗だったし!」
「えへへ、ありがとね」
「ううう…………あ」
「ん? どうしたの?」
「……あ、あの……ちょっと聞いていいですか?」
「いいよ?」
「えと……ですね、その……ゆ、唯先輩って昨日が、は……初めて、ですよね?」
「え、えっと……エッチの事だよね?」
「はい……」
「そう言ったでしょ、あずにゃんとが初めてだよって、それに血もでちゃったし、痛かったんだからね」
「そ、そうでしたね、すいません、優しく出来なくて……」
「ううん、すっごく優しかったよ、でも痛いのはしょうがないよ、あずにゃんだって痛かったでしょ?」
「そうですけど、でも幸せな方が上でしたから気持ちよかったです」
「私だってすっごく気持ちよかったよぉ〜」
「えへへ、恥ずかしいですね」
「でもなんでそんな事を? 私が初めてじゃなかったら好きになってくれなかったとか?」
「そんな事ありません! でも、出来るなら唯先輩の初めては全部欲しいんです!
キスだってエッチだって……け、結婚だって……」
「じゃあこれからの私の初めてはあずにゃんのものだから安心してね?」
「約束、ですよ!? 私の初めても全て唯先輩に捧げますから」
「うん!
じゃあこれからどうしよっか?」
「……そうですね…………あの……」
「うん」
「…………えと……」
「あ〜ず、にゃん!」ギュッ
「にゃっ!」
「……したくなっちゃったんでしょ?」
「なんで分かるんですか?」
「わっかるよ〜、だ〜って……」
「だって?」
「私もしたくなっちゃったんだもん!」
「……ふふっ、唯先輩のエッチ!」
「いいもんエッチで! あずにゃんの事大好きだからエッチしたいんだもん!」
「ズルいです! じゃあ私もエッチでいいもん!」
「うん! じゃあお部屋もどろ!」
「はい! いっぱい可愛がってくださいね!」
「そのつもりだよ! 寝かせてあげないんだから」
「まだお昼ですけど」
「じゃあ体力勝負になっちゃうね〜」
「ふふっ、負けませんよ私」
「私だって!」
>>>>
「……部室へ来たはいいけど……」
「…………」
「ゆ、唯ちゃんと梓ちゃんが……あああ」
「澪は気絶してるし、ムギはなんか意味不明な事言ってはぁはぁ言ってるし、唯と梓はいないし………
いったい何か起きたんだよ!?」
終わり。
クリスマス会が終わってからの秘め事みたいな感じで。
最終更新:2014年12月26日 08:10