梓「そして、2011年11月の両国国技館は半分ぐらいしか入りませんでした」



律「悲惨だな…」



梓「そして、新日本プロレスはまたも親会社が代わります」



澪「今度はどこなんだ?」



梓「某カードゲーム会社です」



梓「ゲーム会社が種を蒔き信用を取り戻して、カードゲーム会社が花を咲かせました」




紬「どういう風に変わったの?」



梓「宣伝費用とメディアへの進出です、これでかなりの新規ファンを開拓しましたよ」



唯「テレビの力は凄いね!」



梓「本当にそう思いました、会場に子供や若者が増えて活気が益々出ましたよ」



和「子供のファンが大きくなるまで好きで居てくれたら大きいわよね」



梓「はい、そして2013年の東京ドームで遂に観客が29000人にまで回復したんです」



純「えっ?公式サイトではそれ以前の東京ドームは4万来てたよ?」



梓「それは、プロレス界の悪い風習である水増し発表だよ」



憂「嘘ついてたんだね」



梓「うん、見栄張っても仕方ないのにね…」



律「余計、かっこ悪いのにな」



梓「菅林会長が謝罪して、これからは実数発表すると発表しました」



紬「ところで、愛してまーすは何で生まれたの?」



唯「知りたい!」



梓「あれは、ブロックレスナーっていう選手が来日をドタキャンした事が始まりでした」



和「ドタキャンなんて無責任ね」



梓「チャンピオンベルトは剥奪されて急遽カード変更しました」



梓「組まれたカードはジャイアントバーナード対棚橋弘至」



純「当時としてはカード的には良かったの?」



梓「良い訳なかったけど最早、新日本はタナに懸けるしかなかったんだ…」



憂「何か複雑だね…」



梓「当時の新日本の払い戻しのやり方に問題があったとは言え、来てくれたお客さんに対してタナの素直な心からの感謝の気持ちだったんだよ」



律「ファンを愛してたんだな」



澪「でも、ブーイング凄かったんだろ?」



梓「そりゃもう、ファンの拒絶反応は凄まじいものでしたよ」



憂「そ、そんなに?」



梓「ネットや雑誌のみならず会場でもタナと中邑選手に対して心ない野次が飛びました」



唯「何で、応援してあげなかったのかな?」



梓「それだけ、ファンの不満も最高潮だったんですよ」



梓「そんな、タナにも転機が訪れます」



唯「いよいよ、タナの逆襲なんだね!」



梓「そうですね」



澪「何だろう?」



梓「全日本プロレスの伝統ある大会チャンピオンカーニバル参戦です」



律「何だか凄い大会名だな…」



梓「そこで、タナは新日本プロレスを背負い満身創痍ながらも好勝負を連発し準優勝に輝きました」



梓「ここから、ファンの評価が上がりブーイングが声援に変わりました」



紬「タナは凄いわ?」



和「タナが嫌われてたのは試合や顔じゃないだけだったの?」



梓「いえ、ある事件の事もありましたよ」



憂「何かやったの?」



梓「別れ話の縺れから女性に刺されたからね…」



純「刺す事ないじゃん…」



梓「あれは、擁護しようもなくタナが悪かったけどね」



唯「何かショックかな…」



梓「でも、タナは全て背負って生きてますから」



梓「今のプロレスは駄目 面白くないと言うレスラーも居ます」



梓「その人達に対してタナはこういう風に答えました」



俺が考えて欲しいのは、そういう人達も、プロレスに出逢ったから、プロレスに入門したから、今があるわけで。自分一人で、スターになれるわけないから。みんながいて、ファンがいて、そして対戦相手がいて、『そういう気持ちがなんでなくなっちゃうのかな?』って。俺は、年取って、引退したとしても、プロレスを今も昔も、『面白いぜ!』って、きっと言うから。そういう気持ちです



憂「そうだよね、プロレスは一人じゃ出来ないもんね」



純「プロレスは昔も今もプロレスなんだ」



和「中邑選手はどんな風にブーイングを声援に変えたの?」



梓「中邑選手はタナ程はブーイングはありませんでしたが、キャラが固まり切らなかったのが痛かったです」



梓「中邑選手はタナと違い過去との闘いを選びました」



律「過去?」



梓「アントニオ猪木です」



澪「猪木さんってレジェンド中のレジェンドじゃないか!」



梓「全く違う新日本プロレスを作ったタナに反発して」



梓「ファンの拒絶反応が最も激しいアントニオ猪木&ストロングスタイルの名前を出す事でタナに対抗しました」




梓「結局はうやむやになりましたが…」



紬「やらせてあげれば良かったのに…」



梓「新日本プロレスとアントニオ猪木は絶縁状態ですからね、許される訳はなかったんですよ」



和「他にも絶縁状態ってあるの?」



梓「全日本プロレス 佐々木健介 藤波辰爾ですね」



梓「詳しくは省きますが」



律「色々あるんだな?」



梓「中邑選手の転機は今や代名詞となる」



梓「IWGPインターコンチネンタル王座の戴冠です」



唯「あの、白いチャンピオンベルトだね」



梓「そうです、創設した当初は10円ベルトと言われてました」



梓「今、中邑選手は第10代チャンピオンですが」



梓「既に4回ベルトを巻いてます」



澪「正に代名詞だな」



梓「主に外国人や外敵相手の防衛をしてきた中邑選手ですが」



梓「ベルトに輝きを付ける為にある人物を初めて自分から指名します」



紬「猪木さん?」



梓「棚橋弘至です」



憂「正に決戦って感じだね!」



梓「11月大阪大会の試合後に中邑選手がタナを呼び込みました」



梓「そして、東京ドームにてタイトルマッチが組まれました」



梓「互いに認め合い張り合い続けた二人の2年4ヶ月振りの試合にファンは大きな期待をして」



梓「メインを決めるファン投票では史上初となるIWGPヘビー級選手権試合を抑えての1位獲得」


純「両エースだもんね」



律「でも、本来メインだった選手が弾き出されたんだよな?」



梓「内藤哲也 オカダ.カズチカ選手です」



紬「レインメーカーね~」



梓「順風満帆に見えたオカダ選手の初めての挫折です」



澪「確か、初めて挑戦してベルト奪取したんだよな」



梓「はい、レインメーカーショックです」



唯「オカダさんはブーイングなかったの?」



梓「挑戦表明した時は凄かったです」



和「何て言ったのかしら…」



棚橋さん、お疲れ様でした
これからは逸材に変わって
レインメーカーが新日本プロレスを引っ張って行きますので
お疲れ様でした




憂「大胆不敵だね…」



純「タナは何て答えたの?」



オカダ、俺は疲れた事がないんだ
IWGPは遠いぞ?
挑戦したいんならなー
力で上がって来い!



梓「ブーイングはあったけど、前哨戦でのファイト振りにファンは徐々に注目し始めました」



律「成る程、それでチャンピオンになったんだから驚きだよな~」



梓「チャンピオンになったオカダ選手に最初に立ちはだかったのが内藤哲也選手です」



唯「内藤さんは先輩?」



梓「1年先輩です」



梓「そして、新世代によるIWGP戦が組まれオカダ選手は勝利します」



唯「流石だね!」



梓「でも、今年の東京ドーム大会でオカダ選手はタナに敗れて号泣しました」



律「悔しかったんだな…」



梓「AJスタイルズに連敗し、再起を懸けて挑んだG1で西武ドーム18000人の前で中邑選手を破り優勝」



梓「今度こそ、タナを引きずり下ろして時代を掴む筈が敗れ」



梓「そして、タナの憎たらしいマイクにブーイングどころか歓声が上がり」



梓「色々な気持ちが込み上げて来たんだと思います」



紬「壁にぶつかってるのね」



梓「はい、そうですね若くしてチャンピオンになって順風満帆だったオカダ選手の初めての挫折です」




憂「きっと、這い上がってくれるよね」



梓「うん、きっとね」



純「内藤選手は?」



梓「あの人は発言と行動が一致しないし更に空気読めないんだよ…」



澪「例えば?」



梓「あれだけ、never言っておきながら奪取したら地方大会にも巻いて来ない…」



梓「neverよりIWGPが上なのは確かだけど、インターコンチネンタルやneverを少しでも価値を上げようと懸命な選手に対してあれはね…」



和「色々、事情があるのかもよ」



梓「でも、権利書だけは大事に持ってきてました」



和「それは駄目ね」



梓「G1優勝した時の発言も顰蹙を買いました」



G1』チャンピオンかもしれないけど、俺には借りがいっぱいあるんで。IWGP?オカダ・・・いや、その前に! まーずーは! NEVER(無差別級王座)、俺は、田中(将斗)から行きたいと思います」
 


律「何言ってんだこいつって感じだな」



梓「そこから、内藤選手に対するブーイングが激しくなりました」



澪「梓は内藤選手をどう思ってるんだ?」



梓「私は好きですよ、デビューした時から」



梓「負けん気の強さやギラギラした感じが好きです」



唯「そっかぁ~」



紬「でも、いつまでもタナや中邑選手に頼る訳にも行かないわ~」



梓「はい、下の選手がもっと奮起しないといけません…」



唯律澪紬憂純和「大丈夫!」



梓「えっ?」



唯「私達が応援するもん!」



律「おうっ、私達が弱気になったら駄目だぜ梓!」



澪「新しいスターがきっと出て来るさ」



紬「今までだって、そうやって頑張って来たんだから」



憂「きっと大丈夫だよ、梓ちゃん」



純「新日本プロレスが終わったらプロレスが終わる」



和「応援しましょう、何時までもずっと」



梓「先輩…みんな…」



さわ子「話は聞いたわ!」



律「び、びっくりした」



さわ子「貴女達、私に黙ってプロレス談義?」



澪「そういう訳では…」



さわ子「これを見なさい」



唯「今年の東京ドーム大会のDVD!」



さわ子「行くわよ!」



紬「どこにですか?」



さわ子「私の家よ、DVD観ながら思う存分プロレス談義よ?今夜は寝かさないから」



憂「うわぁ、楽しそうです」



純「よーし、行きますか!」



和「望む所ね」



唯「行こう、あずにゃん」



梓「はい!」






おしまい

WRESTLE KINGDOM 8 NAKAMURA vs TANAHASHI Match VTR:

棚橋 中邑
煽りVTR



最終更新:2015年02月04日 22:35