|    はじまるよー
                               \___  ______
                                 )ノ
                         ,;;==========:、
                      i=i/  '´   ヽi;:| .l
   t—-,、      .t—-,、.      |:||  l |_i」ハi_j」 || l
  く   \     く   \     l ||  | |(|l゚ ヮ゚ノ| ||  l
   ),,-‐''''"~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'|'=' ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~ヽヾ ̄ ̄~v~ ̄ヾヽ
   /_________,|_____|_ 二二二 ̄ ̄ ̄~iOO/E三:三ヨOO)
  iL_   /⌒ヾ.      |_        |      /⌒ヾ======-------===i
    ~~"'''ii (*) i____,,|_____l___ ii (*)に二O0;>‐[二]‐<0O;)
        .ゞ_ノ ̄ ̄ ̄ゞ三ノ           'ゞ_ノ ̄ ̄ ̄ゞ三ノ

第一話    「誕生日!」

7月2日 今日はムギちゃんのお誕生日です!


                        ,  -─ -  、
                      イ          `へ 、
                   /                \
                  /                  ヘ
.                 /    /!              ∧
                /   //|    ∧           ハ
                /   /∠_人   /i^\          !
                {  /    | ハ / ゝ-ヘ     i      |     
.                | �,,,=x   l/ ∨    ∨   !      |
                ! |彳モハ     ィ=x  ∨  ./     |
                | | 辷ノ     ハチハ. |  /     /
                γ|⊂⊃ ,    辷jノ ′|  ト、    .|
                ノ {        ⊂⊃ rハ / } /   ∧
                人 \   r==、    / ! i | /_ノ/     人
                / ハ、 \  ヽ ノ   , ィ   ノ i´/` ̄ \   \
                !x  ヽ  ヽ __ /   /´ /| (     ヽ    \
.               || 〉、 |   |  /   イ / { \    }     ヽ
音楽室!


律「ということでムギのために私たちがお金を出し合ってバースデーケーキを用意したぞ!」ジャーン

紬「……!みんな…!ありがとう!!」

梓「さぁムギ先輩、ローソクの火を吹き消しちゃってください!」

紬「わかったわ!」


紬「フー、フーッ! あれ……なかなか消えないわね……?」

唯「ムギちゃん!もっと強く吹かないと!」

紬「わかったわ! ………フーッ!!」

澪「……あ、1本だけ消えた」

紬「……あれー?」ショボーン

澪「ムギ、深呼吸して息をたくさん吸い込んでみたらどうだ?」

紬「たしかに、その方がいっぱい息を吐けそうね……ありがとう、澪ちゃん。やってみるわ!」

紬「スゥー……フーッ!!!」


梓「……火がゆらめいただけですね…」

紬「全然消えない……」ズーン

澪「うーん?なんで消えないんだろう……?ムギってもしかして、バースデーケーキの火消すの、苦手?」

紬「うぅん。苦手もなにもバースデーケーキのろうそくを消すのは今日が初めてだわ」

律「へぇ……なんか意外だな……てっきりムギの家のことだから、毎年でっかいケーキを用意して、盛大にパーティーをして祝ってると思ってたんだけどな」

紬「いえ……パーティー自体はしているんだけれど……その、こんなこと言うのも何だけど、私のうちのケーキは ローソクが立てられないほどイチゴがびっしりと敷き詰められていたから……」

律「金持ちすげーな!!」

唯「ねぇー、もう火は消さなくていいんじゃない?そろそろケーキ食べたいよー」グゥー

澪「たしかに、あんまりこんなこと長くやってても仕方ないしな……」

澪「まぁはじめての挑戦だし、上手くできなくたって仕方がないよ。大体どうせローソクは食べるときとっちゃうんだし」

梓「そうですね。じゃあローソク取っちゃっていいですよね?ムギ先p」

紬「待って、梓ちゃん!!」

梓「!? な、なんですか……?」

紬「もうちょっとだけ、頑張らせて…?その…、みんながせっかくローソクまで用意してくれたんだから、ちゃんと火を消しておきたいの」

梓「……!(ムギ先輩の目が真剣だ…!)」

梓「……わかりました。では、もうちょっとだけ頑張ってみましょうか」

紬「! あ、ありがとう、梓ちゃん!」


唯「えー!?あずにゃん、それじゃ私がケーキを食べられなくてもいいって言うの!?」

梓「いつもムギ先輩のケーキ食べてるんだから 少しぐらい我慢してください!」

唯「……はーい」


律「でも、息をたくさん吸っても火は消せなかったわけだし……もうこれ以上どうしようもないような…」

紬「大丈夫よ、りっちゃん!とっておきの方法があるわ!」ピポパ

プルルル……ガチャ

紬「もしもし?斉藤?」

一分後


ガチャ

斉藤「紬お嬢様!お申し付けられたもの、お持ちいたしました!」

紬「ありがとう、斉藤。もう下がっていいわよ」

斉藤「かしこまりました」バタン


澪「……電話してから、随分早く来たな」

律「…で、ムギ。私にはその頼んだものが扇風機にしか見えないんだが……」

紬「その通りよ、りっちゃん! この扇風機で風を起こせばローソクの火は消えるはずだわ!」

紬「とりあえずスイッチオン!」ブォーン

梓「……うーん、今のところ、火が消える気配はありませんね……もうちょっとローソクに近づけてみてはどうですか?」

紬「そうね。アドバイスありがとう、梓ちゃん」ブォーン

唯「……近づけてもダメかー。ムギちゃん、もっと風を強くできないの?」

紬「一応、最大パワーのスイッチを押したんだけれど………あら?何かドクロマークのスイッチがあるわ」ポチッ

澪「え」

ブオォォォオオン!!!

律「のわぁ!!す、すげぇ風だ!!」

澪「た、立っていられない……」バタッ

唯「ふ、吹き飛ばされそうだよー!」

梓「ム、ムギ先輩、とにかく一旦止めてくださーい!!」

紬「ご、ごめんなさい」ポチッ

律「ハァ…ハァ……、すっげえ威力だった…」

唯「飛ばされるかと思ったよー…」

澪「…これだけの風だったらローソクの火も……」チラッ


澪「……3本しか消えてない」

紬「えぇー!?」ガーン


唯「まったく、あずにゃんもローソク立てすぎなんだよ!一体何本立てたのさ!」

梓「いや……ムギ先輩が18歳になるので18本ですけど…」

唯「てことはあと14本!?」

律「…まだまだ先は長いな……」

澪「でも、こんな高威力の風で火がほとんど消えないなんて……もうどうしようもないよ…」

紬「いや、まだ手はあるわ澪ちゃん!」ピポパ

紬「もしもし斉藤?」

一分後


斉藤「お待たせしました紬お嬢様!」ガチャ

澪「だから はやっ!!」

紬「ありがとう、斉藤。……これならきっといけるはずだわ……」

唯「……?ムギちゃん、それは何なの…?」

斉藤「それはモンスターボールというものでございます」

梓「モ、モンスターボール!? ポ○モンの!?」

斉藤「はい。ちょっくらDSの画面の中に入って取ってまいりました」

斉藤「お嬢様のためならたとえ火の中、水の中、電子ゲームの中……どこだって参上する覚悟でありますから。では皆様方、ご武運を!」バタン

律「一体何者なんだよあの人……」

紬「まぁとにかく! これでローソクの火が消せるはずだわ!行け、ピジョット!」ポンッ

ピジョット「ピジョー!!」

澪「うわぁ!!ボ、ボールから、鳥が……!」

唯「で、でもこの子なら…!ローソクの火を消せそうだよ!!」

紬「私もそう思うわ! ……行くわよピジョット!『ふきとばし』!!」

ピジョット「ピジョー!!」バサッバサッ!!

ゴォォォォォオオ!!!!


澪「……!!!な、なんて風だ…!さっきの風とは比べ物にならない強さだぞ!!」

梓「な、なにかにつかまってないと本当に飛ばされそうですー!!」

律「う、うわぁ!!私のカチューシャが!!」ゴォォォォォ

唯「あぁー!!りっちゃーん!!あぁ……りっちゃんが校庭のあんなところまで…」

律「だからカチューシャだって言ってるだろ!」

梓「あぁー!もう私まで飛ばされてしまいそうです!ムギ先輩そろそろやめてくださーい!!」

紬「わかったわ!戻りなさい、ピジョット!」ポシュウ

梓「ハァ…ハァ…ハァ……、飛ばされるかと思った」

唯「…りっちゃんのことは一生忘れないよ……」

律「だから私は飛ばされてないっての!」

澪「でも、これだけの風ならきっとローソクも!」バッ


澪「……こ、これだけの風なのに…!4本しか消えてない…!」

紬「えぇー!!?」ガーン

律「そ、そんな……さっきよりずっと強い風だったのに…!」

唯「こ、こんなことってありえるの…?」

梓「もう……これ以上どうすれば……!」

紬(もう……ダメなのかしら……)ハァー…

しかし その時奇跡は起こった

ムギがため息を吐いた次の瞬間

瞬く間にローソクの火が続々と消えていった

数秒後には 18本のローソクの火は全て消えていた



律「!?え…?何が起こったんだ……!?」

澪「ロ、ローソクの火が……消えた…!!」

紬「や、やったー!!」

諦めムードが漂っていた部室の空気は一変し、気が付けば歓声が上がっていた

梓「ま、まさかムギ先輩のため息が残り全ての火を消してしまうなんて……!ミラクルです!!」

唯「と、とにかくムギちゃんおめでとー!!」ムギュー

紬「ありがとう、唯ちゃん!!///」

唯と紬は抱き合い 喜びを分かちあった


律「よっしゃー!ローソクの火も無事消えたことだし!みんな、ケーキを食べるぞー!」

紬「おー!」


澪「……その前に、することがあるだろ? ちゃんとムギのことお祝いしなきゃ!」

律「…そうだな! よーし!みんな!!せーの、でいくぞ!」

唯律澪梓「せーのっ!」

唯律澪梓「ムギ(ムギちゃん、ムギ先輩) お誕生日おめでとうございます!!」

紬「…!! みんな……!ありがとう!!!///」

ガチャ

さわ子「あー、あっつーい………ムギちゃん冷たいお水ちょうだーい……」

律「なんだよさわちゃん。そんなだらしない格好して……」

さわ子「仕方ないでしょ、暑いんだから………あ!ちょうどいいところに扇風機があるじゃなーい!ちょっと借りるわね!」ポチッ

紬「あ、そのボタンは……」

ブォオオオオン!!!

さわ子「…ぶっ!!あっ!わ、私のメガネがー!!」ゴォオオオ



唯律澪紬梓「………あーあ……」






最終更新:2015年02月10日 22:56