第17話「律誕」
-/⌒^:7ニ==- ミ、_
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厶イ \_|: : : N '' '' {: : : | 8月21日 今日は私の誕生日だぜ
∠:/: : |: : : | ー ‐ 八| : '
/: : : |: : : ト イ: : iV
//{: : : : : | ` ..__/|V| : リ
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ピリリリリ!!
午前零時になり、日付が変わったことを示すアラームが部屋に鳴り響いた
8月21日が到来し、今年も幼馴染であるあいつの誕生日がやってきた
澪「おい、律ー。日付かわったぞ、起きろー」ユサユサ
律「んぅー…zzz……」
アラームが鳴り終わると同時に私は律を起こしにかかったが 全く起きる気配がない
少しゆする力を強めても、相当深い眠りに落ちてしまっているのだろうか、一向に瞼が開かれる様子はなかった
しばらくして、 私は律を起こすことを諦め椅子に腰をおろす
澪「まったく…。何が『仮眠とるから12時になったら起こして〜』、だ」
そんな恨み言をつぶやきながら 私は気持ちよさそうに眠る幼馴染の寝顔を見つめる
澪「この分だとプレゼントあげるのは明日になりそうだな」
用意してきたプレゼントを握りながら独り言ちる
せっかく今日は泊まることになったんだから、日付が変わったらすぐに渡したかったのに…
律「……ムニャムニャ…zzz」
そんな希望もむなしく、ベッドの上に横たわっている本日の主役は 相変わらず夢の中の世界を満喫中のようであった
澪「はぁ……。私も寝るか…」
ため息を一つついた後、私は椅子から立ち上がり あらかじめ敷いておいた布団に寝転がる
澪「あ……電気消さなきゃ」
照明をつけっぱなしのことに気づき、私は布団から起き上がり スイッチを切りに向かった
澪「……」
しかしスイッチに手をかけた瞬間 少しばかり名残惜しいという気持ちがどこからか湧いてきた
澪「せっかく12時まで起きてたのに、このまま寝るのはなんか勿体ないよな…」
なぜこんな気持ちが湧いてきたのかは分からないが、少し考えたあと、寝る前に自分だけであいつのことを祝ってやることにした
なるべく音を立てないように注意しながら、私は再びベッドの上ですやすやと眠る幼馴染のもとへ向かう
澪「少し、緊張するな」
私は一度大きく深呼吸をした後、寝台上の眠り姫の耳元に祝福の言葉を囁いてやった
澪「ハッピーバースデー、律」
祝辞を述べ終えると、心なしか 律の口元が少し緩んでいるように見えた
澪「さて、今度こそ寝なきゃな」
私は再び立ち上がり、スイッチのもとへと向かう
スイッチに手をかけると、どこからか寝言が聞こえてきた
律「ん……みおぉ〜……zzz」
澪「ふふっ…、まったく。明日また祝ってやるからな」
照明のスイッチの音が響いたあと 部屋には二つの寝息のみが 静かにこだましていた
完
最終更新:2015年02月10日 23:36