第20話 「ハロウィン」
放課後の音楽室
紬「そういえば、今日はハロウィンね」
唯「あー、そういえばそうだねー!! 10月31日!」
紬「パンプキンケーキ持ってくればよかったかしら?」
唯「今日のケーキもおいしいし大丈夫らよ〜」モグモグ
唯「あっ!そうだ! ムギちゃん、ちょっと待ってて」ガチャ バタン
紬「?」
数分後
ガチャ
唯「ムギちゃん、トリックオアトリート!!」←ブタの着ぐるみを着ている
紬「あ、仮装パーティーね♪」
唯「へっへっへー。お菓子くれないといたずらしちゃうぞー?」
紬「いやー、クッキーあげるから許してー♪」
唯「わーい!!」ヌギッ モグモグ
唯「…あれ?これじゃいつもと変わらないね」
紬「え、お菓子あげない方がよかったのかしら」オロオロ
唯「いやいやそれは大丈夫です!!」モグモグ
紬「何か唯ちゃんの姿を見てると私も仮装してみたくなってきたわ」
唯「さわちゃんが作った衣装にハロウィン用のないのかな?」ゴソゴソ
紬「あっ、がぼちゃの服があるわ!」
唯「本当だー。さわちゃん本当に衣装つくり好きだよね……」
紬「ちょっと試しに着てみるわね」ゴソゴソ
紬「どうかな?」クルルッ
唯「わー、凄く似合ってるよムギちゃん!!かわいい!」
紬「えへへー///」
唯「よーし、ここまで来たら今日はみんなを驚かせてあげようよムギちゃん!」
紬「楽しそう! 私、ハロウィンの日にみんなを驚かせるのが夢だったのー♪」
紬「で、でも唯ちゃんはその恰好でするの?」
唯「あっ… ちょ、ちょっと着替えてくるね!」
・・・・・・
唯「じゃーん!魔女の服でーす!」
紬「わー、似合ってる似合ってるー♪」
唯「あとはみんなを驚かせるだけだね!」
ガチャ
唯紬(来た!!)
梓「すみませーん、ちょっと遅れまし……」
唯紬「あずにゃん(梓ちゃん)!! トリックオアトリート!!」
梓「た……ってえぇっ!?」
唯「ほらあずにゃーん。お菓子くれないと悪戯しちゃうぞー」
梓「ちょっ…!?お菓子?…な、何なんですか一体!?」
紬「今日はハロウィンでしょ?だからみんなを驚かせることにしたの」
梓「また唯先輩が何か吹き込んだんですね……」
梓「でもお菓子って言われても……。あいにく私何も持ち合わせてませんよ」
唯「なにー、お菓子がないだとー? ならば!」
紬「梓ちゃんには悪戯ね!」
梓「い、悪戯…?」
唯「さああずにゃん覚悟して!」ガシッ
梓「ちょっ…!? そんな後ろから両脇掴んで! 一体何をするつもりですかー!」ジタバタ
紬「えい!」ムギュー
梓「む、ムギ先輩!!?」
紬「えへへ、私も梓ちゃんに抱きついてみたかったの」
梓(やわらかくてあったかい……)ポワー
紬「…はいっ、これで悪戯はおしまいよー」スッ
梓「あっ……(微妙に名残惜しい…)」
唯「そして私からもー、悪戯のプレゼント!」スチャッ
梓「にゃっ!? ……ってこれいつものネコミミじゃないですか」
唯「あずにゃんは今日一日それつけててね」
梓「いやですよそんなの!いくらハロウィンだからって……」
唯「えー…。じゃあさわちゃん特製のもっと派手な衣装のほうがいいかー…」ガサゴソ
梓「や、やっぱりネコミミでいいです!!」
紬「と、いうわけで仮装仲間が増えましたー♪」
梓「半ば強制的ですけどね…」
唯「次からはあずにゃんもトリックオアトリート、って言うんだよ?」
梓「はぁ…、まったく…。今日だけですからね」
ガチャ
紬「! 誰か来たわ! さあ梓ちゃん準備して!」
梓「は、はいっ」
律「うーっす……ってあれ?誰もいない……?」
唯「りっちゃん!!」ヌッ
律「うわぁ!!びっくりした! てか何だよその格好」
紬梓「りっちゃん(律先輩)トリックオアトリート!!」ヌヌッ
律「ってみんな仮装してるし!?」
唯「さありっちゃん、トリックオアトリートだよ。お菓子か悪戯か…。好きなほうを選んで!」
律「お菓子なんて言われても…。あ、食べかけのアンパンならあるぞ。食うか?」ガサゴソ
梓「それは流石にいりませんよ…」
紬「ってことはりっちゃんにも悪戯ね」ジリジリ
律「お、おい…?悪戯って何するつもりだよ? てかみなさん…?ど、どうしてそんなに不敵な笑みを浮かべながら近づいてくるのかしら…?」
唯紬梓「突撃ー!!」コチョコチョ
律「ちょっ!わ、脇はやめろって!そこ弱いんだよ! ……あははは!!」
律「はぁ…ひどい目にあった……。お前らもうちょっと手加減してくれよ…」
梓「す、すみません。なんだか夢中になってしまいまして…」
紬「ごめーん」
律「まあいいけどさ。よし、私も仮装するとするか!」
唯「はい、じゃありっちゃん。さわちゃんの服の中からすきなの選んで」
律「えーと、どれにすっかなー……。あっ!このお化けの服っぽいパーカーにしよー!!」
梓「うわ……。なんというか凄い服ですね……。ちゃっかりフードの部分にお化けの顔まで書かれていますし……」
律「ふっふっふー。これならきっと澪もビビらせられるはずだぜ!!」
梓「やっぱりそれが目的ですか!?」
ガチャ
律「噂をすれば!よし総員戦闘態勢に入れー!!」
唯紬「おー!!」
梓「唯先輩とムギ先輩もノリノリだー!」
澪「やあ、おまたせ……?」
律「ウゥー…。みーおー……。トリックオア……」
律「トリートッ!!」クワッ
唯「おぉ!なんとも怨念がこもってそうなおねだり!」
梓「ちょっと律先輩!やりすぎですよ! そんなことしたら澪先輩は……」
澪「……」
梓「あれ?全然動揺してない……」
律「くっ……。この程度では澪を驚かすのに十分でなかったか…」
紬「りっちゃんの仇は私が討ちます! わーっ!わーっ!」←扉のカゲから驚かせているつもり
梓「バレバレだー!」
梓「はぁ……。澪先輩、すみません。こんなくだらないことに巻き込んでしまって……」
律「くだらないとは何だー!私は真剣だい!」
梓「なら練習もそのくらい真剣にやってください!」
律「そ、それとこれとは話が違うし?」
紬「私は毎日真剣にやってるわよ? りっちゃん、練習は真剣にやらなきゃダメよ?」
唯「そうだよりっちゃん。私も毎日いつでも白刃どりできるくらい真剣にやってるんだから!」
律「それのどこが真剣なんだよ…」
律「てかさっきから澪のやつ反応がないな」
梓「呆れかえってるからじゃないですか」
律「そんなことないよなー? なーみおー」ユサユサ
澪「」バタッ
唯「え!? 澪ちゃん!?」
紬「……気絶してるわ」
律「ってことはこいつ立ったまま気絶してたのかよ!」
唯「わー、澪ちゃん器用だね!」
梓「んなこと言ってる場合ですか! はやく保健室に連れてかないと……」
澪「……うん?」ムクリ
唯「あ、気が付いた!」
紬「よかったわー、澪ちゃん……。驚かしてごめんね?」
澪「…いいんだ。今日はハロウィンなのに警戒してなかった私も悪いし」
律「よーし!澪も無事復活したことだし!」
梓「練習ですね!?」
律「ちがーう! 澪にまだお菓子か悪戯かを決めてもらってないだろ?だからそれを決めてからだ!」
梓「まだやるんですかこれ……」
澪「ああ、そういえば私ハロウィンのためにお菓子持ってきたんだった」ゴソゴソ
律「え!? 用意いいなみおー!じゃあ早速みんなで食おうぜ!」
澪「ああ。はい、律。これが持ってきたお菓子だ」
律「どれどれー?」
律「……暴○ハバネロ」
唯紬梓「えっ」
おわる
最終更新:2015年02月10日 23:42