第21.5話    「梓誕」


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11月11日

音楽室


梓「こんにちはー」ガチャ

律「おー、梓来たかー。誕生日おめでとん」

梓「ありがとうございます。……ってあれ?今日はまだ律先輩しか来てないんですか?」

律「みんな掃除当番かなんかしてるんじゃねーの?まあそのうち来るだろ」


律「あ、そうだ。梓にはプレゼントあげなきゃなー。はい、梓プレゼント」ゴソゴソ

梓「どうもです。……って何ですかコレ」

律「何って言われても『今日一日甘えてもいい券』だけど?」

梓「……はい?」


律「なんだよその微妙な反応はー!せっかく頑張って作ったんだぞっ」

梓「いや、誰だって誕生日にこんな紙貰ったら困惑しますよ! 何ですか今日一日甘えてもいい券って!!」

律「いやー、誕生日くらい梓に甘えさえてあげた方がいいかと思って……」

梓「まるで私が欲求不満みたいな言い方ですね……。いいですよ、別に私甘えたいとか思ってませんから」

律「まあまあ、遠慮すんなって。二度とないかもしれないぞー?私たちに甘えられる機会なんて」

梓「そんなこと言われましても……。何というか律先輩には甘えたいと思わないというか……」

律「何それひどくね!?」


律「まあでもそんなこと言ってるけど 本当は梓も心の片隅で甘えたいって思ってるんじゃないか?」

梓「はぇ!? そ、そんなこと思ってるわけないじゃないですか!」

律「またまたー。いっつも唯がやってるみたいに抱き着いてくれてもいいんだぜ?」

梓「唯先輩じゃないんだから そんな恥ずかしいことできませんよっ///」

律「何言ってんだ、私と梓の仲だろー?恥ずかしがることなんてないじゃーん。それに今なら誰もいないし!」

梓「そんな誤解されるような台詞言わないでくださいよ! てかそんな簡単に抱き着くなんてできるわけ……」


律「……梓は私に抱き着くのが嫌なのか?」ウルウル

梓「えっ……?ちょっ、律先輩……?」

律「そうだよな、こんなプレゼントより他のがよかったよな。ゴメンな、こんなダメな先輩で……」

梓「あ、別にそういうわけでは……」

律「いいんだぞ、梓。無理しなくって……」グスッ

梓「無理なんてしてません!大丈夫です!! 私、このプレゼントも結構嬉しかったので」アセアセ

律「…本当か?」

梓「はいっ!ホントです!」

律「じゃあ抱き着いて」

梓「はい! ……はい?」


梓「えっ、や、やっぱり抱き着かなきゃダメですか?」

律「なんだ、やっぱり嫌なのか」ズーン

梓「い、いやいや!そういうわけでは!」

律「でも梓、さっきから抱き着こうとしてくれないじゃん」

梓「あ、その、私 律先輩に抱き着いたことないので……、何か躊躇してしまうというか……」

律「……分かった。そういうことなら、私も無理に抱き着けとは言わないよ。」


律「何かこういうのも変だけどさ、後輩は梓一人だけだし、私たちもあんまり甘えさせてやれなかったからさ……」

律「誕生日くらい、梓に甘えさせてやった方がいいかなって思って こんなプレゼントにしちゃったけど、どうやら失敗みたいだな」アハハ

梓「律先輩……」

律「よし、今日はちょっと早いけど練習するか! 待ってろ、今準備するからな」

梓「ま、待ってください!」

律「えっ?」クルッ

梓「律センパイ……」ギューッ

律「梓!?」

梓「……なんだか急に甘えたくなってきました。律先輩、やっぱり今日はこの券使わせてもらっていいですか?」

律「梓……。…あぁ! もちろんだぜ!」

梓「ふふっ……。ありがとうございます」ギュッ

ガチャ

唯「ごめーん、掃除当番で遅れちゃったー……。あ!あずにゃんがりっちゃんに抱き着いてる!」

澪「おっ、梓が抱き着いてるなんて珍しいじゃないか」

紬「あらあら、仲良しね」

梓「あぁ、先輩方こんにちは。これはですね……」

律「いやー、梓が抱き着きたいっていって聞かなくてさー」

梓「ちょっ」


唯「えー、あずにゃん浮気なんてひどいよー」

梓「唯先輩まで! てか浮気ってなんですか浮気って!」

梓「もう!律先輩にこれを渡されたから抱き着いてただけですよっ」スッ

紬「どれどれー? 『今日一日甘えていい券』?」

律「そう! 私から梓へのプレゼントだ!」

唯「なーんだ、浮気してたわけじゃなかったんだね、あずにゃん。わたしゃてっきり……」

梓「だからなんで浮気の話になるんですか!?」


紬「私たちからもプレゼントあげなきゃねー。今、バースデケーキ準備するわね」

梓「ありがとうございます、ムギ先輩」

律「おー、バースデーケーキか! よし梓。今日は食べさせてやるからな」

梓「そ、そこまではしなくていいですよ///」

唯「あー、ずるいよりっちゃん!私もあずにゃんにあーんするんだから!」

澪「トライアングル・ラブか……。あ、新しい詩が浮かんできそうだ!」

梓「もう、澪先輩までー///」


梓「はい、とりあえずそろそろ練習しましょう!バースデケーキは練習が終わったあと!」

唯「えぇー!? ケーキ食べてからにしようよー」

梓「ダメです!そうやっていつも練習しないじゃないですか!」

澪「そうだぞ、唯。それに今日は梓には甘える権利があるみたいだし、唯は甘えちゃダメなんじゃないか」

唯「それもそっかー……。分かったよあずにゃん、練習しよ! そのあと一杯甘えていいからね!」

梓(なんだか私が甘えたがりの後輩になってる気がしますけど……)

紬「じゃあ練習の前に改めて梓ちゃんのことお祝いしましょうか!」

律「そうだな!」

唯澪律紬「梓(ちゃん、あずにゃん)誕生日おめでとー!」

梓「(まあいっか!)みなさん、ありがとうございます!」ガバッ

唯澪律紬「わわっ!?」



おわり


あずにゃん誕生日おめでとうございます



最終更新:2015年02月10日 23:47