数分後
澪「はぁ……どんでもない目にあった」
紬「ごめんなさい。まさか澪ちゃんがあんなに苦手だとは思わなくって」
澪「いや、いいんだ。もう過ぎたことだしな」
唯「じゃあ次はお化け屋敷だね!!」
澪「……だからといってこれ以上ふざけるのはやめような?」ゴゴゴ
唯「じょ、冗談ですから!」
澪「というかもう結構な時間だし、そろそろ帰らないと日が暮れちゃうぞ」
唯「えっ!?もうそんな時間なの!?」
紬「冬は日が短いからねぇ」
唯「も、もう少しだけ遊んでこうよ!」
澪「うーん……。あと1つなんか乗るくらいだったらギリギリ大丈夫かな」
紬「だったらあれに乗ろうよ! 観覧車!」
唯「! そうだね!すっかり忘れてたよ!」
澪「確かに、それでしめるのもいいかもな。よし、じゃあ行こうか!」
唯紬「おーっ!」
唯「あー、私観覧車に乗るの久しぶりだ」
紬「私も〜」
澪「これは結構景色にも期待できそうだな。桜ヶ丘の方までよく見えそう!」
唯「私の家も見えるかな?」
澪「見えるんじゃないか?まあ探すのは無理だろうけど」
唯「ウォ○リーを探せは得意だから任せて!」
澪「それとこれとじゃまた違うだろ!」
紬「わー、だんだん上昇してきたわ」
澪「これは凄いな。本当に遠くまでよく見える……」
唯「あはは!下に歩ってる人小さーい!人が米粒のようだ!」
澪「なんだよそれ」クスッ
紬「絶景かな〜」カシャ
唯「かな〜」カシャカシャカシャ
澪「はしゃぎすぎだろ……ってか撮りすぎ!」
唯「……何かさ」
紬「なにー?」
唯「夏フェスの時を思い出すね」
澪「また急だな。まあ、あの時も人たくさんいたしな」
唯「私たちもこんなにたくさんの人の前でさ、いつか演奏したいね」
澪「どうしたんだ急に?」
唯「というか観覧車の上でライブやってみたい!!」
澪「この高さで!?」
唯「いやー、それならお客さんたくさん集まっても大丈夫かなって」
澪「その自信はどこからくるんだ」
紬「こんなにたくさん人を呼ぶなら、もっと頑張らなきゃね」
唯「うん!明日からHTTの宣伝チラシ作って……、あ!広告とかも出しちゃう!?」
澪「まずは練習だろ!」
唯「そ、それは後からでもいいんじゃないかなー?」
澪「たくさんの人を魅了できるバンドに なるためには実力が伴わないと、だろ」
唯「やっぱり練習はしないとダメかー……。わかったよ澪ちゃん!私明日からちゃんと練習するよっ!!」
澪「というか部活で練習することは当たり前のことなんだけどな……」
澪「でも確かに、こんなにたくさんの人の前で、いつか演奏できたらいいなって私も思う」
唯「澪ちゃん……!わかってくれたんだね!」ギューッ
澪「お、おいよせ!こんな狭い中で!」
唯「澪ちゃんぎゅーっ」
澪「お、おい! まったくもう///」
唯「へっへっへー。下に着くまで離しませんぜー」
澪「やめろったらもう///」
紬「あらあら」カシャ
澪「そしてそこ写真撮らない!」
・・・・・・
帰りの車内
澪「はぁー……。今日は楽しかったけど何かどっと疲れたな……」
カーナビ「ポンッ ゴジタクニトウチャクシマシタ」
澪「よーし!やっと着いたー……。おーい唯、ムギ。着いたぞ」
唯紬「zzz」スゥ……
澪「……って二人とも寝てるし。あんなにはしゃいでたもんな」
紬「もうこれ以上回せないわ……」ムニャムニャ
澪「まったく、どんな夢見てるんだか」クスッ
唯「あはは。澪ちゃんそれはお化けじゃなくて遊園地のキャラクターだよ……」ムニャムニャ
澪「こっちは失礼な夢だな!」
澪「おい唯ー、ムギー。着いたぞー。そろそろ起きろ」ユサユサ
紬「うーん……? あら……?寝ちゃってた」
唯「まだ朝じゃない……」ボケー
澪「寝るなら自分ちで寝なさい。いいから起きろ」
唯「ここで寝るからお構いなくー……」グー
澪「かまいます!」
コンコン
澪「まったく……って何だ?誰だ窓ガラス叩いてるのは……」
律『私だよん!』
澪「って律!? な、なんでお前ここにいるんだ!?」
律『澪たちが帰ってくるのを待ってたんだよ! ちょうど今ぐらいが帰ってくる時間かなって』
律『とりあえず外ででこいよ! ガラス越しに話すのも面倒だし」
澪「わざわざ待ってなくたっていいのに……。まあいいや唯、ムギ行こうか」
紬「はーい」ガチャ
律「と見せかけて……隙ありっ!!」バッ
紬「きゃっ!?」
澪「お、おい!何でお前は車の中入ってくるんだよ!」
梓「すみません澪先輩。律先輩ったら澪先輩たちを待つって聞かなくて……」
唯「あ、あずにゃんもいたんだね!ただいまー!」
梓「お、おかえりなさい……です」
澪「で、なんでお前はわざわざ待ってたんだよ」
律「いやー、何かおみやげないかなってー」
紬「ごめんなさい……。すっかり買うの忘れてたわ」
律「そんなー!」ガーン
唯「ごめんねりっちゃん……。ジェットコースターとかで遊ぶのに夢中だったから……」
律「あ! そういえば澪ちゅわん楽しそうにメリーゴーランド乗ってましたしねー!」ガサゴソ
澪「だっ!!! その画像は今すぐ消せ!!」
律「もう待ち受けにしちゃった」パカッ
澪「うわぁー! 何てことしてるんだお前は!!」グググ
律「いやーん、おやめになってー」
梓「それに澪先輩、律先輩さわ子先生とか純にも送ってましたよ」
澪「ほーう?」ゴゴゴ
律「いやー、よく撮れてるから皆に送った方がいいかなって……」
澪「いいわけないだろ!!」ゴチンッ
律「あいたっ!!」
唯「写真といえば……こんな写真も撮れたよ!」ゴソゴソ
梓「? 遊園地の園内の写真ですか?」
唯「観覧車の中から撮ったんだよ!」
律「おー!観覧車!」
唯「ねっ?絶景でしょ!?」
梓「普通園内の光景は撮らないと思うんですが……」
唯「それでね、私たちもこんなに人を集めてバンドできたらいいなって思ったんだー」
梓「人の話を……って急にバンドの話!?」
律「おお、唯がめずらしくまともなことを」
唯「りっちゃんたちもそう思わない?」
律「流石にこんなには集まらないと思うけどな」
唯「あー! りっちゃん私たちの力を甘く見ない方がいいよ!」
紬「そうよ! 私たちにできないことなんてないわ!」
梓「ムギ先輩まで!?」
律「でも確かに。私たち5人が集まれば、無理なことなんてないよな! な、梓?」
梓「まず練習ができてない気がするんですが……」
律「あ、明日からやるし!」
唯「私も明日からちゃんとやります!」
紬「明日からお茶菓子は持ってこない方がいいかしら」
唯律「お茶してからちゃんとやります!!」
梓「それじゃ結局いつもどおりな気が……」
澪「まあ、私ららしいって言えば私ららしいし。これでいいんじゃないかな」
梓「……それもそうですね」
澪「さてと。いつまでもこんなとこで話してたら遅くなっちゃうぞ」
紬「そうね。そろそろ帰ろっか」
梓「ですね」
律「よーし!道案内は任せろー! みんな座席に座ったかー?」
澪「歩いて帰るんだよ!」
カーナビ「こうしてッ!! 軽音部史上二回目のドライブはッ!! フッ!! 静かに!!! 幕ウォオオオオ!! 閉じたァアアアアアーー!!」
澪「そして全然静かじゃない!!!」プチッ
おわる
最終更新:2015年02月10日 23:59