純「あーずさー。おひるだよおひるー。ごはんごはん」

梓「はいはい。今いくからちょっと待って」

じー

律「……」

梓「」


律「……」じー

梓「……」

律「……よっ」

梓「……」

じー

律「ちょ、まっ」


純「どしたの梓。え、もしかしてお弁当わすれた?」

梓「あ、いや、その」

純「もーはやくしてよー。おなかすいておなかすいてひからびそうなんだよこっちは」

梓「ご、ごめん……あ、じゃあさ、先に食べてていいよ。私あれ、あの、トイレ。じゃないほけ職員室!職員室いくから!」

純「は?どこって?」

梓「職員室!!」

純「おこらんでも」


~~~~トイレ~~~~

じー

律「ぷはっ」

梓「……なんでいるんですか、律先輩」

律「あれ?職員室じゃないじゃんトイレじゃんここ」

梓「そんなことどうでもいいですから質問にこたえてください」

律「ひい梓ちゃんこわい」

梓「なんで律先輩が、私のカバンのなかにいるんですか」

律「なんだよう。いちゃわるい?」

梓「わりと」

律「しんらつ」


梓「いいからはやく説明してください。そんで出てってください」

律「え?あー、それむり」

梓「おこりますよ」

律「ええー……私がわるいんじゃないのに」

梓「かくなるうえはひっこぬきます」

律「きょうの梓なんかほんとにこわいんだけど」

梓「おなかすいてるんです。すごく」

律「あ・きいてよころべ梓。お弁当にからーげ入ってたぞからーげ」

梓「あ、やったあ」

律「美味しかったぞあれ」

梓「……あ?」


律「まさか殴られるとはおもわなんだ」

梓「おなかすいてるって言いましたよね?」

律「反省してます」

梓「まったく、いきなりカバンのなかにいたと思ったら、出られないとかほざいて居座って、あげく勝手にお弁当たべて……」

律「おはずかしッス」

梓「帰りにコンビニ寄りますからね。からーげ買ってもらいますからね。あとおにぎりも」

律「さいふもってきてなーい」

梓「こっのおでこバカ……」

律「お?!先輩だぞこら!」

梓「先輩でもですよ!」


律「あ・そうそうおでこバカといえばさあ」

梓「そんな言葉から思い出すことなんかあるんですか」

律「まあきいて?昨日の夕方のことなんだけど」

梓「……うわ、ひょっとしなくてもその話ながいですよね」

律「そうでもないよ?まあきいて?」

梓「ええー……やだなあ……」

律「そもそも説明しろと言ったのは梓じゃないか」

梓「あ、そこにつながるんですか。まあじゃあはやく話してください」

律「上からくるねえ」


~~~~昨日の夕方~~~~

澪「今日という今日はもう怒ったぞ!このおでこバカ!」

律「なっ!だあれがおでこバカだ!!このおかっぱおっぱい!!」

澪「な、なんだとこの!おでこ!おでこでこ!!」

律「おうおでこでわりーか!かわいかろ!」

澪「かわいくなーい!!ぜーんぜんかわいくなーいー!!」

律「澪のおかっぱおっぱいだってかわいくねーしー!!」

澪「ぎゃー!!」

律「ぎゃー!!」


~~~~トイレ~~~~

律「っていうことがあってね」

梓「小学生でもやんないようなケンカしてますねおふたり」

律「まあね。澪がわるい」

梓「しかも仲直りしてないんですか」

律「そら澪が謝らんことには仲直りなんてとてもとてものトーテムポールよ」

梓「閉めますよ」

律「あん待って」


梓「で、その話が、律先輩が私のカバンのなかにいることにどうつながるんですか」

律「あ。それね」

梓「それねじゃないですはやくしてください」

律「あせらせるな」

梓「じらすな」

律「きりーん」

梓「ひっぱたきますよ」

律「ツッコミくらいしてくれても」


律「ほんとにひっぱたかれるとは思わなんだ」

梓「次はカバン閉めて振り回したりしますから」

律「お弁当たべてすぐだぞおい。そんなことされたらやばい」

梓「話そらさないでください。そろそろ説明うながすのもつかれるんです」

律「おつかれさまです」

梓「だからそういうのが要らないんですよ」

律「ゴメン。で、あ、なんの話だっけ?」

梓「澪先輩とケンカしたって話です次そういうボケかましたらやりますからね」

律「ボケじゃないのに。あー。んでね、ケンカするじゃん、まあ帰るじゃん、歯みがいてねるじゃん。おきるじゃん」

梓「はい」

律「起きたらここにいたんだわ」


~~~~~~~~

じー

律「おえー!あっぶね!吐く!からーげ吐く!」

梓「ひとのお弁当かってに食べといて更に吐き捨てるなんてどんだけあつかましいんですか」

律「いやいや、吐かせたの梓だしってまだ吐いてないけど!あ、つーかそもそもいまカバン振り回されるいわれなくない?!」

梓「ありますよ。トンチンカンなこと言ったじゃないですか」

律「いや、ありのままの話なんだけど……」

梓「それ本気で言ってます?」

律「まじもんりっちゃん」

梓「吐け!吐けこの!私のからーげ!!」

律「ぐええええ!!まままてまて、吐いたってそんなもん食えたもんじゃないぞっていうかカバンがどえらいことになるぞ―?!」

梓「だから!律先輩がふっざけるから悪いんじゃないですか!!」

律「悪いのは澪だよ!!」

梓「なんでもかんでも澪先輩のせいにするんじゃありません!!」

律「なんでおかーさんみたいな喋り方すんの」

梓「もーほんとやだ……おなかすいたし……」


律「ね、きいてきいて。私はこう考えるわけ」

梓「……なんですか」

律「澪キレてるじゃん?あいつキレたらなにすっか分からんとこあるじゃん?」

梓「ノーコメントでお願いします」

律「ずるいな。まあ、んで、澪が怒りのあまり私を梓のカバンに閉じ込めて出られなくしたんじゃないかなー、と……」

梓「根拠は?」

律「澪が私にキレてること」

梓「乏しすぎます」

律「そう?じゃどう説明すんのさこれ。そもそもこの大きさのカバンに人間ひとり入ってることからしておかしいんだよ?わたしゃエスパー田井中かっつうの」

梓「そう言われてみれば」

律「でしょ?」

梓「考えるのやめたくなってきますね」

律「まってまって」


梓「じゃあなんですか、律先輩の言うようにこれが澪先輩のやったことだとして」

律「うん」

梓「真の敵は澪先輩だー、とかそういう?」

律「はなしがわかるやん」

梓「そうやって私を味方に引きこもうとしないでください」

律「ちっばれた。でもさ、澪のせいで梓が被害こうむってるのは事実だよ?」

梓「だからって律先輩が私のお弁当たべた罪は消えませんよ」

律「あらー記憶力いいのね……」

梓「だからおなかすいてるって言ってるじゃないですか」

律「まあなんだ、澪のところ行ってみよ?私がなんとかごめんなさいさせちゃる。したら私もカバンから出られるし、梓は迷惑から開放されて万々歳だ」

梓「からーげは戻ってきませんけどね」

律「ねちねちと」

梓「おなかすいてんだよこっちは!!!!!」


~~~~先輩らの教室~~~~

ドア「ガラッ」

梓「澪先輩ー、いますかー」

澪「あれ。梓だ」

梓「ああよかったいた」

澪「どうしたんだ梓。もうそろそろ昼休みおわるけど」

梓「あ、えーとですね。律先輩がなんか、話があるみたいなんですけど」

澪「律?律ならきょうは学校きてないぞ」

梓「え?あ、いや、いますよ。律先輩、いるんです」

澪「??いやでも教室には……あ、保健室にいるとか?」

梓「えっとそうじゃなくて」

澪「まあ……いるなら話してきたら?はやくしないと昼休み終わっちゃうぞ」

梓「え?」

澪「?律に話があるんでしょ?」

梓「ああいえ、律先輩が、です」

澪「梓に、でしょ?」

梓「澪先輩に、です!」



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最終更新:2015年07月01日 07:16