『秋山談義~詩聖あずにゃん~』
律「梓とかけまして」
梓「なんですかいきなり」
律「ガナーザクウォーリアとときます」
梓「は?」
律「ところで梓はどんなムエタイが好き?」
梓「全部置いといて訳のわからんボケをかますんじゃないよ!!!!」
律「私は鉄人28号かなー」
梓「もう家で1人でしゃべっててくださいよ…」
梓「というかどうしたんですか。今日は一段と理不尽なトークで」
律「どうもこうもないぜ」
梓「普段通りってことですか?」
律「違ぇよ!大事件が起きたんだよ!」
梓「はぁ」
律「聞いて驚くなよ…なんと、澪に彼氏が出来たんだ!」
梓「なにィ!?」ガタッ
律「どうやら相手は近所の大学生らしい」ゴクリ
梓「そんな…近所ってことは、律先輩も知ってる人ですか!?」
律「ああ。冴えないあんちくしょうだぜ」
梓「澪先輩に彼氏…」
律「最近付き合い悪いと思ったらこれだぜ…」
梓「私はこの目で見るまで信じませんよ!」
律「おお…好きにしろよ…今度の日曜、デートらしいぞ」
梓「尾行します!」
律「昼から、って情報はある。私に出来るのはここまでだ…」
梓「はい!やってやるです!!!」
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梓「…」ズズズ…
律「…」ズズズ…
梓「もうね、律先輩の嘘は全く目的が見えないんですよ」
律「悪かったってー。まさか本当に尾行するとは思わなくてさー」
梓「『彼氏?そ、そんなのいるわけないだろ!今日は、その、詩を書きにちょっと…』」
梓「『…梓も、来るか?いや、律と仲良いみたいだし、私も少しは先輩らしいところ見せておかないとなって…』」
梓「天使!!!!!!!」
律「はいはい」
梓「おかげさまで日曜日は澪先輩と作詞デートできたんで免罪としましょう」
律「その割にはお茶まで淹れさせられたんだけど」
梓「それくらいは罪の意識持ってくださいよ」
律「いいけどさ…」
梓「そのとき預かった詩がここにあります」サッ
律「うわ…マジかよ…」
梓「『ここはおとぎの国 森の動物たちと ダンスダンスダンス』」
律「もういい!聞きたくない!」
梓「なら私が作ったヤツを」サッ
律「ほう。そっちは大丈夫そうだな」
梓「『りんごの森の子猫たちに 誘われたのよ楽しいパーティ』」
律「スプーンおばさんじゃねーか!」
梓「もう一つあります」
律「なんだ」
梓「『ひとしずく愛をのせて あの人にあげたいの 夢色の小さなスプーン』」
律「スプーンおばさんじゃねーか!もういいわ!!!」
『キングオブ軽音部』
律「王様ゲームやろうぜ!」
梓「2人でですか…」
律「はい!引いた引いた!」スッ
梓「…」ヒョイ
律「よし、王様だーれだ!」
梓「私1番です」
律「お、私かー!」
梓「何するんですか?」
律「じゃあなー…1番の人が王様のモノマネ!」
梓「…」ファサ
律「?」
梓「…」スッスッ
律「…」
梓「…おかしーし」クスッ
律「はぁあああああああああ!!?????」
律「おま、な、な、なぜそれ、あず、あずさ!!!!」
梓「なに真っ赤になってるんですか気味悪いですよ」
律「うるせー!お前なんで知ってる!」
梓「なんででしょうね。七不思議にしときましょうか」
律「ぐぬぬぬぬ…」
梓「さて、まだやりますか王様ゲーム」
律「いや、いい…」
梓「このままだと律先輩が意外と可愛らしいってだけになっちゃいますよ」
律「それは…困るな…」
梓「なにかやらかさないといけないわけでもないんですけど…」
律「だが今の私なら何でもできる」
梓「じゃあ私のモノマネを」
律「私とてザビ家の男だ!無駄死にはしない!」
梓「それは梓じゃなくてガルマです。母音しか合ってないじゃないですか」
律「う、攻撃が当たらないぞ!」ブンブン
梓「それはマヌーサです」
律「ファイナルフュゥゥゥゥゥゥゥゥジョン!!!!」
梓「それは獅子王凱です」
律「こんな感じでどうだろう」
梓「まぁまぁですかね」
律「それはなによりだ」
『澪「最近梓が律みたいなんだよな…」』
律「おーっす」ガチャ
梓「あ、どうも」カチャカチャ
律「…なにしてんのそれ」
梓「プラモですよ。商店街の福引の景品です」
律「リガズィとはまた…」
梓「ガンダムは初代以外よくわからないんですけど、当たったからには組み立ててみようかなって」
律「ふむ。梓はそういうの組み立てたことあるのか?」
梓「いえ、初めてです。調べたらニッパーがいるとか書いてあったんですけど、なかったんで爪切りで代用してます」パチン
律「あー…まぁいいんじゃないか」
梓「紙やすりもないので爪切りで代用してます」ゴシゴシ
律「爪切りすげぇな」
梓「もう出来そうなんですけど、できたところでどうしましょうねコレ」カチャカチャ
律「飾っといたら?」
梓「どこにですか」
律「自分の部屋とか」
梓「えー」
律「なんだよ」
梓「いらないです」
律「ひどい」
梓「律先輩あげますよ」
律「私も別にいらないなぁ…」
梓「なら部室に飾りましょうか」
律「そうしろそうしろ」
梓「…できた!」パチン
律「おー…バリ取り雑いなぁ…」
梓「さ、水槽に入れとくとしましょう」
律「トンちゃんのルームメイトか」
梓「はい。沈みますかねー…」ポイ
律「…浮いてるな」
梓「想定内です」
律「どうするつもりだ」
梓「捨てましょう」ザパァポイッ
律「もうなにがしたいんだよ!今日の会話と梓の行動丸々無駄じゃん!」
梓「そういう日もありますよ」
律「意味わからん…」
梓「ロックンロール」
律「今回ばかりは違うと思うぞ…」
『時は無常にも去り行く』
律「冬も過ぎ少しだけ暖かくなってきました」
梓「ついさっきまで夏だったような気がしますね」
律「そんなもんさ」
梓「そんなもんですかね」
律「そんなもんそんなもん」
梓「早いものです」
律「そだなー」
梓「…それで、話ってなんですか」
律「ああ。すまないな梓。みんなと別れて余韻に浸りたいだろうに」
梓「いいんですよ。他でもない律先輩の呼び出しですからね」
律「…」
梓「さ、話して下さい。何の用ですか」
律「…なぁ、梓」
梓「はい」
『たまには昔の話を、許してください』
律「私は先輩をやれていただろうか」
梓「…」
律「部長をやれていただろうか」
梓「…」
律「どう思う」
梓「…」
律「答えてくれ。私は…どうだった」
梓「どうもこうも」
梓「…」
律「…」
梓「…私の目標です」
律「…」
梓「それ以上でも、以下でもないです」
律「そっか。へへ。喜んでいいんだよな」
梓「どうなんでしょうね。好きにしてください」
律「…梓」
梓「なんですか」
律「軽音部、楽しかったか?」
梓「…それは、もう。楽しくない日なんて、ありませんでしたよ」
律「そうか。そいつはよかった」
梓「…」
律「もう、唯も澪もムギも…私も卒業だ」
律「軽音部は、梓に託す」
梓「…」
律「どれだけ望んだって、過去は戻っちゃこない」
梓「…」
律「私たちのおかげで楽しかったって、そう思うんならさ」
律「あの頃はよかったなんて、後輩の前では口が裂けても言うんじゃないぞ」
梓「…」
律「…これが最後の、部長
田井中律の言葉だ。いいな、梓」
梓「…はい」
梓「任せておいて…くださいよ…」
律「…おう」
梓「私は…」
梓「…」
梓「私はッ!!」
梓「それ以上にも、以下にも、これからです!」
律「…」
梓「…律先輩」
律「ん?」
梓「ご卒業、おめでとうございます」
律「ああ。ありがとう」
梓「また、必ずお会いしましょう。そのときは…」
律「おう。待ってるぜ、梓」
梓「…はい。すぐに追いつきます」
律「ははっ!そんなに遠くはないだろうよ」
梓「ふふっ、どうでしょうね」
律「…」
梓「…」
律「…そろそろ行くよ」
梓「はい。お話、ありがとうございました」
律「元気で」
梓「そちらこそ」
律「んじゃなー」ヒラヒラ
梓「…」ペコリ
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梓「ふんふんふ~ん」ジュワジュワジュワ
?「こんにちは~」ガチャッ
梓「あ、菫。よく来たね」ジュジュジュジュジュジュ
菫「…部室でなにやってるんですか」
梓「からあげ揚げてる」ヒョイヒョイヒョイ
菫「…はぁ」
梓「食べるでしょ?」
菫「いただきますけど~…」
梓「けど、なにさ」
菫「…なんでもないです」
梓「? さ、召し上がれ」コトッ
菫「…いただきます」モグモグ
梓「美味しいでしょ?」
菫「…すごく美味しいです」
梓「自信作なんだ~」モグモグ
菫「ふーん…中野家の味、ってやつですか?」
梓「…」
梓「いや、」
梓「軽音部直伝の味、かな」
おわり
読んでくださった方、いらっしゃったらありがとうございました。
次はもっとネタ切れなく上手に書きたいです。
最終更新:2015年07月06日 18:17