唯「えへへ~……ふふふー……」

梓「飲み過ぎですよ!(か、完全に酔っ払ってる……)」

唯「最後の日くらいさ、パーッといこうよ!」

梓「最後っていっても大晦日じゃないですか……」

唯「そっ、一年で最後の日~」

梓「……それに、今日が最後なら元旦の明日は一年で最初の日ですよ? 酔っ払いながら新年迎えるのって幸先悪いと思うんですけど」

唯「まあまあ、そんな堅いこと言わずにさ~」

梓「私、結構飲んでますよ。(唯先輩より飲んでるような……)」クイッ

唯「でもわたしみたいに酔っ払ってないでしょ~?」

梓「それは唯先輩が私よりお酒に弱いだけです」

唯「はぁ~なんだかあったかいや……」クイッ

梓「ですね……」クイッ

唯「…………あずにゃんはやさしいねえ、まったくぅ」

梓「……えっ?」

唯「あずにゃんはやさしいね、って言ったの」

梓「いきなりどうしたんですか……」

唯「見ての通り~……だよ。それに今もね」

梓「今も?」

唯「この瞬間でもね……なんでだかわかる?」

梓「いえ……わからないです」

唯「ちゃんと返事してくれるからだよ」

梓「……はあ」

唯「ふつうはさ、もっと適当にあしらわれてもおかしくないよ! 今の酔ってるわたし!」

梓「自覚してたんですか……」

唯「もちろんっ。こんなに酔っ払ってて今もふわふわしながら話してるし」

梓「ふわふわ……たしかに。それで、えっと……返事してもらえるのがそんなにうれしいんですか」

唯「あたりまえだよ~……これはあずにゃんとの心のキャッチボールだからね」クイッ

梓「キャッチボール……」クイッ

唯「わたしが投げようとすると、あずにゃんはキャッチしようと……こう……構えてくれるよね?」

梓「よね? って言われても……」

唯「とにかく構えてくれてるんだよ。ほらっ! 今のだってそう……」

梓「(そんなこと意識してないんだけどなあ……)」

唯「今なんてふーらふらに酔っ払ってる。ちゃんとあずにゃんに投げられるかわかんないよ」

梓「…………」

唯「それでも、それでも……あずにゃんはわたしが投げるのを待ってくれていて、さ……」

梓「(……私は)」

唯「しかも、毎日待ってくれてる……もちろん私は毎日酔ってるわけじゃないけどね。ずっとだよ、ずっと待って……」

梓「(唯先輩はただなんとなく毎日話してるだけじゃなくて……)」

唯「そんなやさしいあずにゃんが大好きなんだよ」

梓「(私のことを……一言一言想ってくれている、ってことなのかな)」

唯「わたしの声……あずにゃん届いてる?」

梓「届いてますよ、ちゃんと私に」

唯「そっか、それならよかったよ」

梓「はい」

唯「ねえ、あずにゃん」

梓「なんですか、唯先輩」

唯「明日さ、初詣いこうね」

梓「いきましょう、必ず」

唯「約束だよぅ? ふふ~……変なこと話しちゃったー……。酔っ払ってるからかな?」

梓「かもしれませんねぇ」

唯「はあ……」クイッ

梓「はぁ~……」クイッ

唯「来年も良い年になるといいねぇ」

梓「一緒に良い年にしましょう。これも約束です」

唯「わかった、約束だねぇ……」

梓「……約束ですからね」


おわり。




最終更新:2015年07月28日 11:14