律「おーい、澪ー、明日の恩那組との対決ライブの事で話が…」
澪「あっ、も、もしもし。夜分すいません、私です」
律「…おっと、電話中か」
澪「今お時間大丈夫ですか? 少し相談がありまして…」
律(澪が敬語で喋ってるな…相手は先輩なのか?)
澪「あ、はい、ありがとうございます。そんなに時間はかからないと思うので、はい」
律(私の声にも気付かないくらい緊張してるようだし確実か。相手は誰だろう、部長とかか?)
澪「はい、こっちでもうまくやってます。はい、元気です」
律(こっちでも、ということは知り合ったのは向こう、地元の先輩か? 少なくともこっちにいる部長達じゃないのか…)
(っていうか、あまり盗み聞きするのも良くないか。ボチボチ退散しますかね)
澪「律もいますしね。え? はい、律はいつも通りですよ」
律(えっ、私の事も知ってるのか? 私と澪の共通の先輩…誰だ? 帰るつもりだったけど気になってきたぞ…)
澪「ふふっ、大丈夫ですよ。律もちゃんとやってます」
律(うーん、共通の先輩ってーと曽我部先輩くらいしか思いつかないけど…あの人は違うよなぁ、こっちに居るし)
(ということは小中学時代の先輩か? 唯やムギの名前は出てないし、その可能性も…)
澪「で…その、実はもうすぐライブがありまして。ええ、軽音部の」
律(あれっ、違うな。小中学時代は二人だけでやってたし、軽音部の事を知ってるのはやっぱり高校以降の知り合いってことになるはず…誰だ?)
澪「大学で正式な舞台で演奏する初めてのライブなんですけど…高校時代の初めてのライブを思い出してしまって」
律(何だ何だ、まーた緊張してんのか? いつになっても澪のやつは…って、電話の相手もこんな気持ちなのかねー)
澪「…はい、そうです、パンツ見られた事件を。今回もこんなアクシデントがあったら嫌だなぁって…」
律(そっちかよ! あんなのそうそう起きないと思うけど…一応気をつけて見ておいてやるか。って、まるで保護者だね私)
(…ん? そっか、澪がこんな相談をするくらいだ、相手も保護者みたいな存在…さわちゃんとかの可能性も? っていうかさわちゃんなんじゃ? いや、きっとそうに違いない)
澪「すいません、こんな事を相談してしまって。えっ? ふふ、そうですね、【パンツ見られた同盟】ですもんね、私達は」
律「相手もパンツ見られた人!? 誰!? 誰なんだ相手!?」
澪「なっ、り、律!? いつからそこに!? すいません律がいたので切ります!」ブチッ
律「しまったつい声が。いや、でも私は最初にちゃんと声かけたぞ! 澪は電話してて気付かなかったけど!」
澪「だからって盗み聞きするなよ!」
律「それは謝る! 私の名前が出たから止め時がわからなくてつい!」
澪「一応気付かなかった私も悪いけど盗み聞きは良くない!」
律「ごめんて! でも相手がすっげー気になるんだけど!」
澪「律には関係ない!」
律「そうかもしれないけど!」
澪「あ、でも相手は律には関係あるな。だって律んちのおじさんだし、相手」
律「……………は?」
澪「いや、律のお父さん」
律「…親父かよおおおおおおパンツ見られた同盟の相手っていい歳こいたウチの親父かよおおおおおおオマエそれ全然状況が違うだろうがああああああ!!!!!」
澪「な、なんかゴメン…」
おわれ
最終更新:2016年05月10日 07:30