律「え、えーと………い、1万円………?」

澪(り、律ーーーーーーー!!)

梓(それは欲張り過ぎではありませんかっ!?)

さわ子「やっぱそんなもんか。カビ生えてたもんね」

律「じゃ、じゃあこれ1万円………」ハイ

さわ子「ありがとう。焼肉でも食べに行こうかしら♪先に帰るわねー」


 バタン


唯「………………」

澪「………………」

紬「………………」

梓「………………」

律「………ど、どーする?」

澪「ど、どうするって何がだよ?」

律「分け前に決まってるだろっ?」

梓「残りは49万円ですよね?」

唯「ご、五人で割ったら………」エートエート

紬「一人9万8000円よ、唯ちゃん」

澪「そ、そうか……それだけあれば……」ゴクリ

律「ちょっと待った!!」

梓「な、なんですか?」

律「………五等分はおかしくないか?」

唯「どーゆうこと?」

律「この金は本来全額さわちゃんに渡すはずだった……それが今ここにあるのは誰のおかげだ?」

紬「………確かに、りっちゃんの機転があってこそよね」

律「そうだ。あれだけのファインプレーをした私がみんなと同じ額ってのはどうなんだ?」

澪「なんだよ……はっきり言えよ」

律「私には20万は貰える権利があるはずだ!」

梓「なっ!?」

律「私が20万、残りの29万をお前達四人で分ける。これでどうだ?」

唯「に、29万円を四人で割ったら………」エートエート

紬「一人7万2500円よ、唯ちゃん」

梓「横暴ですよ!律先輩、そこまでやるんですか!?」

澪「そうだぞ!このお金は軽音部みんなの物だ!公平に分けないと………」

律「なにおう!そもそも私がいなかったら手に入らなかった金だぞ!」

唯「ちょっと待ってりっちゃん!!」

律「なんだよ?私の取り分20万は譲らないぞ!」

唯「あのギターを発見したのは誰だった?」

律「うっ……!」

唯「私が物置であれを見つけなかったらそのお金はここにはない!違う?」

律「そ、それは確かに………」

唯「つまり、私も20万円貰える権利があるってことだよ!」

律「わかったわかった。じゃあ私と唯が20万ずつ。残り9万を三人で分ければ………」

澪「待てっ!納得いかないっ!!」

梓「そうですよっ!勝手に決めないでくださいっ!!」

律「なんだよ……お前らはなにもしてないだろ?分けて貰えるだけでもありがたいと思えよ」

唯「そういえば楽器屋までギターを運んだのも、ほとんど私とりっちゃんだったよね?」

律「おぉ!そういやそーだったなー!いいこと言うぜ唯。お前ら三人は私と唯について来てた

  だけだもんな。ただ私らについて来ただけで3万も貰えるなんてラッキーでちゅねー♪」

梓「私、一回運びました!一回も持たなかったのは澪先輩だけです!!」

澪「あっ!こいつ!あ、あれはお前らがじゃんけんに弱かっただけだろ!!」

律「まったく金の亡者どもめ………ムギを見ろ。さっきから一言も文句なんて言ってないぞ!

  私の意見に賛成ってことだよな?」

梓「その人金持ちじゃないですか!私達と一緒にしないでくださいっ!!」

澪「そうだ!そもそもムギはこのくらいの金いらないだろ?辞退するよなっ!?」

紬「正直49万円なんてはした金、どうでもよかったんだけど………

  今のあなた達の態度が気に入らないわ。私も取り分を要求します」

澪梓「」

唯「まあ、取り分って言っても後は9万円をそっちの三人でどう分けるかってだけだから……」

律「そうだな。三人で話し合って決めてくれ」

澪「おい!お前ら二人の20万もこっちは認めてないぞ!」

紬「……ギターを売りに行った楽器屋、うちの系列のお店なの」

律「そ、それは知ってるけど……だからなんだってんだよ?」

紬「唯ちゃんのギターを買う時も私のおかげでかなり値引きしたわよね?憶えてる?」

唯「……う、うん……」

紬「ギターの買い取り額50万円、あれは私があの場にいたから色がついたのよ。

  そうねぇ、本来なら30万円ってところでしょうね」

梓「そ、そんなの、なんの根拠も………」

紬「私のおかげで20万円増額したんだから、私も20万円貰う権利があるわ」

唯(り、りっちゃん……どうしよう………)ヒソヒソ

律(………正直、無茶苦茶な言い分だが……ムギにはこれまで金銭面で色々世話になってる。

  そして、これからも世話になりたい………拒否はできないだろ)ヒソヒソ

唯「で、でも、私が20万円、りっちゃんが20万円、ムギちゃんが20万円だから、

  20万円×3で………」エートエート

紬「60万円よ、唯ちゃん」

唯「そ、そっか。ってゆーことは澪ちゃんとあずにゃんの取り分は

  49万円引く60万円だから………」エートエート

紬「マイナス11万円よ、唯ちゃん」

律「つーことでお前ら二人、5万5000円ずつ払ってくれるか?」

澪「ふざけるなっ!!」

紬「まあまあ、それはいくらなんでもひどすぎるから、49万円を

  私とりっちゃん、唯ちゃんの三人で山分けってことでいいんじゃない?」

唯「一人16万3333円で1円余るね」

律「うーん……まあそれで良しとするか」

梓「なんにも良くないっ!」

律「まあまあ、余った1円はお前らにやるから、ほれ」チャリン  

澪「ちょっと待て、お前ら……そっちがその気なら……言うぞ、さわ子先生に。

  ホントは50万円で売れたんですって!」

梓「そ、そーです!49万円の着服がバレたら……どうなるんでしょうねぇ?」ニヤリ

律「ひ、卑怯だぞ、お前らっ!!」

唯「澪ちゃんあずにゃん、見損なったよ!!」

紬「こ、この人でなしっ!!」

澪「なんとでも言うがいいさ。私は分け前を少しでも多く貰う為なら鬼にもなるっ!」

梓「さあさあ、どうするんですか?御三人さん」ニヤニヤ

律「………お前らの要求は?」

澪「最初に言ったとおり五等分だ。一人9万8000円」

唯「……そんなっ!」

紬「……納得いかないわ!私達が苦労して稼いだお金なのに……なにもしていない

  二人が私達と同じ額を手にするなんて……」ギリッ

梓「嫌ならいいんですよ?えーっと、さわ子先生の電話番号は………っと」ピッピッ

律「待て!……わかった。お前らの要求を呑もう」

唯「りっちゃん!?」

紬「ダメよ!悪人に屈しないで!!」

律「しかし、あいつらの言うことを聞かないと………さわちゃんにチクられて、

  お前らまで怒られることになっちまう………」

紬「わ、私達の為?りっちゃん………あなたって人は………」グスッ

唯「………私、平気だよ、怒られても!だからりっちゃん、負けないでっ!!」

紬「そうよ、私も平気!唯ちゃんとりっちゃんと一緒なら怒られてもきっと大丈夫!

  りっちゃん!あの二人の言いなりになっちゃダメッ!!」

律「唯、ムギ………へへっ、お前ら二人とも大馬鹿野郎だぜ……」

澪「貴様ら、なにをゴチャゴチャ話している?とっとと金をよこせっ!!」

梓「まったく、ノロマな奴らですぜ。どっちみち渡すしかないんだから早くしろってんだ!」

律「………お前らに金は渡さない!!」

澪「な、なにぃぃっ!?」

梓「そ、そんなことして、貴様らどうなるかわかっているのかっ!?」

律「へっ、どうかしてたぜ!この田井中律様が悪人の言いなりになるなんてなっ!

  さわちゃんにチクりたければチクれ!私には仲間がいる。信じられる仲間がな!

  今、私は『白』の中にいる……お前達は『黒』!唯達は『白』!

  『正しいことの白』の中に私はいるッ!もう何も恐くないぜ!!」

唯紬「「りっちゃん!!」」

澪「フハハハハハハ!愚か者どもめ!梓、思い知らせてやれ!さわ子先生に電話だ!!」

梓「了解です!クククッ、馬鹿な奴らだ……!」ピッピッ・・・・・・プルルルル・・・・・・プルルルル・・・・・・


 全員ボッコボコにされて全額没収されました。



 おわり



最終更新:2016年08月31日 07:56