律「なあムギ……私のお茶は?」
紬「えっ?」
唯「私のもないよー?」
紬「ご、ごめんなさい。変ね……ちゃんと5人分淹れたはずなんだけど……」
梓「あの、すいませんムギ先輩……私のも……」
紬「えぇっ!?あ、あら……?ちょ、ちょっと待って……!」
澪「どうしたんだ?ムギ」
紬「1、2、3、4、………………」
聡「えっ!?」
堀込「ど、どういうことかねそれは!」
斉藤「ふむ、妙ですね……軽音部は5人のはずですが」
淳司「いつもより6人多いってことか?」
楽器屋店員「いやいや、ありえないですよ」
㌧「」プクプク
梓「確かに、軽音部は全員で5人のはずです。本来部員ではない人がこの中に6人いる……」
紬「なのに誰が増えているのかがわからない……」
澪「ひぃぃぃぃぃぃ!」ミエナイキコエナイ
律「1人増えてるのに誰なのかわからないって怪談なら聞いたことあるけどなー」
唯「そうだね、6人も多いとなんか……」
梓「はい、あんまり怖くないですね」
澪「充分怖いよ!!」ガクブル
聡「とにかく、紛れ込んでる人には帰ってもらおうよ、姉ちゃん」
律「だからそれが誰だかわかんないって言ってるんだろ?」
斉藤「田井中様、ここにいる11人がそれぞれどういう経緯で軽音部に
入部したかを語るというのはどうでしょうか?」
淳司「なるほど。それを語れなかったり、入部の経緯が不自然な奴が紛れ込んだ人間ってわけだ」
楽器屋店員「いいですね。それ」
㌧「」プクプク
律「よっしゃ!じゃあ私からいくぞ。えーっとまず私らが入学した時
桜高に軽音部はなかったんだよ」
澪「そう、それで律が文芸部に入ろうとしてた私を誘って……」
斉藤「私も誘われました」
律「そうそう。で、私と澪と斉藤さんの三人で他の入部希望者を待ってたんだよ」
紬「そして私と堀込先生が合唱部に入ろうと思って見学に行ったら……」
堀込「うむ。田井中に軽音部に入らないかと勧誘されたんだったな」
澪「はい。そして部活として認められる為にはあと一人必要だということで部員勧誘を続けて……」
唯「私が入部したんだよね!」フンス!
梓「あれ?ちょっと待ってください。おかしくないですか?」
唯「ほぇ?なにが?」
梓「部活として必要な最低人数はたしか4人ですよね?ムギ先輩と堀込先生が
入部した時点でもう5人いるじゃないですか」
律「……ん?そーいやそうだな」
紬「じゃあその後、部員勧誘をする必要はなかったということになるから……」
聡「唯さんが………」
楽器屋店員「紛れ込んだ6人のうちの1人……?」
唯(仮)「ちょ、ちょっと待ってよ!そんなのおかしいよ!」
梓「ゆ、唯先輩落ち着いてください。とりあえず(仮)ということで……
他の皆さんの話も聞いてみないとまだなんとも……」
堀込「……そう言えば今の話しでもう5人揃ってるじゃないか。これで確定じゃないのかね?」
斉藤「そうですな。正式な軽音部員は田井中様、秋山様、紬お嬢様、
堀込様、そして私の5人ということで」
澪「そういうことになるか」
梓「」
淳司「いやいや、待ってくれよ……発足の5人だからってそれが現軽音部員とは
限らないだろ?途中で退部した奴だっていたかもしれないし」
聡「そうですよ。俺達の話も聞いてもらわないと」
律「そうだな。とりあえず続けてみるか」
紬「私達が一年生の間はさっき言った発足メンバーの5人でやってきたわよね?」
唯(仮)「………………」
澪「ああ、そして二年生になって新入部員を勧誘しようってことになって……」
律「で、入部したのが」
淳司「俺と」
梓「私です」
律「………だったよなー」
澪「でもこの時点で軽音部員は7人ってことになっちゃうぞ?」
唯(仮)「誰かが辞めたりしたんじゃないの?」
紬「……そう言えば梓ちゃんって入部してしばらくしてから部活に来なくなったわよね?」
梓「え」
斉藤「ああ、ありましたな」
堀込「たしか軽音部のユルい雰囲気に怒って出て行ったんじゃなかったかね?」
梓「あ、あれはちょっとだけ外バン組もうかなとか思っちゃっただけで……!」
律「……で、そのまま帰ってこなかったと……」
梓「帰ってきましたよ!?」
澪「でもこの時点で7人っていうのはおかしいんだ。
抜けた可能性が一番高いのはおまえなんだよ梓……」
梓(仮)「うぅ……」
唯(仮)「わーい♪あずにゃん仲間仲間~♪」
㌧「」プクプク
紬「これで6人……まだ1人多いってことになるけどそれは後で考えましょうか」
律「そうだな。……そういや聡、おまえまだ話にでてこないけどいつ入部したんだよ?」
聡「姉ちゃんが二年の時の学園祭前だよ。ほら、澪姉とケンカしてしかも風邪ひいて
姉ちゃんがライブに出れないかもってことがあったろ?」
澪「ああ、思い出した。さわ子先生が律の代わりを探したらどうかって言った時に……」
斉藤「はい。紬お嬢様が『りっちゃんの代わりがいます!』とおっしゃって……」
淳司「それで聡くんを連れてきたんだったな」
紬「そうだったわね。………でもこれでまた7人ってことに………」
澪「ん?聡は律の代わりに入部したんだったら、この時点で律がいるのはおかしいんじゃないか?」
律「んなっ!?」
紬「そっか。りっちゃんはこの時退部しちゃったんだね……」
律(仮)「」
唯(仮)「あずにゃんいぇ~い♪」ハイタッチ
梓(仮)「いぇーい♪」パシン
澪「じゃあ私達が二年生の時の学園祭が終わった時点で軽音部員は私とムギ、斉藤さん、堀込先生、
淳司さん、そして聡……この6人だったってことだな」
紬「そうね。そして三年生になってまた新入部員を勧誘しようとしたんだけど
誰も入部してくれなくて……あっ!待って。さっきから軽音部は5人って前提で話してたけど……
トンちゃんは新入部員としてホームセンターで購入したから全部で6人じゃないかしら?」
㌧(確定)「そういうことだな」プクプク
澪「そうか……私達、勘違いしてたんだな。軽音部は全部で6人だったんだ。
それでも現時点でトンちゃんを含めて7人だからまだ1人多いんだけどな……」
紬「それであなたは?店員さん」
楽器屋店員「私ですか?私は皆さんがギターを売りに店にやって来た時、50万円が
支払えなかったのでその肩代わりとして入部したんですよ」
淳司「ああ、あったな。そんなこと」
聡「斉藤さんがギター運ぶ人を決めるじゃんけんに連続で負けて『ずるいですぞ。私ばっかり』って
泣きごと言ってましたよね」
斉藤「さ、聡様、その話はやめてください」
堀込「ははは、でもその後わしが四連敗したんだったな。
やれやれ、年寄りにあんな重いもの運ばせるとは………」
淳司「それで、そのあと堀込先生がギター代の50万をごまかそうとしてさわこ先生にバレて……」アハハ
聡「そうでしたそうでした。あの時の堀込先生の顔といったら……」アハハ
堀込「も、もう勘弁してくれんかね………///」アハハ
㌧(確定)「」プクプク
唯(仮)「………………」
律(仮)「………………」
梓(仮)「………………」
澪「うーん……でもこれで店員さんを含めて軽音部は8人ってことになっちゃうぞ?
この8人にはどこもおかしな所はないし………結局2人多いままじゃないか」
斉藤「いえ、この8人の中にここに居てはおかしい人がまだいます」
紬「そ、それは誰なの斉藤!?」
斉藤「三年次の学園祭前、秋山様は『イルクーツクに移住する』と言っておいででした」
澪「あ、あれはっ!!」
聡「ああ、確かに言ってたね」
楽器屋店員「秋山さんは冗談を言うような人ではないですからね」
堀込「うむ。真面目な秋山が嘘をつくわけがないな。あの時秋山は転校して
軽音部も辞めたと考えるのが妥当だろう」
澪(仮)「そ、そんな……」
律(仮)「ウェルカム澪~♪」
唯(仮)「」ピシガシ
梓(仮)「」グッグッ
紬「さて、これで軽音部員は私、斉藤、堀込先生、淳司さん、聡くん、トンちゃん(確定)、
そして店員さんの7人ということになったのだけど」
淳司「結局1人多いままかー」
斉藤「あと1人は私にもわかりかねますな」
堀込「まあ、あまり気にしないでもいいんじゃないかね?」
楽器屋店員「えぇっ!?そんな、怖いですよ……」ガクブル
聡「店員さんは怖がりですね。大丈夫ですよ」
㌧(確定)「」プクプク
結局、あの日以来1人増えた部員は誰なのか……
それは今でもわかっていません。
座敷童子のようなものでしょうか?
でも私達は変わらず楽しくやっています♪
店員さんは今でもちょっと怖がっていますけど。
斉藤(確定)「ふふふ。聡様は小さくてかわいいですな」ギュッ
聡(確定)「うわっ!や、やめてくださいよ斉藤さん!//////」
淳司(確定)「あはは、聡くん。顔まっかだぞ?」
楽器屋店員(確定)「うぅ……みなさんよく平気ですね……
誰かわからない人が1人増えてるっていうのに……」ミエナイキコエナイ
堀込(確定)「まあまあ店員くん。琴吹のお茶でも飲んで落ち着きなさい。
琴吹、彼にお茶のおかわりを」
紬「は~い♪」ニコニコ
㌧(確定)「」プクプク
みんな大切な仲間ですしこのメンバーが大好きです。
誰が増えたかなんてたいした問題じゃないですよね♪
斉藤(確定)「けいおんが大好きでございます」
おしまい
最終更新:2017年03月15日 07:57