最終部
―軽音部は壊れない―
二回目の学園祭より前の日!
澪「それで和がさぁ…」
唯「あはは 和ちゃんらしいね」
律(まーた和の話かよ澪の奴…)
澪「そしたらまた和が…」
律(イラッ)
「なぁ!明日から昼練しないか?学園祭も近いだろ?」
梓「いいですね!」
唯「あー、りっちゃんが真面目になっちゃった」ブー
翌日の昼休み!
澪「~~でさぁ」
和「フフッ」
ガチャッ
律「澪~。昼練行こうぜ」グイッ
澪「…そうだったな」
「ごめん和、少し抜けるよ」
和「別にいいわ。それよりも練習頑張ってね」
音楽室!
律「よし!全員揃ったな!」
「じゃあお茶にするか」
澪(イラッ…)
澪「…練習するために集まったんだろ?」
律「冗談だよ~。ほら、たこ焼き~」ムニュッ
澪「…練習しないなら帰るぞ……」
律「うん、帰れば?」
澪「!」
律「悪かったよ、和との二人きりの時間を邪魔してさ」
澪「そんな事言ってないだろう!?」ダンッ
唯紬梓(ヤバい…)
唯「どうしちゃったの?二人共…」オロオロ
紬「!」
「二人共?ケーキ食べよう?ね?」
梓(…)オロオロ ハッ!
「け、喧嘩はやめてくださいにゃん!」
澪「元はと言えば~~~」
律「何だよ!お前だって~~」
唯紬梓(本当にヤバい…)
ドグシャァァァアアアアアアン!
承太郎「やかましいッ!うっおとしいぜッ!!お前らッ!!」
唯澪律紬梓(…噛んだ)
シーン…
律「…練習するか」
澪「…そうだな」
唯紬梓(ホッ…)
ジャカジャカジャーン
澪「ん~、まあまあだな」
「それより律、リズムキープできてるのはいいんだけど音が弱いぞ?」
律「大丈夫だよ…」
澪「大丈夫じゃないから言ってるんだろう?」
律「…帰る」
ガチャバタン
澪「なんなんだよ…」
放課後!
唯「りっちゃん来ないね…」
紬「そうね…」
澪「…今日はもう帰るか」
(明日、直接律に聞きに行こう)
翌日2年2組の前!
澪(律は…)
唯「あ、澪ちゃん」
澪「…唯にムギ」
「なあ、律はどこにいる?」
紬「りっちゃんなら風邪で学校をお休みよ」
放課後田井中家!
ピンポーン
澪(反応なしか…)
(ドアは…)
ガラッ
澪(開いた…)
澪「お邪魔します」ボソッ
スタスタスタスタ
澪(律の部屋… 入るか…)
律「澪…?」
ガチャッ
澪「何でわかったんだ?」
律「澪なら足音でわかるよ」
澪「風邪ひいたんだって?」
律「もう大丈夫だよ~。ほら、このとぉー…」コテッ
澪「無理しないで寝とけ」
律「…」
澪「…」
律「ねえ澪…」
澪「…何だ?」
律「…怒ってない?」
澪「怒ってないよ」
律「…本当に?」
澪「本当だよ」フフッ
澪「それじゃあ、私はそろそろ帰るよ」
律「…もう少しいてくれよ。なぁ澪ぉ~」
澪「全く…」フフッ
翌日!
律「りっちゃんふっかーつ!」
唯「心配したよぉ」
紬「本当。すぐ治って良かったわ」
梓「全くです」
承太郎(…喉の調子が悪いな……イガイガする)
次の週!
梓「承太郎先輩が風邪!?」
澪「ああ…さっき連絡があった」
律「全くこんな時期にかかるなんてな~ たるんでるッ!」
澪「お前が言うな!」ゴツン
唯「ねぇ、学園祭まであと1週間だよ?間に合うかなぁ…?」
澪(ジョジョは私を変えてくれた…助けてくれた)
(今度は私が助ける!)
「私、念のためにボーカルの練習もするよ!」
2日後!
コンコン ガチャッ
唯澪律紬梓「!」
さわ子「みんなやってる~?」
律「何だよ、さわちゃんか…」
さわ子「何だとは何よ」ブー
「それより、新しい衣装よ!」
唯「かわいいけど…今はそんな気分じゃないんだ」
澪「すみません…先生」
さわ子「もう!あなた達がそんな事でどうするの!?あなた達は承太郎君を信じてあげなさい!」
この日、ロンドンから一機の飛行機が飛び立った
学園祭当日!
唯「…結局承太郎君来れなかったね」
律「ああ…」
紬「みんな!まだ諦めちゃだめよ!」
澪「でも…」
梓「…承太郎先輩が来れないなら辞退した方がマシです!」
「承太郎先輩がいない軽音部なんて…軽音部じゃありません!」
律「梓…それは誰よりもあいつが望んじゃいない」
「あいつを裏切るような事をしちゃダメだ!」
梓「でも…」
『軽音部のみなさんは体育館に集合してください』
澪「…集合だ」
ステージ裏!
和「あなた達、空条君がいなくても大丈夫なの?」
唯「…仕方ないよ」
澪「うん…辞退だけはしちゃダメだ、ジョジョのためにも」
ステージ!
律「みんな!切り換えていくぞ!」
「今日の私達の演奏をジョジョに届けれるように!」
ガガガガガガガガガ
ピカッ
ザワザワ… オイ、ジョジョガイネーゾ ホントウダ ドウシタノカシラ
唯『みなさん、こんにちは。軽音部です』
『今、ボーカルの空条承太郎君が欠席しちゃってて…』
『不完全な状態の私達だけど、精一杯演奏します』
『まず1曲目、「カレーのちライス」』
1曲目が終わり、2曲目も終わる。
きっと、とても酷い演奏なんだろうな…
唯『次は3曲目、「私の恋はホッチキス」』
~~~♪
ジャカジャカジャーン
終わった。
次で最後だ。
承太郎君がいないだけでこんなに変わるなんて…
今はただ、早く時間が過ぎ去って欲しかった。
唯『最後の曲です。「ふわふわタ…
バタンッ
「待てッ!」
生徒 !
唯澪律紬梓「!!」
スタスタスタスタ
承太郎「…遅れたようだな」
ダダダダッ
唯「遅いよ…」プルプル
律「…怒る気にもなんねーよ」
澪「…ジョジョ」グスッ
紬「待ってたわ…」
梓「遅すぎです…責任とってください…」グスン
承太郎「…みんな、悪かった」
「俺はもう大丈夫だ、じいさんのおかげで」
ダンッ
承太郎『…俺達が軽音部だ』
『…ここにいる奴ら全員揃っての軽音部だ』
『この中の誰か1人が欠けた時点で、それは軽音部じゃない』
『今まで相当酷い演奏を聞かせてきたんだろう…』
『…すまなかった』
『だが今俺達は揃った』
『最後の曲だけは、最高の演奏で届けられる』
『だから心して聞いてくれ』
『ふ わ ふ わ 時 間 ッ !』
完ッ
最終更新:2017年05月28日 21:54