純「……準備は出来てますか?」

純「そうですか。では……、いきます」




 「DJ.純ちゃんの
  純CHAN★JAN★RADIO!」



純「初めましてのあなたも、またお会いしたあなたも、こんばんは!」

純「“DJ.純ちゃんの純CHAN★JAN★RADIO!”の時間です!」

純「初めてお会いした方のために言っておきましょう。
 この番組は、果たして何をやるのか……?」

純「はい、全然決まってます! 今回ばかりは!」

唯「つまりイレギュラーなんだね」

純「ゲスト紹介の前に出てくるゲストもイレギュラーですよ」

純「というわけで、今回のゲストは放課後ティータイムの
 リード&ボーカル、慌てんぼうの平沢唯さんです!」

唯「秋なのに、まるでサンタだね。よろしく~。
 それで、今回は何をやるのかな?」

純「聞いて驚かないでくださいよ?」

唯「うん、じゃあ全く驚かないね!」

純「それはそれでショックです」

唯「じゃあ適度に驚くね」

純「演技するってことじゃないですか」

唯「文化祭の経験を活かすよ!」

純「木だったじゃないですか」

純「まあ、前置きはこの辺にしておきまして、
 早速本題に入るとしましょう」

唯「おぉ~」

純「タイミング合わせていきますよ。せーの」




純「秋の、けいおんSS企画!」


唯・純「結果発表~!」



純「いやあ、ついに発表ですね~。
 皆さんもきっと心待ちにしてくれていたはずですよ」

唯「そ、そうだといいね……」

純「幸先悪いコメントは止めてください」

唯「冗談だよー」

純「本当、一寸先は闇ですよ……」

唯「そんなことはないよ、きっと」

純「さーて、そんな不安が一杯の今回の企画ですが……、
 実際のところ、企画者も初めから不安で一杯でした!」

唯「祝日でもなんでもない期間の開催だったからね。
 正直、どれほど集まるのか不安だったよ」

純「でもでも、蓋を開けたらびっくり! なんと八作品も集まりました!」

唯「本当にもう、ありがたいね。
 五、六作品集まれば良い方だと思ってたし」

純「そうでしたね、こんな時期ですし」

唯「連休は土日だけで、祝日でもないしね」

唯「そんな時期なのに、作品を書き上げた方々がこんなにいてくれて、
 思わずガッツポーズをしちゃったよ!」

純「えーと、そのガッツポーズはどう受け取ればいいんですか?」

唯「よし、これで企画は成立した! みたいな」

純「酷く利己的なガッツポーズですね」

唯「いや、冗談だよ?」

純「なら大丈夫ですね。リスナーが幻滅するだけです」

唯「どこが大丈夫なのかな」

純「自分で撒いた種じゃないですか」

純「……そして、投票してくれた方々も忘れてはいけません!
 その人数、なんと合計二十三人!」

純「なんと二十人以上の方が投票してくれました。
 ありがとうございました!」

唯「今回投票してくれた二十三人の方は、必ず幸せになれます!」

純「それ、どんな宗教ですか?」

唯「少なくとも、今年の秋だけは!」

純「もう終わりそうですね」

唯「最近財政難なんで、これが精一杯だよ……」

純「初めからそんな効能ありませんから。
 財政難に成り様がありませんよ」

唯「投票しなかった人は……ああ、言うのも恐ろしい」

純「……しなかった人の身にも、なにも起きません!
 怪しい匂い漂わせるの禁止です!」

唯「えー」

純「では、唯先輩が怪しいことする前に、
 投票した方もしなかった方も平等に見れる、
 結果発表へと参りたいと思います」



純「そんなわけで、まずは第八位です」

唯「ストップだよ、純ちゃん。同じポイントの人がいるからね」

純「あれ、本当ですね。ではお二方とも七位としましょう」

純「では、第七位!」



唯「二番手 ◆svsd2HZT5Eさんの“澪「春夏秋冬山」」”と」

純「七番手 ◆d3pEpNjf.gさんの“律「なぁ~澪~」”でした!」



純「両者とも獲得ポイントは64ポイントです」

唯「まずは二番手 ◆svsd2HZT5Eさんの“澪「春夏秋冬山」」”だね」

純「絶対、澪先輩の姓である“秋山”を使ったネタはくると思ってました。
 まさか四季を登場させるのは、想定外でしたけどね」

唯「設定も想像を遥かに越えるスケールだったね。
 その分、最後はそれでいいのか! って突っ込みが飛び出たね」

純「私だったら、四人の澪先輩へ飛んでいきますけどね」

唯「純ちゃんの都合は聞いてないよ?」

純「次に七番手 ◆d3pEpNjf.gさんの“律「なぁ~澪~」”は、どうでした?」

唯「平常運転の日常って感じかな? それ以上、言いようが無い気もするよ」

純「なるほど。確かに何点出したのかを具体的に言ったり、
 感想をもっと膨らませていれば、変わってたかもしれませんね」



唯「お次に、第六位の作品発表!」

純「第六位は66ポイント獲得!」



純「一番手 ◆VXgvBvozh2さんの“紬「今日のおやつは焼き芋よ~」”です!」



純「これもまた、日常風景が広がる作品ですね。
 特にそのテーマを焼き芋に絞っていました」

唯「焼き芋が出て来た時点で、あのオチは確定なのかな」

純「そういうわけでもないんでしょうけど、思いつくのはソレになりますよね」

唯「つまりそれが、秋の味覚を狙うハンターたちの、サガなんだね」

純「ちょっとカッコいい言い回しですけど、所詮アレですからね」

唯「ところでサガってどういう字書くんだろうね?」

純「唯先輩は勉学の秋にでも励んだらどうですか。
 そんな秋があるかは知りませんけど」

唯「……あれ純ちゃん、このスタジオなんかちょっと臭」

唯「なんでもないよ」

純「臭いがリスナーに伝わらないからって、その冗談はやめてください」

純「……なんでスタッフの皆さんまで、嫌な顔してるんですか」

唯「だって、純ちゃん、したし」

純「してませんからね!?」



純「気を取り直して……次に、第五位です!」

唯「第五位は68ポイント獲得!」



唯「六番手 ◆9AX1BgUSRAさんの“秋奉行秋山”です!」



純「空気だけでも笑わせてくれる作品ですね。
 澪先輩が少し高い位置から私たちを見下ろしている、
 そんな情景が思い浮かびました」

唯「ごごごごごごご、だけで作品全体の雰囲気が掴めちゃうよね」

純「そこまで掴めるかはともかく、面白い空気の作品ですね」

唯「ごごごごごごご」

純「……にやけながら言っても、迫力ありませんよ」

唯「ごごごごごごご?」

純「そうです」

唯「ごごごごごごご……」

純「いやいや、落ち込まないでください。
 さっさと次にいきますよ」



純「第四位!」

唯「ごごごごごごご!」

純「それはもういいです。第四位は69ポイント獲得の」



純「三番手 無名 ◆4xyA15XiqQさんの“「ドーナツだけはゆずれない」”です!」



唯「……“さん”?」

純「まあ、流れで」

純「お分かりの通り、自分の作品です。
 私があるドーナツをつまみ食いしてしまいながらも、
 もう一つをまるまる頂きたい衝動に駆られてしまう、というものですね」

唯「そういえば作品の中で、なにか小説が取り上げられていたけど?」

純「あれは“夏期限定トロピカルパフェ事件”という小説で、
 この作品自体もその中の短編をきっかけに書いた作品です」

純「私、これが大好きなんですよ。それはなんといってもですね」

唯「これ以上語らせると長引きそうなので、次いきましょう!」

純「えっ」



唯「ついにトップスリー入りです。第三位!」

純「えー、獲得ポイントは77ポイント! 第三位の作品は」



純「四番手 ◆k0s67bY5G6さんの“さわ子「遠くまで」”です!」



唯「おお、さわちゃん視点の作品だね!」

純「ですね。ほとんどの作品は、生徒側に視点があると思いますし」

純「普段真面目とはかけ離れた二人同士が、
 これまた真面目に話し合うというのも珍しい」

唯「その二つの点で新鮮な作品だったね~」

純「まあ、私がそういうのを、
 あまり読んでいないだけかもしれませんけどね」

唯「さわちゃんが先生っぽいっていうのも珍しいよね」

純「百年に一度見れれば良い方でしょうね」

唯「あとりっちゃんが部長っぽいのも珍しいよね」

純「一応それは否定しておきますね。同じ軽音部として」

唯「えっ、でも純ちゃん、さっきそんな風なこと言ってたよね?」

純「えっ」

唯「普段真面目とはかけ離れた、って」

純「……あ」

唯「でしょ?」

純「ちょっと待ってくださいね。
 ……すみません、さっきのオフレコに……」

純「……あ、生放送……。
 そりゃそうですよね、ええ……。まあ毎回そうですし」

純「……くそっ!」

唯「最後の一言をオフレコにすべきだよ、純ちゃん」



唯「ではでは、ついに第二位です!」

純「どきどきですね。
 これで発表されなかった方が、第一位なわけですから」

純「獲得ポイントは78ポイント!
 惜しくも一位を逃がし、第二位だったのは……」



純「五番手 ◆vZmyym56/2さんの“梓「冬に紅葉って昔唯先輩だった誰かが言った」”です!」



唯「おお、私がタイトルにいるよ! なら断トツの一位だね!」

純「違います、惜しくも二位です」

純「これは、とても不思議な魅力に溢れる作品ですね。
 ところどころに出てくる“紅葉”が、良い味出してますね」

唯「思わず私も紅葉しちゃったよ~」

純「唯先輩ののろけ話はともかくとして、
 この作品は最も多くの人が五点満点を入れた作品です!」

唯「それなのに一位じゃないの?」

純「この作品は読んでて混乱する人もいるみたいですしね」

唯「なるほど~」

純「ところで唯先輩は、紅葉を見に行きました?」

唯「銀杏なら拾ったよ!」

純「へー、それは良かったデスネー」

唯「思いっきり呆れられた」

純「一位の発表へ向けて、力を温存しているだけです」



純「そして栄えある、第一位!」

唯「秋のSS企画、そのトップを飾ったのは!」

純「獲得ポイント、84ポイント!」



唯・純「八番手 ◆oVQwBwg15oさんの“唯「ボリュームアップ澪ちゃん!」”でした!」



唯「この作品が一位になったね!」

純「非常に安定した評価を受け、堂々のトップに踊り出ましたね」

唯「終始胸の話だったね」

純「それはちょっと違うと思います」

純「澪先輩のフォルムが素晴らしいという話です」

唯「それもちょっとどうかと思うよ?」

純「まあこんな感じの、軽めの作品でした!」

唯「おめでとうございます!」




唯「これで全部?」

純「そうですね」




純「以上で、結果発表を終えたいと思います。
 皆さんの好きな作品は、どの順位にありましたか?」

唯「主催する側になって、色々な発見があったね」

純「そうですね。まず、投票する人によって、
 作品の評価は本当に千差万別だということですね」

唯「投票の内訳がそれを示してるね」

純「一見順位が低い作品でも、高い得点が入れられてますしね」

唯「今回は、万人受けしなくても読んでくれる人はいるし、
 高く評価してくれる人もいるっていうことがわかる、
 良い機会になったんじゃないかな!」

純「それと、自分の企画に作品が集まる嬉しさですね。
 最初の方、全然集まっていなかったので、本当不安でした」

純「それが集まっていくにつれ、込み上げる嬉しさ。
 他にも、ただ感想が書かれただけで、
 とても嬉しい気持ちになりましたね」

唯「……これはつまり、
 企画の主催をするだけで、あなたは必ず幸せになれると」

純「また宗教ですか。なんだか怪しい結論が出ちゃいましたね」

唯「企画って、危険な遊びだったんだね……」

純「それは違うと思います」

唯「……まあ、楽しい気持ちになれるのは本当です!
 こうやって、楽しく企画が続いていけばいいなあと思います!」

純「ふう、やっと綺麗に終われそうですね。大変でしたよ」

唯「純ちゃんが変な話題をちょくちょく振るからだよ?」

純「どの口が言うんですか」

唯「折角だし、この流れのまま、お開きにしよっか」

純「……なんだか釈然としませんけど、そうしましょう!」


純「えー、では今日のゲストは、
 放課後ティータイムのリード&ボーカル、平沢唯さんでした。
 唯先輩、今日はどうもありがとうございました!」

唯「とっても楽しかったよ!」

純「そして、ついにお時間が来てしまったようです!
 皆さんは楽しい時間が過ごせましたか?」

純「皆さんの楽しい毎日を応援する、
 今日の“DJ.純ちゃんの純CHAN★JAN★RADIO!”は
 これにて終了とさせていただきます!」

純「それでは皆さん」

唯「また会える日を信じて」



唯・純「さようなら!」



 「DJ.純ちゃんの
  純CHAN★JAN★RADIO!
  ‐完‐」



純「……あっ、食欲の秋が多かったですね」

唯「今それ言う!?」



 ‐お し ま い‐




最終更新:2012年11月20日 23:52