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  • エピローグ Poppin'Party-

【市ヶ谷家 蔵】

 放課後ティータイムとの共演から数カ月後のある日、市ヶ谷有咲の蔵では、久々にPoppin'Partyによるライブが行われようとしていた。


香澄「ん~~~♪ 蔵イブ、久々だね♪」

有咲「まさか、またここでやることになるなんて思わなかったけどな」

りみ「香澄ちゃん、今日の新曲はどうしても限定ライブで聴かせたい人がいるんだって言ってたもんね」

たえ「うん、私も楽しみだったんだ♪」

沙綾「さてと、そろそろ来る頃じゃないかな?」


声「すみませ~ん」

声「お、お邪魔しまーす」

香澄「あ……来た来た……♪」

 声のする方へ目線を送る。

 そこには、唯が妹の憂を連れているのが見えていた。

唯「香澄ちゃん、お久しぶりだね~」

憂「み、皆さんはじめまして、平沢唯の妹の、憂です」

香澄「唯さ~ん♪ 会いたかったです♪」

唯「あははっ、私もだよ、香澄ちゃん♪」

香澄「妹さんも来て下さってありがとうございます! 今日は、精一杯演奏するので聴いてってください♪」

憂「はい、こちらこそ、よろしくお願いします♪」


唯「いやー、しっかし、スタジオを自分で持ってるなんて、香澄ちゃん、すごいねぇ~」

有咲「まぁ、スタジオって呼べる程立派じゃないですけど、良かったらゆっくりしてって下さい」

憂「私、パウンドケーキを焼いてきたんです、良かったら皆さんでどうぞ♪」

りみ「わぁぁ、あ、ありがとうございますっ」

 唯と憂の来訪により、蔵はいつも以上の賑わいを見せていた。

 それから程なく、ライブの準備は進み、いよいよ唯と憂、2人の為の蔵イブが開かれる。



香澄「お二人とも、今日は来て下さって、ありがとうございま~す♪」

唯「いぇーい♪ 香澄ちゃん、こちらこそありがとー♪」

憂「ありがと~♪」

香澄「早速ですが聴いて下さいっ♪ 『キズナミュージック♪』」

 ――♪ ~~~♪ ―――♪


香澄『――教室の窓の外 はしゃぐ声――』

 優しい旋律に乗せられ、香澄の元気な歌声が響き渡る。

 少女達の音楽を愛する純粋な気持ちは歌となり、音となり、唯と憂の心を動かしていく。

 その心のままに、唯と憂の二人は、香澄達の奏でる歌に聴き入っていた。 


 ――♪ ―――♪

香澄「ありがとうございましたっ!」

 ――パチパチパチパチっ


唯「香澄ちゃん! いいよー! 良かったよー♪」

憂「うんうん♪ 私も、すっごく楽しいです♪」

香澄「へへへっ……ありがとうございます! それでは続いて、新曲、行きたいと思います!」

唯「わぁ……新曲だって!」

憂「楽しみだね、お姉ちゃんっ♪」

香澄「この歌は、私の原点……あの時のキラキラ、ドキドキした気持ちを思い出して作ってみました……それでは、聴いて下さい」


香澄「――『トゥインクル・スターダスト』!!」

 ――♪ ―――♪ ―――♪


 どこか聞き覚えのある音色とともに、その歌は始められた。

 それは、誰もがよく知る童謡『きらきら星』をベースにアレンジされた歌。


 ――唯と香澄があの日、職場体験実習で初めて共に奏でた歌だった。


唯(香澄ちゃん……)

香澄(楽しい……歌が……演奏が、こんなに楽しいだなんて……♪)

有咲(へへへっ……香澄のやつ、結構乗ってるな)

沙綾(私達も、負けてらんないね)

たえ(うんっ、そうだね♪)

りみ(みんな……♪)

 香澄達の意思は一つとなり、一心に音を紡いでいく。

 その光景は、唯と憂の心をより一層昂らせ、歌の虜にしていった。

唯「いぇ~い! 香澄ちゃん! いっけ~~♪」

憂(ふふふっ……お姉ちゃんもあんなに楽しそうにしてる……)

唯(香澄ちゃんの言ってた、キラキラ、ドキドキっていう感じ、私にもなんとなく分かるよ……!)

香澄(もっと……もっともっと……キラキラドキドキしたい! この感じを唯さんにも、もっと伝わってほしい……!)


唯(香澄ちゃん、音楽って……)

香澄(唯さん、バンドって………!)


唯・香澄((――最高……だね!))


 少女達の歌声が蔵に響き、幸福に満ちた一時が訪れる。

 誰もが笑いあい、奇跡の出会いに喜び、その歌を口ずさむ。

 音楽を愛するその純粋な輝きは、いつまでも、どこまでも……紡がれていく――。

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  • エピローグ 放課後ティータイム-

 数多の客で賑わうとあるホールの前に、放課後の5人は集まっていた。


律「まさか、こうしてまたライブをやるだなんてな……」

澪「ああ、ほんと、人生って何があるか分からないよなぁ……」

唯「うん……まさか私達が『FUTURE WORLD FES.』のオープニングライブをやるだなんてね~」

梓「ガールズバンドパーティーで私達の演奏を見てくれた関係者の方から連絡があった時は驚きました……思わず腰抜かすかと思いましたよ……」

紬「ふふふっ……お客さんも凄い数ね……」

 開場までまだ時間があるというのにも関わらず、既に会場となるホールには多数の客で賑わっている。

 テレビの中継だろうか、辺りにはカメラを構えたクルーの姿も見え、まさに一大イベントと言った様相を呈していた。


紬「あ、ねえ……見て、ほら、ここの名前」

律「ああ……『桜が丘グレープホール』……ははは、何の因果だろうな」

梓「ふふっ……ええ、まさかの『葡萄館』……ですからね……もう、見た時は笑っちゃって……」

澪「形は違うけど、なんだかんだで私達の夢、叶ったな……」

唯「うん、確かに本当の武道館じゃないけど、でも……ここが今は私達の武道館だよ」

紬「あの時、まりなちゃんに出会えてなかったら……きっとこうはならなかったわね……」

梓「ええ……奇跡とか運命って……本当にあるんですね……」

 それからしばらく、それぞれの気持ちを胸に、5人は感傷に浸っていくのであった。

律「それじゃーみんな、今日も楽しく盛り上がっていこーぜ!」

澪「ああ! そうだな!」

紬「私達の演奏を……!」

唯「私達の想いを……!」

梓「会場のみんなに、届けてやりましょう!!」


律「放課後ティータイム………行くぞ!!」

一同「――おおーーっっ!」

 ホールの前で、少女達は勢いよく叫び出す。


 何よりも眩しく、輝きに満ちたライブが再び始まる。

 それは5つの輝きを受けた少女達により紡がれる、もう一つの輝き……。


 『絆』という輝きは、今日もステージの少女達を照らし出していた――。





唯「皆さんどうもーーーー!!! 私達が…………!」


 ――放課後ティータイムです!!!



 Fin...




最終更新:2019年12月15日 08:37