純「ぅぅうぅぅ…………ぶた!」ブヒ
梓「……」
憂「……」
1年「「……」」
純「…………」
純「ス、スベッた……」
~~~~~
純(うん、今思い返してもあのスベりはないなぁ)
純(ちょっとリベンジしたいよね……)ヨシッ
~~~~~
2年教室。お昼休み
純「お待たせー」ガタ
梓「遅かったね。購買混んでた?」モグモグ
純「あーうん、今日は特に混んでたよ~」
憂「純ちゃんごめんね、一緒に行けなくて」
純「あぁいいっていいって。いただきまーす」ガサガサ
梓憂純「「「……」」」モグモグモグ
純「……」モグ…
純「……うっ!?!?!?」
梓「?」 憂「純ちゃん?」
純「ど、どうしよう。指が動かなくなって……! うぅ……」
憂「大丈夫~!?」 梓「……」
純「はうううぅ…………かに!」チョキーン
憂「フェ?」 梓「…………」
純「…………」
純(またスベッた…………)カクッ
憂「あっ、この前のやつ?」
梓「なんで今……?」
純「二人とも、今のは忘れて……」
~~~
五限後、休憩時間!
純(さっきは失敗だったー。今度こそ……)
梓「ふぁ~~あ……」クアア…
憂「ご飯の後は眠くなっちゃうね~」
梓「んん……憂~、なんか目が覚めることない~?」
憂「う~~ん……」
純「だいぶ眠そーだね梓っ」
梓「純は元気ねえー……」
純「ふっふん、まあねー」ゴソ…
純「……」ひょいっひょいっ
梓「……?」
憂「キーホルダー?」
純「ふふふ」ひょいひょい
梓「なあに……? ……猫じゃらしのつもり?」
純「へへ、梓も食いつくかなーと思って。 …………ウ"ッ!?」カターン
梓憂「「!?」」
純「ど、どうしよう、指が動かなくなっちゃった……!」
梓憂「「…………」」
純「くぅうううぅ………」プルプル
純「イベリコぶた!!!」ブヒヒ
憂「……」ポカーン
梓「ファ~ア……」クアア…
純「…………」
純(ま、またスベッた……!!!)
憂「じゅ、純ちゃんおもしろ~い」パチパチ …
純「ごめん憂……そのフォロー、余計心にくる……」シクシク
憂「純ちゃん……」
梓「憂は優しいなぁ……」
~~~
純(むむむ……でもなんか、これで終わりたくない……)
純(あと一回! 放課後最後に一回やって、キッパリ終わりにしよう!)
~~~
ーー放課後!
純「は~~終わったあ~~~」グググ~
梓「お疲れー純、今日ジャズ研は?」
純「休み。今日はこのまま帰ってゲームかな~♪」ピコピコ
梓「またハマったの……?」アハハ
憂「やりすぎは良くないよ?」
純「えへへ……でも中々やめられないんだよね~…………」ピコピコ
純「ウッ!?!?」ピッコーン
梓憂「「!?」」
純「ど……どうしよう……!? 指が動かなくなっちゃった…………」
梓憂「「…………」」
純「ううううっ………… ………ざりがに!」ザリー
梓「…………」
憂「アッははははは! ザ、ザリガニってwww純ちゃwwヒュフゥッwwwいっひっひwww」ケラケラ
梓(愛想笑いがより高度に!? 憂、健気な子!)
純「あ……ありがと……憂……。 ……んっ?」
ーー唯「ほおおおお~~~…………!!!」キラキラ
憂「ウィッヒヒィwww……って、あれ? お姉ちゃん?」ケロッ
梓「え、唯先輩?」クルッ
唯「フンスッ……!!!」キラキラ
純「ど、どうも……」
唯「純ちゃんすごいねえ~……!!! ね! ちょっと部室においでよっ!!! ねっ!?」グイ
純「うええっ?」
唯「じゃあねー憂っ! あっ。あずにゃん! また部室でねー!」
梓「ちょ、ちょっと!? センパ~イ!?」
ーーガチャッ バタンッ
梓「行っちゃった……なんだったの……?」
憂「多分、梓ちゃんを迎えに来たんだと思うけど……純ちゃん連れてっちゃったね……」
梓「……?」
~~~~~
ーー軽音部!
律「して唯隊員よ。成果の方は?」
唯「はいっ! 二年の教室にあずにゃんを迎えに行って、純ちゃんを連れてきましたっ!」
律「なんでやねんっ!!!」ビシ!
唯「ぐはぁ!」
純「な、なんかスイマセン……」
澪「いいんだよ。むしろ、こっちが悪いよ……」
純「あっ、でも私は全然大丈夫ですから!」
紬「唯ちゃん、梓ちゃんは???」
唯「ン? 声はかけてきたし、もうすぐ来ると思うよ~」
ーーガチャッ
梓「すみませんっ、遅くなりました!」
唯「ほらぁ」
梓「あ、唯先輩! さっきはなんだったんですか!? やっぱり純もいるし……」
律「そーだよ。なんだって笹原さんに来てもらったんだー? 理由を言え理由をー」
澪「鈴木さんッ」ゴチ 律「ぎへ」
唯「そうだったね。じゃあちょうどみんな揃ったところだし、私の大発見を発表するよ!」
純「…………?」
~~~~~
ティータイム!
唯「さっきあずにゃんを迎えに行った時、私は衝撃を受けたんだよ!」
唯「純ちゃんがね!? なんと憂を笑わせてたんだよ!」
純「えっ」
澪「へ?」 紬「?」 律「それがどーしたんだよ?」
唯「それがただ笑ってたんじゃないよ! 大笑いだよ大笑い! 爆笑してたんだよ!? 憂が!」
純「え……」
澪「言われてみれば、憂ちゃんが大笑いするイメージってあんまりないな」
唯「私、あんな風に笑ってる憂、初めて見たよ!」
律「ふむ……それほど鈴木さんのネタかなんかが面白かったってことか?」
唯「そうに違いないよ!」フンス
紬「どんなことしてたの??」
純「」ギョッ
唯「そこなんだけど、実は終わりがけでよく分かんなくてね? だからもっかいやってもらおうと思って呼んだんだよ! ねっ純ちゃん!」
純「」
律「あのおしとやかな憂ちゃんが大笑いするほどのネタか……ふむ……」
紬「なんだか気になる♪ ぜひ見せてもらいたいわ♪」ワクワク
唯「でしょでしょー!!!」
純(どうしよ……先輩達の前でアレやるなんて無理だよ…………あ、梓助けて!)チラッ
梓「……www」ウククククww
純(こいつ~……!)
澪「でも……そんな改まって披露するなんて、鈴木さんも調子狂うし、やりにくいだろ?」
純「!」(さ、さっすが澪先輩! ナイス助け舟……)パァァ
梓「あ、でも大丈夫だと思いますよ? 憂に見せてたやつ、もうクラスで何回もやってて、得意そうでしたから」
澪「そ、そうなんだ……」
純(梓ァァァァッ!!!!)
純「いっ、いやっ!!! 私そんなっ……皆さんにウケるような芸なんて……!」
唯「大丈夫だよぅ。別にウケなくってもどんなのか見せてもらえればそれで満足だし!!!」
純(それはそれでキツイよおお!)
唯「純ちゃんおねが~い。私もあんな風に憂を笑わせてみたいよ!」ズイ
律「かぁ~! アタシも気になってきた! ねっ!? 鈴木さんちょこぉ~っとでいいから!」ズイ
紬「私からもお願い♪ あ、紅茶おかわり入れるね♪」ズズイ
純「う…………」
澪「こ、こらっ……!! 三人とも無理強いはよせ!!」
梓「澪先輩も気になりませんか?」
澪「え、まあ……気にはなるけど……」
梓「純のことなら大丈夫です。あれで結構マイペースで、あがり知らずなんですから」
澪「そう……?」
純(覚えてろ梓~……)
唯紬「「…………」」キラキラ
純「っ……」
純「分かりました……」ガタ
律紬唯「「「おお~!!!」」」パチパチパチ
純「えっと……どこからやればいいかな……」
律「あ~、振りが要る感じ?」
純「あ、そうなんですっ! まず誰かと話してて、指を動かす作業をしてて……あ、それはどっちが先でもよくて、とりあえずそこから始まるんですけど……」
澪「う、うん?」
唯「ん~、とりあえずやってる振りだけでいいよ~」
純「あ、じゃあ……例えばこうやって指の運動をしてて……」クイックイックイッ
律紬唯「「「ふんふん……」」」
純「う"っ!?!?」ビキーン
律澪紬唯「「「!?」」」
純「つうっ……ど、どうしよう……指が動かなくなって…………」
澪「ええっ……!?」
律「え、大丈夫っ?」
紬「失敗しちゃった……?」
唯「ちょっと見せてごらん?」ガタ
純「チョ、チョットマッテ…… くうううううっ…………」
純「…………ぶた!!!」ブヒ!
唯「へ?」 律「はっ?」 紬「?」 澪「はい?」
純「…………」
律澪紬唯「「「「…………」」」」
純「…………」
純「今のです……」
律澪紬唯「「「「えっ」」」」 梓「wwww」
純(スベッた…………)ショボン
~~~~
澪「ごめんな……。やっぱり無理させちゃったみたいで」
純「あ、はは……いいんです……」ホロリ
律「ま、まああれだよ! 場の空気とかもあるしさ!」
唯「そうそう! 何が面白いと感じるかは人によって違うんだよ純ちゃんっ!」
紬「私は良かったと思うわ!」
純「あはははは……」ズーン
唯「そうだ! じゃあ私やってみるよ!」ガタッ
純「!?」
梓「唯先輩が!?」
律「おおー! やってみろやってみろ!」
唯「えーっと、まずギー太をこう弾いてたとして…………」さっ
唯「…………じゃかじゃかじゃんじゃん♪ じゃかじゃん じゃか…う"っ!?!?」ピキーン
律「唯ー、どうしたー?」
唯「ゆ、指がぁあ! 指が動かなくなったあー!」ワナワナ
紬「からの~♪」
唯「んん~~~っ! ぶた!!!」ぶひ!
梓「キャッキャッキャッキャッキャwwww」
澪「あ、梓……?」
梓「あっwwスッ すみません! あ、余りにもお似合いだったもので……www」プクク
唯「なんかひどくない~?」ブ~
澪「まあ……こういうのは誰がやるかによって色々変わってくるよな」
唯「じゃあ次は澪ちゃんの番っ!」
澪「うええっ!? わ、私は無理だよ!」
律「後がつかえてるんだぞー早くしろー」
紬「澪ちゃんバージョン待ってます!」
純梓
澪「」
澪「……わ、分かったよ」ガタ…
律紬唯梓純「「「「「お~」」」」」パチパチ
澪「まずこうやって……。 ……これは歌詞を書いてるんだ……」スラスラ
澪「…………うっ!!!」
澪「ア、アー!? 指が、動かなくなっちゃったー」
梓(すごい棒読み!)
澪「えっと………… う、くぅぅ………」グググ
澪「…………ぶ、ぶた?」プヒ
純(く~っ……カワイイ……)ジュン
梓(澪先輩がやると全然違う……)
唯紬「「モエモエ~キュン?」」
澪「うう……恥ずかし……」
律「だーめだめぇ、全然なってねーな~」
澪「し、仕方ないだろ?」
律「おっしゃあ! ここはアタシが手本を見せてやるっ!」ガタッ
唯「おお~りっちゃん!!!」
紬「りっちゃん頑張って!」
律「では……」オホン
律「…………ぐはあっ!? 手、手があっ!? 手が動かねえーっ!!!」
律「からのっ!? いよぉお~~~ッ!!! ……バルタンせいじーーん!!!」ジョキーン
律「フォッフォッフォッフォッフォッフォwwww」
唯「ぶふww」 澪「くっw」
梓「律先輩似過ぎですっwww」
紬「りっちゃん変な声っ♪」キャッキャッ
純(すごい……フツーにウケてる……)
律「まっ、これくらいできなきゃ軽音部部長は務まらないよな!」
澪「関係ないだろっ」ぴし
紬「じゃあ次私やってみるね!!!」ガタ
唯「いけ~ムギちゃーん」
律「お手並み拝見だな~」
梓(これは中々にレアな気が……!)
紬「うふふ…………」スッ… スッ… ススス
紬「……これは紅茶をいれてま~す♪」
唯「あはは、いつものムギちゃんだ♪」
梓(そして……?)
紬「あっ……!? 指が……動かなくなっちゃった……!?」
律澪(からの?)
紬「んんん~~~~ ……ロブスタ~~~!!!!!」グワァァッ
唯「おー! ムギちゃん豪快~!」パチパチ
律「豪華だナァー」 ハハハ
澪「なんかセレブ感……」
わいわいがやがや
純「…………」
梓「…………」
純「…………」
梓「なんというか、純とは大違いだね」コソ
純「ううう~~~っ……」カァァ
~~~~
~~~~
~~~~
その夜。 平沢家!
唯「ふむふむ……ここがこうで……? ふむ……」シャンシャンシャン
憂「あ、お姉ちゃんギター?」
唯「ウン。ここんところがなかなか難しくって……」シャンシャンシャ……
唯「ーーあうっ!?」ビキーン
憂「お姉ちゃんっ!?」
唯「う、憂ぃ……どうしよ……指が動かないよぉ……」
憂「ええっ!? だ、大丈夫!?」オロオロ
唯「うううぅうぅ……」ブルブル
憂「お姉ちゃあんっ……」
唯「………… ……ぶた!!!」ブヒ!!!
憂「へっ?」
唯「……」
唯「……」チラッ
憂「……」
唯「……」チラッチラッ
憂「……」
憂「ぷっ……うふふ、ふふっ……♪」クスクス
唯「……あれ~?」
憂「お姉ちゃんっ、それひょっとして純ちゃんの真似?」ニコニコ
唯「うん。でも純ちゃんみたいにはいかないやぁ」
憂「そうなの? すっごく良かったよ♪ 指は大丈夫?」ニコニコ
~~~~~
~~~~~
~~~~~
鈴木家!
純「う"あ"あ"~~~っ! もうあんなの二度とやるもんかぁ~~~~っ!!!」ジタバタ
おわり!
最終更新:2020年01月07日 12:40