和「海イグアナごっこ?」
紬「ええ」
和「海イグアナって確か…」
紬「知ってるの?」
和「ガラパゴス諸島に住んでるイグアナじゃなかったかしら」
紬「ええ、そうよ。これがその写真」
和「…かわいい」
紬「うん。かわいいよね」
和「それでごっこって何をするの? 海水浴に行くには少し寒いわよ」
紬「そこで出てくるのがこっちの写真なんだけど…」
和「これは…」
紬(ちょっとグロかったかしら)
和「写真の焼き増しお願いしてもいいかしら」
紬「う、うん」
和「それでムギは、こうやってみんなで重なり合って寝てみたいのね」
紬「なんでわかったの?」
和「ムギは結構わかりやすいから」
紬「そっかぁ」
和「それ、唯にも参加させるんでしょ」
紬「うん」
和「それなら勿論私も参加するわ」
紬(最近和ちゃんが肉食系乙女になってきた気がするわ…)
和「さっそく作戦会議といきましょう」
紬「まずは私達が部室で重なり合って寝ます」
和「うん」
紬「すると他の部員がきます」
和「うんうん」
紬「私達に重なります」
和「うんうんうん……って、どういう理屈で?」
紬「女の子が重なってたら、自分も混ざりたいと思うのが普通じゃない?」
和「それはムギの普通であって、女の子一般のふつうじゃないわ」
紬「えっ」
和「でも…それくらい単純なほうが上手くいくのかもしれないわね」
紬「きっとそうよ!」
和「それじゃあ、その作戦でいってみましょうか」
>放課後―部室
梓「こんにちはー」
梓「あれ、まだ誰もいない…って」
梓「ムギ先輩と和先輩?」
紬・和「…」ジー
梓「なにしてるんですか?」
紬・和「…」ジー
梓「重なりあってこっちをジーっと見てる……これは――」
紬・和「…」ジー
梓「私に混ざれということですね!」
紬・和「…」コクン
紬・和「きゃっ」
梓「ぶへっ」
紬「あらあら、加速して飛び込んできたら危ないわ」
和「大丈夫?」
梓「いたたたたたたた」
紬「もう…」ナデナデ
和「あわてんぼうさんね」ナデナデ
梓「ごめんなさい……」
紬「でも最初にきてくれたのが梓ちゃんでよかったわ」ギュ
和「ええ、そうね」ギュ
梓「わっ、そんなに強く抱きしめられたら…」
和「どうなっちゃうのかしら?」
梓「///」
紬「ふふふ、かわいい」
梓「それにしてもお二人はどうして?」
紬「海イグアナごっこをしてたの」
梓「なるほど…」
和「わかるの?」
梓「イグアナといえば爬虫類。爬虫類といえば変温動物ですから」
和「…?」
梓「変温動物が体を寄せあって体温を保つのは珍しいことじゃありません。それにかこつけてムギ先輩が…」
和「すっかりお見通しね」
紬「先輩後輩の絆がなす技よ!!」
梓「はいです!!!」
和(そんなにいいものかしら…)
ガラッ
紬「あら、次の獲物がきたみたい」
澪「みんなー。いないのかー。って、え?」
紬・和・梓「…」ジー
澪「…」クルッ
澪「…」スタスタスタ
紬「帰っちゃ駄目!! 梓ちゃん、和ちゃん。確保よ、確保!」
和・梓「さー! いえっさー!」
澪「な、なにをする。はーなーせー」
和「澪、暴れても無駄よ」
梓「くすっ。一緒に堕ちましょう、澪先輩」
澪「抵抗できない…」
紬「むぎゅっ」ムギュ
和「むぎゅっ」ムギュ
梓「むぎゅっ」ムギュ
澪「そんな三方向から抱き付かれたら…」
紬「抱き付かれたら?」
澪「照れちゃうじゃないか///」
梓「照れてる澪先輩かわいいです」
和「ええ、本当に」
澪「そんな、和まで…」
和「澪に抱きつくのも久しぶりねぇ」
澪「あぁ、そうだな」
紬・梓(この二人に何が!?)
澪「同じクラスだった頃は、よく甘えてたからなぁ」
紬・梓(そ、そういうことかぁ)
澪「でもこうしてると暖かいなぁ」
紬「ええ、海イグアナごっこだから」
澪「海イグアナ?」
紬「ええ、ガラパゴス諸島に住んでるイグアナなんだけど…。写真があるから見てみる?」
澪「い、いや、いいよ。それは遠慮しておくよ。でもガラパゴスかぁ。結構寒いんだよな」
和「知ってるんだ?」
澪「あぁ、ペンギンがいるって聞いたことがある」
梓「寒流でも流れてるんでしょうか」
澪「そうだったかな」
紬「それで集まって体を温めてるんだね」
和「たぶんそうでしょうね」
澪「…なんだかこうしてると心まで暖かくなってくるよ」
紬・和・梓(惜しげもなく恥ずかしい台詞を…)
紬「次はりっちゃんかな! それとも唯ちゃんかな!」
和「佐藤さんかもしれないわ」
梓「佐藤さん?」
和「あの普通にかわいい子」
紬・梓・澪「…?」
和「あら、覚え間違いかしら」
ガラッ
純「こんにちはー。って誰もいない」
和(ほら、あの子)ヒソヒソ
紬(あぁ、山田さんね)ヒソヒソ
梓(違います、あれは田中です。田中純です)ヒソヒソ
純「…おもいっきり聞こえてるんだけど」
梓「あっ、純。どうしたの?」
純「どうしたのじゃないよ! 私は山田でも田中でもなく斉木純だよ!」
純「……はい」
和「澪ったら意外とノリが悪いのね」
紬「そうねぇ…」
梓「ちょっと残念です」
澪「えっ」
純「でも私は澪先輩につっ込んでもらえて嬉しかったですよ」
澪「えっえっ」
梓「それで純…混ざる?」
純「うーん。どうしよっかな。てかみなさん何をやってるんですか?」
紬「海イグアナごっこよ」
純「あぁ、体を寄せあって暖めあってるんですね」
和「な、なんで知ってるの?」
純「兄貴が爬虫類大好きなんですよ」
澪「純ちゃんもおいでよ」
純「はい//」ドサッ
紬「純ちゃんの体って意外と小さいのねぇ」
純「そうですか?」
紬「ええ」
純「それにしても梓…」
梓「なに?」
純「ちゃっかり澪先輩とムギ先輩のおっぱいがあたる位置に陣取ってるんだね」
梓「な、なんのことかな」
和「あら、私の胸じゃ不足かしら…?」
紬(和ちゃんが食い付いた!?)
梓「そ、そんなことありません。でも…」
和「でも?」
梓「和先輩にはちょっと遠慮しちゃって」
和「気にすることないのに」ムギュ
梓「わふぅ///」
澪(和のおっぱいが梓の顔に…大胆だ)
紬「あらあらあらあらあらあらあらあら」
純(7回)
和「梓ちゃん…」
梓「和先輩…」
澪「そういえば律と唯のやつ遅いな」
律「いや、さっきからいるけど」
紬・和・梓・澪・純「えっ」
律「ずっと観察させてもらってたけど…おまえら馬鹿だろ」
澪「り、律が言うな!」
律「はぁ…」
澪「命令だ。律も来い」
律「なんで私がそんな命令――」
和「命令よ、律」
律「和まで」
和「予算申請書の受け取り期限を伸ばしてあげたのは誰だったかしら?」
律「混ざらせていただきます!」ドサッ
紬「やった!」
律「仕方ないなぁ」
紬「りっちゃん」ムギュ
澪「りつぅ」ムギュ
和「律…」ムギュ
梓「私は遠慮しておきますね」
律「な、中野ォ…」
梓「私は和先輩のほうがいいので」ムギュ
和「あらあらこの子ったら」
紬「なついちゃったみたいね」
純「じゃあ私はムギ先輩に」ムギュ
紬「天国って本当にあったのね!」
純「なにを大袈裟な。でもムギ先輩っていい匂いがして柔らかくて抱き心地抜群ですよ」
紬「///」
純(真っ赤になっちゃった。意外と可愛い人なのかもしれない)
?「……」ジー
?「……」ギリッ
紬「……」ゾクッ
純「どうかしました?」
紬「一瞬寒気が……。あ、あれ」
純「ドアの外に誰かいますね」
和「あら、本当。あれは……」
ガラッ スタスタスタ
憂「みなさんこんにちは」ニコニコ
梓(顔は笑ってるけど、なんだか怖い)
紬(修羅場の予感)ワクワク
和「あら、憂じゃない」
憂「和さん。何をしているんですか?」ニコニコ
和「海イグアナごっこをしてたのよ」
憂「ああ、それで体を寄せあって…」ニコニコ
和「ええ」
憂「じゃあ私、もう行きますね」ニコッ
和「ちょっと待って」
憂「え」
和「憂も混ざっていきなさい」
憂「でも和さんは梓ちゃんと…」
和「そんなのいいから。えいっ」ガシッ
憂「の、和さん…」ドタッ
和「うん。いつもの抱き心地」ムギュ
憂「…和ちゃん///」
紬(たらしね)
澪(たらしだな)
梓(たらしですね)
律(たらしだろうな)
純(私も気をつけなくちゃ)
>数分後
紬「暖かいねぇ」
純「そうですねぇ」
梓「こうやって日向ぼっこするのもいいですね」
澪「あぁ、そうだな」
律「たまにはいいかもな」
和「そうねぇ、憂」
憂「そうだね、和ちゃん」
紬「ところで唯ちゃんはどうして来ないのかしら」
憂「あっ」
紬「どうしたの?」
憂「お姉ちゃん、風邪気味だから今日の部活はおやすみするって。それを伝えにきたんです」
紬・和・梓・澪・純・律「…」
紬「ねぇ、和ちゃん。風邪って誰かに伝染すと治るんだよね」
和「そう言うわね」
紬「じゃあこれからみんなで唯ちゃんの家に押しかけない」
梓「いいですね」
憂「純ちゃんもおいでよ」
純「えっ、私も?」
律「それじゃあ行くか」
澪「あぁ」
タッ スタスタスタ
>道中
紬「唯ちゃん、風邪酷くないといいね」
和「憂の話を聞く限り大丈夫そうよ」
紬「今日は唯ちゃんと海イグアナごっこできないかもしれないね」
和「それならそれで仕方ないわ。また次の機会があるわよ」
紬「メインターゲットだったのにね」
和「そうね…」
紬「…」
和「…」
紬「…」
和「ねぇ、ムギ。ちょっと頼みがあるのだけれど」
紬「なぁに?」
和「ムギの力で、海イグアナを個人輸入できないかしら」
紬「えっ」
おしまいっ!
最終更新:2012年11月24日 21:50