唯「ねえ憂」
憂「なあにお姉ちゃん」
唯「ちょうど日付も変わって・・・」
唯「今日は11月27日!私の誕生日だよ」
憂「知ってるよ、おめでとうお姉ちゃん」
唯「ありがと~」
唯「それでね、私やりたい事があるんだ」
憂「やりたいこと?」
唯「うん」
唯「私の誕生日をお祝いしてくれる皆を逆にお祝いするんだよ!」
憂「?」
唯「去年も一昨年も私の誕生日を皆でお祝いしてくれたよね」
憂「うん」
唯「だから今年は私も感謝の気持ちを伝えたいと思って」
唯「お互いに誕生日をお祝いするんだよ!」
憂(相手は誕生日じゃないと思うけど・・・)
唯「サプライズって奴だね!」
唯「あ、皆には内緒だよ!」
唯「どうかな?皆喜んでくれるかな?」
憂「う~ん、なんかおかしい気もするけど・・・」
憂「お姉ちゃんらしくていいんじゃないかな」
唯「だよね!よ~し!じゃあ放課後皆へのプレゼントを買いに行こう!」
憂「頑張ってね、お姉ちゃん」
唯「憂もプレゼント選び手伝ってよ」
憂「私も?」
唯「一人じゃ決められないかも知れないし」
憂「私はパーティー用の食事とかケーキ作らないと・・・」
唯「ちょっとだけだから!お願い!」
憂「う~ん、ちょっとだけだよ」
唯「ありがと~憂」
唯「何買おうかな~」
憂「お姉ちゃんもうこんな時間なんだから寝ないと駄目だよ」
唯「でも明日の事考えないと」
憂「だ~め、今日はもう寝なさい」
唯「ぶーぶー」
憂「お姉ちゃん」
唯「・・・は~い」
唯「それじゃおやすみ~」
憂「おやすみお姉ちゃん」
憂「・・・」
翌日、放課後
唯「みんな!今日は私の誕生日だよ!」
澪「ちゃんと覚えてるって」
律「おめでとさん」
紬「おめでと~」
梓「今年も唯先輩の家でパーティーやったりするんですか?」
唯「うん!みんな来てね!」
紬「楽しみ~」
澪「憂ちゃんの料理は美味しいからな」
律「今年は何が出てくるのかなあ」
梓「何時頃行けばいいですか?」
唯「19時くらいかな?」
唯「これから憂と買い物に行くから、ちょっと遅くなるかも」
澪「じゃあ時間が分かったら教えてくれ」
唯「うん」
唯「あずにゃん、純ちゃんに連絡よろしくね」
梓「はい」
唯「先生と和ちゃんにはさっき言ったし、あとは準備するだけだね」
唯「それじゃ私はこれで!」
律「じゃーなー」
澪「また後で」
タッタッタ・・・
澪「今年も相変わらずだな」
律「普通誕生日パーティーって言ったら本人に内緒で企画するものだよなー」
梓「唯先輩が率先して企画してますもんね」
紬「私は唯ちゃんらしくて良いと思うわ」
澪「まあそれもそうなんだけどな」
律「いつまで経っても子供だな唯は」
律「あ、梓もいつまで経っても子供・・・」
梓「どこ見て言ってるんですか!」
律「元気出せ梓、私が一緒にいてやるから」
梓「変な仲間意識を持たないでください!」
・・・・・・・・・
タッタッタ・・・
唯「おまたせ~」
憂「それじゃ行こっか」
唯「うん!」
憂「・・・プレゼントは何買うか決まったの?」
唯「う~ん、一人一人喜んでくれそうな物って考えてたら頭がこんがらがっちゃって」
憂「そっか、人数多いもんね」
唯「何がいいかな?」
憂「う~ん」
憂「やっぱりこういうのは本人が選ぶから意味があるんじゃないかな」
唯「ほうほう」
憂「お姉ちゃんは感謝の気持ちを伝えたくて皆にプレゼントのお返しをするんだよね」
唯「うん!」
憂「じゃあその気持ちをたくさん込めてあげれば何だって嬉しいはずだよ」
唯「そうかな」
憂「うん、皆にはきっとちゃんと伝わると思う」
憂「何をあげるかじゃなくて、誰がどんな気持ちを込めてあげるかが大事なんだよ」
唯「なるほど」
唯「・・・うん、私頑張って選んでみるよ!心を込めてね!」
憂「頑張って!お姉ちゃん」
唯「それじゃまずは誰のプレゼントを買おうかな~・・・」
憂「お姉ちゃん」
唯「何?」
憂「手伝うって言っておいてなんだけど、やっぱり食事の事もあるし私は私で買い物に行ってきてもいいかな?」
唯「え~もうちょっと一緒に居ようよ、ちゃんと私が選ぶからさ」
憂「ごめんね、ちょっと凝ったものを作ろうと思ってるから」
唯「ん~・・・じゃあ私一人で頑張ってみるよ」
憂「うん、それじゃここで」
唯「気をつけてねー」
憂「お姉ちゃんもねー」
憂「・・・」
唯「さて、それじゃ気合い入れて選びますか!」
唯「まずは・・・」
・・・・・・・・・
ピンポーン
唯「はーい」ガチャ
律「来たぞー!」
唯「みんないらっしゃい!入って入って」
澪「おじゃましまーす」
紬「こんばんは~」
梓「おじゃましますです」
純「こんばんは」
さわ子「寒いわねえ、早く入りましょ」
和「はい」
唯「ちょうどご飯が出来たところだよ!」
憂「みなさんいらっしゃい」
唯「みんな座っててね、今ご飯持ってくるから」
律「待ってました!」
澪「なんか悪いな、気使わせちゃって」
憂「いえいえ、好きでやっているので」
梓「憂はほんとに出来た子だよ」
紬「憂ちゃん、何か手伝う事あるかしら?」
憂「お客さんにそんな事してもらう訳にはいきませんよ」
唯「そうそう、私と憂でやるから」
憂「お姉ちゃんも座ってて良いのに」
唯「いいからいいから」
唯「よし、これでとりあえずOKかな」
唯「ほら憂も座って座って」
憂「私はまだやる事が・・・」
唯「みんなで乾杯するから、ほらほら」
憂「う、うん」
唯「え~」ゴホン
唯「今日は私の誕生日にお集まりいただき・・・」
律「慣れない言葉使うとそのうちボロが出るぞー」
唯「え~本日はお日柄もよく、大安吉日で・・・あれれ」
憂「お、お姉ちゃん」
唯「む~・・・」
唯「お誕生日おめでとう!私!」
唯「かんぱーい!」
全員「か、かんぱーい!」
律「おい唯なんだよ今の」プププ
唯「ち、ちょっと失敗しちゃったかな」
澪「無理しなくていいのに」
紬「でも唯ちゃん素敵だったわ~」
梓「誕生日を祝われる本人が音頭をとるって斬新ですよね」
和「唯だからね」
純「唯先輩って面白いですよね」
和「そうかしら」
純(和先輩にとっての唯先輩はこれが普通なのか)
さわ子「ジュースで乾杯かあ・・・」グビグビ
憂「ワインならありますよ、先生」
さわ子「流石憂ちゃんね、じゃあ遠慮なく貰おうかしら」
憂「はい」
律「しかし憂ちゃんの料理はいつ食べても最高だな」
紬「家で食べるディナーの何倍も美味しいわ」
憂「そんな」
澪「律、憂ちゃんに料理習ったらどうだ?」
律「どういう意味だ」
澪「別に深い意味は無いぞ」
律「なんか腑に落ちない」
澪「律のハンバーグは美味しいけど、凝った料理はイマイチだからな」
律「なんだとー!?もう食べさせてやんねーぞ!」
澪「なっ、それは困る・・・」
律「え」
澪「ん?」
律「・・・ったく」
澪「?」
紬「」キラキラ
純「ねえ梓」
梓「何?」
純「けいおん部ってなんかいいよね」
梓「・・・そうだね」
純「私もこの輪の中に入れて良かったよ」
純「浮いてる気もするけど」
梓「そんな事ないよ」
梓「ここに居る人達がそんな事考えるような人だと思う?」
純「・・・それもそうだね」
梓「乾杯」
純「乾杯」
憂「はい先生、ワインです」
さわ子「ありがと憂ちゃん」
憂「あの、先生から見てお姉ちゃんってどうですか?」
さわ子「唯ちゃん?・・・そうねえ」
さわ子「不思議な子よね」
憂「不思議?」
さわ子「まるであの子を中心に世界が回っているような、そんな感じ」
さわ子「漫画とかアニメなら間違いなく主人公タイプね」
憂「そうですか!お姉ちゃんってそう思われてたんですね!」
さわ子「嬉しそうね、憂ちゃん」
憂「え?」
さわ子「さっき自分の料理を褒められた時よりもずっと嬉しそう」
さわ子「誰かの事を、自分の事以上に喜んだり悲しんだり出来るってすごい事よ」
憂「そう・・・ですか?」
さわ子「憂ちゃんは良い子ねえ」
和「ねえムギ」
紬「なあに?」
和「ムギは大学どこ志望だったかしら」
紬「N女子大よ、和ちゃんは?」
和「私はK大よ、一応だけどね」
紬「K大!?すごいわ和ちゃん」
和「でも流石に唯にK大は無理な気がするの」
紬「そう・・・かもね」
和「唯はきっとムギ達けいおん部と同じ大学に行くと思う」
和「だから」
紬「うん」
和「唯の事よろしくね」
紬「・・・うん、まかせて」
和「辛気くさくなっちゃったわね、さ飲みましょ」
紬「・・・そうね♪」
和「いつかはお酒で乾杯しましょうね」
紬「ええ」
律「おい澪そろそろ」コソコソ
澪「あ、そうだな」
律「皆ちゅうもーく!」
唯「なになに?」
律「ふふふ、実は皆唯に誕生日プレゼントを買って来たのだ!」
唯「なんと」
律「ありがたく受取れい!」
唯「ふふふ」
唯「ふっふっふ」
澪「なんだ?」
律「嬉しすぎて壊れたのか?」
唯「計画通り」
唯「皆ちゅうもーく!」
梓「なんですか」
唯「皆が私の誕生日を祝ってくれる事に感謝して、私からもプレゼントがあります!」
律「な、なにぃ!?」
唯「もちろん個別に!!」
紬「まあ」
唯「私の誕生日を祝ってくれてありがとう!っていうプレゼントだよ!」
唯「言わばダブルハッピーバースデイ!!」
純(意味が分からない)
唯「さ、それじゃプレゼント交換といこー!」
和「私たちが貰ってもいいの?」
唯「いいんだよ!」
唯「欧米の誕生会は主賓がお客さんをもてなす性質が強いって誰かが言ってたし」
和「誰が言ってたのよ」
唯「う~ん、誰だったか・・・天からの声?」
純(天然だなあ)
唯「とにかくプレゼントタイム入るよ!最初は誰かな?」
澪「唯、誕生日おめでとう」
唯「ありがとー!」
澪「はいこれ」
唯「じゃあ私からはこれ」
澪「これかもよろしくな」
唯「こちらこそ」
澪「・・・」
唯「・・・」
唯「あ、安心してね。中身はおパンツじゃないかr」ゴツン
唯「いたた」
澪「ったく」
最終更新:2012年11月27日 21:20