―――
>和の家
和「…zzz」
憂「…zzz」ダキ
和弟「…zzz」ダキ
和妹「…zzz」ダキ
紬「これは微笑ましいわねー」
唯「うん。みんな和ちゃんに抱きついてる」
紬「この二人はやっぱり」
唯「うん。和ちゃんの弟と妹だよ」
紬「うん。見てるだけで幸せな気分になれちゃう」
唯「この二人にはwii Uをあげるよ」
紬「やっぱり"うい"ちゃんだから?」
唯「うん」
―――
紬「そろそろ行きましょうか」
唯「…うん」
紬「でも、二人っきりになれないのはちょっと可哀想かもしれないね…」
唯「二人はそんなこと考えないだろうけど、確かにね…」
紬「ねぇ唯ちゃん。和ちゃんの誕生日にはどうにかして二人っきりにさせてあげられないかしら」
唯「うんっ…それいいね!」
紬「じゃあ作戦を考えておかないと」
唯「うんっ!」
和「行ったみたいね」パチ
憂「はい」パチ
和「全く、あの二人は自由すぎるんだから」
憂「和ちゃん、ちょっと顔が赤いよ」
和「もう…憂にはお見通しかぁ」
憂「今日は無理だけど、和ちゃんの誕生日にはたくさん可愛がってもらいたいな」
和「もう…憂ったら」
憂「えへへ~」
和「今日は無理ですって?」
憂「えっ」
和「まだ性の六時間は始まったばかりよ」
憂「の、和ちゃん」
和「たっぷり可愛がってあげちゃうんだから」
憂「だ、駄目だよ。弟ちゃんと妹ちゃんが起きちゃう」
和「大丈夫。この二人は一度寝ると8時間は起きないから」
憂「///」
―――
>紬の家
唯「次は菫ちゃんだね」
紬「うん」
唯「寝てるかな」
紬「寝てるんじゃないかな」
唯(おじゃましまーす)
菫「zzz」
紬(うん。よく寝てるみたい)
唯(それじゃあプレゼントを靴下に…)
紬(何を入れたの?)
唯(ひみつ)
紬(え~っ)
唯(いくらムギちゃんでもこれだけは教えられないよー)
紬(それなら仕方ないか)
唯(うんうん)
紬(それじゃあ菫、おやすみなさい)
唯(すみれちゃん。おやすみなさい)
―――
>外
唯「後残ってるのは…」
紬「だいたい回ったんじゃない」
唯「そうだね…あっ、さわちゃんが残ってた」
紬「でも家にいるのかしら? 用事があるって言ってクリスマス会には来なかったけど」
唯「う~ん。とりあえず行ってみようか」
紬「うん!」
―――
>さわ子の家
唯「電気はついてるね」
紬「鍵も開いてたわ」
唯「じゃあいるのかなー」
紬「どうだろう……あっ、あれ」
唯「…だれ?」
?「…えっ」
紬「えーっと、どちら様」
?「この人が道端に倒れてたからここまで連れてきました…」
紬「そうなんだ。でもよく住所が分かったね」
?「免許を見せてもらって…」
唯「そうなんだ」
?「信じてくれるんですか…?」
唯「まぁ、さわちゃんだからね」
紬「うん。たぶんクリスマスに約束をすっぽかされたんだろうね」
?「はぁ…」
紬「えっと、お名前教えてもらってもいい?」
?「奥田直…」
紬「そう、直ちゃんって言うんだ。さわ子先生をここまで連れてきてくれてありがとう」
直「この人、先生なんですか…」
唯「そうなんだよー」
直「ですか…」
紬「直ちゃんは中学生なのかな?」
直「はい…」
紬「そろそろ帰ったほうがいいんじゃない? 御両親も心配してるだろうし」
直「両親は今日は帰ってこないんです。でも…」
唯「どうしたのー?」
直「なんでもないです…」
紬「そういわずに話してみて。力になれるかもしれないし」
直「家で待ってる弟達にゲームソフトを買ってあげよう思ったんですけど…」
紬「お金がなかったの?」
直「売り切れだったんです」
紬「なんていうソフト?」
直「レントン教授vs逆転裁判ってソフトなんです…」
紬「ねぇ唯ちゃん」
唯「うん。純ちゃんにあげようとしてたゲームソフトだよー」
直「?」
唯「ねぇ、直ちゃん。これ、お姉ちゃん達からのクリスマスプレゼント」
直「えっ、このソフト弟達がほしがってた…。でも…」
紬「いいの。さわちゃんをここまで運んできて、ずっと見ていてくれたお礼だから」
直「……」
唯「ね」
直「ありがとうございます」
紬「直ちゃんの家ってここから近い?」
直「すぐそこです…」
紬「じゃあ斉藤を呼ぶ必要はないかな」
直「あの、お二人はどこの高校に通っているんですか?」
唯「桜ヶ丘高校だよ」
直「そうですか…」
紬「?」
直「今日はありがとうございました」
唯「直ちゃんこそさわちゃんを看病してくれて本当にありがとうね」
直「…はい。さようなら」
唯「よいクリスマスを」
紬「ええ、よいクリスマスを」
直「お二人も…」
唯「良い子だったね」
紬「ええ。そして…」
唯「ここに悪い大人が一人」
紬「どうしましょうか…」
唯「どうしようか…」
紬「でも、さわ子先生の年齢だと辛いんでしょうね」
唯「…そうかもしれないね」
紬「布団で寝かせてあげよっか」
唯「‥うん」
紬「よいしょうんしょ」
唯「どっこいしょ!」
紬「これでよしっ、っと」
唯「じゃあプレゼントは………あげるわけにはいかないかな」
紬「どうしたの?」
唯「地酒をあげるつもりだったんだけど」
紬「お酒は…」
唯「…うん」
紬「じゃあ朝ごはんでも作ってあげない」
唯「ムギちゃん?」
紬「うんうん。そうしましょう。ねぇ、唯ちゃんも手伝ってくれる?」
唯「うんっ! きっとさわちゃん喜んでくれるよ」
―――
唯紬「できたっ!!」
唯「それじゃあさわちゃん、メリークリスマス」
紬「よいクリスマスではなかったかもしれないけど…さわちゃんがいるおかげで私たちは幸せです」
唯「うん…そうだね」
紬「ねっ!」
―――
>帰り道
唯「これで全員分配った…かな」
紬「うん」
唯「みんな今頃なにしてるのかな」
紬「りっちゃんと澪ちゃんはあれだろうし…」
唯「あずにゃんと純ちゃんもあれだろうね…」
紬「菫と和ちゃん…」
唯「それに憂とさわちゃんはぐっすり寝てるのかな」
紬「たぶんね」
唯「そうだね」
紬「…」
唯「…」
唯「寒いね」
紬「うん」
唯「ムギちゃんのお鼻、真っ赤だね」
紬「うん。唯ちゃんのお鼻も真っ赤だよ」
唯「二人共トナカイさんみたいだね」
紬「ええ、本当に…」
唯「…手を繋ごっか」
紬「…うん」
唯「…あったかあったかだね」
紬「…ねぇ、唯ちゃん」
唯「うん?」
紬「今日は本当にありがとう。私の夢を叶えてくれて」
唯「…うん」
紬「唯ちゃんには感謝してもしきれないぐらい」
唯「感謝なんておおげさだよー」
紬「そんなことないよ」
唯「あるって。ねぇ、ムギちゃん。この手…」
紬「…?」
唯「こうやって手を繋いでると暖かくなれるでしょ」
紬「うん…」
唯「ムギちゃんの横で、こうやって手を繋いでるだけで、私は心までほっかほかになれるんだから」
紬「唯ちゃん…」
唯「だからね。これからもずっとムギちゃんの夢を叶えるお手伝いをさせて」
紬「…うん」
紬「唯ちゃん…」ダキッ
唯「ムギちゃん…」ダキッ
紬「唯ちゃんの顔、冷たい…」
唯「ムギちゃんの体も冷えちゃったね」
紬「早く暖めないといけないね」
唯「うん…」
紬「体全部を使って暖めないといけないね」
唯「うん…」
紬「唯ちゃん」
唯「うん?」
紬「めりーくりすます」
唯「…めりーくりすます」
おしまいっ!
最終更新:2012年12月25日 20:22