梓「おはよー菫」
菫「おはようございます梓先輩」
梓「えっとムギ先輩は・・・」
菫「帰ってきてますよ」ニコッ
梓「・・・そうなんだ」
菫「知ってて来たのでは?」
梓「まぁ・・・そうなんだけどね」
菫「ともあれ家に入ってください」
梓「そうだね」
菫「ふふふっ、お姉ちゃんに会いたくてこんなに朝早くにくるなんて」
梓「うぅ~」
スタスタスタスタ
菫「ここがお姉ちゃんのお部屋です」
梓「入っていいのかな?」
菫「まだ寝てると思うので、起こしてあげてください」
梓「・・・うん」
菫「私はこれで」
スタスタスタスタ
ギィ~
梓「ここがムギ先輩のお部屋・・・」
梓「広いなぁ・・・」
梓「・・・いいにおいがする・・・きがする」
梓「机に・・・ソファに・・・ベッド」
梓「あっ机の上に私とのツーショットがある」
梓「ちょっと照れくさいかな」
梓「こっちはHTT全員との写真だ」
梓「唯先輩達元気かなぁ」
梓「こっちは菫と」
梓「菫ってムギ先輩の前ではこんな顔するんだ・・・」
梓「机の中身は・・・っていけないいけない」
梓「そろそろベッドに近づいてみよう」
梓「あのベッドでムギ先輩が寝てるんだ・・・」
梓「・・・きっとお姫様みたいな寝顔に違いないです」
すたすたすた
梓「お顔を拝見・・・」
紬「zzz」
梓「・・・」
梓「・・・」
梓「すごい寝癖・・・」
梓「湿度の低い冬なのに・・・あっ、加湿器のせいかな」
梓「ほっぺたちょっと赤い」プニプニ
梓「・・・起こすのかわいそうだよね」
紬「zzz」
梓「小さく寝息が聞こえる」
梓「すーすーって気持ちよさそう・・・」
梓「・・・」
梓「ちょっとだけならいいよね?」
紬「zzz」
梓「おじゃまします」
もぐりもぐり
梓「・・・」
紬「zzz」
梓「・・・」
梓「・・・」
梓「・・・」
梓「・・・」クンクン
梓「お布団からムギ先輩の匂いがする・・・」
梓「ムギ先輩・・・」
紬「zzz」
梓「まだ寝てる。どんな夢見てるんだろ・・・」
梓「そろそろ起きないとデートに行けませんよー」コショコショ
梓「昨日の夜電話で『梓ちゃんとのデートすっごく楽しみ!』って言ってたじゃないですか」コショコショ
紬「zzz」
梓「・・・」
梓「抱きつくぐらいならいいよね?」
梓「ムギ先輩全然起きてくれないし・・・」
紬「zzz」
梓「・・・」ギュッ
梓「こうやって抱きつくのも久しぶり・・・」
梓「久しぶりのムギ先輩の匂い・・・」
梓「・・・あったかい」
梓「・・・」
梓「・・・」
梓「zzz」
紬「梓ちゃん起きて!!」
梓「・・・ムギ先輩?」ムニャムニャ
紬「はやく起きて。大変なことがおきたの」
梓「大変なこと・・・ですか?」
紬「同性愛廃止令が発令されたの。梓ちゃんと一緒にいたら逮捕されちゃう」
梓「えっ」
紬「だからっ、同性愛廃止令が発令されたの。一緒にいるところを誰かに見られたら逮捕されちゃう」
梓「どういうこと・・・」
ムギ先輩が言うにはこうです。
政府は少子化対策として同性愛を廃止する法令を決定したらしいです。
女の子同士が仲良くしてるところを見つかると極刑に処されることもあるとか。
梓「・・・」
紬「・・・わかった?」
梓「いやです」
紬「私も嫌だけど、わかって」
梓「国外とか・・・」
紬「それも無理。鎖国政策も同時に施行されちゃったから」
梓「そんな・・・じゃあどうすれば」
紬「残念だけど別れましょう」
梓「そんなの・・・嫌です」
紬「私も嫌なの。でもイオンモールが破壊されるのはもっと嫌だから・・・」
梓「えっ」
紬「どうしたの?」
梓「いまイオンモールって・・」
紬「うん。イオンモールが壊されるなんて絶対に嫌っ!」
紬「だって・・・梓ちゃんとデートにいけなくなっちゃう」
梓「・・・うん」
梓「うん・・・」
梓「うん・・・これは夢だ」
紬「夢?」
梓「はい、夢です」
紬「夢なの?」
梓「はい」
紬「そっかぁ、これは夢なんだ」
梓「そうですね」
梓「・・・そうなりますね」
紬「そう・・・私は実在しないんだ」
梓「・・・」
紬「梓ちゃん。ほんものの琴吹紬さんと仲よくね」
梓「・・・あの」
紬「うん?」
梓「キスしませんか」
少しだけ背徳の味がした。
紬「おはよう梓ちゃん」
梓「叩いてもらっていいですか?」
紬「どうして?」
梓「何も聞かずに叩いてください・・・」
紬「でも・・・」
梓「お願いします」
ぽかっ
梓「痛くないけど、ちょっと痛い・・・」
紬「どうして突然?」
梓「なんとなくです」
紬「本当に?」
梓「嘘です」
紬「そうなの?」
梓「実は、少しだけ浮気してしまって」
紬「・・・」
梓「ムギ先輩?」
紬「やっぱり遠距離恋愛は難しいよね。梓ちゃんが・・・」
梓「いえ、そうじゃないんです」
紬「でも・・・」
梓「お話します。夢の中のムギ先輩とキスしてしまったんです」
紬「それが浮気?」
梓「はい」
紬「?」
梓「そろそろ着替えませんか」
紬「えっと・・・」
梓「イオンモールに行くんでしょ」
紬「あっ・・・うんっ!」
梓「あっ、髪の毛は私が梳かしますから」
紬「・・・っ」
梓「?」
紬「梓ちゃんにボサボサの頭見られちゃったなって・・・」
梓「そうですか? ボサボサ頭のムギ先輩も愛嬌があると想いますが」
紬「そう?」
梓「はいです」
紬「ねぇ、聞いてもいいかな」
梓「なんですか?」
紬「もし、この世界が夢だったらどうする?」
梓「どうしましょうか」
梓「・・・ムギ先輩ならどうします?」
紬「う~ん。とりあえずデートして、ご飯たべて、一緒にいっぱいお話して・・・それからキスもしたいな」
梓「くすっ」
紬「梓ちゃん?」
梓「覚めない夢なら、ずっと見ていたいなって」
紬「覚めない夢じゃなくても、私は梓ちゃんと一緒にいたいけど」
梓「・・・そうですね」
紬「一生かはわからないけど、ずっとずっと一緒にいてね」
梓「はい、です」
菫「お姉ちゃん達いつまで寝てるんだろう」
菫「そろそろイオンモールの閉店時間なのに・・・」
終劇!
最終更新:2013年01月08日 00:22