澪「今月の平均客単価は942円」

澪「目標の1200万円にはあと一歩及ばなかったよ……」

唯「そ、そんな……それじゃあ私達のお店は?」

澪「……売りに出さないとな」

唯「そっか……このお店とお別れしなきゃいけないのかぁ……」

澪「……うっ、ひぐっ……ごめ、ごめん唯……!」

唯「どうして澪ちゃんが謝るの? 澪ちゃんは悪くないよ」

澪「でも……でもっ! もう唯とパン屋続けられないよおっ……唯とずっと一緒にパン屋やりたかった!」

唯「澪ちゃん……ありがとね」

澪「うっ……うぇぇ……ゆいぃ……ゆいー」

唯「よしよし……」

――――

澪「……んん」

澪「あれ?」

澪「私唯に泣きついて……そのまま寝ちゃったのか」

澪「唯だって悲しいはずなのに私ばっかり慰められてどうする」

澪「ってあれ? 唯がいない……どこいったんだ?」


厨房


澪「唯?」

唯「あ、澪ちゃん起きたんだ」

澪「うん、さっきはその……ごめん」

唯「いいよ~。澪ちゃんがあんなになるほど私とパン屋を大事に思ってるってわかったらちょっと嬉しくなっちゃった」

澪「唯……」

唯「最後にとっておきのパン作ってるんだ」

澪「そっか」

唯「もうちょっとで焼けるかな?」

澪「……」ぎゅっ

唯「お? まだ泣き足りないとか?」

澪「そうじゃなくて、唯のコック服もう見れないんだなって思ったら……」

唯「澪ちゃん……」ぎゅっ

澪「ゆい……」

唯「澪ちゃん、顔あげて?」

澪「ん、うん……」

唯「ちゅ」

澪「んっ! ……ん」

唯「んちゅ……ちゅ……」

唯「……っぱぁ」

澪「……ふあっ」

唯「えへへ……」

澪「厨房でこんな事するなよ」

唯「嫌だった?」

澪「……嫌じゃない」

唯「ね、澪ちゃん……いい?」

澪「ん……うん////」

唯「えへへ……////」

唯「じゃあもっかいちゅーしよ?」

澪「いいけど……ここで?」

唯「パン屋いてる最中だし、もうここでパン作らないし……」

澪「……わかった」

唯「ん……ちゅう」

澪「あふ……ん……ふ……ちゅ」

唯「んぱぁ……澪ちゃんの舌をこねて伸ばしてってやってるとバターロール作ってるみたい」

澪「ん……はぁ……ゆいぃ」

唯「脱がすよ?」

澪「う、うん……」

唯「……澪ちゃんのおっぱいやっぱり大きいね」

澪「そ、そうかな」

唯「あ……柔らかい」

澪「んっ!」

唯「ああ……こんなにこね甲斐のある生地初めてだよ」

唯「どんなに強力粉混ぜてもこの柔らかさは出せないよね」

澪「んんっ……あっ……唯の手温かい……んふっ」

唯「澪ちゃん口開けて? 私のイースト菌練り込んであげる」

澪「ふあ……唯ぃ」

唯「ちゅ……ん……」

澪「んっ……ん、こく……こくん……」

唯「はぁっ……」

澪「……飲んじゃった」

唯「ふふ。それじゃあ」

澪「あっそっちは……ンッ!」

唯「……すごい、澪ちゃんのここもう一次発酵してるよ」

澪「い、言うなぁ……恥ずかしいよぉ」

澪「あっ、そこは……だ、ぁ、んっ!」

唯「なんだか澪ちゃんに砂糖を入れてるみたい」

唯「砂糖で澪ちゃんに柔らかさを与えて焼き色を綺麗にして、甘みをつける……ん、あまい」

澪「わああそんなの舐めないでよぉ!」

唯「れろ……じゅ……でも指はたっぷり濡らさないとね。入れるよ?」

澪「うっ……ゆいぃ、ぎゅってして?」

唯「うんっ」

澪「んっ……ふあっ!」

唯「すごい……澪ちゃんの中クロワッサンみたいな層になってるよ」

澪「やだあぁ恥ずかしいよ……んく……っ……あんっ!」

澪「んあっ……えぅ、んひっ……唯のパン作りしてきた手で成型されちゃうっ……!」

唯「ふふ、澪ちゃんのここすっごい二次発酵してる」

唯「そろそろあれを使おうかな」

澪「あれ……?」

唯「さっきまで私が焼いてたパンだよ」

澪「ってその形は……////」

唯「焼きたてパンディルド。ちょっと冷まさないとね」

唯「固いけど柔らかいもちもち感を前面に押し出したパンだよ。ほら、食べてみて?」

澪「ま、まだ熱いって……んぶっ!? ん……んも、ぉ……ぷ……にゅぽ、ちゅ、ちゅぼ」

澪「んぶっ……あ……んぱぁ……はぁはぁ」

唯「どうだった?」

澪「あ……うん、すっごく美味しい」

唯「よかったぁ。それじゃあ」

澪「ま、まって唯! そのまま入れるのちょっと……」

唯「あ、そうか。ゴムつけないと」

澪「……パン屋いてたのって最初からこうするつもりで」

唯「えへへ、ばれちゃった? さて、もっかい濡らさないと」

唯「はむ……んむ、りゅちゅ、ふぇらっ、れろ、ちゅ……」

唯「それじゃあ入れるよ?」

澪「う、うん……!」

唯「んしょ」

澪「あ……あ……!」

唯「どうかな? 私の最後のパン」

澪「あ、熱いっ、けどすごくいい……私にぴったりはまってる……んんっ!」

唯「澪ちゃんの事考えて作ったパンですから。これで澪ちゃんを焼成してあげるっ!」

澪「ああっ! んふぅぅ……んっ! っ……っえぅ、ん~~!」

唯「はぁ……はぁ……澪ちゃん綺麗に焼けてきたよ」

澪「あぅ、だ、だってぇ、唯のパンが太くて、んんっ!」

唯「澪ちゃん……大好き。パン屋がなくなっても私達ずっと一緒だから!」

澪「んっ、ふゅ、ハァ……アッ! んおぉ……私も、ずっと、ゆい、ゆいっ!」

唯「澪ちゃん……!」

澪「ふああっ!? あっもうだめっ、私……私、もう焼き色ついちゃうっ!!」

唯「いいよっ澪ちゃん焼き上がって!」

澪「あ、も、やっ……焼き上がるうぅぅぅぅぅぅぅ――!!」

澪「んああっ! アッ――! ふああああっ! ッ……! っあ゛ぁん……っ!」

澪「はぁ……はぁ……」

唯「澪ちゃん大丈夫?」

澪「はぁ……ん、うん……」

唯「そっか……」

澪「唯……私達これからもずっと一緒だよな?」

唯「もちろんだよ澪ちゃん。大好きだよ」

澪「あ……私もだいすき////」


年明け


唯「とうとう手放しちゃったね」

澪「だな」

唯「これからどうしようか……」

澪「どうしようかな」

唯「澪ちゃんちゃんと考えてよー!」

澪「そう言われてもなあ」

唯「私達これからどうなっちゃうかわからないんだよ!?」

澪「……まあ、なんとかなるんじゃないか?」

唯「おあっ、澪ちゃんらしからぬ発言」

澪「唯の何も考えてないとこがうつっちゃったのかな?」

唯「ひどいよ澪ちゃん! 私はこれからの事を必死に考えてるのに!」

唯「こんなに心配してるの生まれて初めてだよ……」

澪「ははは。さっきのは冗談だけどさ、何て言うか唯がいれば何とかなりそうな気がするんだよ」

澪「なんだかんだでいつも私の事助けてくれるしな」

唯「澪ちゃん……」

澪「だから勝手にどこかいったりするなよな。お店がなくなって唯までいなくなったら私立ち直れないぞ」

唯「澪ちゃんこそ私の前からいなくなったらダメだよ?」

澪「わかってるよ。冷えてきたしそろそろ行こうか」

唯「そうだね。腕組んで帰ろ! 澪ちゃんぎゅー」

澪「……あ、ちょっとあったかい」

唯「私もあったかーい」

澪「ふところは寒いけどな……」

唯「もーさっきまでポジティブだったのに!」

唯「私がふところまで温かくしちゃうぞ!」

澪「うわっ、もーくっつき過ぎだぞ」

唯「うりゃうりゃ~♪」

澪「あははっ♪」

唯(何とかなる……よね?)



1ゲーム目 『焼きたて!! ちなつ』 END


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最終更新:2013年01月08日 01:24