澪「ふう、黒板消しも終わったしあとは学級日誌を出すだけだな……」
梓「澪先輩っ」ヒョコ
澪「ん……あれ、梓?」
梓「どうもです、澪先輩」
澪「どうしたんだ、こっちの上級生の教室まで来て……部室に行かないのか?」
梓「えっと、もう部室には行ったんですけど澪先輩は日直で遅れてくるって聞いたので、その……」
澪「それで迎えに来てくれたってことか?」
梓「は、はいっ、そんなところです」
澪「ふふっ、別に日直で少し遅れてるだけだっていうのに……ありがとな」ナデナデ
梓「えへへ」
澪「あとは職員室に行って先生に学級日誌出せば終わりだから、梓は部室に戻ってても……」
梓「いえ、せっかくですし澪先輩にお供します!」
澪「? 別にいいけど、職員室行くだけだから面白いことは何もないぞ?」
梓「私は別に澪先輩と一緒ならそれでいいんです」
澪「わ、わかったよ/// じゃあ行こうか?」
梓「はいっ」
……
澪「先生、学級日誌です」
さわ子「はい、日直おつかれさま」
澪「先生は今日部室の方には……」
さわ子「行きたいのは山々なんだけど今日はこれから職員会議があってね……ああ、ムギちゃんのお茶が恋しいわ」
梓「何だかんだでやっぱり大変なんですね、先生って」
さわ子「そう、色々と大変なのよー……ってどうして梓ちゃんが一緒にいるのかしら?」
梓「そ、それはちょっとしたえっと……諸事情があって」
澪「? 単についてきたかっただけじゃないのか?」
梓「あっ、えっと……」
さわ子「ふーん……深く追求してみたいところだけどそろそろ職員会議の時間だしそれはちょっと無理、か」
澪「あ、じゃあ私達はそろそろ失礼しますね」
さわ子「ん、あまり部活だらけすぎないようにね」
梓「それは私達よりも唯先輩達に言うべきお言葉かと……」
さわ子「うふふっ、それもそうかもね」
……
澪梓「失礼しましたー」
ガチャ
澪「さてと、日誌も出し終えたし部活に行くか」
梓「まっ、待ってください」
澪「どうした?」
梓「せっかく……というわけでもないんですけど、ちょっとジャズ研の様子でも見に行きませんか?」
澪「ジャズ研? それはまたどうして」
梓「それはえっと……純がたまに澪先輩が見に来てくれたらすごく嬉しいって言っているので」
澪「鈴木さんか……」
澪(そういえば鈴木さん、私なんかのことを慕ってくれてるんだよな……)
澪(それに同じベース担当だし、会いに行ってもしかしたら少しでも仲良くなれるかもしれない)
梓「ダメ、ですか?」
澪「いいや、せっかく梓から誘ってくれてるんだしちょっと行ってみようか」
梓「あ、ありがとうございます///」
……
〜ジャズ研前〜
〜〜♪♪
澪「お、演奏してるみたいだ……今は各自で練習してるのかな」
梓「そうみたいですね、あっあそこに」
純「〜〜♪」ボ-ン
澪「あ、鈴木さんだな」
梓「はい、ちゃんと練習してるみたいですね」
澪「熱心にやってるな……私も見習わないと」
梓「澪先輩はいつも練習熱心ですよ、わざわざ純なんかから見習うことないです」
純「ほーう私なんかから見習うことはない、ねー、へーえ」ゴゴゴ
梓「はっ!」
純「そりゃあ私なんかが澪先輩に教えるなんてあまりに恐れ多いけど……それはともかくっ!」グリグリ
梓「いたいいたいっ!」
純「このチビ猫め〜っ!」グリグリ
澪「鈴木さん、それぐらいでストップしてやってくれ」
純「む、澪先輩に免じて今日はこれくらいにしといてやろう」パッ
梓「もう……」
純「それで、どうして澪先輩がこちらのほうに?」
澪「ああ、私が見に行けば鈴木さんが喜ぶって梓が言うからちょっとね」
純「そ、それはたいへん光栄で嬉しいですっ! ……分かってるじゃないか梓くん」ナデナデ
梓「ちょっと、頭撫でたりしないでよっ」ペシッ
純「なによー、澪先輩から頭撫でられたらすごく嬉しそうにするくせに」
梓「私の頭撫でていいのは澪先輩だけなのっ!」
純「あっ、開き直ったなこいつー!」
澪「二人ともそこまで、あまり廊下で騒いだらダメだぞ」
純「す、すいません……」
梓「すいませんです……」
澪「それよりちょっと練習してる所見たけど、鈴木さんは練習熱心だな」
純「そ、そうですか?」テレッ
澪「ああ、ベース弾いてる姿は真剣そのものだったぞ」
純「いえいえいえ、私なんて全然そんなことないですよう」テレテレ
梓「純、顔真っ赤だよ」
純「う、うるさいっ///」
澪「これからも練習、頑張ってな鈴木さん」ナデナデ
純「はわわっ、澪先輩///」
澪(あ、鈴木さんの髪の毛モフモフしてる……なんだか気持ちいいなあ)ナデナデモフモフ
純「ふわぉーん……///」
梓「ちょっと澪先輩っ、いつまで純の頭撫でてるんですかっ」
澪「あ、ごめんな鈴木さん」パッ
純「あ……いえ、大丈夫ですっ!」
澪「そう? ならいいんだけど」
梓「むう……澪先輩、そろそろ」
澪「ああ、そろそろ行くか」
純「澪先輩っ、またよろしければ来てくださいね」
澪「ああ、機会があればまた来るよ」
梓「じゃあまたね、純」
純「おう、梓もまたねー」
純(よーし、今日はラブパワー全開! やってやるぜー!!)
……
澪「これで少しは私も鈴木さんと仲良くなれたかな」テクテク
梓「…………」テクテク
澪「今度会った時は梓や憂ちゃんみたいに名前で呼ぼうかな、そうなると純ちゃんと呼ぶか純と呼び捨てたほうがいいのか……」ブツブツ
梓「…………っ」ムスッ
澪「……って、梓?」
梓「なんですか?」
澪「梓こそ、その明らかに不機嫌な顔はなんだ?」
梓「別に不機嫌なんかじゃ……ないです」
澪「えっと……もしかして、私が鈴木さんと少し仲良くしてるのを見て不機嫌になったのか?」
梓「だ、だったらどうだって言うんですかっ」
澪「いやどうすると言われても……私は梓のこと、一番好きだぞ」
梓「えっ///」ドキン
澪「そりゃさっき鈴木さんと話してみて、やっぱりすごくいい子だって思ったけど……まだまだ鈴木さんのことは知らないしさ」
澪「だから私はずっと同じ部活で一緒にいて、一番よく知ってる後輩である梓のことが一番好きな後輩だぞ」
梓「あ……そうですよね、澪先輩が一番良く知ってくれてる後輩なんですよね私」
澪「ああ、もちろんじゃないか」
梓(なんだろう……嬉しいんだけど、なんだか釈然としないような……)
梓(私やっぱり、澪先輩のことただ先輩としてではなくそれ以上に……)
澪「梓?」
梓「あ……いえっ、すいません私、なんか勝手に不機嫌になって」
澪「ああいや、別に大丈夫だよ」
梓「わ、私もその……澪先輩のことが、一番好きな先輩ですから///」
澪「そう? 無理してそんなこと言わなくてもいいぞ」
梓「いいえっ、それは唯先輩も律先輩もムギ先輩も好きですけど……」
梓「でも、私が一番好きな先輩はやっぱり澪先輩ですっ!///」
澪「あ、ありがと……そこまで言われるとなんか照れるよ///」
梓「す、すいません///」
澪「さ、そろそろいい加減部室に行こう梓、みんな待ってるだろうしさ」ギュ
梓「あ……はい!」
……
澪「みんな、待たせてごめ……」ガチャ
パ-ンパンパ-ン!
梓「にゃっ!」
澪「うわあっ、なんだ!?」
唯律紬「みーお(ちゃん)、誕生日おめでとう!!」
澪「……えっ、誕生日って……わ、私の?」
律「まーったく、やっぱり忘れてたな澪しゃんはー」
紬「今日1月15日、澪ちゃんの誕生日じゃない」
唯「みんなで澪ちゃんお祝いしようと思って先に来て準備してたんだよー」
澪「ええっとじゃあ、この部屋全体に飾られてるモールは……」
律「へへっ、先に部室に来た私らが飾り付けておいたんだぜ。やっぱり飾り付けないと気分が出ないからな」
唯「それで飾り付けに時間掛かりそうだったから、あずにゃんに少し澪ちゃん足止めしてきてーって頼んだんだよ」
澪「そうなのか梓?」
梓「は、はい……すいませんでした、澪先輩」
澪「謝ることないよ、梓。みんなもわざわざありがとうな」
律「そう言ってくれると祝いがいがあるってもんだ、ところで…」
澪「ん?」
紬「どうして澪ちゃんと梓ちゃん、手を繋いでいるのかしら?」ズイッ
澪「え? ……あっごめん梓」パッ
梓「いえっ大丈夫です」
紬「手を繋ぎながら部室に入ってきたということは……まさかそういうことっ!?」ズズイッ
澪「そういうことって……やめなよ、私はいいけど梓が迷惑するだろ」
梓「いいえっ、私は別にいいですけど澪先輩が迷惑に……」
律「ほほう、お互いにいいというならそれでいいんじゃないか?」ニヤニヤ
澪「こらっ、揚げ足を取るんじゃない」ポコン
律「あてっ」
唯「ねー、そろそろバースデーケーキ出そうよー」
紬「あっごめんなさい、つい気になっちゃって」
律「立ち話もなんだしな、よーしローソク18本立てる準備始めるぞ唯隊員!」ダッ
唯「了解であります!」ダダッ
紬「うふふ、二人とも丁寧に立ててね」
ワイワイキャッキャ
梓「もう、澪先輩の誕生日なのに澪先輩よりわいわい盛り上がって……」
澪「いいじゃないか、形はどうあれ誕生日を祝ってくれてるのはすごく嬉しいことだしさ」
梓「ま、まあ澪先輩がいいって言うなら私は文句ないですけど」
澪「それよりありがとう、梓」
梓「いえ、澪先輩の誕生日を祝うのは当然ですし」
澪「それもだけど、さっきムギの言ったことに対して迷惑じゃないって言ってくれて」
梓「えっ?」
澪「私、嬉しかったよ」
梓「え……えっ、それって……///」
澪「……///」
律「おーい、お二人さん早く席につけよー!」
唯「誕生日の主役がいないんじゃローソクの火は消せないよー」
澪「あ、ああごめん今行く! さっ梓も」
梓「はっ、はい!」
おしまい!
最終更新:2013年01月15日 22:04