澪「あるな」
律「あるだろ?」
律「それを私が履きます」
澪「どうなるんだ?」
律「すげー幸せ」
澪「良いな、羨ましい。私も澪のパンツ履きたいよ」
律「もう履いてるじゃん」
澪「違うよ。だって、律の目線からだと確かに私の履いてるパンツは澪のパンツだけど」
澪「私の目線だと、これは私のパンツであって澪のパンツじゃあない」
澪「私は律から見た澪のパンツを履きたいんだ」
律「分からん」
澪「私も分からん」
律「こっちに来てみるか?」
澪「なるほど、律の居た所に立てばそれは律目線だな」
澪「よいしょ」
律「どうよ澪?」
澪「何も無いな」
律「無いな」
澪「何が足りないのかな」
律「多分、夢だと思う」
澪「夢か……私の小さい頃の夢はお嫁さんだったな」
律「ベタだな」
澪「馬鹿にするなよ。当時は真剣だったんだ」
律「今は?」
澪「そうでもない。色々知ったから」
律「そうか」
澪「そうなのか……」
澪「律の夢は?」
律「私の夢はずっと澪と一緒に居て、澪のパンツを履くことだ」
澪「律は今、私と一緒に居るよな」
律「居るな」
澪「澪のパンツ履いてるよな」
律「履いてるなぁ」
澪「夢叶ってるじゃないか」
律「やった!」
澪「てことは、夢はもう無いのか」
律「無いな……」
澪「そう、気を落とすなよ……」
澪「夢なんてまた見つけてナンボだろ」
律「そうだな、どんな夢を見ようか」
澪「見たい夢を紙に書いて枕の下に入れるとその夢を見れるらしいぞ」
律「書いてみよう」
澪「どんな夢が見たいんだ?」
律「世界平和」
澪「あんまり夢に無茶言うなよ……」
律「悪かった」
澪「別に良いけど」
律「良いんだ」
澪「良いなぁ、澪のパンツ……」
律「そこに戻るのかー」
澪「分かったこうしよう」
律「嫌だ」
澪「まだ、何も言ってない」
律「続けてくれ」
澪「私が律になればさ、本当の意味での律目線になるよな」
澪「そして律が私になるの」
澪「そうすれば、私から見た律のパンツは途端に澪のパンツに早変わりだ」
澪「そうだな」
澪「あれ? 私が二人? 律はどこに行った」
澪「律はお前だろ馬鹿」
律「あ、そうだったごめん」
澪「別に良いけども」
律「で、どうだ?」
澪「これ、問題解決してないな」
律「入れ替わっただけだもんな」
澪「閃いた時はこれだ!と思ったのに」
律「どれだ?」
澪「それ」
律「だからどれだよ……」
澪「お腹減ったー」
律「おーい」
澪「もう律のパンツでも良いや」
律「知らんけど妥協された。泣ける」
澪「泣くなら私の胸で泣け。何年一緒に居ると思ってるんだ」
律「ありがとう……優しいな」
澪「何年一緒に居るんだ?」
律「あ、それ質問してたのかよ」
律「小学生の頃からだから……かれこれ、7、8、9年?」
澪「ざっくり行ったな」
律「あの時の私は輝いてた」
澪「あの時の私はお嫁さんに焦がれていた」
律「今は?」
澪「そうでもない」
律「色々知ったのか」
澪「うん……律が実は女の子だったとかな」
澪「軽くショックだった」
律「男の子だと思ってたんだ?」
澪「まぁな。だからお嫁さんが夢だったんだ」
律「それって……」
澪「どれだ?」
律「それはもういい」
澪「そっか」
律「お腹冷えてきた」
澪「パンツしか履いてないからな」
律「せめて、この澪のパンツが毛糸だったら」
澪「たらればは空しいだけだ」
律「もし、私が男だったら?」
澪「好きだ!」
律「残念、実はりっちゃん女の子でしたー」
澪「知ってた」
律「いつから?」
澪「一万年と二千年前から」
律「愛してる?」
澪「愛してる」
律「私も愛してる」
澪「知ってた」
律「それも知ってた」
澪「なんか夢があるな」
律「夢があるということは良いことだ」
澪「律は夢無いもんな」
律「悲しい」
澪「じゃあ私の夢をあげよう」
律「お嫁さんは別に良いや」
澪「そうじゃなくて、ほら」
律「……膝枕?」
澪「私を枕にして寝れば、私の夢を見られるだろ」
律「凄い!おやすみ!」
澪「おやすみ」
澪「って、夢を見たんだけどさ……」
律「一番やっちゃいけないことしたなお前」
澪「じゃあ、律はどんな夢を見たんだ?」
律「世界平和」
澪「ああ……」
最終更新:2013年02月03日 22:25