唯「お~、本当に開いてるんだね~」

梓「入浴料は500円ですね」

唯「はいはーい、お財布はちゃんと忘れずに持って来ました!」フンス

梓「いや、それ当たり前のことですよね……」

唯「なんか静かだねー」

梓「そりゃこんな時間ですしね」

唯「あれ?脱衣所に誰もいないし荷物も無いよ?」

梓「お風呂の中も誰もいませんね」ガラガラ

唯「やった!貸し切りだよ!」

梓「そうみたいですね」

唯「これなら泳いでも怒られないね!」

梓「小学生ですか?後から他のお客さん来たら困るんでやめてくださいよ」

唯「じょ、冗談だってば~。さ、早く入ろっか?」

梓「あの……」

唯「うん?」

梓「なんでこんなに空いてるのにわざわざすぐ隣で脱ごうとするんですか?」

唯「駄目なの?」

梓「いや、駄目って訳じゃないですけど……」

唯「ほぇ?」

梓「まぁ、いいです……」

唯「よいしょっと」ヌギヌギ

梓(肌綺麗だなぁ……)チラッ

唯「よっと」ヌギヌギ

梓(なんか胸大きくなってる……?)ゴクリ

唯「あれ?あずにゃん脱がないの?」

梓「え?あ、いえ、脱ぎますよ!」

唯「うん、じゃあ終わるまで待ってるね」

梓「風邪引いちゃうんで先に入ってていいですよ」

唯「だいじょぶだよー」

梓「じゃ、じゃあ、せめて待ってる間はバスタオルとか巻いてて下さい!」

唯「別に平気なんだけどなー」マキマキ

梓「それとあんまりじっと見ないで下さいね///」

唯「うん」ジー

梓「もー、恥ずかしいなぁ……」ゴソゴソ

唯「あれ?あずにゃんさっきと下着変えた?」

梓「え?」

唯「部屋にいた時に着けたのと違うよね?」

梓「えっと……、それは……、って何で知ってるんですか!!」

唯「屈んだ時とかに胸元からこうチラッと!」

梓「なっ!?み、見ないで下さいよ!///」

唯「だって見えそうだったら見るでしょ普通!」

梓「胸張って言う事じゃないですから!」

唯「仕方ないのです!」

梓「あ、汗かいちゃったから先に着替えてきたんですよ」

唯「そうだったんだ。その下着可愛いね~」

梓「あ、ありがとです……///」

唯「じゃ、入ろっか?」

梓「あ、はい。お待たせしました」

唯「うわぁ~、本当に貸し切りだね~」カラカラ

梓「誰もいないせいで広く感じますね」

唯「なんかお風呂が一杯あるね」

梓「ハーブ湯に寝湯。あ、ここは電気風呂ですって」

唯「どれから入ろうか迷っちゃうね~」

梓「湯船に入る前に体洗わなきゃですよ?」

唯「はーい」

梓「洗い場はここでいいかな」

唯「じゃあ、私はこっちねー」ススス

梓「あの……」

唯「どしたの?」

梓「やっぱり隣じゃなきゃ駄目なんです?」

唯「もちろん!」

梓「まぁ、いいんですけど……」

唯「はふぅ、気持ちいいねー!」パシャパシャ

梓「やっぱり一日一回はお風呂入らないとすっきりしませんよね」ゴシゴシ

唯「あずにゃんは体洗う時そういうの使ってるんだねー」

梓「ああ、ボディスポンジですか?柔らかくていいですよ、泡も立ちやすいですし」

唯「そういうの使ってるからあずにゃんは肌すべすべなんだねー」

梓「でも、唯先輩だって肌は柔らかくて綺麗ですよ?」

唯「え?そ、そうかな?あ、ありがと、……てへへ///」

梓(うっ、可愛い……)

唯「よし、じゃあお風呂入ろっか?」

梓「あ、はい、行きましょうか」

唯「あちち」チャポ

梓「ちょっと熱めですね」トプン

唯「でもこれくらいの方が疲れとかは取れるんじゃないかな?」

梓「その言葉なんだか年寄り臭いですよ?」

唯「ひ、酷い!自分だけまだ10代だからって!」

梓「けど、慣れてくると気持ちいいですね。はふぅ~」

唯「でしょー?あ、そういえば大学を出て真っ直ぐ行ったとこに商店街あるでしょ?」

梓「ええ、前に先輩達と一緒に行ったとこですよね?」

唯「うんうん。それでさ、その時にお餅屋さんでお餅買ったよね」

梓「あそこのお店とっても美味しかったですよね、それがどうしたんですか?」

唯「この前もう一度食べたくなって買いに行ったんだけどね、お店の奥に小学生くらいのちっちゃな女の子がいたの」

梓「お店の子なんですかね?」

唯「でね、その子があずにゃんにすっごく似ててすっごく可愛かったんだよ~」

梓「小学生に似てるって言われてもなんか複雑なんですけど……」

唯「いつか一緒に並んでるとこ見てみたいな~」

梓「どーせ私の体は小学生並みですよ……」ブクブクブク

唯「そ、そんな事ないよ!ちゃんと中学生くらいには見えるよ!」

梓「全然フォローになってません!」

唯「も~、あずにゃんは気にしすぎなんだよ~」

梓「でも、あの時私にだけ一個おまけして貰えた事にこれで納得がいきました」

唯「そうだね、お店の人もきっと似てるって思ったからサービスしてくれたんだね!」

梓「あ、そろそろ髪洗ってきますね」ザバッ

唯「じゃあ私も~」ザバッ

梓「別についてこなくてもいいですってば」

唯「せっかくだし私が髪洗ってあげるね」

梓「え?いや、大丈夫ですよ」

唯「いいからいいから~」

梓「もぅ、あんまり強く引っ張ったりしないで下さいよ?」

唯「もちろんだよ!ちゃんとギー太のメンテと同じくらい丁寧にするよ!」フンス

梓(むぅ……、ギー太と同じって……)

唯「あずにゃんのシャンプーって高そうだね」

梓「髪の毛長いんである程度良いの使わないと毛先とか傷んじゃうんですよ」

唯「そっか、大変なんだね」

梓「いっそバッサリ切っちゃおうかなって思うんですけどね」

唯「勿体無いよー」

梓「でも、長くて得する事なんてほとんど無いですし」

唯「そうなの?」

梓「長すぎても髪型とか却って狭まっちゃいますしね」

唯「けど、またそこまで伸びるまで時間かかるしやっぱり勿体無いよー」

梓「うーん、確かに切るのと違ってすぐに伸ばすのは無理ですからね」

唯「…………ア、テガスベッター」棒読み

梓「ひゃ、ひゃぁぁっ!?」フニュ

唯「おうふっ!」ドムッ

梓「あ、す、すみません!」

唯「ひ、肘が、み、みぞおちに……」

梓「じゃ、じゃなくて!い、いきなり何するんですか!!」

唯「さ、触りたくなったのでつい……」

梓「つい、じゃあありません!!」

唯「だって恋人同士なんだしそれくらいいいじゃん!」

梓「こ、恋人同士でもそういう事するのには同意が必要なんです!」

唯「大きくしてあげようかと」

梓「余計なお世話です!」

唯「手のひらにぴったりのサイズでした」

梓「うっさいです!!」

唯「え、えっとぉ……」

梓(うぅ……、先っぽの方まで触られた……///))

唯「あずにゃん怒っちゃった?ごめんね、嫌だったよね?」

梓「……い、嫌じゃないですけど、そ、そういう事をしたいなら、ちゃ、ちゃんと順序とか雰囲気とか考えて下さい///」

唯「あ、あ、あずにゃゃぁぁーーん!!!!」ガバッ

梓「だからムードを考えろって言ってるでしょー!!」


唯「ふぅ、いいお湯だったねー」テクテク

梓「温まりましたね」

唯「あずにゃんほかほかー」ギュー

梓「また汗かいちゃうからそんなにくっつかないで下さいよ」

唯「結局ずっと貸し切りだったねー」

梓「丁度私達が出てきた時に他のお客さん来たみたいですしね、ラッキーでした」

唯「ゆっくりできたねー」

梓「私は先輩のせいであんまり落ち着けませんでした」

唯「ねぇねぇ、途中でコンビニ寄ってアイス買ってっていいかな?」

梓「そうですね、ついでに起きてから食べる用にパンとか買っていきましょうか」

唯「あふ……、ちょっと眠たくなってきちゃったかな」

梓「寮に帰ったらすぐ寝なきゃですね」

唯「せっかく課題終わったのに寝過ごしちゃったら意味ないもんね」

梓「ちゃんと起きれます?」

唯「じゃあさ、あずにゃんの部屋で寝ていい?」

梓「別にいいですけど起きて下さいよ?」

唯「もちろん!私がしっかりあずにゃんの事も起こしてあげるよ!」

梓「うわ、その自信はどっから来るんですかね」

唯「空も明るくなってきちゃったね~」

梓「早く帰らないと寝る時間無くなっちゃいますよ」

唯「あ!星が消えちゃいそうだよ!」

梓「本当ですね」

唯「さっきまではあんなに綺麗だったのに消えちゃうなんて不思議だね」

梓「別に消える訳じゃなくてただ見えなくなるだけですよ?昼間でも望遠鏡使えば見えるらしいですし」

唯「でもさ、そこにあるってちゃんと分かっていても、見えないのはやっぱり不安になるし淋しいよね」

梓「ん……、そうかも知れないですね……」

唯「ああ~、消えちゃった~……」

梓「………………あ、あの!」

唯「うん?どうしたの?」

梓「ちょっとだけ目瞑って下さい!」

唯「え?なんで?」

梓「いいから早くして下さい!」

唯「よく分かんないけどこれでいいの?」

梓「……………………ちゅっ」

唯「!!!!!!」

梓「ちゃ、ちゃんと好きですからね?///」

唯「あ、あう…………///」

梓「ね、寝てないからテンションおかしくなってるだけです!別に意味は無いんです!」

唯「あずにゃん」

梓「もう!なんですか!」

唯「手……、繋いで帰ろっか?」

梓「しょ、しょうがないですね。周りに誰もいませんし、特別ですよ……?///」ギュッ

おしまい


最終更新:2013年02月05日 22:06