・・・
澪「はぁ、大学の学食は少しハードル高かったなぁ。主に周囲の視線が。うん、頑張った!私」
澪「それはそうと、ここの通りのラーメン屋はなんだかパッとしないなぁ。入りたいと思えない」
澪「もう川の方まで出てきちゃうぞ」
澪「ん?なんだこの店は?凄い名前だな」
澪(なんかこう、スーパーヒーローみたいな名前だな)
澪「つけ麺か。たまにはありかもな」
店員「いらっしゃいませー!!」
澪(店員さん、活気があるな)
澪(狭くて縦長の店内。寿司屋のカウンターみたいだ)
店員「あっ、ご注文は食券機で食券をご購入ください」
澪「え、あ…はい」
澪「食券機があったのか。カウンターばかり気にして目に入らなかった」
澪「なるほど。ラーメンもあるんだな。そりゃラーメンもあるよね」
澪「でもこの店の名前でつけ麺を選ばない人っているのかな?常連ならともかく」
澪「とりあえず、味玉つけ麺の大盛にしよう」
店員「少々お待ちください!」
澪「接客もなんだか好印象だな。twitterなんかもやってるみたいだし、やる気を感じられる」
澪「つけ麺の食べ方とかいろいろポップが貼ってあってなんだか賑やかな店内だ」
店員「はい!味玉つけ麺お待たせしました!」
澪「きたぞきたぞー」
澪「濃厚付けダレ、凄いモロモロしてるな。カツオ節か」
澪「麺の量も半端じゃない。これは覚悟しなければ」
澪「……」ズルズル
澪「うん、普通に美味しいじゃないか。濃厚という割にはさっぱりとした後味だ」
澪「それよりも凄くカツオ節が効いてるなぁ。味もしっかりしているけど、ダシ汁で麺を食べてるみたいだ」
澪「……」ズルズル
澪「麺が凄く太くてモチモチだ。これは大盛りにしなくてもよかったかもな」
澪「……」ズルズル
澪「へー、付けダレが冷めてきたら電子レンジで温められるのか。ま、そこまでしなくてもいいかな」
澪「後半はちょっと調味料でアレンジしてみよう。結構いろんな調味料がテーブルに用意されてる」
澪「……」ズルズル
店員「ありがとうございましたー!!!」
澪「う…結構お腹に来るな。これがカツオブシ効果ってやつか」
澪「どこか休める所に行きたいな…」テクテク
・・・
澪「うぅぅ…近くにゆっくりできそうな場所が無いから河原まで降りてきてしまった…」
澪「この辺でいいかな」
澪「…………うっぷ…」
ビュオォォォォォー
澪(寒っ!!)
澪「今日は風が騒がしいな…」
澪(なんちゃって…)
?「よっこらしょっと」
澪(!?)
おっさん「やぁ。ここ、いいかな?」
澪「え!?あ…はい…」
澪(なんだこのオジサン。誰だ!?)
おっさん「キミ、一人かい?」
澪「え、ひゃ…はい」
おっさん「そうか。キミみたいなかわいい子が、こんな所で何してんの?」
澪(“つけ麺食べすぎたから休んでる”なんて言えないよな…)
澪「ちょっと、考え事してて…」
澪(考え事なんか特に無いけど…変な空気にしてしまったか?)
おっさん「何か悩み事?」ヨイショ
澪(間隔詰めてきた…どどどどうしよう…)
おっさん「こんな通りすがりのオジサンで良ければ相談に乗るよ?」
澪「え、えぇ~と…」
おっさん「ん?ん?」ジリジリ
澪(近ぇよ…;)
ビュオオオォォォ…
澪「ひゃう!」
澪「寒ぅ~」ガクブル
おっさん「こんな所じゃなんだし、別の所でゆっくりお話しようか。ん?」サワサワ
澪(ひぃ!?太もも掴んできた!?これはまずい…!!)
澪「や、やめてください!」ガッ
おっさん「あっ、いやそんな乱暴するつもりじゃ…」
澪「ししっしちれいします!」
澪(ひぃぃぃ!なんとか助かった…)
澪(あれって絶対“アレ”の誘いか何かだよなぁ…)
澪(私ってそんな風に見えたのかなぁ…なんだかちょっとショックだ…)
・・・
澪「はぁはぁ…なんかすんごく疲れたぞ…」
澪「ゆっくりできる所、喫茶店なんかあればいいんだけど…」
澪「なんだよあのオッサン…。う、うっぷ…まだつけ麺が消化できてない…」
澪「あ、あれ?ここに駅があったのか」
澪「でもこの駅は違う鉄道だから、元いた街の方には戻れないな」
野良猫「にゃーん」
澪「ん?ネコか」
野良猫「うー」ゴロゴロ
澪「よーしよしよし。ふふっかわいいやつめ」ワシャワシャ
野良猫「にゃーん」スタスタ
澪「あれ、もうおしまいか。…ん?」
野良猫「にゃーん」
澪「喫茶店…お前、ここに案内してくれたのか」
野良猫「……」ダッ
澪「いってしまった。しかしこんな分かりにくい所に喫茶店があるなんてな」
澪「ちょっと入ってみるか…」
奥さん「いらっしゃいませ」
澪(凄くせまい…でもなんだろう妙に落ち着く)
澪(あ、ピンク電話だ。それに大きな鏡)
澪(うわぁ、レコードだらけだ。これ全部売り物なのか)
澪(ジャズが流れてる。大きいスピーカーだなぁ、部屋の奥はオーディオで占拠されてる)
澪(ご主人らしき人が奥でずっとレコードのジャケットを眺めてる…)
澪(よく見ると店内いたるところにジャズコンサートの半券らしきものが貼られてる。よっぽど好きなんだなぁ)
澪(そういえば軽音部の皆とライブとか行った事あんまり無いなぁ…)
澪「あ、ホットコーヒーください」
奥さん「ホットコーヒーですね」
澪(これはいい歌詞が書けそうだ。猫に案内されて見つけた喫茶店…ふふっ)
澪(厨房の方にホールケーキが置いてある。奥さんの手作りかな?)
澪「あ、あと本日のケーキってのもお願いします」
奥さん「あ、はぁい」
澪(……………)
澪(この狭い長方形の空間…)
澪(なんだか眠くなってくる所だなぁ)
澪(今度ここに来る時はノートを持ってこよう。絶対いい詩が書けるぞ)
奥さん「お待たせしました」
澪「どうも」
澪(チョコケーキかな?いかにも手作りケーキって感じだ)
澪(あ、ちょっと酸っぱい。レモンが入ってるんだな)
澪(ふ~ん、なるほどねぇ。日替わりケーキか)
澪「………」ズズズ
澪「ふぅ~」
澪(美味しかった…)
・・・
澪「さて、そろそろ晩御飯の時間だ。今夜の目的地は既に決めてある」
澪「以前ネットで偶然見つけて、口コミの評価がかなり高かった焼肉屋」
澪「糖尿病患者のための糖質制限食メニューやレシピが置いてあって、たまにお店のイベントとして講習なんかもしているらしい」
澪「ま、私は関係ないんだけど。お、バス来た」
澪「人はあんまり乗ってないな…。繁華街を過ぎたところだからか?」
澪「なんだかまた眠くなってきた……」
・・・
澪「はっ!?!?」
澪「え…!?!?」
澪「ね、寝過ごした!?」
バス運転手「お客さん、終点ですよ~」
澪(終点だと…)
澪「とりあえず降りよう…」
澪「どこなんだここ…神社?」
澪「く、暗いなぁ…」ビクビク
澪「茶屋とか蕎麦屋がならんでる。観光名所なのかな?」
澪「とりあえずこっちに行ってみよう」
・・・
澪「商店街みたいな所にはたどり着けたけど」
澪「ん?なにか変なキャラクターの看板がある。この商店街のマスコットか?」
澪「“はちぜろいち”商店街…なんだそれ。なんだかこのキャラクター、キモいな…」
・・・
澪「うぅぅ…焼肉がぁ…」
澪「仕方ない。どこかで軽く済ませるかぁ」
澪「お、ラーメン屋がある…」
澪「冬限定 替玉無料(一束)2月末迄…よし。ラーメンラーメン」
店主「いらっしゃ~い」
澪「どうするかなぁ、ふむ。あんまりメニューのレパートリーは豊富ではないんだな」
澪「しかも焼き飯は昼限定かぁ。どうしようなぁ…」
客「すみません。唐翌揚げだけ持ち帰りってできますか?」
店主「できますよ。何個?」
客「どれくらいの大きさですか?」
店主「こんなデカイの。一個100円ね」
客「じゃあ8個お願いします」
澪(持ち帰り!そういうのも……いや、やめておこう)
澪「唐翌揚げか。一個100円って結構高くないか?でもこの店は唐翌揚げが人気なのかな?」
澪「よくわからないや。とりあえず唐翌揚げ定食にするか!」
澪「すみません。唐翌揚げ定食お願いします!」
店主「唐翌揚げ定食ね。ラーメンの味はどうします?」
澪「えっと、醤油でお願いします」
澪「ふぅ、結構お客さん入ってるんだな。大学生かな?近くに大学があるのか」
澪「焼き飯も食べたかったなぁ…」
店主「はい、これニラね~」コト
澪「ニラ…?」
澪「碗にニラが入ってる。この小さいトングで取れって事か」
澪「油っぽいな。なにか味付けがしてあるのかな?」
店員「醤油ラーメンと定食のご飯、お待たせしました。からあげは後で来ますんで…」
澪「あ、はい」
澪「具はモヤシ、ネギ、ノリ、チャーシューか」
澪「さてさて、いただきます」ズズズ
澪「うん。悪くはないね。トンコツ風味。野菜ベースだからか、凄くまろやかな口当たりだ」ズルズル
澪「さて、このニラはどうしたものか。とりあえずご飯と一緒に食べてみるか」モグモグ
澪「!…ウマイ。このニラ、凄くご飯と合う。なんだこれ」ハフハフ
澪「塩?とラー油なのか?よくわからないけど、このしょっぱさと辛さが白ごはんとものすごくマッチする」ハムッハフハフ
澪「ニラ単体がこんなにご飯に合うなんて…」
店員「唐翌揚げお待たせしましたー」
澪「お、でかい。全長は携帯電話くらいありそうなデカイ唐翌揚げが二個…」
澪「………」パリパリシャクシャク
澪「ほぉ~、脂っこいけど中まで味がしっかり付いてる。これはいいな。一個100円ってのも納得だ」モグモグ
澪「このニラはいろいろと有効活用できそうだな」モグモグ
・・・
澪「あぁ~。温まったなぁ。焼き肉は食べ損ねたけど、なかなかいい所を見つけたぞ」
澪「で、ここどこなんだろう…」
月曜日・・・
律「おっす澪。おはよ~」
澪「おはよう」
律「いやぁ昨日唯とムギと一緒に街へ買い物に行ったんだけどさー」
律「澪も誘ったんだけど、メール見てなかった?」
澪「あぁ、ちょっと用事があって忙しかったんだよ(ラーメン食べに行く時は携帯持ち歩かないからな)」
放課後部室・・・
澪「悪いな、遅くなった」ガチャ
唯「あ、澪ちゃーん」
紬「あら、澪ちゃん。お茶入ってるわよ」
澪(やっぱり八つ橋なんだ…)
唯「あずにゃん!」ダキィ
梓「にあ~」
澪「……」
澪「よし!今日も打つか!」
唯「わーい」
律「私は後ろで見てるよ」
紬「あら、りっちゃんありがとう!」wktk
澪(先週は梓にしてやられたからな…)
最終更新:2013年02月13日 21:06