梓「憂ってさ」
純「うん」
梓「料理は作ってあげるの好きだけど人に作って貰う機会ってないと思うんだよ」
純「両親を除くとそうなるね」
梓「その両親も留守がちでしょう?」
純「うんうん」
梓「だから、憂の誕生日に軽音部で皆が得意料理を憂に振る舞うのはどうかな?」
純「いいねそれ!」
梓「スミーレや直にも参加して貰おうよ」
部室
梓「という訳なんだよ」
菫「喜んで参加します」
直「私も」
純「担当はどうする?」
梓「ケーキは皆で作るとして後は」
梓「煮物 炒め物 サラダ 揚げ物かな?」
純「OK」
梓「皆は何が得意?」
純「私は炒め物」
菫「私はサラダくらいしか…」
直「じゃあ、私は揚げ物で」
梓「なら私は煮物ね」
梓「精一杯、憂をもてなそうよ」
純菫直「おーう!」
憂「遅くなってごめんね」ガチャッ
梓「憂、誕生日は私達が憂をおもてなしするからね」
憂「いいの?嬉しい」
純「各自の得意料理で憂の舌をとろけさせてあげるよ!」
憂「うわぁ~凄く楽しみ」
菫「わ、私の料理は期待しないで下さいね」
憂「そんな事ないよスミーレちゃん」ニコッ
直「平沢先輩は好き嫌いありますか?」
憂「大丈夫だよ直ちゃん」
梓「場所はどこにする?」
純「憂の家は?」
憂「大丈夫だよ誰も居ないから」
梓「じゃあ、当日は平沢家に集合だよ」
菫(どうしよう…)
菫の部屋
菫「見栄はってサラダくらいとか言ってしまったけど」
菫「手の込んだの作れないよ…」
菫「お姉ちゃんに相談してみよう」ピポパ
紬「もしもし菫、どうしたの?」
菫「あの、お姉ちゃんちょっと相談が」
紬「どうしたの?」
菫「実はね…」
紬「そんなの気にする事ないわ~」
菫「でも…」
紬「梓ちゃんも憂ちゃんも純ちゃんもきっと喜んでくれるわ~」
菫「でも、何を作れば良いのか…」
紬「菫にはとっておきのサラダがあるでしょ?」
菫「あ、あれ?」
紬「そうよ~とっても美味しかったから大丈夫よ~」
菫「が、頑張る」
紬「心を込めて作ってあげてね」
菫「うん!」
誕生日当日
純「さあー張り切って作ろう!」
憂「わーい」パチパチ
梓「先ず何から作る?」
純「そりゃケーキでしょう?」
直「ところでケーキ作ると言っても作り方わかるんでしょうか?」
梓「…」
純「…」
菫「…」
直「…」
梓「どうしよう…」
憂「わ、私が作るから」
梓「憂は駄目だよ主役なんだからさ」
純「う、憂に教えて貰って皆で作ろうよ」
菫「それが一番安全ですね」
直「では、平沢先輩お願いします」
憂「任せて!」ふんす
憂「では早速作ろうか」
純「はい!憂先生」
憂「///」
憂「先ずは純ちゃん、ボウルに全卵と卵黄を入れ、泡立て器でよくほぐす。グラニュー糖を加えて、よくなじませてね。」
純「純ちゃんに任せなさい!」
憂「出来たね。じゃあ次は梓ちゃん」
梓「よし!」
憂「湯せんにかけ、泡立て器でよく混ぜる。指を入れてみて、風呂の湯くらいの温度(40~42℃)になったら、湯せんからはずす。その湯でバターと牛乳を湯せんにかけ、溶かしてね。」
梓「頑張る!」
純「頑張れ部長!頑張れあずにゃん」
梓「あずにゃんは余計だ///」
憂「出来たね、じゃあ次はスミーレちゃんだよ」
菫「が、頑張ります」
梓「菫、落ち着いて大丈夫だからね」
菫「はい!頑張ります」
憂「ハンドミキサーを低速にし、すばやく円を描きながら2を1分間泡立てる。次にハンドミキサーを高速にして、生地が少しだけもったりとするまで、同様に約1分~1分30秒間泡立てる。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がスーッと絶え間なく落ち、まだリボン状の跡が残らないくらいが目安だよ。」
菫「行きます!」
憂「スミーレちゃんやったね」
憂「じゃあ次は直ちゃんの番だよ」
直「平沢先輩見守って下さい」
憂「ハンドミキサーを低速に戻し、ゆっくりと円を描きながら1分間泡立ててきめを整える。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がトロトロと落ちて、リボン状の跡ができたそばから消えていくくらいが目安だからね」
直「やってみます」
憂「直ちゃん上出来だよ」
憂「じゃあ、再び純ちゃんお願いします」
純「頼れるベーシスト純ちゃんに任せなさい!」
憂「ハンドミキサーを泡立て器に変え、50回グルグルと混ぜる。泡立て器を持ち上げたとき、リボン状の跡が残り、ゆっくりと消えていくくらいが目安だよ。」
純「よっしゃ!」
憂「出来たね、次は梓ちゃんお願い」
梓「頑張るよ!」
憂「5に薄力粉の1/2量をまんべんなく加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにして、ボウルを少しずつ回転させながら10回ほど混ぜる。残りの薄力粉を加えて、同様に混ぜてみて」
梓「こんな感じかな?」
憂「うん、大丈夫だよ」
憂「スミーレちゃんの番だよ」
菫「はい!」
憂「ボウルの中央を縦に通るようにゴムべらを動かし、向こう側に返すようにして混ぜる。ボウルを少しずつ回転させ、薄力粉が完全に見えなくなるまで混ぜるんだよ。」
菫「うーん難しいです…」
憂「焦らなくても大丈夫だよスミーレちゃん」
憂「直ちゃんの番だよ」
直「はい」
憂「2のバターと牛乳をよく混ぜ、ゴムべらを伝わせて7に加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにしてよく混ぜてね。」
憂「流石直ちゃん、純ちゃんお願いします」
純「うん!」
憂「型のテープをはずし、8を高いところから流し入れる。ゴムべらについた生地は重いので、端のほうに入れてね。」
憂「綺麗に入ったね梓ちゃんお願い」
梓「何か楽しくなってきた」
憂「170℃のオーブンで約45分間焼く。型と生地の間に透き間ができ、表面がしっかりとしていれば焼き上がり。また、中央に竹ぐしを刺してすばやく抜き、何もついてこなければOKです。」
梓「上手く焼けてね…」
菫「焦げたら大変ですね…」
純「スミーレ」
菫「はい」
純「大丈夫きっと成功するよ」
菫「は、はいそうですね!」
憂「上手く焼けたね。これで半分くらいだよ」
憂「皆、凄いよ!最後は中心部にイチゴをバランスよく乗せるだけだよ」
純「じゃあ最後の締めは梓だよね」
直「それはもう部長ですから」
菫「梓先輩お願いします」
梓「何か恥ずかしいって///」
梓「じ、じゃあ」
梓憂菫直純「かんせーい!」
梓「ありがとう憂」
純「後は私達で出来るから」
菫「先輩はゆっくりしといて下さい」
直「平沢先輩の誕生日ですから」
憂「うん」ニコッ
梓「私が使う材料はこれだよ」
純「人参 玉ねぎ ジャガイモ 豚肉ってカレー?」
梓「調味料はこれ」
菫「醤油 砂糖 味醂 コンソメ ケチャップですね」
直「ケチャップ煮込みですか」
梓「直、正解だよ」
純「ホールトマト使わないの?」
梓「ケチャップ好きなんだもん」
純「お子様」
梓「う、煩い純」
菫「まぁまぁ」
直「ケチャップ美味しいですよ」
梓「先ずは豚肉を炒める」ジュー
梓「火が通ったら人参を投入」
梓「ジャガイモ投入して」
梓「最後に玉ねぎ」
梓「水を加えてと」
梓「コンソメ入れて」
梓「砂糖 味醂 醤油の順に入れてと」
梓「暫く煮込む」
純「簡単だけど美味しそう…」
菫「確かに…」
直「おぉ…」ゴクッ
梓「灰汁を取りながら火を通す」
梓「最後にケチャップ入れてじっくり弱火で煮込んで出来上がり」
純「おー」パチパチ
菫「いい匂いです」
直「食欲をそそりますね」
最終更新:2013年02月22日 04:18