唯「ふーんふーんふーん」ジャカジャカ

唯「あ、たまこちゃんだ」ピロリーン

唯「……! えへへ~」

憂「お姉ちゃんどうしたの? 何だか嬉しそうだけど」

唯「この間ね、電車乗り過ごしてうさぎ山商店街って所に行ったんだけど、そこで仲良くなったたまこちゃんって子と計画して」

唯「ライブを商店街でやらせてもらうことになったんだぁ~」

憂「へぇ~。良かったね! お姉ちゃん」

唯「うん!」

紬「はい、今日は久々にショートケーキ」

律「おっ、ありがとムギ。やっぱりショートケーキは外せない基本だよなぁ」

唯「美味しそ~! あ、そういえば昨日の夜たまこちゃんからメールがあってね?」

律「おっ、もしかしてライブの事か!」

唯「そう! ライブ出来るって!」

律「おぉ!」

澪「やったな」

梓「でも、先生に許可とらないとダメなんじゃないですか?」

さわ子「皆~」ガチャ

律「あ、さわちゃん」

澪「あの、先生。まだ詳しい日程は決まってないんですけど、うさぎ山商店街でライブしたいんですけど……」

さわ子「あぁ、その事。さっき商店街の方から連絡があって、許可は出したわよ?」

唯「流石さわちゃん!」

梓「いや、別にさわ子先生を褒める必要は無いと思うんですけど」

紬「じゃあ私! いや、琴吹家全体でサポートするわ!」

律「気合入ってるな!」

澪「何もそこまでやらなくても……」

澪「しかし、そうなると何の曲をやるかとかも決めないとな……」

梓「あ、じゃあ今ある曲もライブバージョンにアレンジしましょうよ!」

澪「おぉ。いいなそれ」

唯「なんかそれっぽくなってきましたな~」



たまこ「はいお餅! 史織ちゃんもどう?」

史織「うん、いただきます」

たまこ「そういえばこの間、うちで店番してたら桜が丘高校って高校の軽音部の人達が来てね」

かんな「桜が丘というと、ちょっと遠めの所ですね」

たまこ「それで仲良くなって、商店街の盛り上げ企画でライブをしてもらうことになったんだぁ~」

みどり「えぇっ!? 凄いね」

たまこ「だよねぇ」

たまこ「集会でも許可が貰えたし、後はチラシとか作ったり、日程決めたりするだけなんだ~」

史織「でも商店街にそんなスペースがあるの?」

たまこ「いや、商店街から少しだけ外れた所に商店街が持ってる大きな空き地があるからそこを使わせてもらえるみたい」

たまこ「あ、そうだ! 今日一緒に計画出来ないか連絡してみようかな」ピッピッ



唯「ん?」ピロリーン

唯「あ! たまこちゃんからメールだ」

唯「今日一緒にライブの計画が立てられないか、だって! どうする?」

律「私はいいぞ!」

澪「そうだな。今日は部活早めに切り上げて行くか」

梓「そうですね」

紬「楽しみ!」

唯「じゃあ……」ピッピッ



たまこ「唯ちゃんからメールだ!」モッチモッチ

たまこ「今日来れるって!」

みどり「私も会ってみたい! ついてってもいいかな?」

たまこ「いいよ~!」

かんな「じゃあ私も」

史織「それじゃあ私も」

たまこ「あ、でも合わせて9人なんて家に入らないや……星とピエロに行こうかな」



たまこ「いやぁ……すみません。わざわざ座れるテーブルと椅子用意してもらっちゃって」

邦夫「いえいえ」

みどり「あ、もしかしてあの子達?」

たまこ「あ、もう来たんだね!」

史織「楽器重そうだね……」

ガチャ

唯「こんにちはー」

邦夫「いらっしゃい」

たまこ「皆ー、こっちこっち」

律「よっ! あれ、この人達は?」

たまこ「私の友達!」

かんな「牧野かんなです」

史織「朝霧史織です」

みどり「常盤みどりです」

律「よろしくな! 私は……」



たまこ「それでは、ライブの計画会を始めます!」

全員「」ワーワー パチパチ

たまこ「まずはライブの日程から決めよっか」

唯「ん~……ライブに向けて一応練習もしたいし……」

澪「じゃあ二週間後の土曜日なんてどうだ?」

たまこ「いいね。皆予定とかある?」

みどり「私は無いよ」

かんな「ありませんね」

史織「丁度部活も休みの日だね」

たまこ「じゃあ二週間後の土曜日で!」

かんな「舞台やセットは私が作りましょうか」

律「えっ、作れるのか!?」

かんな「大工の娘ですから。一人じゃちょっと厳しいですけど、頼めばある程度現場の人達も手伝ってくれるでしょうし」

律「ほえー」

みどり「私達はどうしよっか……あ、じゃあ私達チラシ作ったり、本番の時に機材運ぶの手伝うよ」

史織「私も」

唯「ありがと~」

たまこ「何かあっさり決まっちゃって、もうやる事ないんじゃない?」

澪「あ、私ライブのセットリスト考えてきたんだ」

澪「順番はふわふわ時間、わたしの恋はホッチキス、ごはんはおかず、カレーのちライスにしたいんだけど」

みどり「わたしの恋はホッチキス……?」

かんな「ごはんはおかず……」

史織「カレーのちライス……?」

律「あー……これがうちのスタイルなんで!」

たまこ「いい! すっごいいい!」

みどり「……!?」

澪「そ、そうか……? ありがとう」

紬「澪ちゃん嬉しそうだね」

澪「へっ!? べ、別にそんなことないぞ!」

みどり「あはは」

邦夫「……サービスのシュークリームです」

たまこ「ありがとう! マスター」

梓「ありがとうございます」

紬「ここのお店雰囲気がいいね」

たまこ「うさぎ山屈指のカフェだからね!」

律「そういえばさっきからかかってる曲がロックばっかりだな」

たまこ「あぁ~。マスターは来る人に合わせてDJするのが趣味なんだって」

梓「この曲かっこいいですね」

唯「マスターもかっこいい!」

邦夫「ど、どうも……」

たまこ「あ、みどりちゃん口にクリームついてるよ」

みどり「えっ、嘘!」

たまこ「私が取ってあげるね~」

みどり「えっ、ちょっ、ちょっと」///

紬「はぁ~///」ニコニコ

澪「お、おい律、またムギのスイッチが……」

律「おーい、戻ってこーい」

紬「はっ」

みどり「も、もう! 恥ずかしいからやめてよ!」///

たまこ「えー」

史織「あ、私もう帰らないと……」

唯「もうこんな時間? 私達も電車に遅れるからそろそろ帰らなきゃ」

たまこ「じゃあ今日はお開きにしよっか」

唯「また何かあったら連絡するね~」

たまこ「はいはい!」

澪「皆今日はありがとう」

梓「ありがとうございました!」

紬「いいもの見せて貰いました」ツヤツヤ

たまこ「?」

律「それじゃ、また」ガチャ

たまこ「ばいばい」

みどり「じゃあねー」

史織「それじゃあ」

かんな「私も帰らせて貰いますかね~。早く家に帰ってステージの設計図を書かなければ」

みどり「本格的だね」



梓「こんにちはー……って、先輩達が楽器持ってるのなんだか久々に見ましたよ」

唯「あずにゃ~ん」

梓「……」スルッ

唯「いたっ」

梓「もう、ギター持ちながら走ると危ないですよ?」

澪「今日は梓の言ってたライブ版のアレンジを考えたいんだ」

梓「あぁ!」

唯「そういえば、たまこちゃんって餅屋の娘って言ってたよね」

律「ああ、言ってたな」

唯「じゃあ一緒に歌ってもらって、おもちはおかず、カレーのちおもちなんてどう?」

律「えぇー……安直じゃないか?」

澪「いいな! それ!」

律「えぇっ!?」

紬「可愛くていいと思う」

律「紬もか……。ええい! じゃあそれで!」

梓「じゃあ、ラスト2曲は元のままとして、最初2曲はどうアレンジします?」

澪「メロディーやコード進行を変えてみるとか」

梓「そうですね! ここのコードは……」

唯「りっちゃん~……あの二人が難しい話してるよ……」

律「お前は流石に分かれ!」



みどり「よし! 結構いい感じにポスターとチラシ出来たんじゃない?」

史織「そうだね」

みどり「後はこれを商店街の人達に協力して配ってもらうだけだね」

たまこ「えぇっ!?」

みどり「どうしたの?」

たまこ「唯ちゃん達が、ライブで一緒に歌って欲しいって……」

みどり「おぉー、いいじゃん!」

かんな「いいじゃないですか。私もたまちゃんが歌うとこ見たいな」

たまこ「いや、皆でって」

みどり「えぇ!?」

史織「私はあんまり歌に自信が無いから遠慮したいんだけど……」

みどり「史織は声がいいし、歌も結構上手いじゃん」

かんな「誰か一人でって訳でもないし、皆で歌ってもいいと思いますけど」

たまこ「そうだね~、私も皆となら歌うよ!」

みどり「二人がそういうなら……」

史織「えっ、じゃあ私も……」



唯「あ、皆一緒に歌ってくれるってさ」

律「本当か!」

澪「なら今度メロディーの入ったCDをあげないとな」

梓「学校でやったライブの録音がありますし、それを使ったらどうですか?」

澪「そうだな。今ごはんはおかずとカレーのちライスのお餅アレンジバージョンの歌詞も出来たし」

みどり「あー、あー……。歌詞とCDは貰ったけど、難しいなぁ……」

TV「X月XX日に、うさぎ山商店街で放課後ティータイムのライブが開催されます」

TV「企画、後援:うさぎ山商店街、琴吹財閥」

みどり「……え?」

みどり「何、さっきの!」プルルル

みどり「あ、かんなだ」

かんな「見ましたかみどちゃん!」

みどり「み、見た! CMでしょ?」

かんな「驚きましたよ……。ますますプレッシャーがのしかかりますね」

みどり「うっ。本番緊張して声が裏返りそうだよ……」

かんな「まあ、みどちゃんなら大丈夫でしょ」

みどり「かんなの方こそ大丈夫なの?」

かんな「私は設計図書いてる間にずっと聴いていたので、もうばっちりですよ」

みどり「いいなぁ~。というか工事はどんな感じなの?」

かんな「木材も集まって、明日から手が空いてる現場の人が私と一緒に工事を始める予定」

みどり「凄いね……。気をつけてよ?」

かんな「任せてくださいよ」



文子「これ、今度この近くで高校生がライブやるんですよー」

かおる「もしよかったらこのチラシ、どうぞ」

富雄「ライブ、宜しくお願いしますね!」

たまこ「盛り上がってるね~」

かんな「なんだか各所で話題になってるらしいですよ」

たまこ「そうなんだ! 沢山人が来てくれるといいなぁ~」


3
最終更新:2013年02月25日 21:13