ロンリー・ハーツ・キラー

P7
全体として世の中から言葉が減っている気がした。うまく説明できないけれど、あまり話すことがらがないから、ぜひとも語っておくべき話題がないから、おしゃべりをする必要がなくなっている、という感じか。不必要なことを口にする気力が湧かないのだ。もともとおしゃべりなんて大半は無意味なものだし、それで構わないのだけれど、いまはその無意味さえ耐えがたく、黙ってしまう。
→無意味と有意味。
ミクロ
博報堂生活総合研究所のmonomのようなもの。
http://seikatsusoken.jp/1982-2005/LAB/monom/contents3/about/index.html
共起の引力について(ブログコーパスを用いた語彙構造について)
マクロ
風景描写またはシーンを一単位とした引力

P7
中年で後を継いだ若オカミは、爽やかで嫌味のない人柄も相まって、その若さはこれまでにない新鮮な空気をもたらし、全体として死を待つ老後を過ごしている間のあった社会全体をも若返った気分にさせた。
→それまでの天皇制は死を待つ老後のイメージを刷り込むことを繰り返していた。

P9
報道によれば、これまでオカミの存在に無関心だった十代後半から二十代の若年層が、喪に服す期間が過ぎても職場や学校に復帰できず、ところによっては仕事が成り立たない場合もあり、「追悼ゼネスト」などという見出しが躍ったりした。
→無関心(見ない、背を向ける、離れる、諦める)。喪に服す引き籠もり。
同時代で支えるシステムとして機能する天皇制。

P245うづきの台詞
「行き止まりにしたいのと違う? 俺はいろはが流した手記を呼んでてハッとしたよ。井上の手記の中に、こう書いてある。「世界は死にたがっている」。これ、ミコトの言葉。モクレンもそんな感覚を持ってて、自分までで終わりにしたいんじゃないの?」
→甲子園のトーナメント表をひっくり返す。そうすると今まで連綿と続いてきた子孫を残すツリーが自分で止まっていることに気がつく。
最終更新:2012年08月15日 18:21