思想地図β vol.2


断ち切られた時間の先へ
  • 「家長」として考える

猪瀬直樹+村上隆+東浩紀

猪瀬
江戸時代は270年続いた。当時の人はおそらく、「永遠に日常が続く」というイメージを持っていたはず。
そこに黒船が来て、いったん日常が切れる。日常は明治維新以降回復されるが、第二次世界大戦でそれが
もう一度切れる。それ以降に築かれた戦後60年の日常性はまさしく「平和」という括りで「終わりなき日常」
だと思います。

重要なのは、戦前までの日本には、この島から出られないという認識を前提にした歴史観が残っていたという
ことです。
日米安保で米兵"門番"の役割を担ってもらうようになると、門の外側や歴史のリアルに対する想像力を失って
しまった。僕はこれをディズニーランド化と呼んでいるのです。


(4/13の朝日新聞の細川元首相のインタビューに関して)
いまはむしろ、震災後政治家に求められるのは、実務だけではなく、こういう能力、「想定外」の危機を扱う
ため日常よりも長いスケールで文学や思想の古典を呼び出す能力なのではないかと感じた。つまり先人の知恵
を借りる能力です。
最終更新:2011年09月08日 20:11