明かされる想い 目覚める力4

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「月の民? 月に住んでるやつがいたのかよ!?」 質問に次いで驚きの声をあげるエッジ。 「今はの」 「今は? どういう事だ?」 少しだけ老人――フースーヤの顔が曇った……セシルにはそう感じ取れた。 「私は――我々は元々別の星のものであった」 「じゃあ私たちの住んでいた所?」 今度はリディアが尋ねる。 「青き星か、いや違う。同じようなものといえばそうだが」 青き星……フースーヤ達、月の民はセシル達の星をそう呼ぶのだろう。 「それじゃあ……私達の住んでいる所、青き星以外にも人が住んでいたのね」 「聡明だのお穣ちゃん、その通りだ。我々は元々は火星と木星の間に存在する小さな星に住んでいたのだ。 しかし、ある時その星は絶滅の危機に瀕した――」 何処か遠くを見るようなフースーヤの声。 「どうして絶滅したの?」 子供の心を忘れない無邪気なリディアだからこそできる質問だ。 「いい質問だ、実にな……結論から言えば星の環境が大幅に悪化して人が住めなくなってしまった。 どうにかして生き残った人々は脱出して新天地を探すべく旅を続ける放浪の民となったのだ……」 「環境が悪化って……大きな天災か何かが星を襲ったのかよ?」 「いや」 フースーヤの声が少し淀んだ。 「この際だから話しておこう……我々の星の中にはいくつもの国が存在していた。だがある時……一つの国が 他国を侵攻した。それが切っ掛けで他国をも巻き込む大きな戦争へと発展していったのだ」 誰もが口を閉じ黙って聞いていた。 「その戦争は一行に終わる気配がせずに拡大だけを続けていった。十年が過ぎ……二十年が過ぎた。そして百年が 過ぎた。それでも戦いは終わらなかった……」 「そもそも戦いは何故おきたの?」 「時間がたちすぎて誰も原因が判らなくなっていた、だが戦いは終わる気配は一行になかった……」 -[[明かされる想い 目覚める力5]]

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