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地上を救う者達13

視界がぼやける
見えるものがすべて白。
そういった時間が数秒あっただろうか。
段々と目の前の風景がはっきりとしたものになる
「……シル」
聞き覚えのある声がはっきりするまでの時間はわずかであった。
「おおっ! きおったかーセシル」
驚いたというよりも、半ば予想していたといった感じのリアクション。
セシルが自分を頼ると思っていたのだろうか。
「シド!」
自分の知る元気のよいシドに対して安心と信頼の笑みを返すセシル。
「大丈夫なの」
少し心配といった表情のローザが質問する。その心配はもっともだ。
シドは地底世界からセシル達を逃がすためにその身を挺した。
その時はセシルもローザもシドはその時に死んだものだと思っていた。
しかしエッジと行動を共にしファルコンで地底、ドワーフの根城へと帰還した際に見たのは、
重傷を負いながらも生還した父親同然の老技師の姿であった。
セシル達の姿を見るや怪我などなんのその敵の本拠地から乗ってきた新たな飛空艇を改造し
地底での移動をより容易くしてくれた。
あの時も怪我を看病していたドワーフ達を抑えて整備に没頭していた。
「あんときは世話になったぜ……」
苦虫を噛みしめるようなエッジ。
「エッジとリディアも巨人へいくのだな」
エッジはファルコンの改造の時に半ば強引にシドの手伝いをした。
最後の方は割と楽しんでいたのだが……
「やつの口から内部へと侵入する、口に近づくのだ!」
あくまで冷静な指示を出すフースーヤ
「誰じゃ?」
「月の民、フースーヤ」
シドの疑問にも単刀直入に名前だけを名乗る。
「月の民ー?」
淡々と名乗るフースーヤにシドは疑問をぶつける。しかし特に怒っているわけでもなさそうだ。
「出来るか?」
結果だけを尋ねる。
「わしを誰だと思っとるんじゃ! 飛空艇のシドじゃぞ! 任しとかんかい!」
言い終わらぬうちにブリッジの部下たちへと指示を出していくシド。
しばらくもたたぬうちに飛空艇ブリッジはあわただしくなった。
「隊長!」
巨人へと向かう飛空艇
人の行きかいが激しくなる中でセシルを呼ぶ声が聞こえる。
「みんな!」
忘れもしない、過去にセシルが隊長を務めていた赤い翼の隊員達だ。
「立派になられて!」
パラディンとなって彼らに会うのは初めてだ
それでもかつての部下は自分を見間違うことはなかった。
「飛空艇さえあれば我々も隊長の力になれますよ!」
「みんなありがとう!」
「セシル準備ができたぞ巨人まで一気に行くぞ!」
飛空艇発進を促すシドの声。
「振り落とされないようにしっかりつかまってろ」
ブリッジの強風が強くなる。
瞬くように空の景色が速くなり、前方へと立ちはだかる巨人が視界を支配していく。
「飛空艇が接近できるのは僅かな時間だけじゃ! その間に一気に飛びうつれよ」
攻撃の手が緩んだとはいえ巨人はいまだに健在だ。
のんびり近くを旋回していては撃ち落されるだけだ。
「よし今だ!」
柄にもなく熱い叫びをあげるフースーヤ。
「着地の衝撃は私がやわらげる」
その言葉が作戦開始の合図となった。
「先に行くぜ」
エブラーナ忍者のエッジが先陣を切る
続くセシルはわずかな時間後ろを振り返り敬礼する。
いってくるバロンの赤い翼としての敬礼を部下へとする。
視線を前へと戻す一瞬の間、部下たちの敬礼も見えた。

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最終更新:2021年09月17日 21:54
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