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悪夢の崩壊3

制御室へと向かうエッジ一行の旅路は無口なものであった。
もともと必要最低限なことだけをいうフースーヤはまだしも、リディアも何も言わなかった。
「ここが巨人の心臓部、制御システムだ!」
沈黙を打ち破ったのはフースーヤだ。
「でけえ!」
想像を超えたものに対してさすがのエッジも声を荒げた
中央部に黒い球体。このサイズは大型モンスターやドラゴンのそれを遥かに超えたものであった。
(あの封印の洞窟の扉のモンスターが出してきたやつよりもでかいな)
地底最後のクリスタルそれの封印を解きに向かった洞窟。侵入者を排除する数多くの扉の罠を搔い潜りやっとの思いで
手に入れたクリスタルをカインによって奪われてしまった苦い記憶もよみがえる。
「くっ……」
そのことはセシルに任せた。そう思いぐっとその気持ちをひっこめた。
周りの小型球体は一体?
「防衛システム、迎撃システム。制御システム本体より先ず防衛システムを叩かねば、修復されてしまうぞ!」
新たに芽生えた疑問に巨人に精通した月の民が答える。
「迎撃と防衛の二つは絶えず補充されてくるだろう」
「つまりは」
二つの補助システムをいなしつつもいつかは本体を破壊しないといけない。
「誰かをが制御システムへの攻撃の集中役とする」
後は補助に回り、<迎撃>と<防衛>を破壊、それが作戦か。
「では誰が……」
フースーヤの提案を飲み込もうとしたその時であった
目の前の黒い球体から声が聞こえてきたのは。
「久しぶりだねエッジ君」
「!」
その声は忘れもしない。
「ルゲイエ」
エッジの心に静かに怒りが灯る。
「生きていたんだな」
「ふんようやく巨人の力を手に入れたのだ。まさかこの期に及んでまで邪魔をしてくれるとはね」
どうやら肉体を捨ててでもこの月の力が欲しかったようだ。
「へへちょうどよかったぜ」
両親を亡き者にしたルゲイエを逃したことはエッジにとっては気がかりであったのだ。
「この巨人をぶっ壊せば、おめーも倒すことができるって事だろ。フースーヤ!」
覚悟を決めたエッジはフースーヤに視線をめぐらす。
「さっきの制御システムへの攻撃役、俺にやらせてくれ!」
「何を言うのかと思ったら――」
「私からもお願い!」
助け船を出したのはリディアだ。
「それにあの制御システムはおそらく魔法に対してリフレクをはってるわ。直接攻撃するか、私が幻獣の力を借りた方が
いいと思うの」
「ふむ確かにな」
その言葉に説得力を感じたのかフースーヤはエッジの提案を受け入れた。
「でもそうなると、ひきつけ役をフースーヤひとりが」
「私を誰だと思っている」
心配するリディアをよそにフースーヤは珍しく熱く語る。
「いいだろうお前たちの賭けにのってみよう! ところであのルゲイエというやつは」
「ゴルベーザ達に味方してる科学者みたい。ローザの昔の先生でもあったみたいで」
「ありふれた悪党だ」
フースーヤはそれ以上興味を示さなかった。
「どのみち巨人を破壊せねば月も蒼き星も未来はない。この戦いお前たち二人にかけてみよう」
「ありがとよ」
意気込んで切り込むエッジとそれを追うリディア。
「クルーヤよ」
それを見送るフースーヤは誰にも聞こえない声量で語る。
「お前が何故、蒼き星の民に惹かれたのか、そして二人の子供を残したのか。少しだけわかったような気がする」

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最終更新:2021年09月18日 21:26
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