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悪夢の崩壊7

何も声をかけれなかった。セシルは黙ってうつむいていた。
(これでよかったのか?)
「いーのかよセシル」
自分を納得させようとする心を先読みするかの如く否定したのはエッジだ。
「ゴルベーザ……あの人は、死ぬつもりよ……」
見ると近くでローザが心配そうにセシルを見つめていた。
間違いない。ゴルベーザが蒼き星にしてきた事は簡単に償いきれるものではない。
今更この星で仲良く暮らすことはできない。
刺し違えてでもゼムスを倒すつもりだ。覚悟を決めたその時から
セシルの事を一切振り返らなかったのも死を覚悟しているからだろう。
「…………」
「お兄さんなんでしょ?」
ようやく事実を受け止めたのか、当然の事実を口にするリディア。
「兄さん……」
「そうよ!」
ゴルベーザは兄である。
だったらせめてあの時の別れの時に兄と呼ぶべきだったのではないか?
おそらくゴルベーザと再び会うことはもう――
その時であった
既に崩壊を始めていたであろう、バブイルの巨人の内部の轟音が一気に大きくなった。
「やべーぜ」
それがこの時間の解散を告げるようであった。
「逃げないと」
リディアの一声
「脱出魔法を……間に合うかしら」
近くのローザも脱出の準備を始める。脱出魔法には転移先のイメージを捻出したり、自分以外の仲間たちも一緒に運ぶ
ための過程を踏む為に、高い集中力を必要とする。
脱出魔法テレポ。この魔法はセシルも行使することができるのだが、今の状態では成功率が低いとローザ判断したのだろう。
高位の白魔法を使いこなす彼女の判断は迅速であった。
「時間が……」
だが目前に迫る崩壊の速さはローザの判断を上回る勢いであった。
「こっちだ!」
上空に舞う一つの影。あの高度を跳躍できるものは少ない
「カイン!」
ローザとセシルの目前に着地した竜騎士は先ほどゴルベーザ達が去っていった方向を指す
「あの先に俺とゴルベーザが乗ってきた小型飛空艇がある。それで脱出するぞ」
「その手にゃ乗んねーぜ!」
エッジからしてみるとすぐには受け入れがたい提案だったようだ。
「話は後だ! 死にたいのか!」
そういって後ろへを顎を指す。既にここまで来た道は崩壊を始めているようだ。
退路は断たれたそういいたいのだろう。
「早く!」
迷う暇はない。ローザはセシルの手を引き走り出した。
リディアもそれに続く、エッジもやや不満はあるが駆け出した。

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最終更新:2021年09月18日 21:28
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