洞窟の中は狭く、薄暗い。さらに天然の迷路のように道が、壁がうねっている。
「薄気味悪いのう」
ガラフが辺りを警戒しながら呟く。
レナは無言だ。しかしナイフを手に握り締めたまま離さない。
「うわー、湿っぽいな、なんか」
バッツは旅慣れてることもあって余裕の顔だ。
しばらく進むと左手に泉が見えた。
「天然の水が湧いてるの…?」
あたり一面の綺麗で透き通った泉。
レナは少し感動を覚える。
ここ最近ずっと不安を抱えてた彼女にとってそれは文字通りのオアシスだった。
不気味な洞窟への警戒感も少しだけ和らぐ。
「ちょっと一休みするか…」
バッツが疲れた顔で言う。と言うよりこの言葉を言ってる時にはすでに彼は休んでいた。
3人の中で肉体的に一番しんどかったのが彼であろう。精神的には充分、大丈夫なのだが。
洞窟に入って早くも休憩である。
「ちょっと水分補給しないとな。水分補給は大事大事」
ガラフは教訓のように言った後、渇いた喉を潤すべく両手で水を溜めて一気に口元へ流し込む。
「ふー、美味いのう…」
その次の瞬間だ。
「!」
ガラフが何か驚いたように目を見開く。
「おい、ガラフ?どうした?」
バッツは一瞬心配する。天然の湧き水とは言え辺りはとても健康的な風景ではない。
毒が入ってたりしたら…
しかしそんな心配をよそにガラフは水をごくごく飲み始めた。
「お、おい、飲みすぎじゃないか?」
そんなガラフにつられてか、レナも軽く泉の水を飲んだ。
そしてレナも気付いた。
「ねぇ、この泉、ただの水じゃないわ!」
バッツが閃く。
「もしかして、回復の泉…」
もちろんバッツは3年間の旅で回復の泉のことは知っていた。
しかしこんな所から涌いてるとは思ってもみなかったのである。
「まさか、こんな場所にあるなんてなぁ」
こうして3人はこの数時間で起きた怒涛の出来事による疲れを癒した。
最終更新:2007年12月13日 03:22