「馬鹿者がっ! はやまりおって!」
口を開いたのはテラだった。それは此処にいるもの達すべての意志を代弁する言葉であった。
それに相応しく、怒りと悲しみを一気に込めた言葉であった。
「おいっ……お前さんも魔法使いなのだろ! ならばっ、こやつらを速く、元に戻してやれ!」
急かすようにシドが言う。
「じゃ……」
「何?」
「無理じゃ……」
「何だと!」
以外なテラの返答に怒ったように返す。
「この子達は……望んで自らの身を犠牲にした……だから治療魔法も効果がない!」
「では! ずっと……一生このままだというのか?」
「それは……私にもわからん。だが、すぐにという訳にはいかんのだろう……」
悲痛なシドの叫びに対し、随分と淡泊な受け返しであった。だが……
「死ぬのはっ! 死ぬのは、この老いぼれだけで充分であっただろうに!」
床を叩き、テラが叫び出す。
「おのれ……おのれぇ……」
呻き悲しむのは賢者としての無力感。そして、死ぬつもりであった自分以外の犠牲。
「こんな幼子が……」
無念に暮れるテラの傍ら、今まで黙っていたヤンが言った。
「この私が無念をはらず!」
テラが立ち上がり言った。以前にも増しての敵への打倒の意識を感じられる。
其処には半ば、危険な勢いすらも感じさせられる。
「弔い合戦だ!! エンタープライズを出すぞ!」
シドが同調するかのように言った。僅かな時間であったが、無邪気な二人の
今の行動には心動かされるものがあったのだろう。
「皆行くぞ!」
シドが大声で続けた。
最終更新:2008年08月22日 13:41