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アクシデントは突然に - (2013/05/06 (月) 09:30:57) の最新版との変更点

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*アクシデントは突然に  ◆i7XcZU0oTM ----  やる夫とやきうのお兄ちゃんの2人で、気絶したままのグンマーを、民家の中に運ぶ。  それを尻目に、ダイニングの机に腰掛け、PDAをチェックするマッマ。  何故このような事をしているのか?答えは、案外単純である。  そろそろ定時更新の時間だと言う事で、安全な場所でPDAをチェックしようと、マッマが提案したのだ。  その為に、手頃な民家に入り、万が一のために、見張りとしてチハを外に置いておくと言う算段だ。  最初は渋っていたチハだったが、マッマの説得で、渋々見張り役を引き受けたのだ。 「……」  神妙な面持ちのまま、ジッとPDAを見つめる。  ……やがて、その表情が悲しげな物へと変化して行く。 (6時間の間に、15人も殺されてるなんて……信じられない)  だが……これは、紛れも無い事実。  先程見かけた、3体の遺体同様に、どこかで、誰かが殺されている……。  その事実が、マッマの胸を締め付ける。 「ちょ、ちょっと見せてほしいお……」 「しょうがないね…………ほら、アンタの名前、ここに載ってるわ」 「ホンマや」  まさか本当に載るとは、と言った感じで、やきうのお兄ちゃんが驚く。 「ホンマや、じゃないわよ。これがどういうことか、アンタ分かってんの? 他に名前が出てる奴と共に、  "危険人物"と、まあ十中八九思われるでしょうね」 「ふーん」 「もしかしたら、アンタが殺した人の知り合いが……アンタに復讐しに来るかもね」 「……ま、まあ誰が来ても返り討ちに……ぐえっ!?」  その言葉を言い終わる前に……。  マッマの鉄拳が、やきうのお兄ちゃんの腹に叩き込まれた。 「アンタはつくづく救いようのない馬鹿だね。これ以上罪を重ねるつもりかい?」 「そんなん言うても……ワイに復讐しようとする奴が相手でも、殺したらアカンとでも言うんか?  そんなんワイは絶対に御免や。そもそも、れっきとした正当防衛になるやろ!」 「さっきも言ったけど、アンタに選択権なんて無いの。無駄口すら叩けなくしてあげようか?」 「くっ……」  いくら身体的に勝ろうと、精神的に負けていてはどうしようも無い。  口では強がっていても、やはりやきうのお兄ちゃんにとってマッマは恐ろしいのだ。  マッマの畜生発言を見れば、恐れる気持ちも良く理解できるであろう。  まあ、大抵の畜生発言が放たれる原因は、やきうのお兄ちゃんの方にあるのだが。 「…………全く、無駄な時間を使っちゃったよ。ほら、この禁止エリアを覚えておくんだよ」 「分かってるお。流石に、そんなので死にたくないお」 「この近くで禁止エリアになるんは……D-1か。まあ、あんま関係ないわ。ここは、D-1ちゃうしな」 「……」  2人が反応を示す中、マッマは一人考えていた。  ……人がいなさそうな場所から禁止エリアになっている。  と言う事は、徐々に逃げ場をなくして、嫌が応でも戦わせようと言う意図だろう。  だとしたら、ひろゆきは随分と酷い事をするものだ……。  ここに連れてこられている者全てが、戦えるほど強い訳ではないのに。  もしくは、深い理由なぞなく、適当に選んだだけなのか。  それと同時に、これからの事もぼんやりと考えていた。  殺し合いに乗っている奴の名前が出た。即ち、全員が警戒心を強める事に繋がる。  ……出会う相手が、名前が出ていた殺人者ではないか。それとも、そうじゃないのか。  これを見た誰もが、そう思うかもしれない。だが、この情報は……参加者全員が閲覧できる。  つまり、名前の出ている殺人者自身も、これを見れるのだ。  当然、自身がこれから警戒されることも、十分なほど分かるだろう。  となると……やはり、そうそう姿を現さなくなるかもしれない。  だとすると、危なくておちおち外も歩けない。だからって、別に諦めはしないけど。 「マッマ、どうしたんや。さっきからずっと黙っとるけど」 「アンタと違って、私はいろいろ考えてるのよ。とりあえず……アンタ達、ちょっとこの家調べてきなさい」 ~~~~ 「……15もの命が奪われていたなんて……」 「……」  PDAを見ながら、悲しげな表情を浮かべるいわっち。  だが、それ以上に悲しげで、かつ恐れた目でPDAを覗くしぃ。 「それなのに、私と来たら……情けないものです」  肩を竦め、溜息を突く。  いわっちの言う通り、あれから……ギコ猫と別れてから、誰にも出会えていない。  時折、何処かから銃声のようなものも聞こえて気はしたが、それ以外は、何も無い。  ただ、人がいないかどうか確かめながら、ここまで歩いてきたが、結果はこの有様であった。  誰にも出会う事はなく、ただここまで辿り着いたのみ。  だがこれは、同時に危険人物にも出会わなかったと言う事にもなる。  その点では、ある意味幸運だったのかもしれない。  しかし、情報を訊きたいと思っているいわっちにとっては、あまり好ましいことではなかった。 (…………それに)  "異世界"の可能性……。  本当に異世界から人が招かれていたり、自身の知らぬ世界から物が持って来られているのか。  ……それを感じさせる事象に何度も遭遇はしているが、未だ半信半疑な状態だ。  それを完全に裏付け出来る程の"何か"が、現時点では欠けている……。  "停戦"を持ちかける前に、できればそれもはっきりさせたい……。  そんな考えが、いわっちの頭の中に変わらず有った。 「……?」  どうしたのだろう、と言った目線で、いわっちの顔を見るしぃ。 「あっ、いいえ、何でもありませんよ。少々、考え事をしていただけですよ」  ……こんなところで、思い悩んでも仕方が無い。  今は、立てた目標目指して、進むしか無いのだ。  緩みかけた意思を再度引き締め、いわっちは歩き出した。 (……)  辺りも明るくなるころだと言うのに、いわっちの心には、重苦しい暗雲が居座っていた。  ……人である以上、恐怖からは逃れられない。  未知の事態への、自身の死への、自身の計画の成否への、恐怖。  それが、じわりといわっちの心に影響を及ぼして行く。  微小なウイルスが、徐々に人の体を蝕むように。静かだが、確実に……。 「あッ」  不意に、しぃが声を上げる。 「どうしました?」 「あれ……もしかしテ……」 「ん……!?」  少々離れた民家の前の道路。そこには……戦車らしき物が、停まっている。  ――――何故戦車がこんな所に。まさか、誰かの支給品?  何となく危険な気がしたので、いわっちはしぃを抱えて物陰から様子を窺う。 (あれって絶対……戦車、だよネ?) (間違い無く、戦車です…………)  小声で、会話を交わす。  それと同時に、いわっちの頭脳が、急に回転しだす。  何故こんな所に?と言うか、そもそも何故戦車があるのだろうか。  こんな状況自体が普通じゃないが……あえて普通に考えるならば、誰かに支給された物だろう。  そして、支給された戦車に乗ってここまで来た、と言った所だろうか。  だが……今の所、戦車に人が乗っているような気配はない。なら、どこにいるのか?  流石に、戦車を乗り捨ててはいないだろう。壊れてもいない戦車を、捨てて行く理由はない。  なら……近くにいる、と考えるのが自然だろう。 (私の考えが正しいならば、戦車に乗っていた人物は近くにいるはずです) (どうして分かるノ?)  先程の考えと結論を、しぃに小声で伝えるいわっち。  説得力があるような結論に、ただただしぃは感心するばかりだった。 (そこで……少々危険ですが、近づいて調べてみようかと思います) (ええッ!?) (勿論、しぃさんを危険な目に遭わせたりはしません。私の後ろに隠れていれば、大丈夫ですよ)  そう言って、つかつかと停まっている戦車まで歩いて行こうとすると……! (あっ! ……お姉さーん! 誰か来たよー!) ◇ 「で、あなたがいわっち、そっちの子がしぃ、ね……」 「そうです」 「渾名みたいな名前ね……まぁ、私も人の事は言えないけど」  民家の中。  いわっちとしぃ、それとマッマは、ダイニングで向かいあって座っていた。  簡単に自己紹介を済ませ、2人は一息ついていた。  ……やきうのお兄ちゃんとやる夫には、別室で未だ気絶したままのグンマーと共に待機させている。  あの2人がいると、話がややこしくなると考えたマッマの措置だ。 「あなた、目標はあるの?」  マッマがそう言うと、いわっちは地図を取り出し、森林公園を指差しながら言った。 「まず……一緒に来ていただける方を、この公園に集めるつもりです。その後……」 「それで?」  ススッと指先をテレビ局の所まで持って行き、話を続ける。 「できれば12時までには、テレビ局にて、停戦の意思を伝えるつもりです」 「停戦?」  その単語に、マッマは怪訝そうな顔をする。 「ええ。ひろゆきに、テレビ局を通じて停戦の意思を伝えます」 「それ…………問題ありまくりよ」 「な、何故ですか!?」  一呼吸置いた後、マッマは話しだした。 「まず、幾ら停戦しようと訴えた所で、相手が乗らなきゃ意味が無いじゃない。私たちをこんな所に連れてきて、  なおかつ殺し合いさせるような奴が、そんな誘いに乗ると思う? まず、無視されるか突っぱねられるでしょ」 「……」 「第一、テレビ局からあいつらに何か言う事って出来るの?」 「おそらく、出来るのではないかと。テレビ局から映像を流せば、あちらの目にも停まるでしょうし」 「まあ、その可能性はあるでしょうけど。あっちだって、私たちが逃げ出さないように見張ってるだろうしね。  でも、その問題を乗り越えても、まだ大きな問題が残ってるわ」  ふう、と一息つき、なおも喋り続けるマッマ。  その声には、幾分かいわっちに対する呆れと怒りが籠っていたかもしれない。 「もし停戦が受け入れられたとして、その後はどうするのよ?」 「……その後?」 「そうよ、その後よ。停戦が運良く受け入れられたとして、その後はどうすんの?」 「その後は……」  さっきとは打って変って、黙りこんでしまったいわっち。  そこを突くように、マッマはさらに踏み込んでいく。 「それも考えずに、今までやってたの? ……私としては、その案を実行に移すのはやめた方が良いと思うけど」 「……で、ですが」 「言いたい事は良く分かるし、あなたを責めるつもりもないわ。でも、考えてみてよ。さっきも言ったけど、  こんな所に無理矢理連れて来てるような奴が、こっちの言う事なんてまともに取りあう訳がないわ」  ……何とも言えない、気まずい空気が、部屋を包んでいる。 「……ごめんなさいね、しぃちゃん。さっきから私が喋ってばかりで。怖かったでしょう」  そう言いつつ、今までにない優しい目線を、しぃに向ける。 「大丈夫……。怖く、なかったヨ」 「ならよかったわ」  ほんの少しだけ、空気が変わった時だった。 「うわあああああぁぁぁっ!?」  ――――叫び声が、その空気を打ち破った。 ~~~~  マッマといわっち達が、別室で会話していた頃。  やきうのお兄ちゃんとやる夫は、別の部屋でグンマーと共に待機していた。 「くそ、何でこんな仕打ち受けなアカンのや……」 「全くだお……」  ハァ、と2人が同時に溜息をつく。  殺し合いの最中だと言うのに、何故かここだけ妙にダラけた雰囲気に包まれていた。  それもそのはず、畳敷きの床に寝転がり、ダラダラと過ごしていたのだから……。 「この家を調べた結果も、つまらん結果に終わっただけやしなあ」  そう言ってボヤくやきうのお兄ちゃんに、やる夫が話を振る。 「そう言えば、少し気になってたことがあるお。さっき、何でお前はこいつの言う事が分かったんだお?」  ……少し頭を捻ったあと、やきうのお兄ちゃんは言った。 「なんでやろな? 何か、何となく言うてることが分かったんや。不思議な事にな。何でやろな?」 「そんなの知らないお。あいつに聞けお」  それで、会話は終わった。……また、何とも言えない倦怠感を含んだ空気が、部屋を包む。  ……お互い、会話はほぼない。  話すこともないし、特に話題が噛みあうようなことも無い以上、仕方の無い事である。 (何で、やる夫がこんな目に遭わなきゃならないんだお……)  一人、心の中でグチグチと文句ばかり垂れるやる夫。 (思えば、ここに来て良い事なんて1つも無かったお! 初っ端から痛い目に遭わされたりしたし、  滅茶苦茶グロい光景を見てしまったし、今だって、こんな訳の分からない奴の弾除けにされてるし。  お先真っ暗だお……)  いっそのこと、こっそり抜け出してしまおうか。 (トイレに行くフリして、こっそり外に出れば……でも、荷物持ってトイレに行くのは怪しまれるお。  でも、何も持たずに外に出るのはどう考えても自殺行為だお…………一体、どうすればいいんだお) 「……ちょっとトイレ行ってくるわ。その間、お前あいつ見張っとけや」  思い悩んでいるやる夫に、やきうのお兄ちゃんが唐突に声をかけた。 「えっ!? ちょ……」  有無を言わさず、サッと部屋を出るやきうのお兄ちゃん。  そんな態度に、一人やる夫は愚痴をこぼす。 「何なんだお」  あまりの苛立ちに、不貞寝でもしてやろうかと思った、その時だった。  ……ある物が、やる夫の目に入った。 (あいつ……鞄を置いて行ってるお! まあ、おかしくはないお。トイレに持って行っても……)  そう……やきうのお兄ちゃんの鞄である。 (……そう言えば、あいつ鞄の中にいいモノ入れてたお! そいつをやる夫が手に入れれば……!) 『ああっ、"それ"ってワイのやないか!』 『油断してたお前が悪いんだお! これからは、お前がやる夫の弾除けになるんだお!!』 『ぐうっ……流石に"それ"相手やったら勝てへんわ……』 『やる夫を馬鹿にしてたからこうなるんだお……!』  やる夫の脳内に、都合のいい妄想世界が広がる。 「ヒヒヒ……それじゃあ、早速頂くお!」  こういう時だけは、行動力が高いのがやる夫である。  素早く鞄を引き寄せ、手早く必要なモノを取り出す! ……はずだった。  あの"良いもの"が、なかなか出てこない。どうでもいい物は、すぐ出るのに。  そんな物たちより、あの"良いもの"を。 (早くしないと、あいつが帰って来るお……!)  ……やきうのお兄ちゃんの、下品な足音が近づいてくる。  それに同調するように、やる夫の鼓動も早まっていく! (何でこいつ、鞄の中身片づけてないんだお……!)  やきうのお兄ちゃんの手が、襖にかかったのと同時に。  やる夫の手が、"良いもの"を掴んだ……! 「……!」 「へへへ……これで、やる夫の勝ちだお」  勝ち誇った様に笑うやる夫と、対象的に静かに怒るやきうのお兄ちゃん。  ……やきうのお兄ちゃんは恐れていた。"ええの"が、やる夫の手に渡ったのだから。 「ワイのモン盗りやがって……お前、死ぬ覚悟はできとるんやろな……?」 「それはこっちの台詞だお。拳銃で、ショットガンに勝てると思ってるのかお?」  やる夫の持つ銃であり、かつてやきうのお兄ちゃんの"ええの"であった物。  それは――――立派な、散弾銃だった。 「やる夫の言いなりになるなら、殺しはしないお。とっととその銃も捨てて、やる夫の言いなりになれお!」 「フン、調子乗ってると痛い目に遭うで?」 「それはこっちの台詞だおwwwwwwこの状況で何言ってるおwwwwww」  この状態……広くない部屋で、お互い銃を向けあっている状態。  普通ならば、まずやる夫の方が有利であろう。  だが、1つだけやきうのお兄ちゃんが勝っている部分がある。それは……人を殺した経験だ。  どれだけいい武器で威嚇しようが、そこから先に進むのは、また別の事だ。  その点では……既に3人手にかけているやきうのお兄ちゃんの方が、上だった。  しかし、それでも拳銃と散弾銃の差は大きい。 「……撃たへんのか?」 「そっちこそ、とっとと降伏した方がいいお……」  お互いがお互いに狙いを定めたまま、じわじわと時が流れて行く。  それを、打ち破ったのは。 「ザケンナ、コラ――――ッ!!」 「なっ、うわあああああぁぁぁっ!?」  3人目の男――――グンマーだった。  全く警戒していなかった相手からの攻撃で、やる夫はなす術もなく殴り飛ばされる。 「チイッ……目覚めとったんか!?」  少し呆然としていたやきうのお兄ちゃんもハッと我に帰り、拳銃をぶっ放す。  ……だが、大して狙わずに撃ったせいで、グンマーにはかすりもせずに、空中を貫くばかり。 「……お……ぐ……」  腹部を思いっきり殴られ、ピクリとも動かずに気絶するやる夫。  その手から、散弾銃がもぎ取られる。 「コイツハイマカラオレノモンダ。ヨビノタマトカネェノカ?(この武器は俺が頂く。予備の弾はないのか)」 「……」  グンマーの問いかけに答えず、拳銃を構えたまま動かないやきうのお兄ちゃん。  ……この騒ぎを聞きつけて、マッマ達も来た。 「死にたないなら、こっち来いひん方がええで」  散弾銃の銃口をやきうのお兄ちゃんから逸らさずに、近くの鞄を探るグンマー。  ……そこから弾倉のような物を取り出し、懐に仕舞う。  (お前、他にも仲間がいただろう? だとすると、相手するには多勢に無勢だな) 「オマエ、ホカニモナカマイタダロ? アイテスルニャチトオオスギルゼ!」  相手するには数が多すぎると判断したグンマーは、踵を返し、全速力で……。 「コンドアッタラ、ブッコロスカラナ!(次に出会った時は……容赦しない!)」  窓を突き破り、外へと飛び出して行った。  ……壊れた窓と、ぐちゃぐちゃに乱れた部屋の中を交互に見ながら、マッマは 「一体何があったのか、教えてもらおうじゃない」 「……教える事なんかあらへんわ。これ見れば十分やろ」  明らかに苛立った口調で、やきうのお兄ちゃんが返す。 「アンタねぇ……!」 「ちょうどええタイミングやし……ワイはワイのやりたいようにやらせて貰うわ」  そう言って、自分の鞄を拾い上げ、家を出ようとするやきうのお兄ちゃん。  だが、その肩を掴み止めるのは……マッマだ。 「どこ行くのよ!」  その答えの代わりに……やきうのお兄ちゃんはマッマの額に拳銃を突き付けた。 「……ッ」 「ワイはアンタの持ち物やない。……これからはワイの好きにやらせてもらうで」  そう言って、やきうのお兄ちゃんも出ていった。 ~~~~ 「大丈夫かお?」 「私は大丈夫よ。そういうあんたはどうなのよ。気絶してたじゃない」 「……少々記憶が飛んでるけど、まあ大丈夫だお……」  あの後。  気絶していたやる夫を叩き起こし、全員で何とかチハに乗り込んでいた。 「……あいつの事は、もういいのかお」 「ええ。本人も言ってる通り、もうアイツとは"赤の他人"よ。でも、人殺しを放っておく訳にはいかないから、  チハに乗ってあいつを追いかける。……向かった方向は確かに見たのよね?」 (うん……北東に向かってたみたいだよ)  どれだけ畜生な発言をしていても、親は親。やはり、子供は大事なのだ。  ……とは言え、さっきの事でその気持ちは80%程無くなってしまったのだが。 (あの2人は、放っておいて良かったんですか?) 「……ま、あれだけ言っておけば、作戦を良く考えるいい機会になるでしょ」  ――――とにかく、"停戦"を持ちかける前に、それが本当に有効か考えてみて。  家の前で別れる際に、マッマはしつこい程にいわっちに念を押しておいた。  ……とは言え、最終的にどうなるかはいわっち次第なのだが。 「とにかく……できるだけ急いでよ。取り返しが付かなくなる前に、あの馬鹿をとっつかまえないとね」 (……とりあえず、無理のない程度で速度出すよ) 【D-2/一日目・朝】 【やる夫@ニュー速VIP】 [状態]:負傷(中程度)、血が付着、テンションsage、擬似賢者モード [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~2(確認済み)、しょうゆ一㍑(1/4消費)@現実 [思考・状況] 基本:性欲喪失。とりあえず今は生き延びる 1:アイツ(やきうのお兄ちゃん)は怖いけど……でもマッマの言う通りにする 2:チハからは離れたくないけど、畜生マッマから離れたい。今のとこ出来そうにないけど 3:やらない夫がちょっと心配。でもやっぱりおにゃのこには会いたい ※擬似賢者モードによりテンションが下がり、冷静になってます。性欲が回復すれば再び暴走するかもしれません。 【畜生マッマ@なんでも実況J】 [状態]:健康 [装備]:ぬるぽハンマー@AA [道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~1(治療に使えそうなものは無いようです)、ハイヒール一足@現実 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める 1:あのバカを追いかける。 2:とりあえず、やる夫を戦闘要員兼弾除けにする 3:グンマーはどうしようか。行方が分かれば…… 4:やる夫の友達のやらない夫に親近感 【チハ@軍事】 [状態]:損傷無し、燃料残り83%、内部が少し醤油臭い [装備]:一式四十七耗戦車砲(残弾無し)、九七式車載重機関銃(7.7mm口径)×2(0/20) [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1~3(治療に使えそうなものは無いようです) [思考・状況] 基本:死にたくない 1:マッマの言う通りにする 2:殺し合いに乗った人には会いたくない 3:やきう兄に強い警戒。グンマーは…… ※チハは大戦中に改良が施された、所謂「新砲塔チハ」での参戦です。 ※チハは自分の武器の弾薬が無い事にまだ気づいていません。 ※D-2の民家の中に、窓の大破した民家があります。どの辺りにあるかは不明 ~~~~ 「……」  誰もいなくなったリビングで、ただ考えるいわっち。 (確かに、私は無条件にテレビ局から停戦を持ちかけられると思っていた……それに、その後の事も、  具体的な事までは考えていなかった……ですが……) 「落ち込まないデ、いわっちサン……」 「大丈夫です、落ち込んでなどいませんよ……早い段階で欠点に気付けたのは、幸運でしたしね」  ……そう。ここで、計画の欠点を知れたのだから、無駄ではない。  あくまでも前向きに、いわっちはそう考えることにしたのだ。 「……テレビ局に、向かいましょう」 「? どうしテ?」 「やはり気になるのです。テレビ局を使えば、本当に停戦を持ちかけられるのかが。ですから、  先にテレビ局を調べようかと思います。幸い、ここからだとそう遠くはありませんし」 「……デモ、途中で怖い人たちに出会ったラ……」 「……私がついていますから、大丈夫ですよ」  誰が見ても強がりだと分かるその発言。  だが、それでも。  しぃの心を幾らか安心させる事はできる。 (……できれば、身を護れる何かがあればいいのですが……)  一抹の不安を抱え、2人はテレビ局を目指して歩き出した。 【D-2・民家/一日目・朝】 【しぃ@AA】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品(1~3) [思考・状況] 基本:皆死んじゃうのはイヤ 1:ギコ君、大丈夫カナ……? 2:いわっちサンと一緒にテレビ局に行く 3:カイブツ(ネメア)がコワイ……できればもう遭いたくない 【いわっち@ゲームハード】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、モデルガン@サバゲ、救急箱@現実、不明支給品(0~1・本人確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いをやめさせる 1:本当にテレビ局からダイレクトができるか確かめに行く 2:情報や人を集めたい。"異世界"の事も調べたい…… 3:手はずが整い次第、停戦を持ちかけたいが…… ~~~~ (よし……)  チハに乗って走っていくマッマ達を尻目に、やきうのお兄ちゃんは路地を歩いて行く。 (拳銃の弾、あんま残っとらんなぁ……弾切れしたら、どないしよ……)  野球場で荷物を検めた時には、拳銃の予備弾のような物は見当たらなかった。  つまり、装填されている弾を撃ち切ってしまえば、それまでなのだ。  ……武器になる物は他にもあるが、拳銃程の利便さはない。  銃と言う物は、この場において大きな力となるのだ。 (一応武器になるモンはあるけど……正直、銃の方がええわ。こんな状況じゃ贅沢言ってられへんけど)  そう考えると、やはりあの銃を奪われたのは残念なことだった。 (探し出して奪い返そうにも……武装したアイツには、勝てるかどうか分からへんしなあ。というか、  どこにおるんかも分からへんしなぁ……)  はぁ、と大きな溜息をついて、トボトボと歩き続ける。 (そういやさっきから、少し頭痛いんやが……何でやろか……?)  ――――自身を蝕むモノに、気付かないまま。 【D-2/一日目・朝】 【やきうのお兄ちゃん@なんJ】 [状態]:健康、エルメェス菌浸食中(程度不明) [装備]:H&K USP@現実(6/16) [道具]:基本支給品一式×3、PDA(忍法帖【Lv=03】)、PSP@現実、木製のバット@現実、釘バット@現実、     ひかりのこな@ポケットモンスター、台風コロッケ(残り11個)@現実、不明支給品×1~3(確認済み) [思考・状況] 基本:生き残る 1:何とかして、銃を手に入れたい 2:もうマッマに会う気はない。次に出会ったら…… ※エルメェス菌に感染しました。どのような影響があるのかは不明です ※やきうのお兄ちゃんがどこに向かったのかは、後続の書き手さんにお任せします ~~~~ 「ヘヘッ、コレガアリャアイッキニラクニナルワ(これで、戦いが楽になる……)」  少々足は痛むが、まだ戦える。……完全ではないが、足の傷も少し治った。  一層、優勝への欲望を増して、路地裏を駆け抜けるグンマー。 「ダケド……サスガニ、コノアシデバンバンタタカウノハキツイワ(だが……この足では、戦いに支障が出てしまう)」  自分には、村を護る使命がある。  だからこそ、ここでやられるわけには行かないのだ。  そのためにも、体調を整えねばならない。 「ドッカニカクレテ、ナオルノマツカ……? イヤ……(どこかに隠れて、傷の回復を待つか? だが……)」  幸いにも、ここは住宅街。  隠れる場所は、幾らでもある。 「……ベツニ、ビビッテニゲテルワケジャネエシ……(……これは、敵前逃亡などではない……)」  長々と、考えている余裕などない。  戦場では、その隙が命取りになるのだから。  グンマーは……それを、言葉では無く心で知っていた。  だからこそ、素早い決断を下した。 「シャーネー、シバラクカクレッカ。ダガ、コッカラハナレタホウガイイワ」 (仕方無い、暫く身を隠そう。だが……ここからは離れた方がよさそうだ)  そう呟いて、グンマーは走るスピードを上げた。 【D-2付近/一日目・朝】 【グンマー@まちBBS】 [状態]:健康、首筋に血を吸われた痕、足負傷(中程度・回復中) [装備]:熱光学迷彩服(所々破れている)@攻殻機動隊、サイガ12(8/8)@現実 [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、洗顔クリーム、予備マガジン [思考・状況] 基本:優勝して、村を守る戦士になる 1:今は何処かに隠れて傷の回復を待つ。 2:頃合いを見て、戦場に赴く ※チハが喋ることを半信半疑に思っています ※やる夫を自分と同様に成人の儀を受けているグンマー出身者だと思っています ≪支給品紹介≫ 【サイガ12@現実】 90年代に開発された、セミオート式散弾銃。装弾数8発。 ある程度の連射も効くので使いこなせば恐ろしい武器になる。 |No.:[[]]|[[時系列順>第一回放送までの本編SS]]|No.:[[]]| |No.74:[[第一回定時カキコ]]|[[投下順>51~100]]|No.:[[]]| |No.57:[[Knight of Nights]]|いわっち|No.:[[]]| |No.57:[[Knight of Nights]]|しぃ|No.:[[]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|やきうのお兄ちゃん|No.:[[]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|やる夫|No.:[[]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|畜生マッマ|No.:[[]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|チハ|No.:[[]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|グンマー|No.:[[]]|
*アクシデントは突然に  ◆i7XcZU0oTM ----  やる夫とやきうのお兄ちゃんの2人で、気絶したままのグンマーを、民家の中に運ぶ。  それを尻目に、ダイニングの机に腰掛け、PDAをチェックするマッマ。  何故このような事をしているのか?答えは、案外単純である。  そろそろ定時更新の時間だと言う事で、安全な場所でPDAをチェックしようと、マッマが提案したのだ。  その為に、手頃な民家に入り、万が一のために、見張りとしてチハを外に置いておくと言う算段だ。  最初は渋っていたチハだったが、マッマの説得で、渋々見張り役を引き受けたのだ。 「……」  神妙な面持ちのまま、ジッとPDAを見つめる。  ……やがて、その表情が悲しげな物へと変化して行く。 (6時間の間に、15人も殺されてるなんて……信じられない)  だが……これは、紛れも無い事実。  先程見かけた、3体の遺体同様に、どこかで、誰かが殺されている……。  その事実が、マッマの胸を締め付ける。 「ちょ、ちょっと見せてほしいお……」 「しょうがないね…………ほら、アンタの名前、ここに載ってるわ」 「ホンマや」  まさか本当に載るとは、と言った感じで、やきうのお兄ちゃんが驚く。 「ホンマや、じゃないわよ。これがどういうことか、アンタ分かってんの? 他に名前が出てる奴と共に、  "危険人物"と、まあ十中八九思われるでしょうね」 「ふーん」 「もしかしたら、アンタが殺した人の知り合いが……アンタに復讐しに来るかもね」 「……ま、まあ誰が来ても返り討ちに……ぐえっ!?」  その言葉を言い終わる前に……。  マッマの鉄拳が、やきうのお兄ちゃんの腹に叩き込まれた。 「アンタはつくづく救いようのない馬鹿だね。これ以上罪を重ねるつもりかい?」 「そんなん言うても……ワイに復讐しようとする奴が相手でも、殺したらアカンとでも言うんか?  そんなんワイは絶対に御免や。そもそも、れっきとした正当防衛になるやろ!」 「さっきも言ったけど、アンタに選択権なんて無いの。無駄口すら叩けなくしてあげようか?」 「くっ……」  いくら身体的に勝ろうと、精神的に負けていてはどうしようも無い。  口では強がっていても、やはりやきうのお兄ちゃんにとってマッマは恐ろしいのだ。  マッマの畜生発言を見れば、恐れる気持ちも良く理解できるであろう。  まあ、大抵の畜生発言が放たれる原因は、やきうのお兄ちゃんの方にあるのだが。 「…………全く、無駄な時間を使っちゃったよ。ほら、この禁止エリアを覚えておくんだよ」 「分かってるお。流石に、そんなので死にたくないお」 「この近くで禁止エリアになるんは……D-1か。まあ、あんま関係ないわ。ここは、D-1ちゃうしな」 「……」  2人が反応を示す中、マッマは一人考えていた。  ……人がいなさそうな場所から禁止エリアになっている。  と言う事は、徐々に逃げ場をなくして、嫌が応でも戦わせようと言う意図だろう。  だとしたら、ひろゆきは随分と酷い事をするものだ……。  ここに連れてこられている者全てが、戦えるほど強い訳ではないのに。  もしくは、深い理由なぞなく、適当に選んだだけなのか。  それと同時に、これからの事もぼんやりと考えていた。  殺し合いに乗っている奴の名前が出た。即ち、全員が警戒心を強める事に繋がる。  ……出会う相手が、名前が出ていた殺人者ではないか。それとも、そうじゃないのか。  これを見た誰もが、そう思うかもしれない。だが、この情報は……参加者全員が閲覧できる。  つまり、名前の出ている殺人者自身も、これを見れるのだ。  当然、自身がこれから警戒されることも、十分なほど分かるだろう。  となると……やはり、そうそう姿を現さなくなるかもしれない。  だとすると、危なくておちおち外も歩けない。だからって、別に諦めはしないけど。 「マッマ、どうしたんや。さっきからずっと黙っとるけど」 「アンタと違って、私はいろいろ考えてるのよ。とりあえず……アンタ達、ちょっとこの家調べてきなさい」 ~~~~ 「……15もの命が奪われていたなんて……」 「……」  PDAを見ながら、悲しげな表情を浮かべるいわっち。  だが、それ以上に悲しげで、かつ恐れた目でPDAを覗くしぃ。 「それなのに、私と来たら……情けないものです」  肩を竦め、溜息を突く。  いわっちの言う通り、あれから……ギコ猫と別れてから、誰にも出会えていない。  時折、何処かから銃声のようなものも聞こえて気はしたが、それ以外は、何も無い。  ただ、人がいないかどうか確かめながら、ここまで歩いてきたが、結果はこの有様であった。  誰にも出会う事はなく、ただここまで辿り着いたのみ。  だがこれは、同時に危険人物にも出会わなかったと言う事にもなる。  その点では、ある意味幸運だったのかもしれない。  しかし、情報を訊きたいと思っているいわっちにとっては、あまり好ましいことではなかった。 (…………それに)  "異世界"の可能性……。  本当に異世界から人が招かれていたり、自身の知らぬ世界から物が持って来られているのか。  ……それを感じさせる事象に何度も遭遇はしているが、未だ半信半疑な状態だ。  それを完全に裏付け出来る程の"何か"が、現時点では欠けている……。  "停戦"を持ちかける前に、できればそれもはっきりさせたい……。  そんな考えが、いわっちの頭の中に変わらず有った。 「……?」  どうしたのだろう、と言った目線で、いわっちの顔を見るしぃ。 「あっ、いいえ、何でもありませんよ。少々、考え事をしていただけですよ」  ……こんなところで、思い悩んでも仕方が無い。  今は、立てた目標目指して、進むしか無いのだ。  緩みかけた意思を再度引き締め、いわっちは歩き出した。 (……)  辺りも明るくなるころだと言うのに、いわっちの心には、重苦しい暗雲が居座っていた。  ……人である以上、恐怖からは逃れられない。  未知の事態への、自身の死への、自身の計画の成否への、恐怖。  それが、じわりといわっちの心に影響を及ぼして行く。  微小なウイルスが、徐々に人の体を蝕むように。静かだが、確実に……。 「あッ」  不意に、しぃが声を上げる。 「どうしました?」 「あれ……もしかしテ……」 「ん……!?」  少々離れた民家の前の道路。そこには……戦車らしき物が、停まっている。  ――――何故戦車がこんな所に。まさか、誰かの支給品?  何となく危険な気がしたので、いわっちはしぃを抱えて物陰から様子を窺う。 (あれって絶対……戦車、だよネ?) (間違い無く、戦車です…………)  小声で、会話を交わす。  それと同時に、いわっちの頭脳が、急に回転しだす。  何故こんな所に?と言うか、そもそも何故戦車があるのだろうか。  こんな状況自体が普通じゃないが……あえて普通に考えるならば、誰かに支給された物だろう。  そして、支給された戦車に乗ってここまで来た、と言った所だろうか。  だが……今の所、戦車に人が乗っているような気配はない。なら、どこにいるのか?  流石に、戦車を乗り捨ててはいないだろう。壊れてもいない戦車を、捨てて行く理由はない。  なら……近くにいる、と考えるのが自然だろう。 (私の考えが正しいならば、戦車に乗っていた人物は近くにいるはずです) (どうして分かるノ?)  先程の考えと結論を、しぃに小声で伝えるいわっち。  説得力があるような結論に、ただただしぃは感心するばかりだった。 (そこで……少々危険ですが、近づいて調べてみようかと思います) (ええッ!?) (勿論、しぃさんを危険な目に遭わせたりはしません。私の後ろに隠れていれば、大丈夫ですよ)  そう言って、つかつかと停まっている戦車まで歩いて行こうとすると……! (あっ! ……お姉さーん! 誰か来たよー!) ◇ 「で、あなたがいわっち、そっちの子がしぃ、ね……」 「そうです」 「渾名みたいな名前ね……まぁ、私も人の事は言えないけど」  民家の中。  いわっちとしぃ、それとマッマは、ダイニングで向かいあって座っていた。  簡単に自己紹介を済ませ、2人は一息ついていた。  ……やきうのお兄ちゃんとやる夫には、別室で未だ気絶したままのグンマーと共に待機させている。  あの2人がいると、話がややこしくなると考えたマッマの措置だ。 「あなた、目標はあるの?」  マッマがそう言うと、いわっちは地図を取り出し、森林公園を指差しながら言った。 「まず……一緒に来ていただける方を、この公園に集めるつもりです。その後……」 「それで?」  ススッと指先をテレビ局の所まで持って行き、話を続ける。 「できれば12時までには、テレビ局にて、停戦の意思を伝えるつもりです」 「停戦?」  その単語に、マッマは怪訝そうな顔をする。 「ええ。ひろゆきに、テレビ局を通じて停戦の意思を伝えます」 「それ…………問題ありまくりよ」 「な、何故ですか!?」  一呼吸置いた後、マッマは話しだした。 「まず、幾ら停戦しようと訴えた所で、相手が乗らなきゃ意味が無いじゃない。私たちをこんな所に連れてきて、  なおかつ殺し合いさせるような奴が、そんな誘いに乗ると思う? まず、無視されるか突っぱねられるでしょ」 「……」 「第一、テレビ局からあいつらに何か言う事って出来るの?」 「おそらく、出来るのではないかと。テレビ局から映像を流せば、あちらの目にも停まるでしょうし」 「まあ、その可能性はあるでしょうけど。あっちだって、私たちが逃げ出さないように見張ってるだろうしね。  でも、その問題を乗り越えても、まだ大きな問題が残ってるわ」  ふう、と一息つき、なおも喋り続けるマッマ。  その声には、幾分かいわっちに対する呆れと怒りが籠っていたかもしれない。 「もし停戦が受け入れられたとして、その後はどうするのよ?」 「……その後?」 「そうよ、その後よ。停戦が運良く受け入れられたとして、その後はどうすんの?」 「その後は……」  さっきとは打って変って、黙りこんでしまったいわっち。  そこを突くように、マッマはさらに踏み込んでいく。 「それも考えずに、今までやってたの? ……私としては、その案を実行に移すのはやめた方が良いと思うけど」 「……で、ですが」 「言いたい事は良く分かるし、あなたを責めるつもりもないわ。でも、考えてみてよ。さっきも言ったけど、  こんな所に無理矢理連れて来てるような奴が、こっちの言う事なんてまともに取りあう訳がないわ」  ……何とも言えない、気まずい空気が、部屋を包んでいる。 「……ごめんなさいね、しぃちゃん。さっきから私が喋ってばかりで。怖かったでしょう」  そう言いつつ、今までにない優しい目線を、しぃに向ける。 「大丈夫……。怖く、なかったヨ」 「ならよかったわ」  ほんの少しだけ、空気が変わった時だった。 「うわあああああぁぁぁっ!?」  ――――叫び声が、その空気を打ち破った。 ~~~~  マッマといわっち達が、別室で会話していた頃。  やきうのお兄ちゃんとやる夫は、別の部屋でグンマーと共に待機していた。 「くそ、何でこんな仕打ち受けなアカンのや……」 「全くだお……」  ハァ、と2人が同時に溜息をつく。  殺し合いの最中だと言うのに、何故かここだけ妙にダラけた雰囲気に包まれていた。  それもそのはず、畳敷きの床に寝転がり、ダラダラと過ごしていたのだから……。 「この家を調べた結果も、つまらん結果に終わっただけやしなあ」  そう言ってボヤくやきうのお兄ちゃんに、やる夫が話を振る。 「そう言えば、少し気になってたことがあるお。さっき、何でお前はこいつの言う事が分かったんだお?」  ……少し頭を捻ったあと、やきうのお兄ちゃんは言った。 「なんでやろな? 何か、何となく言うてることが分かったんや。不思議な事にな。何でやろな?」 「そんなの知らないお。あいつに聞けお」  それで、会話は終わった。……また、何とも言えない倦怠感を含んだ空気が、部屋を包む。  ……お互い、会話はほぼない。  話すこともないし、特に話題が噛みあうようなことも無い以上、仕方の無い事である。 (何で、やる夫がこんな目に遭わなきゃならないんだお……)  一人、心の中でグチグチと文句ばかり垂れるやる夫。 (思えば、ここに来て良い事なんて1つも無かったお! 初っ端から痛い目に遭わされたりしたし、  滅茶苦茶グロい光景を見てしまったし、今だって、こんな訳の分からない奴の弾除けにされてるし。  お先真っ暗だお……)  いっそのこと、こっそり抜け出してしまおうか。 (トイレに行くフリして、こっそり外に出れば……でも、荷物持ってトイレに行くのは怪しまれるお。  でも、何も持たずに外に出るのはどう考えても自殺行為だお…………一体、どうすればいいんだお) 「……ちょっとトイレ行ってくるわ。その間、お前あいつ見張っとけや」  思い悩んでいるやる夫に、やきうのお兄ちゃんが唐突に声をかけた。 「えっ!? ちょ……」  有無を言わさず、サッと部屋を出るやきうのお兄ちゃん。  そんな態度に、一人やる夫は愚痴をこぼす。 「何なんだお」  あまりの苛立ちに、不貞寝でもしてやろうかと思った、その時だった。  ……ある物が、やる夫の目に入った。 (あいつ……鞄を置いて行ってるお! まあ、おかしくはないお。トイレに持って行っても……)  そう……やきうのお兄ちゃんの鞄である。 (……そう言えば、あいつ鞄の中にいいモノ入れてたお! そいつをやる夫が手に入れれば……!) 『ああっ、"それ"ってワイのやないか!』 『油断してたお前が悪いんだお! これからは、お前がやる夫の弾除けになるんだお!!』 『ぐうっ……流石に"それ"相手やったら勝てへんわ……』 『やる夫を馬鹿にしてたからこうなるんだお……!』  やる夫の脳内に、都合のいい妄想世界が広がる。 「ヒヒヒ……それじゃあ、早速頂くお!」  こういう時だけは、行動力が高いのがやる夫である。  素早く鞄を引き寄せ、手早く必要なモノを取り出す! ……はずだった。  あの"良いもの"が、なかなか出てこない。どうでもいい物は、すぐ出るのに。  そんな物たちより、あの"良いもの"を。 (早くしないと、あいつが帰って来るお……!)  ……やきうのお兄ちゃんの、下品な足音が近づいてくる。  それに同調するように、やる夫の鼓動も早まっていく! (何でこいつ、鞄の中身片づけてないんだお……!)  やきうのお兄ちゃんの手が、襖にかかったのと同時に。  やる夫の手が、"良いもの"を掴んだ……! 「……!」 「へへへ……これで、やる夫の勝ちだお」  勝ち誇った様に笑うやる夫と、対象的に静かに怒るやきうのお兄ちゃん。  ……やきうのお兄ちゃんは恐れていた。"ええの"が、やる夫の手に渡ったのだから。 「ワイのモン盗りやがって……お前、死ぬ覚悟はできとるんやろな……?」 「それはこっちの台詞だお。拳銃で、ショットガンに勝てると思ってるのかお?」  やる夫の持つ銃であり、かつてやきうのお兄ちゃんの"ええの"であった物。  それは――――立派な、散弾銃だった。 「やる夫の言いなりになるなら、殺しはしないお。とっととその銃も捨てて、やる夫の言いなりになれお!」 「フン、調子乗ってると痛い目に遭うで?」 「それはこっちの台詞だおwwwwwwこの状況で何言ってるおwwwwww」  この状態……広くない部屋で、お互い銃を向けあっている状態。  普通ならば、まずやる夫の方が有利であろう。  だが、1つだけやきうのお兄ちゃんが勝っている部分がある。それは……人を殺した経験だ。  どれだけいい武器で威嚇しようが、そこから先に進むのは、また別の事だ。  その点では……既に3人手にかけているやきうのお兄ちゃんの方が、上だった。  しかし、それでも拳銃と散弾銃の差は大きい。 「……撃たへんのか?」 「そっちこそ、とっとと降伏した方がいいお……」  お互いがお互いに狙いを定めたまま、じわじわと時が流れて行く。  それを、打ち破ったのは。 「ザケンナ、コラ――――ッ!!」 「なっ、うわあああああぁぁぁっ!?」  3人目の男――――グンマーだった。  全く警戒していなかった相手からの攻撃で、やる夫はなす術もなく殴り飛ばされる。 「チイッ……目覚めとったんか!?」  少し呆然としていたやきうのお兄ちゃんもハッと我に帰り、拳銃をぶっ放す。  ……だが、大して狙わずに撃ったせいで、グンマーにはかすりもせずに、空中を貫くばかり。 「……お……ぐ……」  腹部を思いっきり殴られ、ピクリとも動かずに気絶するやる夫。  その手から、散弾銃がもぎ取られる。 「コイツハイマカラオレノモンダ。ヨビノタマトカネェノカ?(この武器は俺が頂く。予備の弾はないのか)」 「……」  グンマーの問いかけに答えず、拳銃を構えたまま動かないやきうのお兄ちゃん。  ……この騒ぎを聞きつけて、マッマ達も来た。 「死にたないなら、こっち来いひん方がええで」  散弾銃の銃口をやきうのお兄ちゃんから逸らさずに、近くの鞄を探るグンマー。  ……そこから弾倉のような物を取り出し、懐に仕舞う。  (お前、他にも仲間がいただろう? だとすると、相手するには多勢に無勢だな) 「オマエ、ホカニモナカマイタダロ? アイテスルニャチトオオスギルゼ!」  相手するには数が多すぎると判断したグンマーは、踵を返し、全速力で……。 「コンドアッタラ、ブッコロスカラナ!(次に出会った時は……容赦しない!)」  窓を突き破り、外へと飛び出して行った。  ……壊れた窓と、ぐちゃぐちゃに乱れた部屋の中を交互に見ながら、マッマは 「一体何があったのか、教えてもらおうじゃない」 「……教える事なんかあらへんわ。これ見れば十分やろ」  明らかに苛立った口調で、やきうのお兄ちゃんが返す。 「アンタねぇ……!」 「ちょうどええタイミングやし……ワイはワイのやりたいようにやらせて貰うわ」  そう言って、自分の鞄を拾い上げ、家を出ようとするやきうのお兄ちゃん。  だが、その肩を掴み止めるのは……マッマだ。 「どこ行くのよ!」  その答えの代わりに……やきうのお兄ちゃんはマッマの額に拳銃を突き付けた。 「……ッ」 「ワイはアンタの持ち物やない。……これからはワイの好きにやらせてもらうで」  そう言って、やきうのお兄ちゃんも出ていった。 ~~~~ 「大丈夫かお?」 「私は大丈夫よ。そういうあんたはどうなのよ。気絶してたじゃない」 「……少々記憶が飛んでるけど、まあ大丈夫だお……」  あの後。  気絶していたやる夫を叩き起こし、全員で何とかチハに乗り込んでいた。 「……あいつの事は、もういいのかお」 「ええ。本人も言ってる通り、もうアイツとは"赤の他人"よ。でも、人殺しを放っておく訳にはいかないから、  チハに乗ってあいつを追いかける。……向かった方向は確かに見たのよね?」 (うん……北東に向かってたみたいだよ)  どれだけ畜生な発言をしていても、親は親。やはり、子供は大事なのだ。  ……とは言え、さっきの事でその気持ちは80%程無くなってしまったのだが。 (あの2人は、放っておいて良かったんですか?) 「……ま、あれだけ言っておけば、作戦を良く考えるいい機会になるでしょ」  ――――とにかく、"停戦"を持ちかける前に、それが本当に有効か考えてみて。  家の前で別れる際に、マッマはしつこい程にいわっちに念を押しておいた。  ……とは言え、最終的にどうなるかはいわっち次第なのだが。 「とにかく……できるだけ急いでよ。取り返しが付かなくなる前に、あの馬鹿をとっつかまえないとね」 (……とりあえず、無理のない程度で速度出すよ) 【D-2/一日目・朝】 【やる夫@ニュー速VIP】 [状態]:負傷(中程度)、血が付着、テンションsage、擬似賢者モード [装備]:無し [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~2(確認済み)、しょうゆ一㍑(1/4消費)@現実 [思考・状況] 基本:性欲喪失。とりあえず今は生き延びる 1:アイツ(やきうのお兄ちゃん)は怖いけど……でもマッマの言う通りにする 2:チハからは離れたくないけど、畜生マッマから離れたい。今のとこ出来そうにないけど 3:やらない夫がちょっと心配。でもやっぱりおにゃのこには会いたい ※擬似賢者モードによりテンションが下がり、冷静になってます。性欲が回復すれば再び暴走するかもしれません。 【畜生マッマ@なんでも実況J】 [状態]:健康 [装備]:ぬるぽハンマー@AA [道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0~1(治療に使えそうなものは無いようです)、ハイヒール一足@現実 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める 1:あのバカを追いかける。 2:とりあえず、やる夫を戦闘要員兼弾除けにする 3:グンマーはどうしようか。行方が分かれば…… 4:やる夫の友達のやらない夫に親近感 【チハ@軍事】 [状態]:損傷無し、燃料残り83%、内部が少し醤油臭い [装備]:一式四十七耗戦車砲(残弾無し)、九七式車載重機関銃(7.7mm口径)×2(0/20) [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1~3(治療に使えそうなものは無いようです) [思考・状況] 基本:死にたくない 1:マッマの言う通りにする 2:殺し合いに乗った人には会いたくない 3:やきう兄に強い警戒。グンマーは…… ※チハは大戦中に改良が施された、所謂「新砲塔チハ」での参戦です。 ※チハは自分の武器の弾薬が無い事にまだ気づいていません。 ※D-2の民家の中に、窓の大破した民家があります。どの辺りにあるかは不明 ~~~~ 「……」  誰もいなくなったリビングで、ただ考えるいわっち。 (確かに、私は無条件にテレビ局から停戦を持ちかけられると思っていた……それに、その後の事も、  具体的な事までは考えていなかった……ですが……) 「落ち込まないデ、いわっちサン……」 「大丈夫です、落ち込んでなどいませんよ……早い段階で欠点に気付けたのは、幸運でしたしね」  ……そう。ここで、計画の欠点を知れたのだから、無駄ではない。  あくまでも前向きに、いわっちはそう考えることにしたのだ。 「……テレビ局に、向かいましょう」 「? どうしテ?」 「やはり気になるのです。テレビ局を使えば、本当に停戦を持ちかけられるのかが。ですから、  先にテレビ局を調べようかと思います。幸い、ここからだとそう遠くはありませんし」 「……デモ、途中で怖い人たちに出会ったラ……」 「……私がついていますから、大丈夫ですよ」  誰が見ても強がりだと分かるその発言。  だが、それでも。  しぃの心を幾らか安心させる事はできる。 (……できれば、身を護れる何かがあればいいのですが……)  一抹の不安を抱え、2人はテレビ局を目指して歩き出した。 【D-2・民家/一日目・朝】 【しぃ@AA】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品(1~3) [思考・状況] 基本:皆死んじゃうのはイヤ 1:ギコ君、大丈夫カナ……? 2:いわっちサンと一緒にテレビ局に行く 3:カイブツ(ネメア)がコワイ……できればもう遭いたくない 【いわっち@ゲームハード】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、モデルガン@サバゲ、救急箱@現実、不明支給品(0~1・本人確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いをやめさせる 1:本当にテレビ局からダイレクトができるか確かめに行く 2:情報や人を集めたい。"異世界"の事も調べたい…… 3:手はずが整い次第、停戦を持ちかけたいが…… ~~~~ (よし……)  チハに乗って走っていくマッマ達を尻目に、やきうのお兄ちゃんは路地を歩いて行く。 (拳銃の弾、あんま残っとらんなぁ……弾切れしたら、どないしよ……)  野球場で荷物を検めた時には、拳銃の予備弾のような物は見当たらなかった。  つまり、装填されている弾を撃ち切ってしまえば、それまでなのだ。  ……武器になる物は他にもあるが、拳銃程の利便さはない。  銃と言う物は、この場において大きな力となるのだ。 (一応武器になるモンはあるけど……正直、銃の方がええわ。こんな状況じゃ贅沢言ってられへんけど)  そう考えると、やはりあの銃を奪われたのは残念なことだった。 (探し出して奪い返そうにも……武装したアイツには、勝てるかどうか分からへんしなあ。というか、  どこにおるんかも分からへんしなぁ……)  はぁ、と大きな溜息をついて、トボトボと歩き続ける。 (そういやさっきから、少し頭痛いんやが……何でやろか……?)  ――――自身を蝕むモノに、気付かないまま。 【D-2/一日目・朝】 【やきうのお兄ちゃん@なんJ】 [状態]:健康、エルメェス菌浸食中(程度不明) [装備]:H&K USP@現実(6/16) [道具]:基本支給品一式×3、PDA(忍法帖【Lv=03】)、PSP@現実、木製のバット@現実、釘バット@現実、     ひかりのこな@ポケットモンスター、台風コロッケ(残り11個)@現実、不明支給品×1~3(確認済み) [思考・状況] 基本:生き残る 1:何とかして、銃を手に入れたい 2:もうマッマに会う気はない。次に出会ったら…… ※エルメェス菌に感染しました。どのような影響があるのかは不明です ※やきうのお兄ちゃんがどこに向かったのかは、後続の書き手さんにお任せします ~~~~ 「ヘヘッ、コレガアリャアイッキニラクニナルワ(これで、戦いが楽になる……)」  少々足は痛むが、まだ戦える。……完全ではないが、足の傷も少し治った。  一層、優勝への欲望を増して、路地裏を駆け抜けるグンマー。 「ダケド……サスガニ、コノアシデバンバンタタカウノハキツイワ(だが……この足では、戦いに支障が出てしまう)」  自分には、村を護る使命がある。  だからこそ、ここでやられるわけには行かないのだ。  そのためにも、体調を整えねばならない。 「ドッカニカクレテ、ナオルノマツカ……? イヤ……(どこかに隠れて、傷の回復を待つか? だが……)」  幸いにも、ここは住宅街。  隠れる場所は、幾らでもある。 「……ベツニ、ビビッテニゲテルワケジャネエシ……(……これは、敵前逃亡などではない……)」  長々と、考えている余裕などない。  戦場では、その隙が命取りになるのだから。  グンマーは……それを、言葉では無く心で知っていた。  だからこそ、素早い決断を下した。 「シャーネー、シバラクカクレッカ。ダガ、コッカラハナレタホウガイイワ」 (仕方無い、暫く身を隠そう。だが……ここからは離れた方がよさそうだ)  そう呟いて、グンマーは走るスピードを上げた。 【D-2付近/一日目・朝】 【グンマー@まちBBS】 [状態]:健康、首筋に血を吸われた痕、足負傷(中程度・回復中) [装備]:熱光学迷彩服(所々破れている)@攻殻機動隊、サイガ12(8/8)@現実 [道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、洗顔クリーム、予備マガジン [思考・状況] 基本:優勝して、村を守る戦士になる 1:今は何処かに隠れて傷の回復を待つ。 2:頃合いを見て、戦場に赴く ※チハが喋ることを半信半疑に思っています ※やる夫を自分と同様に成人の儀を受けているグンマー出身者だと思っています ≪支給品紹介≫ 【サイガ12@現実】 90年代に開発された、セミオート式散弾銃。装弾数8発。 ある程度の連射も効くので使いこなせば恐ろしい武器になる。 |No.74:[[第一回定時カキコ]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|No.76:[[さー、新展開。]]| |No.74:[[第一回定時カキコ]]|[[投下順>51~100]]|No.76:[[さー、新展開。]]| |No.57:[[Knight of Nights]]|いわっち|No.85:[[茶鬼]]| |No.57:[[Knight of Nights]]|しぃ|No.85:[[茶鬼]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|やきうのお兄ちゃん|No.89:[[どうしてこうなった]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|やる夫|No.92:[[答えのない自問自答]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|畜生マッマ|No.92:[[答えのない自問自答]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|チハ|No.92:[[答えのない自問自答]]| |No.70:[[【悲報】やきう兄ついに出会う]]|グンマー|No.100:[[究極の味、究極の代償]]|

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