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Drop out - (2013/06/04 (火) 18:27:22) の最新版との変更点

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*Drop out  ◆i7XcZU0oTM ----  ぼっさんとノリさん、それにハルトシュラーの3人は……百貨店の探索を既に終えていた。  結果としては喜ばしい物ではなく、役に立ちそうなものを見つけられずに終わった。  結局、失意のまま百貨店を出て、次なる目的地に向かう……はずだったのだが。  明確な目標が無い故に、結果として"加賀との合流"を再度目指す事になった。  その途中で、定時更新の事を思い出したノリさんの呼びかけで、PDAのチェックを行ったのであった。 「……もう15人も殺されているなんて、信じられないでちゅ」  PDAを眺めて、青ざめたぼっさんが呟く。 「確かに、15もの命が奪われたのは痛ましい事ですが……ここで諦めてはいけません。  希望を捨ててはいけません!」  外見は"きれい"なまま、2人に語りかけるノリさん。  とはいえ、この事態には流石のノリさんでも動揺を隠せなかった。 (確認出来るだけでも、8人も危険な輩がおるとはな。そんだけおるんやったら、もしかしたらこの近くにも、  潜んでるかもしれんな……)  だが、不思議と恐怖心は無かった。  ……自分には、このパワードスーツがある。並大抵のヤツなら一捻り。  そう考えているからこそ、恐怖心も薄れるのだ。 (……どっからでもかかってこんかい。どんな相手が来ても、ワイの力で一捻りや) ◆ 「……」  定時更新を軽く確認して、鞄に仕舞う。  ……やはり、俺の名が載っていたが、こんなものは気にする必要もない。  こうなるのは最初から分かっていた事だし、たからと言って殺しをやめる気もない。 (まだだ。まだ足りない)  この6時間、俺は2人しか殺していない。……これじゃ駄目だ。  もっと、大量の血を以て……全てを、断らなければならないのだから。  そのためには、2人などでは到底足りない。このままでは、目標には到底辿り着けない。  ――――全ては、生きとし生ける者全てを、断る為に。 (だが、焦りは禁物だ……つまらないミスで足元を掬われるほど、下らない物はない)  確実に、逃がさないように、躊躇わずに一息に狩る。  その固い意思と行動が、俺の勝利を確実にするのだ。 「…………」  だが、今の俺には、足りないものがある。 (もう少し、役に立つ武器があればいいんだが)  今の手持ちは、ボウガンにさっき奪った薙刀、それと草刈り鎌。  殺傷力という点で見れば、まずまずの武装だろう。  だが、この程度では足りない。まず、ボウガンだが……。  銃等に比べて音が小さいのは有難い所だ。だが、一発撃つたびに装填しなければならない。  ボウガン特有のこの手間……致命的な隙になりえる物だ。  少しの隙が命取りになるような戦闘中に、再装填はできないだろう。  次に、薙刀だが……殺傷力も高く、接近戦では有効だろう。  だが、ボウガンのように遠距離からの攻撃は望むべくもない。そこがこれの欠点だ。  しかし、ボウガンとは違い、薙刀は壊れさえしなければ何度でも攻撃できる。  ……草刈り鎌も、武器としては馬鹿に出来ないモノがある。  取り回しも良く、殺傷力もそこそこだが……元々武器として作られている訳ではない。  強度の面で、不安が残る。 「……」  ……辺りは既に明るくなっている。  闇に乗じて不意打ちする手は、もう使えない。  だが、先述したように遠方からの攻撃は難しい。  ならば……確実に先手を取れるように、こちらから仕掛けて――――。 (……ふん)  そんな事を考えていた時に……丁度よく、誰かが近づいてきたようだ。  気付かれないようにササッと近くの民家の庭に飛び込み、透かしブロックから様子を窺う。 「休まなくても平気でちゅか?」 「うん」  3人組……。  その内2人は中年、あとの一人は子供……。 「疲れたなら、いつでもおじさんに言っていいからね」 「……大丈夫」  状況から察するに、あの中年2人が子供を保護してるって所か。  なら……先に子供を仕留めて混乱した所を突くか?  それとも、何となく厄介そうな、変なモノ着てる奴を片づけるか? (……子供は簡単に殺れるだろう……ならば、面倒な奴から先に片づけるか)  そうと決まれば、すぐ行動に移そう。……今回は、ボウガンは使わずに行く。  やはり連射できないのは厳しい。1対多ならばなおさらだ。  ならば、最初から薙刀(と草刈り鎌)で戦う方が良い。 (……)  ……忍び足で家の裏手へ回り、ヒョイと塀を乗り越えて路地に出る。 「え? ……猫?」 「武器、持ってまちゅ」  中年2人は、突然飛び出してきた俺に、目を丸くして驚いている。  まあ、当然だろう。いきなり、俺みたいなのが出てくればな。  そのまま脇目もふらずに、妙な物を着たヤツに一直線で向かって行く。 「……おおぉぉぉッ!」  上から振り下ろした薙刀の一撃は……鋭い金属音と共に、中年男の左腕で防御された。  鉄を叩いた鋭い反動が、薙刀の柄を通じて手に伝わる。 「この……!」  中年男の拳が振りかぶられる!  すかさず、俺は後ろへ飛んで距離をとる。  それと同時に、破壊音と共に、拳がコンクリートにヒビを入れる……!  ……どうやら、あの妙な物は着た者の力を増幅するもののようだ。  そう考えなければ、このとんでもない力を説明出来ない。 「2人は下がっとれ! かかって来んかい、化け猫ォ!」  自信満々の表情で、戦闘体勢を取る中年男。……どうすれば、こいつを殺れる? #aa(){{{                 巛彡ミミミ彡彡                 巛巛巛巛巛彡彡                    |:::::::::        |                    |::::::::  ___、 ,_,l                     |:::::::   =・ニ , 〔・={                    |(6  `   _ 」 }                ..| l  ┃' ー-=-'┃              <⌒\|  、  ┃ ⌒┃!               />、 \ヽヽ、. ━━/\\            ./ ̄ー \ 旧 ̄ ̄ ̄\、旧>   }}}  あのスーツで守られていない所……露出した頭部を叩けば、いけるはずだ。  確実に殺すためにも、ここは、首を斬る。  その為には、薙刀より取り回しの良い鎌を使った方がいいだろう。  薙刀を投げ捨て、鎌に持ち替える。 「何や、せっかく良さそうなもん持ってたのに捨てるんか?」 「……」 「まあええわ。……ほな、行くでッ!」  そう言って、中年男が俺に襲い掛かってくる。  ――――不思議だ。  もしかしたら死ぬかもしれないと言うのに、妙に心が落ちついている。  冷静さを欠くのは敗北に繋がるものだが、ここまで落ちつけるとは……。 「ほらほらほらほらッ!」  まるで、手に取るように。相手の攻撃が、予測できる。  所詮、力で押すだけの単純な攻撃だ。こんなものは、とっとと躱して……。 「……頂いたッ!!」  ――――首を狙う! 「がっ、あ、が……!?」  勢いよく血が吹きだす首を抑えながら、中年男は倒れた。  飛び散る生温かい液体が、俺を濡らしてゆく。  何故だろうか、その生温かさが、妙に心地良い。 「あ……!」  その光景を見て、絶句したまま立ちつくすもう一人の中年男と子供。  ……先に、中年を殺しておくか。子供ならいつでも殺れる。  薙刀を拾い上げ、ゆっくりと近づく。 「ハ、ハルちゃんは……殺させまちぇん!」  そう言って、俺の前に立ちふさがる中年男と、それを尻目に、一目散に逃げ出す子供。  ……まあ、子供ならば、俺が殺さずともいずれ死ぬだろう。 「安心しろ、あの子供はもう逃げたようだ」 「……そうでちゅか」 「それじゃあ――――」  ヒュン、と鎌が風を切る音と共に。 「――――死ね」  もう一人の中年男の首から、赤い液体が噴き出していた。 【ノリさん@なんでも実況J 死亡】 【ぼっさん@ニュース速報 死亡】 【残り48人】 ※2人の遺体の傍に2人のPDAと支給品(こんにゃく@ニュー速VIP、参加者名簿@現実、ひもののようなもの@暴力二男のガイドライン、  カップラーメン@コピペ、ブーメラン@現実、しまむらのパワードスーツ@しまむらくんAA)が放置されています ◆ 「……これは使えそうにないな」  謎のスーツを着た遺体を見下ろしながら、俺は呟く。  ……俺の体では、明らかにサイズが合わない。 (まあ、いい。……今度は2人始末した。それだけでも良しとしよう)  ふうと一息付き、鞄からペットボトルを取り出す。……少々、喉が乾いた。  ぐいっと一口水を飲み、喉の乾きを癒す。 (さて。どこに向かうか……)  そう思って、歩き出そうとした時だった。 『ひろゆき討伐PT……まず……近鉄百貨店集合、詳細きぼう……はテルして……』  ……南の方から、声が聞こえて来たのは。 【A-4・住宅街/1日目・朝】 【お断りします@AA】 [状態]:健康、返り血 [装備]:草刈り鎌@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=04】)、ニニフと炒飯セット@AA、予備の矢×7、薙刀@現実     ボウガン(0/1)@現実 [思考・状況] 基本:全てに「お断りします」。 1:この声は…… 2:今の武器よりいい物が他にあるなら手に入れたい ※声に反応して、どう行動するかは後の書き手さんに…… ◆ (……助かった)  ノリさんが死んだ事も、ぼっさんが死んだ事も、閣下にとっては些細な出来事であった。  それよりも、命の危機を乗り切ったことへの安堵感の方が大きかった。 (あいつがまず私を狙ってたら、今頃殺されてたかも……)  今の時点では、自分の身を護れるかも怪しいほど、非力になっている。  それは、否定しようのない事実だった。能力も封じられ、あるのは、知識のみ。  ……どれほど素晴らしい武力の知識があろうとも、体がそれに追いつかないのでは意味が無い。 (……とにかく今は、さっきの2人より使えそうな奴を探してみよう)  それまで、危険人物に遭遇しなければいいけれど。  そう思って、歩き出そうとした時。 『ひろゆき討伐PT……まず……近鉄百貨店集合、詳細きぼう……はテルして……』  遠くから、男の声が聞こえた。……一体何のつもりだろう? (言ってる内容から察するに、仲間集めのつもりみたいね……馬鹿馬鹿しい……)  誰がいるかも分からないような場所で、大声を上げるなんて。  危険な奴なんて近くにいないとでも思ってやってるなら、ずいぶんと呑気な事で……。 (暫く、近鉄百貨店には近寄らないでおこう……)  ……この呼び声が、罠の可能性だってあるのだから。  大声を上げて、人のいい奴を集めて、一網打尽にする。  それも、十分考えられる。 (……とりあえず、ここから離れよう……また、あの猫に遭遇するかもしれないし) 【A-4/1日目・朝】 【ハルトシュラー閣下@創作発表】 [状態]:健康 [装備]:警棒@現実、毒薬(青酸カリ)@名探偵コナン(?) [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】) [思考・状況] 基本:10歳の少女を演じながら、ステルスマーダーに走る 1:とりあえずここから離れて、使えそうな奴を探す 2:百貨店には近づかない ※身体能力の一切が10歳の女の子並みに制限されています。召還術も、自分の設定を変えることも出来ません ※拳法の技術や、剣技は体が覚えていますが、筋力などがついていきません ※毒薬は青酸カリです。説明書は「文字を入れ替える系」ネタが使われております |No.81:[[迷える心]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|No.:[[]]| |No.81:[[迷える心]]|[[投下順>51~100]]|No.:[[]]| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ノリさん|&color(red){死亡}| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ぼっさん|&color(red){死亡}| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ハルトシュラー閣下|No.:[[]]| |No.59:[[意思が混ざり合う時、事件は起こる]]|お断りします|No.:[[]]|
*Drop out  ◆i7XcZU0oTM ----  ぼっさんとノリさん、それにハルトシュラーの3人は……百貨店の探索を既に終えていた。  結果としては喜ばしい物ではなく、役に立ちそうなものを見つけられずに終わった。  結局、失意のまま百貨店を出て、次なる目的地に向かう……はずだったのだが。  明確な目標が無い故に、結果として"加賀との合流"を再度目指す事になった。  その途中で、定時更新の事を思い出したノリさんの呼びかけで、PDAのチェックを行ったのであった。 「……もう15人も殺されているなんて、信じられないでちゅ」  PDAを眺めて、青ざめたぼっさんが呟く。 「確かに、15もの命が奪われたのは痛ましい事ですが……ここで諦めてはいけません。  希望を捨ててはいけません!」  外見は"きれい"なまま、2人に語りかけるノリさん。  とはいえ、この事態には流石のノリさんでも動揺を隠せなかった。 (確認出来るだけでも、8人も危険な輩がおるとはな。そんだけおるんやったら、もしかしたらこの近くにも、  潜んでるかもしれんな……)  だが、不思議と恐怖心は無かった。  ……自分には、このパワードスーツがある。並大抵のヤツなら一捻り。  そう考えているからこそ、恐怖心も薄れるのだ。 (……どっからでもかかってこんかい。どんな相手が来ても、ワイの力で一捻りや) ◆ 「……」  定時更新を軽く確認して、鞄に仕舞う。  ……やはり、俺の名が載っていたが、こんなものは気にする必要もない。  こうなるのは最初から分かっていた事だし、たからと言って殺しをやめる気もない。 (まだだ。まだ足りない)  この6時間、俺は2人しか殺していない。……これじゃ駄目だ。  もっと、大量の血を以て……全てを、断らなければならないのだから。  そのためには、2人などでは到底足りない。このままでは、目標には到底辿り着けない。  ――――全ては、生きとし生ける者全てを、断る為に。 (だが、焦りは禁物だ……つまらないミスで足元を掬われるほど、下らない物はない)  確実に、逃がさないように、躊躇わずに一息に狩る。  その固い意思と行動が、俺の勝利を確実にするのだ。 「…………」  だが、今の俺には、足りないものがある。 (もう少し、役に立つ武器があればいいんだが)  今の手持ちは、ボウガンにさっき奪った薙刀、それと草刈り鎌。  殺傷力という点で見れば、まずまずの武装だろう。  だが、この程度では足りない。まず、ボウガンだが……。  銃等に比べて音が小さいのは有難い所だ。だが、一発撃つたびに装填しなければならない。  ボウガン特有のこの手間……致命的な隙になりえる物だ。  少しの隙が命取りになるような戦闘中に、再装填はできないだろう。  次に、薙刀だが……殺傷力も高く、接近戦では有効だろう。  だが、ボウガンのように遠距離からの攻撃は望むべくもない。そこがこれの欠点だ。  しかし、ボウガンとは違い、薙刀は壊れさえしなければ何度でも攻撃できる。  ……草刈り鎌も、武器としては馬鹿に出来ないモノがある。  取り回しも良く、殺傷力もそこそこだが……元々武器として作られている訳ではない。  強度の面で、不安が残る。 「……」  ……辺りは既に明るくなっている。  闇に乗じて不意打ちする手は、もう使えない。  だが、先述したように遠方からの攻撃は難しい。  ならば……確実に先手を取れるように、こちらから仕掛けて――――。 (……ふん)  そんな事を考えていた時に……丁度よく、誰かが近づいてきたようだ。  気付かれないようにササッと近くの民家の庭に飛び込み、透かしブロックから様子を窺う。 「休まなくても平気でちゅか?」 「うん」  3人組……。  その内2人は中年、あとの一人は子供……。 「疲れたなら、いつでもおじさんに言っていいからね」 「……大丈夫」  状況から察するに、あの中年2人が子供を保護してるって所か。  なら……先に子供を仕留めて混乱した所を突くか?  それとも、何となく厄介そうな、変なモノ着てる奴を片づけるか? (……子供は簡単に殺れるだろう……ならば、面倒な奴から先に片づけるか)  そうと決まれば、すぐ行動に移そう。……今回は、ボウガンは使わずに行く。  やはり連射できないのは厳しい。1対多ならばなおさらだ。  ならば、最初から薙刀(と草刈り鎌)で戦う方が良い。 (……)  ……忍び足で家の裏手へ回り、ヒョイと塀を乗り越えて路地に出る。 「え? ……猫?」 「武器、持ってまちゅ」  中年2人は、突然飛び出してきた俺に、目を丸くして驚いている。  まあ、当然だろう。いきなり、俺みたいなのが出てくればな。  そのまま脇目もふらずに、妙な物を着たヤツに一直線で向かって行く。 「……おおぉぉぉッ!」  上から振り下ろした薙刀の一撃は……鋭い金属音と共に、中年男の左腕で防御された。  鉄を叩いた鋭い反動が、薙刀の柄を通じて手に伝わる。 「この……!」  中年男の拳が振りかぶられる!  すかさず、俺は後ろへ飛んで距離をとる。  それと同時に、破壊音と共に、拳がコンクリートにヒビを入れる……!  ……どうやら、あの妙な物は着た者の力を増幅するもののようだ。  そう考えなければ、このとんでもない力を説明出来ない。 「2人は下がっとれ! かかって来んかい、化け猫ォ!」  自信満々の表情で、戦闘体勢を取る中年男。……どうすれば、こいつを殺れる? #aa(){{{                 巛彡ミミミ彡彡                 巛巛巛巛巛彡彡                    |:::::::::        |                    |::::::::  ___、 ,_,l                     |:::::::   =・ニ , 〔・={                    |(6  `   _ 」 }                ..| l  ┃' ー-=-'┃              <⌒\|  、  ┃ ⌒┃!               />、 \ヽヽ、. ━━/\\            ./ ̄ー \ 旧 ̄ ̄ ̄\、旧>   }}}  あのスーツで守られていない所……露出した頭部を叩けば、いけるはずだ。  確実に殺すためにも、ここは、首を斬る。  その為には、薙刀より取り回しの良い鎌を使った方がいいだろう。  薙刀を投げ捨て、鎌に持ち替える。 「何や、せっかく良さそうなもん持ってたのに捨てるんか?」 「……」 「まあええわ。……ほな、行くでッ!」  そう言って、中年男が俺に襲い掛かってくる。  ――――不思議だ。  もしかしたら死ぬかもしれないと言うのに、妙に心が落ちついている。  冷静さを欠くのは敗北に繋がるものだが、ここまで落ちつけるとは……。 「ほらほらほらほらッ!」  まるで、手に取るように。相手の攻撃が、予測できる。  所詮、力で押すだけの単純な攻撃だ。こんなものは、とっとと躱して……。 「……頂いたッ!!」  ――――首を狙う! 「がっ、あ、が……!?」  勢いよく血が吹きだす首を抑えながら、中年男は倒れた。  飛び散る生温かい液体が、俺を濡らしてゆく。  何故だろうか、その生温かさが、妙に心地良い。 「あ……!」  その光景を見て、絶句したまま立ちつくすもう一人の中年男と子供。  ……先に、中年を殺しておくか。子供ならいつでも殺れる。  薙刀を拾い上げ、ゆっくりと近づく。 「ハ、ハルちゃんは……殺させまちぇん!」  そう言って、俺の前に立ちふさがる中年男と、それを尻目に、一目散に逃げ出す子供。  ……まあ、子供ならば、俺が殺さずともいずれ死ぬだろう。 「安心しろ、あの子供はもう逃げたようだ」 「……そうでちゅか」 「それじゃあ――――」  ヒュン、と鎌が風を切る音と共に。 「――――死ね」  もう一人の中年男の首から、赤い液体が噴き出していた。 &color(red){【ノリさん@なんでも実況J 死亡】} &color(red){【ぼっさん@ニュース速報 死亡】} &color(red){【残り48人】} ※2人の遺体の傍に2人のPDAと支給品(こんにゃく@ニュー速VIP、参加者名簿@現実、ひもののようなもの@暴力二男のガイドライン、  カップラーメン@コピペ、ブーメラン@現実、しまむらのパワードスーツ@しまむらくんAA)が放置されています ◆ 「……これは使えそうにないな」  謎のスーツを着た遺体を見下ろしながら、俺は呟く。  ……俺の体では、明らかにサイズが合わない。 (まあ、いい。……今度は2人始末した。それだけでも良しとしよう)  ふうと一息付き、鞄からペットボトルを取り出す。……少々、喉が乾いた。  ぐいっと一口水を飲み、喉の乾きを癒す。 (さて。どこに向かうか……)  そう思って、歩き出そうとした時だった。 『ひろゆき討伐PT……まず……近鉄百貨店集合、詳細きぼう……はテルして……』  ……南の方から、声が聞こえて来たのは。 【A-4・住宅街/1日目・朝】 【お断りします@AA】 [状態]:健康、返り血 [装備]:草刈り鎌@現実 [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=04】)、ニニフと炒飯セット@AA、予備の矢×7、薙刀@現実     ボウガン(0/1)@現実 [思考・状況] 基本:全てに「お断りします」。 1:この声は…… 2:今の武器よりいい物が他にあるなら手に入れたい ※声に反応して、どう行動するかは後の書き手さんに…… ◆ (……助かった)  ノリさんが死んだ事も、ぼっさんが死んだ事も、閣下にとっては些細な出来事であった。  それよりも、命の危機を乗り切ったことへの安堵感の方が大きかった。 (あいつがまず私を狙ってたら、今頃殺されてたかも……)  今の時点では、自分の身を護れるかも怪しいほど、非力になっている。  それは、否定しようのない事実だった。能力も封じられ、あるのは、知識のみ。  ……どれほど素晴らしい武力の知識があろうとも、体がそれに追いつかないのでは意味が無い。 (……とにかく今は、さっきの2人より使えそうな奴を探してみよう)  それまで、危険人物に遭遇しなければいいけれど。  そう思って、歩き出そうとした時。 『ひろゆき討伐PT……まず……近鉄百貨店集合、詳細きぼう……はテルして……』  遠くから、男の声が聞こえた。……一体何のつもりだろう? (言ってる内容から察するに、仲間集めのつもりみたいね……馬鹿馬鹿しい……)  誰がいるかも分からないような場所で、大声を上げるなんて。  危険な奴なんて近くにいないとでも思ってやってるなら、ずいぶんと呑気な事で……。 (暫く、近鉄百貨店には近寄らないでおこう……)  ……この呼び声が、罠の可能性だってあるのだから。  大声を上げて、人のいい奴を集めて、一網打尽にする。  それも、十分考えられる。 (……とりあえず、ここから離れよう……また、あの猫に遭遇するかもしれないし) 【A-4/1日目・朝】 【ハルトシュラー閣下@創作発表】 [状態]:健康 [装備]:警棒@現実、毒薬(青酸カリ)@名探偵コナン(?) [道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】) [思考・状況] 基本:10歳の少女を演じながら、ステルスマーダーに走る 1:とりあえずここから離れて、使えそうな奴を探す 2:百貨店には近づかない ※身体能力の一切が10歳の女の子並みに制限されています。召還術も、自分の設定を変えることも出来ません ※拳法の技術や、剣技は体が覚えていますが、筋力などがついていきません ※毒薬は青酸カリです。説明書は「文字を入れ替える系」ネタが使われております |No.81:[[迷える心]]|[[時系列順>第二回放送までの本編SS]]|No.83:[[――の前の静けさ]]| |No.81:[[迷える心]]|[[投下順>51~100]]|No.83:[[――の前の静けさ]]| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ノリさん|&color(red){死亡}| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ぼっさん|&color(red){死亡}| |No.49:[[銭闘民族の特徴でおまんがな]]|ハルトシュラー閣下|No.91:[[ハルトシュラーのパーフェクト説得教室]]| |No.59:[[意思が混ざり合う時、事件は起こる]]|お断りします|No.95:[[鬼子「どうしましたのクラウドさん、いきなり私を押し倒すなんて……」]]|

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