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エルエルフ&セイバー  ◆MQZCGutBfo


―――三年前とは違う。俺は道を作った。

あなたを守る為の国を手に入れた。


俺に、さらわれてくれ。
俺は貴女に命を救われた。貴女が居なければ無かった命だ。


俺は、貴女を愛している。


笑ってくれていい。会ったのは二回だけ。
それも、一時間にも満たない時間を共有しただけで。


それでも―――俺は貴女を愛してしまった。


◇


「―――クーフィアとの決闘を受けずに逃走した場合。
 背後からの銃撃。退路の消失。
 導き出される結論は―――」

駄目だ。

「もっと前か……?
 彼女を救出するタイミング」

駄目だ。

「塔からの脱出方法。
 時縞ハルト到着までの時間稼ぎ」

駄目だ。

「違う……!」

駄目だ。

「どうやっても……彼女を、救えない……」


導き出される、結論は―――



―――リーゼロッテを失って、俺は脱け殻のようになっていた。

何を変えても。
どこからやり直しても。
シミュレーションですら、彼女を救えない。

時間を戻せるようなモノが例えあったとしても。
どうあっても、彼女を助けられない。


「―――――――――――――――――」


涙は、出なかった。

ぼんやりと、倉庫の天井を眺める。


リーゼロッテを救えるのならば。
例え俺が死んだっていい。
そう思っていた。

だが、結果はどうだ。
彼女の命は失われ。
俺の残骸だけが、無為に此処にある。


今の俺の頭にあるものは、悔恨。
そして。


彼女に、リーゼロッテに会いたい。


ただ、それだけだった。



そして―――。光が、俺を包んだ。


◆



―――戦場に、桜が舞っていた。


「貴様らは散りゆく運命にある。生き急ぐ様はまるで桜のようだ」

生き急いでるわけじゃねぇよ。ただ、必要とされるものが多かっただけだ。
新撰組が理想とする武士の道は険しいんでな。


「力を使う程に己の寿命を縮める羅刹など、所詮紛い物だ。我ら純血の『鬼』とは格が違う」

紛い物だと? それがいったいどうした。
俺達は今までも、散々武士の紛い物として扱われてきたんじゃねえか。

……紛い物だろうがなんだろうが、貫きゃ『誠』になるはずだ……!!



―――桜が、見える。

「初めて京の都で会ったあの日。舞い散る雪を背にした土方さんが。
 季節外れの桜のように見えました。
 ………………来年も、一緒に見ましょうね」


―――ああ。


「土方さん。

 ―――見えますか?

 皆の掲げる、誠の旗が――」


―――ああ、見えてるさ。

しっかりとな―――


◇



―――眩いばかりの光が段々消えてゆく。
どうやら、召喚されちまったらしい。

「……お前さんが、マスターかい?」

目の前には銀髪の少年。
ところどころ血に染まった軍服を着ている。
鋭い目をして、俺を値踏みしていやがる。

「チッ……ハズレか」
「いきなりなご挨拶だな。まあ、立派な能力って訳にもいかないがな」

少年は悪びれた様子もなく、真剣に俺の方――能力――を見ている。

「俺の理想を言えばアサシンが欲しかっただけだ。
 ……スキルで戦うタイプのようだな。
 隠している情報を全て見せろ。断るのならば」

少年は印のついた右手を掲げる。

「待てって。どんだけせっかちなんだお前さん。
 隠すことなんざねえよ。
 だが、その前に名前くらい教えてくれないか」
「……エルエルフだ」

不機嫌そうに眉根を寄せて答えるエルエルフ。

「そうか。俺は土方歳三。異国のマスターじゃ、流石に知らねえよな」
「ああ、知らないな……ふむ」

ステータスとやらを全部開示する。
エルエルフは真剣な目で確認している。
『情報』の大切さを知るマスターってことかね。

エルエルフが確認している間、召喚された部屋を見回す。
五稜郭の執務室に、よく似ていた。

確認が終わったのか、エルエルフが嘆息する。

「…………貴様も、負け犬か」
「……ハッ。負け犬ね。負け犬上等じゃねーか。
 壬生浪と蔑まれ、人斬りと恐れられた俺達が、夢を追って駆け登った結果だ。
 何ら恥じるところなんざねえんだよ」



エルエルフは俺を見つめ直す。

「……その女を、置いてきてもか」
「なっ……」

そんなところまで分かっちまうのかい。
嫌な仕組みだなおい。全部なんざ言うんじゃなかったか。

「……ああそうだ。我ながら馬鹿な真似しちまったが、後悔はねえ。
 …………だがよ。約束くらいは、果たしてやりてえ」


―――雪村千鶴。
俺が、愛した女。

死ぬ前に。共に桜を見て。
来年も一緒に見ようと約束した。

その約束は―――当然、果たしていない。

エルエルフを見ると、悲壮な顔をしている。

「……なんだ。お前さんも、女絡みか」
「……貴様には関係ない」

エルエルフの表情を改めてよく見てみる。
―――成程な。

「お前さん、泣けねえのかい」
「………何」
「心を潰して、生きてきたのか」
「……………………貴様に何が分かる」


分かるさ。
『鬼の副長』なんざ言われ。その役柄を演じて。
心を潰して、新撰組を支えてきた。

近藤さんを押し上げて。本物の武将にしてやりたかった。
片田舎の貧乏道場の息子と、農民の子で。
どこまで行けるのか、試してみたかった。

俺達は、同じ夢を見ていたはずだ。
それが、近藤さんを置き去りにして、てめえだけ生き残って。

―――その時、泣きたかったが、泣けなかった。
心に、身体が同調しなかったのだ。

きっとこいつも、そうなんだろう。


「……そうだな。
 だがよ。お前さんの気の済むように、全力で駆けてみな。
 そうすりゃ、何かが変わるかもしれねえ」
「……フン」

エルエルフの目を見据える。

「この土方歳三、剣のサーヴァントとして、エルエルフに仕えてやる。
 やれるだけやってみな」
「……面白い、いいだろう」

エルエルフは頷く。

「聖杯戦争。願い。土方歳三。

 導き出される結論は―――」


【マスター】エルエルフ@革命機ヴァルヴレイヴ
【参加方法】『ゴフェルの木片』による召喚
      (倉庫にあった貨物に紛れこみ)
【マスターとしての願い】リーゼロッテにもう一度会いたい
【weapon】拳銃、軍用ナイフ
【能力・技能】状況把握能力に長け、一人で一個師団相当を相手取れる『一人旅団』の異名を持つ。
       戦闘力において、近接戦闘、射撃術など常人としては高いレベルを有している。
       潜入・潜伏・追跡といったエージェントとして必要な技能を習得している。
【人物背景】
 「革命機ヴァルヴレイヴ」の登場人物。17歳。銀髪の少年。ドルシア軍のカルルスタイン機関出身のエージェント。階級は特務大尉。
 聡明な状況把握能力と一瞬で大多数の相手を殲滅するほど高い戦闘能力から、ARUSには「一人旅団」という通称で恐れられている。
 作戦や戦略を立てる際、シミュレーションの材料要因を列挙した後に「導き出される結論は」と言う癖がある。

 元は孤児。物語開始10年前に反政府運動を行うテログループの末端構成員となっており、所属していた組織を利用していた総統派が彼らを切って捨て、
 捕まったエルエルフも脱走を図って危うく殺されるところを王女のリーゼロッテに救われた。
 そのため、現在は常に携帯しているリーゼロッテの写真と、時折口にする彼女の名に強い思い入れを持っている。
 リーゼロッテの方もエルエルフのことを知っており、3年前に再会した際には彼女を幽閉から解放し共に逃げようとしたが、
 逃亡の先に安全な場所は無く自分達にはまだ道がないと諭され断念する。

 ジオール人救出作戦の際には、単身でリーゼロッテ救出に向かい、彼女への愛を打ち明ける。
 しかし、追手との戦いで満身創痍となった果ての脱出中、リーゼロッテが自分たちを守るために犠牲となったことを知り、生きる意志すら失ってしまう。

【方針】聖杯戦争に勝利する。相手の戦力を見極めてから仕掛ける。


【クラス】セイバー
【真名】土方歳三@薄桜鬼 碧血録(アニメ版)
【パラメータ】筋力D 耐久E 敏捷D 魔力E 幸運C 宝具C
【属性】秩序・善
【クラス別スキル】
 対魔力:D…一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
 騎乗:D…騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み程度に乗りこなせる。
【保有スキル】
 実戦剣術:A…人を殺すことに特化した戦技。剣の腕は天然理心流目録程度の腕前。
        斬り合いの際、敵に足下の砂をぶつけて怯んだ隙に斬り伏せるなど実戦本意の剣術を磨いていた。
 戦闘続行:A…いかなる絶望的な状況においても、決して折れること無き不屈の闘志。
        負けて流れてなお『誠』の旗を生涯降ろさずに保ち続けた。
        瀕死の傷でも戦闘を可能とし、致命傷を受けても即死でない限り生き延びる。
 軍略:B…一対一の戦闘ではなく、多人数を動員した戦場における戦術的直感力。勝利するために合理的つ冷静に戦況を把握できる。
      新選組における集団戦、洋式軍備後における二股口での連勝など、戦術家としての名声がある。
      自らの対軍宝具の行使や、逆に相手の対軍宝具に対処する場合に有利な補正が与えられる。
 薄桜鬼:A…超人的な身体能力と治癒能力を持つ『羅刹』の状態へと変化可能。変化中は紅い瞳と白い髪に変わる。
       筋力、敏捷のパラメータを2ランクアップさせ、常時リジェネレイトが発生する。
       自身の寿命を使い能力を補っているため、寿命が尽きれば身体は灰と化して死亡する。
 吸血衝動:E…変若水を飲んだことにより羅刹化し、吸血衝動が発生している。羅刹との相性が良かったため、通常時は衝動を抑えられる。
        薄桜鬼化中に他人の血を吸うことで傷の回復速度を速めることが可能。
        その場合、解除後6時間以内に血を吸わなければ、以降吸血を行うまで敏捷が1ランクダウンする。
        マスターの血を吸うことで魔力の補給も可能。

【宝具】

『誓いの羽織』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
 袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織。新撰組隊服として高い知名度を誇る。
 刀剣を持った相手との戦闘において有利な補正が与えられる。


【weapon】
「和泉守兼定」
 会津十一代目和泉守兼定が松平容保に従い上洛し、京都で鍛えた名刀。
 刃長は二尺八寸(約85センチ)。
 幾度もの実戦を土方と共にくぐり抜けた強靱な刀である。

【人物背景】
 「薄桜鬼 碧血録(アニメ版)」の登場人物。
 新選組副長。身長172cm。鬼の副長と呼ばれ、自身の全ては新選組と近藤勇のためと考えて行動していた。
 文久三年冬。父の行方を探して京の都にやって来た雪村千鶴と出会う。
 以降千鶴を小姓役として使い、その芯の強さを目の当たりにしていく。

 池田屋への討ち入り、蛤御門の変、山南敬助の羅刹化、御陵衛士との戦いを経て、幕末の動乱を新撰組と共に駆け抜けていく。
 その中で動乱の裏に存在する「鬼」の存在と接触するようになる。
 鳥羽伏見での戦いにおいて、井上源三郎の死への怒りから変若水(おちみず)を飲んで鬼の力を得、純粋な鬼である風間と互角に戦えるようになった。

 江戸へと撤退した新撰組は甲州へと進軍するが、甲州勝沼の戦いに敗れ、江戸へ戻って流山へと陣を移す。
 その際、近藤・土方の方針に反対した永倉や原田など多くの隊士達が離れていってしまう。
 流山にて新政府軍に包囲され、近藤に「命令」され、近藤を囮として隊士達を逃がし会津へと走る。
 会津で斉藤、仙台で山南・藤堂と別れ、京都からの隊士が少なくなっていく中、榎本武揚と合流し、蝦夷での再起を目指す。
 その際、ずっとついてきた千鶴を仙台に残し、市井で穏やかに生きるよう伝え別れる。
 松前藩に勝利し、五稜郭を拠点とした蝦夷新政府に参画。陸軍奉行並となる。

 千鶴と別れたことで、自身の中での存在の大きさを認識し、大鳥圭介の機転で千鶴と再会する。
 「おまえは、これからも俺のそばにいろ。逃げようとしても離さねぇから、覚悟しとけ」と発言し結ばれることになる。

 新政府軍が蝦夷に上陸し、二股口に陣を構える土方たちは全勝していたものの、
 もう一つの松前口が水陸から攻撃を受けて敗れたため、撤退せざるを得なくなってしまう。
 箱館総攻撃の中、負傷した土方は千鶴に介抱されていた桜の木の下で、追ってきた鬼、風間と再会する。
 風間と最後の決着をつけ、勝利するもその傷が元で息絶え、千鶴の膝枕の上で安らかに永眠した。
 また、風間との決着の際、彼こそが「薄桜鬼」であることが明らかとなる。

【サーヴァントとしての願い】
死の一年後に、もう一度だけ雪村千鶴と桜を見てやりたい。

【基本戦術、方針、運用法】
素のパラメータは高くはないが、エルエルフの戦術を理解し実行できる頭脳があり、敵の戦力を調べ策を立てて挑むべき。
因縁が続いた相手でもなければ決闘に拘るタイプではないので、
土方をサーヴァントに当て足止めし、エルエルフがマスターを仕留めるマスター狙いの戦術が基本となるだろうか。
薄桜鬼化しなければ怪物クラスのサーヴァントにとても抗しきれないが、力押しではなく常に策を立てて対峙しよう。

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最終更新:2014年07月06日 20:02