チェアの選び方

JOIFA会員かどうか


JOIFA(社団法人日本オフィス家具協会)というものがあり、
JIS規格よりもさらに独自にオフィス家具の安全性、耐久性、品質、素材、リサイクルなどに関して厳しい基準が設けられている。
オフィス家具のJIS規格に関する原案作成団体でもある。
安全性や耐久性をしっかりとテストし、自社で設計製造している会社は以下の会員名簿に必ずある。
ハーマンミラーやスチールケースなど海外オフィス家具メーカーの日本法人や代理店もすべて会員リストに入っている。

ロクに検査もせずに新興国から日本に輸入し低価格で売りさばいたりするような会社は以下の名簿に名前が一切無い。

  • JOIFA会員企業名簿

JIS認証取得者

工業標準化法に基づいた経済産業省の機関で様々な安全性や耐久性などの規格や基準を定めるJISC(日本工業標準調査会)という組織がある。
ワーキングチェアは『JIS S 1032 オフィス用いす』という規格に該当する。
主な項目は以下のとおり。
  • 性能値(安定性,静的強度,衝撃性,耐久性,表面処理,絶縁抵抗・耐電圧)を規定。
  • 構造(組付けは溶接,その他の方法にて堅ろうに結合する。回転部又はリクライニング機構がある場合は,滑らかに作動し,著しい騒音を生じない。など)を規定。
  • 材料(木質材料,合板,接着剤及び塗料のホルムアルデヒド放散量はF☆☆☆又はもっと少ないことなど)を規定。
JIS『オフィスいす』認証取得者
日本工業標準調査会
http://www.jisc.go.jp/

リクライニングのロッキング機構


背ロッキング 背だけが動くもの
背&座ロッキング 背と座が一体で動くもの
ニーチルトロッキング 背と座面後部が一体で動くもの
シンクロロッキング 背と座が別々の傾きで動くもの
シンクロロッキングが一番ランクが高い。背&座ロッキングは倒した時に膝裏を圧迫してくるのでつらい。

角度固定

リクライニングの角度を固定できるかできないかも重要。固定できないと背中で押さえつけていないとリクライニングが戻ってくる。
いわゆるPC作業などの後傾作業では必要不可欠なもの。

座面の奥行き調整 (座奥調整)


万が一、座面が長すぎたり短すぎるチェアを買ってしまっても、体に合わせ調節するだけで
体重分散を均一にできるので選択条件としては入れるべき機能。
展示品などで試しに座ってみて体にぴったりで問題がないようなら必要はない。

座面の高さ


高すぎると足が地面に届かないので太腿を圧迫してくる。
逆に低すぎても尻や腰に負担がかかるので身長にあったものを選ぼう。
座面が高すぎる場合は、フットレストも視野に入れよう。

座面の目安は、座った状態で脹脛と腿が垂直となる高さ = かかとから膝裏までの長さに調節できる椅子。

おおよその目安の計算式は(自分の身長)×0.25 = (座面の高さ)
身長 145cm 150cm 155cm 160cm 165cm 170cm 175cm 180cm 185cm 190cm
座面の高さの目安 36.25cm 37.50cm 38.75cm 40.00cm 41.25cm 42.50cm 43.75cm 45.00cm 46.25cm 47.50cm
紙面上の最低座面の高さはクッションが沈んでいない状態が多いので、それも考慮して目安+2~3cmは大きめに見積もることも推奨。

背面&座面


クッション

一般的にはスラブ形成ではなくモールド形成のウレタンフォームを使っているものが耐久性が高く良い。
あと、尻が底につかないような形状で加工してあるのも良い。
低反発性のものは、ゆったり休んだりする分には良いがへたれやすく、体温程度に温まると硬さが変化し柔らかくなるため長時間の作業用途などには向かない。
説明がウレタンフォームとだけしか書かれていないものはすぐへたる安物のスラブ成形の軟質ウレタンフォームを使っている場合が多い。
へたれにくい 軟質ウレタンフォーム(モールド成形)
チップウレタン(モールド成形)
軟質ウレタンフォーム(スラブ成形)
低反発弾性軟質ウレタンフォーム(モールド成形)
へたれやすい 低反発弾性軟質ウレタンフォーム(スラブ成形)

メッシュ

長く使いたいのであればなるべく安い生地を使ったメッシュは避けたほうが良い。
エラストメリックメッシュ エラストメリックとポリエステルで編みこみ耐久性や弾力性に優れたメッシュ。アーロンチェアなどにも使われている。
3Dファブリックメッシュ 立体上に編み込んだメッシュ。通常の物メッシュより通気性に優れているが、汚れはつきやすい。
ポリエステルメッシュ ごく一般的なメッシュ。編み方に左右されるので安物は破れやすく耐久性には難がある場合が多い。

クッション張り素材


空気の通りやすい布張りにするか、肌触りの良いレザー調にするか。
レザーのほうが耐久性は高いが、高級車の革製シートさえ蒸れないようにファンが付いているくらいなので、暑がりの人は布張りにするほうが無難。
  • 布張り
ポリエステル 最も多いタイプの張り材。コストが安く耐久性も優れている。
3Dメッシュ 通常の物より通気性に優れるが、汚れやすい。
  • 革張り
PUレザー コストが安く乾燥していれば耐久性に優れるが、水や湿気に弱く経年劣化で裂けやすい。通気性は悪い。
PVCレザー 布張りより耐久性・耐水性に優れ、汚れにも強い。ただし、直射日光などには弱く表面がすぐに劣化するので注意が必要。水分は完全に通さないので通気性は悪い。
牛本革 布張りより耐久性・耐水性に優れ、汚れにも強い。ただし、ワックスを塗るなど定期的なメンテナンスが必要。通気性は悪い。

キャスター


フローリングで使う場合は傷つきやすいので横滑りしにくいものであってもマットを敷くことを推奨。
ナイロンキャスター 一般的なキャスター。カーペット上などでは問題ないがフローリングなどでは横滑りしやすく、床が傷つきやすい
ウレタンキャスター(PUキャスター) ナイロン製よりも横滑りが起きづらく、フローリングやボード上などでも使用しやすい。ただしウレタンなので長い年月で割れやすい。

肘置き(アームレスト)


作業用では机に手が乗るので必要ないが、リラクゼーション用途であれば必要。
固定アームレストは手の長さが合わないと、逆に肩や肘に負担がかかるので、最低限上下調節が付いているものを推奨。

ヘッドレスト


アームレスト同様、絶対必要ではないが、固定タイプだと合わなかった場合最悪なので、最低限上下調節が付いているものを推奨。

背もたれの高さ


背もたれの接触面積が大きいほど体重分散がされるので、ハイバックタイプを推奨。

ランバーサポート


絶対条件ではないが腰の負担軽減されるのであったほうが良い。また固定タイプではなく上下調節ができるものがよい。
最終更新:2012年09月16日 23:48