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俺は桜井智樹。ごく普通の中学生だと思う。
いつの間にかバトルロワイアルとやらに巻き込まれてしまっていた。
よく分からないが、シャルル・ジ・ブリタニアが言うには、これは「殺し合い」らしい。
(ふざけんな、人の命をゲームの駒のように扱いやがって!)
怒りが湧きあがってくる。

俺は決して殺し合いに乗る気はない。
名簿に名前のあった、イカロス、ニンフ、アストレアを探す。
そして必ず、元の世界に帰るんだ。


俺はさっきから、この寮にあるドアを片っ端から開けていた。
同じように巻き込まれた人が居るかもしれないからだ。
今まで人が居たことはなかったけれど。

(まあ、そう都合よくもいかないか)
そう思いながら、何度目か、ドアノブを回す。
しかし、今までとは違って、ドアは開かなかった。

「誰かいるんですかー?」
鍵が掛かっているということは、誰かが居るということだ。
希望を持って、さらに話しかける。

「俺は桜井智樹といいます。あなたもこの殺し合いに巻き込まれた人ですか?」
相手が誰だかわからないので、つい丁寧な口調にしてしまう。
すると、答えが返ってきた。

「ええ、私は……天城雪子といいます」
うっ、と呻きそうになるのを堪えた。か、可愛い……。
いやいや、そんな場合じゃない。

「天城さん、俺はこの殺し合いを壊してやろうと考えています。協力してくれませんか?」
少し話を急いだかもしれないが、仕方ないだろう。
今この時も、殺し合っている人が居るかもしれない。
だったらそんなことは、すぐに止めさせなくちゃならない。

「……わかりました、今鍵を開けるので少し待ってください」
カチャカチャ、と鍵を開ける音が聞こえる。
(よし、これは幸先がいいぞ)
女性の味方が出来るというのは心強い。
この調子で仲間を増やしていけば、この殺し合いを打倒することも出来るに違いない。


そして、部屋のドアが開いた。
――と同時に。



「アギ!」



直後、俺の体は後方に吹っ飛ばされた。
壁に体をぶつけて、そのまま廊下に倒れ込む。

「痛ってぇぇ!!?なんだよこれ?」
身体を襲った痛みから、つい叫んでしまった。

(な、何が起きたんだ?天城さんがやったのか?なんで?)
様々な考えが頭をよぎるが、結論は出ない。
百聞は一見にしかず。かろうじて動く首を上にあげると、目の前に天城さんらしき女性が立っていた。
美しいが、冷めた瞳で此方を見つめている。

「ごめんね。でも、私は人を殺さないといけないの」
寂しげに、天城さんが言葉を発した。

なんで、こんなことを――。
そう言おうとしたのもつかの間。

「アギダイン!」

再び爆発が起きた。
直撃はしなかったものの、爆風で俺の体が吹っ飛び、壁に背中を強打した。

苦しい。
嫌だ、まだ死にたくはない。
まだ何もしていないのに。殺し合いを打倒すると決めたのに。
(――誰か、俺を守ってくれ――)



そして、俺の意識は途絶えた。


◆◇◆◇◆◇◆


「マハラギダイン!」
私のペルソナ、コノハナサクヤが、寮の中で大規模な爆発を起こす。
少年の生死は確認していないが、今の爆発で生きているとは思えない。

どさくさに紛れて盗っておいた少年のデイパックを取り出し、その中身を自分のデイパックに移す。
その中に、特徴的な形の仮面があった。
かぶってみたくなったけれど、今は置いておくことにする。
そしてひとまず、先程まで自分が居た部屋に入り、再び鍵を掛けた。

「ゴホッ、ゴホッ……」
爆発によって起きた風にむせながらも、私はいやに冷静だった。
(これで一人……)
支給品のPDAに書いてあった「首輪の解除条件」。
そこには『自分以外の参加者の皆殺し』とあった。
これを満たせば、この首輪が外れて自由になれるという。
それを信じて、私は一人、何の罪もない少年を殺してしまった。
今更ながら、罪悪感が出てきた。

だけど、仕方がないのだ。
支給品の剣を握りしめる。
私は、早く千枝のいる元の世界に戻りたい。
千枝や、鳴上君たちと、また楽しい時を過ごしたい。
その為なら、他人を犠牲にしたって構わない。

身勝手だとは思うけど、
それは私にとって、何事にも代えがたい、大事なものだから。



それを守るためなら、私は人殺しにだってなる。



【E-6学生寮屋上/未明】

【天城雪子@ペルソナ4】
【装備:干将・莫耶@Fate/stay night】
【道具:支給品一式×2、ゼロの仮面@コードギアス 反逆のルルーシュ、
9のPDA@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-、ランダム支給品×2】
【状態:疲労(中)】
【思考・行動】
1:PDAの首輪解除条件に従って行動する=皆殺し。
2:休憩も兼ねて外の様子見。
【備考】
※足立戦終了後からの参戦です。
※桜井智樹を殺したと思っています。
※桜井智樹のデイパックの中身を回収しました。
※ペルソナはコノハナサクヤで、スキルは威力の大きいものほど体力を消費します。


◆◇◆◇◆◇◆


「ううん……」
あれ、ここは…そうだ、今はバトルロワイアルの最中で……。
俺はいつの間にか寮みたいな所に居て……。
それで、確か、確か、確か……。

「そうだ!天城さんは!?」
ここに来て、初めて会話を交わした美人な女性。
あの人は、一体どうしたのだろうか。
いや、それよりも、何故自分は気絶していたのだろうか。

周りを見渡す。焼け焦げた壁が目に入る。
その瞬間、俺はなにもかも思い出した。


――マハラギダイン!


先程、天城さんの『コノハナサクヤ』とやらが起こした爆発を。
その爆発によって、彼は全身に火傷を負い、壁に全身を強打し気絶していたのだ。

(さて……どうしよう)
どうやら天城さんはこのバトルロワイアルに積極的であるらしい。
『平和が一番』をモットーに掲げる彼としては、残念だった。
あのような美人な女性が殺し合いなんてもったいない――とまあ、そちらの意味でだが。

(ともかく、体を休めよう)
体中に火傷などを負っていることは間違いない。
それならば、一息つこうと考え、デイパックから水を出そうとしたが、妙に手ごたえが無い。
天城さんに中身を全部持って行かれたようだ。

(くそっ、どうする……?)
武器も道具も、ましてやイカロスたちもいない。その上、傷のせいですぐには動けない。
こんな状態で襲われたら、と思うと、さすがに怖くなった。

と同時に、彼の眼にあるモノが映る。
銀色の、つけもの石のような、あるいはメタルスライムのような物体。
それこそが、彼の最後の支給品で、『月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)』と呼ばれる魔術礼装だった。



彼は気付いていない。
コノハナサクヤの「マハラギダイン」を受けたにも関わらず、自身が軽傷で済んだ理由に。
それが実は、試験管が偶然割れて出てきたこの魔術礼装のお陰だった。


(――誰か、俺を守ってくれ――)
この思いに反応した月霊髄液が、彼を守る盾となったのだった。

だが、彼がそのような魔術礼装の存在など知るはずもなく。
「……気持ち悪いな」
彼が考えたことは、ただそれだけだった。



【E-6学生寮廊下/未明】

【桜井智樹@そらのおとしもの】
【装備:月霊髄液@Fate/zero】
【所持品:なし】
【状態:疲労(中)、全身に火傷や裂傷、背中を打撲】
【思考・行動】
1:バトルロワイアルを打倒する。
2:休息を取りつつ、どう動くか考える。
3:天城雪子を危険視。
【備考】
※カオス戦(一回目)からの参戦です。
※月霊髄液は智樹を主人とし、意に従うようになりました。


【月霊髄液(ヴォールメン・ハイドラグラム)@Fate/Zero】
桜井智樹に支給。ケイネス・アーチボルトの切り札である魔術礼装。
ケイネスの魔力によって意のままに操れる水銀で、攻撃・防御・索敵を可能とする。
本ロワ内では以下の制限を持つ。
  • 主人とした人物以外の意には従わない。
  • 主人が死んだ場合は、新たな主人を探そうとする。
  • 魔力が無くとも操れるが、その場合は使用者の体力を削る。
  • 防御等、自律的に行うことはない。主人とした人物の意思の元でしか動かない。

【干将・莫耶@Fate/stay night】
天城雪子に支給。
アーチャーの投影宝具である、陰陽二振りの短剣。互いに引き合う性質を持つ夫婦剣でもある。
二つ揃いで装備すると、対魔力・対物理が上昇する。

【9のPDA@シークレットゲーム-KILLER QUEEN-】
天城雪子に支給。
シークレットゲーム本編中にゲーム参加者に配られる情報探知機。
首輪の解除条件として「自分以外の全参加者の死亡。手段は問わない」とある。が、勿論このロワ内では適用されない。

【ゼロの仮面@コードギアス 反逆のルルーシュ】
桜井智樹に支給。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと枢木スザクが、「ゼロ」として行動するときに身に着ける仮面。


007:それと便座カバー、それと…… 時系列 009:生き抜く事/守り抜く事
035:おまもりらんさー 投下順 037:悪がもう一人の自分をつくる
START 天城雪子 069:朱より赤し
START 桜井智樹 075:学園黙示録

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最終更新:2014年05月05日 17:32