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たけとみ4 「ただいま秀吉」 期待しているという言葉はそれを発した本人がいなくても魔力を持って半兵衛の 背中を支える。 たとえ未来を紡ぐ子供だろうと悲しい戦をし続ける農民だろうとほふることに容 赦はしなかった。 「戻ったか」 「ああ。北は寒いね、君がいかなくて正解だったよ」 仮面を落とした半兵衛がその手で秀吉の肩に添う。 「冷たいな」 「こんなものじゃなかったかな。雪にまみれて冷えたのかもね」 あそこは憎らしいほど雪が多いから。 健やかという言葉にあてはまる自分を半兵衛は久しく忘れている。 「でも秀吉が常たる僕のぬくもりを思い出させてくれるんだろう?」 だがそれより手をのばして得たいものに半兵衛は微笑みかけた。

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