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LOG内検索 / 「さゆき4」で検索した結果

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  • さゆき4
    さゆき4 「冷えてきたなぁ」 肌を刺す冷気が心地よい。なまぬるい液体が冷えていくのは良いのだが乾くと不快感が強くなる。 血を浴びても血に酔うな。 そう諭したのは老いてもクナイの切っ先を毛ほども震わせることのない老爺だった。 「俺はむしろ血を浴びるほど虚ろになっていくんだがなあ」 掻き切った命の水がこぼれるように、ぽたぽたと己の内から何かがなくなってゆき、その度に体が軽くなる。 「これも危ない兆し、なのかね」 虚ろになりきった己を眺めるのも悪くないと思えるのだが。 ふと研ぎ澄まされた耳が遠くの合戦の音を拾う。 「…今日もやるねえ」 人と剣戟と馬のいななきにまじり轟くようなほむらの嵐が聞こえる。 「ああ、そうだなあ」 黒の影が大鳥の形に紡がれ、その足に捕まりつぶやいた。 「旦那が腹冷やすと後が面倒だな」 この冷気は良くない。 紙縒より細く軽い意識をつなぐのは、空を朱に...
  • さゆき1
    さゆき1(こたうじ8から微妙に続き) 「なんふぉ、ほだはらのひのびがみずはめ…」 「おいおい旦那、食べるか喋るかどっちかにしなよ」 「むぐぐ」 タレのかかった団子をもちもち味わった後、幸村は目を輝かせた。 「…して、小田原の忍が大事そうに水飴をなめていたと」 「茶も飲めよ。…いやー寄越せとは言ってないのに凄い勢いで追い返されちゃってな」 「それは…風魔小太郎ほどの忍が服すとなると…」 「なると?」 「よほどうまい水飴なのであろうな!よし!今度某が小田原に立ち寄ったときにでも調べてみるぞ!」 「ちょっとちょっと!旦那!」 「さぞや名のある老舗の銘菓に違いあるまいぞ、佐助!」 「ああもう…旦那ってば甘味と戦とお館様のことになると本当イノシシになっちまうんだから」 武田一の苦労忍は苦笑まじりにため息を人知れず吐いた。
  • さゆき2
    さゆき2 「そんじゃ旦那、ちょっくら行ってくるよ。土産はかきあげがいいかい?」 「むう…しかし佐助の里の団子もうまい…」 「…旦那、かきあげも団子も買ってくるよ」 うちのはどっちもうまいからねえと軽く笑った。 「猿飛殿、ご帰還はお早めに願いますぞ」 「ん?次の戦までには帰るさ」 佐助も悲しいくらいわかっている。天下になだたる槍の名手真田幸村、戦以外のことにかけてはダメ人間だった。 とかく誰かが声をかけるまで縁側でぼーっとしているか団子を食べるかしかしない。 ちゃんと飯食ってるか?風呂入って歯磨いてちゃんと布団敷いて寝るだろうか。 「あ、行く前から旦那が心配になってきた…」 みんなのおかん猿飛佐助、無駄なくらい心配症でもあった。
  • さゆき6
    さゆき6 「消えなぁ!」 翻る紅と飛び散る朱。佐助の凶手が閃くたびにそこに新たな赤が混じる。傾いた太陽の中では誰も彼もが血にまみれた顔をしている。 ここはいくさば。死と生の風は命をさらう。 「俺様の技を拝むには百年足りねえな…っ」 佐助がいくらその手を巡らそうと死ぬ者は死に、生きる者は生きる。 「弱ぇ弱ぇ」 正邪なにもかもがひっくり返り無価値になる。 「死にたい奴だけ、かかってきなよ。猿飛佐助が討ちとれるなら!」 虚空に蜻蛉を切った。佐助は血風を纏い骨をも断ち切る。 その時の佐助は人の、人である全てを否定する。己自身をも、人であることを忘れる。 そこにあるのはただの凶器。凶器であろうとする何か。
  • さゆき5
    さゆき5 「人の気配がすると思えば…」 「あれま、起こしちまったの。静かにしてたつもりなんだけどなあ」 忍び失格かね、とぼやく佐助に夜着のままの幸村がいいやと首を振った。 「何にしてもその格好はよくないよ、旦那。何か羽織るか、寝ちまいな」 「眠気は、ない」 「あーらら。本格的に目がさめちゃったんだねえ」 どうしたものかと思案したのも束の間で、それじゃあと佐助は提案した。 「そこの縁側で酒でも飲む?火鉢置いてさ。俺は寝ずの番、旦那は寝酒。どうよこれ、名案」 「…寝ずの番が酒を飲んでいいのか」 「忍びが酔うわけないでしょ。訓練と自制の賜だ。俺様をつぶす前にバタッと寝ちゃうのはどこのお方かねえ」 さあさあ火鉢と酒は持ってきてやるから旦那はあったかいもん部屋から持ってきて。 幸村はなんとなくそれに安堵したように頷いて、奥に引っ込んだ。 「…さすがに、添い寝はしないからね」 そっち...
  • さゆき7
    さゆき7 「さすが米所、深みが違うねえ」 片膝立てて杯を空にした佐助は舌鼓を打つ。 「しかし誰が入れ知恵したんだかねえ。俺に酒の土産なんて」 戦と団子にしか目のない旦那が「気の利く土産」なんて自然に思い至るわけがない。これが腹心の物言いかと誰かが聞けば目を剥く暴言だが、事実である。おまけにその場にいたのは佐助と大の字になって寝ている幸村だけだった。 土産をもって帰るのはほとんどが自分。無粋なほど気の回らない幸村の代わりに気を配るのが、この主従の正しい姿だと佐助は思っている。 佐助は量のこなせない下戸だがうまい酒は楽しんで飲む質。しかし本物の下戸は佐助が勧めた一杯でつぶれてしまっていた。 「そういや俺もかすがにこんな感じで潰されてたなあ」 あの美貌のくの一は笊だった。蟒蛇の上を行く枠だった。今でこそ忍びの訓練の賜により飲める佐助だったが、昔は一杯でも赤くなった。かすがは訓練する...
  • 学園さゆき1
    学園バサラ さゆき1 「佐助…」 「そんな恨めしそうな顔してもダメったらダメ」 「なんで某のみたらし団子を佐助が食わねばならんのだ…某が並んで買ってきたのに!」 「旦那はでっかい虫歯つくったから。しかも夜中につまみ食いしたね」 「うっ…」 「歯磨きのあとにそんなことしてたら虫歯になって当然」 「うう…」 「がっつり歯医者さんに成敗されてらっしゃい」 「…痛いのは苦手でござる…」 「自業自得ってね」
  • さゆき3
    さゆき3 「佐助、狡いぞッ」 やけにご立腹だなあとのんびり構えていたら幸村にいきなり絡まれた。絡まれた、というか…一方的に詰られている、というか。 こりゃお館様関係かな、また目の前しか見えてないよとすごまれているのに佐助は心配になった。 「なぁにが」 「某の知らぬところでお館様の鍛錬のお相手をつとめたと聞いた!」 「あー…、そういえば」 なんかぼーっと木にぶらさがってたら突然あのでっかい斧を振るわれて、『弛んでおるぞ佐助ェエ!!』といきなり鍛錬とはとうていいえない殺し合いにもつれ込んだのは、つい先日。 「旦那、あれは鍛錬じゃないよ…お館様の暇つぶし」 「ぬぅ!それでもこの幸村、お相手仕りたかった!」 旦那にとっちゃお館様相手なら何でも喜んでやりそうだな。紙一重で庭石砕いた一撃を思い出す佐助はかすかにため息をついた。 「俺様繊細だからお館様みたいな豪快な相手の修練には向いてな...
  • バサラ
    バサラ 奥州-こじゅまさ 収穫 プラスちか1 パーリィin奥州 チェンジ 苦渋 合戦準備 牙を研ぐ 庶民派 大阪-たけとみ 温泉 どっち? 恩賞 帰還 繕いもの 睦言 蜘蛛の宴 小田原-こたうじ ぼらんちあ あいらぶゆう うぉーたー たがために にがみばしり りすきー きがのよる るーずに にしゃたくいつ つかのま まおとこ こよ よびかけ けわしきよでも ものいえるみならば ばんり りち ちかく くったく くもなし しゅうや やくじょう うえをみよ ようようはるのごとし しろくおいたねこ こどくのほし しじまのつき  こたとゆかいな北条家 1 2 3 4番外編 氏政様の守人 1  2 中四国-ちかなりちか 捏造過去 ひとさらい 奥方様 ハンドメイド くもりのち ふこふこ 厳島 with鸚鵡 補給部隊へ 手習いに 家族の肖像 厳島にて 安土-みつのぶ 日記  草葉 甲斐-...
  • けいゆき1
    けいゆき1 「夢吉殿は何とも愛嬌のある顔であるな」 「きき?」 「夢吉見るなら俺も見てよ」 「首が痛くなるのでイヤでござる」 「ひどっ!好きででかく育ったわけじゃないのにさ。あんたがちっこいのも悪いんじゃねえの?」 「な!某はこれから大きくなる!」 「どーかなー、この薄っぺらい体で」 「某はすれんだあなんだ!政宗殿が言ってた!このまま伸びるのだ!縦はともかく横の太い慶次殿に言われたくないっ」 「なーんだってー!?」 渚さんと以前お話したんですが、ボインはアニキで慶次はぷちマッチョ。太りやすいので慶次は踊って必死でカロリー消費してる!
  • 九龍
    小ネタ集 小型削岩機 まりやん 部屋 次の… バディ 葉皆 美食 煙ひとゆら 4/12 【自虐にしか…】 ヒロシマリアン2 【生憎の…】 【シュレー…】 シンキングタイム シンキングタイム2 はろうぃん 天然 煙草 コーヒーゼリー エビフィレオ ケーブルテレビ 葉取 独白 ヒロシマリアン葉佩 夜の底 あめふるよる 【君を守る…】 目をあけて最初に君を見たい ヒロシマリアン3 さゆり姉さん  プレーヤー設定 葉佩九龍 宝探し屋に50の質問 
  • 葉取7
    葉取7 さゆり姉さん 「鎌治は箸の使い方うまいなぁ」 「姉さんが厳しかったからね。自分が気付かないところで人は見ているってね」 「うーん…難しい…」 「あ、はっちゃん握り箸!」  ズビシッ! 「い゛ぃっ!」 「あ、あ、ごめんつい…」 「し…躾に厳しい家だったんだな鎌治の家…(なんか手が痺れてるんですけど!?)」 「うん、二言目には鞭が飛んできたからね」 「むっっっ!?」 「君の鞭捌きを見ていると姉さんを思い出すよ…」 (いやぁあ鎌治が遠い目してるなんか怖いよぉぉ!!)
  • こたうじ13
    こたうじ13 甲斐にて。 「ぬぉお!ゆくぞ幸村ァァ!」 「お館様ァァ!」 「俺もついでについていくよ旦那ー」 奥州にて。 「Hey!ついてこいよ小十郎!」 「どこまでもお供します、政宗様」 越後にて。 「ゆきますよ、わたくしのうつくしきつるぎ」 「あぁ……謙信様!」 三河にて。 「タダカーツ!」 「(シュゴーッ!)」 「……」 「心配せずともきちんと呼んでやるわい。のう、小太郎」 「!!!!」 小田原にて。
  • たけとみ2
    たけとみ2 「で結局どっちがどっちなんだよ」 「何が」 馴染みの小姓同士が集まれば自然と自軍の噂話になるのは必然で。 今一番の噂の種は我らが主とその軍師についてだ。…いわゆる、夜のほうの。 「半兵衛様と秀吉様!あの二人デキてるんだろ?」 あのあまったるい空気は恋人でもなけりゃ作れないだろう。特に半兵衛の秀吉を慕う言動は友愛を軽く越えていると専らの噂だ。 「もったいないっていうかさ、あれだけ美形なら女も選り取りみどりだろうに」 ほかの部屋つきの小姓らに比べて話を聞かされる少年は半兵衛の部下の小姓だったので真実をちょっとばかり余計に知っていた。故に沈黙。 「なんでまた好き好んで大男の女役なんだろう?」 「でも半兵衛様なら何でもできそうだね」 「うはー想像すると卑猥だな」 そうか一般的に考えればそうだろうな。 半兵衛はあの通り線の細いしなやかな美青年で、秀吉は岩をも砕く巨漢であ...
  • 悪魔4
    オリジナル 悪魔4 【叫びは彼に届かない】 ※ややグロ?表現あり。 『  聖者をお食べ。きよらなる者をお食べ。  屠った魂は我らの至極の血肉。                       』  --神学者ベルル・アシェンメールの『招かれし闇の者より覚え書き』から抜粋 「赤子の目玉は好きかい」 「やわらかすぎる」 「じゃあ臓物があるよ。生きの良い男のだ」 「あれは臭い」 「やれやれ、あんたの好みは変わっているね」 宝石を代償に人の肉や臓腑を売りさばく店主の羽根はまだらな向こうの景色が見える。罪深さゆえ天使に追われ、酸の海に落とされた傷が癒えぬままだというのがもっともらしい身上だ。 下級の悪魔は肉食が多い。この商売は終わることなく続くだろう。店主は青黒い肌をし、肋を浮かせた悪魔である。まず人の肉を喰らうべきはこの男なのではないかと思わせるほどやせ細っているが、人肉屋は肉を喰らわず...
  • こたうじ15
    こたうじ15 喉を震わせるとそれは、古戦場に吹き渡る風のような、不吉な鳥の鳴き声のような、掠れた音。 喉を患った者の吐息にも似た、壊れた笛の音ばかりが小太郎の喉からこぼれる。 「……」 渇きの早い喉のため、ゼヒと弱い空咳が漏れる。 小太郎は声を持たない。情報の漏洩を防ぐため、一昔前の忍びたちは喉を潰され戦場に送り出されるのが主流だった。暗殺を目的とする彼らは、独特の手話と暗号、そして読唇術で会話を成立させ、人の命を屠る。 その喉を傷つけ声を殺す、最後の世代にあたるのが小太郎で、声変わりを始める前に彼は声を失った。 「小太郎」 嗄れた声が小太郎を呼んだ。枯れ木が触れあうような、だが少し甲高い、老人独特の声音を持って小太郎を呼ぶのは一人しかいない。 「おお、上に居ったか。相変わらず高いところが好きじゃな」 瞬時に屋根瓦から、その下の天守閣へ。頭を垂れて現れると、氏政が皺だらけの...
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