VK30.01(H)

 

VK30.01(H) title

ファウカー 30.01 ヘンシェル   /   ヘンシェル社 30t級試作戦車 01号案

    VK30.01(H) before    VK30.01(H)

VK30.01(H) side before  VK30.01(H) side

 左は購入初期状態のVK30.01(H)で、右は改良砲塔にゲルリッヒ砲を搭載したVK30.01(H)。T34ショック前のドイツ戦車らしく垂直な装甲が目立つ。車体の形状、砲塔の形状ともにDWⅡにとても似ており購入した直後は大して性能の違いも感じられないが、開発が進むにつれ重戦車らしく変化する。


 -性能-

車体

 

初期 最終
車体耐久値 600 660
車体装甲 (前/側/後/上/下) [mm] 50/50/50/25/20
最高速度 (前/後) [km/hr]  35/12
重量 (t) 33.00 41.00
射界 (°) -180/180 
最大修理費 (Cr) 5078 7065
燃料タンク耐久値   150
弾薬庫耐久値   110

 主砲

名称

Tier 弾種 攻撃力 貫通力(mm) 350m弾速(s) 弾薬費(Cr) 昇降速度(°/s) 仰俯角(°) 照準時間(s) 精度(m) 装填時間(s) 発射レート(rpm) 携行弾数(発) 重量(kg) 射程距離(m)

7.5cm KwK37 L/24

AP

HEAT

HE

110

110

175

43

87

38

0.91

1.14

0.91

30

2000 

38 

 41.13

-10~20 →   -8~20

2.3

0.55

3.9 → 3.6

15.38 → 16.67

100

780

720

5cm KwK39 L/60

AP

APCR

HE

70

70

90

67

130

25

0.42

0.34

0.52

30

2000

18

39.38

-10~20 →   -8~20

2.3

0.4

2.3

26.09

130

700

720

7.5cm KwK40 L/43

AP

APCR

HE

110

110

175

103

139

38

0.47

0.38

0.47

70

2800

38

40.25

-8~20

2.3

0.41

4.3 → 4.0

13.95 → 15

50

1437

720

7.5cm KwK40 L/48

AP

APCR

HE

110

110

175

110

158

38

0.44

0.35

0.44

70

2800

38

35

-8~20

2.3

0.39

4.0

15

50

1520

720

10.5cm KwK42 L/28

AP

APCR

HE

350

350

410

64

104

53

0.74

0.93

0.74

120

4000

128

35

-8~20

2.3

0.55

8.0

7.5

40

2100

720

7.5cm KwK42 L/70

AP

HEAT

HE

135

135

175

150

194

38

0.38

0.3

0.38

109

2800

98

35

-8~20

2.3

0.35

5.2

11.54

40

1740

720

7.5cm KwK41 L/58 Konisch

AP

APCR

135

135

157

221

0.3

0.28

186

3200

35 -8~20 2.5 0.34 5.0 12 45 720 720

 砲塔

名称

Tier

装甲(mm)

旋回速度(°/s)

視界(m)

重量(kg)

VK 30.01 (H) 0-Serie

50/50/50

42

330

3000

VK 36.01 (H)

80/60/60

24

360

7680

無線

名称

Tier

通信範囲(m)

重量(kg)

FuG 5

310

50

FuG 7

415

70

FuG 12

710

150

エンジン

名称

Tier 馬力(hp) 引火確率 重量(kg)
Maybach HL 116 300 20% 750
Maybach HL 190 375 20% 1000
Maybach HL 150 400 20% 850

 サスペンション

名称 Tier 旋回速度(°/s) 地形抵抗性(難/普/易) 積載重量(kg) 重量(kg)
VK 30.01 (H) 20 1.1/1.3/2.7 33000 11000

VK 30.01 (H) verstarkteketten

22 1.1/1.2/2.5 41000 11000

 


-性能評価-

個別評価

・車体

 車体の装甲配置は開発元のDWⅡとあまり変わらず、ドイツ戦車らしくない全周50mmという偏りのない装甲厚を持っており、貫通力の小さな格下や軽戦車に対しては強いが、高貫通力の敵には装甲の特に厚い部分がないため弾くことは難しい。その時は昼飯の角度をとると多少は弾くかも・・・しれない。また車体後方の側面にある追加装甲の奥にはエンジン、車体後部には燃料タンク、弾薬庫は側面中央に位置している。ドイツ戦車の例にもれず前輪駆動であり、正面装甲下部を貫通されると変速機がこわれ、なぜか発火することがあるので注意が必要。

・主砲

 開発元のDWⅡが貧弱な武装しか持たなかったのに対して、このVK 30.01(H)では強力な主砲が搭載できるようになった。その中でも10.5cm KwK40 L/48はⅣ号戦車の最終砲でもあり、強力な10.5cm榴弾を撃つことができ、格下の軽戦車、駆逐戦車、自走砲を一撃で葬ることが可能である。また最終砲である7.5cm KwK41 L/58 Konischはゲルリッヒ砲と言われ史実通り良好な初速を有しているため貫通力が標準徹甲弾で157mmもある。これは一つ上のⅣ号駆逐戦車の砲よりも貫通力に優れている。同Tierの重戦車KV-1の砲塔を狙っても垂直に当たれば貫通することが可能である。

・砲塔

 初期砲塔は全周50mmと開発元のDWⅡと同じ装甲厚であったが、改良砲塔は正面80mmと1.5倍以上厚くなった。車体は50mmのままなので、改良砲塔に換装した後はできるだけ砲塔のみを見せて戦うと意外と弾くことができる。しかしそれに伴う重量の増加で砲塔旋回速度が非常に遅くなり、軽戦車に接近されたら手が出せなくなる可能性がある。

・無線

 初期では310mの通信範囲であるのに対し、最終無線機は710mの通信が可能である。重戦車として味方の近くで火力支援を行うのであればあまり重要ではない。

・エンジン

 開発が進むにつれエンジンの馬力は上がっていくが、同時に車体の重量も上がるため、体感の加速能力はあまり変わらない。

・サスペンション

  初期サスペンションは積載上限が少なく余裕があまりないので、早めに開発をしておくことをお勧めする。

総合評価

総合評価グラフ  

評価1 

 最終装備状態では、耐久力(HPと装甲)、主砲性能、監視能力(無線と視野)はTierⅤの平均を上回っている。しかし走行性能や旋回能力は平均を下回っており、機動力は劣悪であることがわかる。これより重戦車らしい戦い方が必要になるように見えるが、全面装甲が薄いので正面からの撃ちあいにはめっぽう弱い。そのため最前線とは少し距離を置いて優秀な貫通力を生かした駆逐戦車のような運用も有効となるであろう。

 チャート図からもわかるように初期状態ではほとんどの性能が平均を大きく下回り、使い物にならないような状態であることがわかる。最終開発状態では平均を少し上回るほどの性能を発揮するようになるが、癖の強い車両であることには変わりないので、運用を間違えると開始数分で撃破されるので慎重な立ち回りが必要。

 


 歴史

VK30.01(H)はDurchbruchswagenの発展形である。DW(DW1,DW2)は今までと違った革新的な戦車を設計することを目的としていた。1938年9月9日30t級のDWを開発することが決定し、1939年1月1日にクルップ社が75mm L/24を主砲とし、5人乗りで、全周50mmの装甲を持つ車両を設計した。1939年1月31日この計画はPanzerkampfwagenⅣに変更されたが、新しく試験に指定されたのがVK30.01(30t級試作戦車1号案プロトタイプ)である。同時にDW計画はVK30.01に変更され、伝統的なドイツの車体に、後のVK36.01(H)やTigerと同じ典型的なヘンシェル社の転輪とトーションバーを採用したサスペンションに変更された。
3種類の試作型が発注され、車体はエッセンのクルップ社が製造し、ヘンシェル社に搬入された。砲塔もまたクルップ社が製造しヘンシェル社に届けるはずであったが開発が遅すぎたため、車体は同程度の重量のコンクリートブロックを使って試験されていた。VK30.01(H)は300馬力のMaybach HL116エンジンを搭載しており路上での最大速度は35km/h程度であった。1941年5月25日8両の0シリーズのVK30.01(H)の生産が命じられた。1941年10月から1942年1月までに8基の砲塔をクルップ社から受け取り0シリーズの車体に搭載した。0シリーズの車体は1941年の8月に完成し1941年の11月15日に初めて砲塔を搭載した0シリーズのVK30.01(H)が試験された。

 -ギャラリー-

 

 gararry

最終更新:2014年02月03日 12:06