363 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/05(土) 01:37:58.74 ID:1v0jwBUf0



→A:「ここで集中力とぎらせちゃだめだよね……!」
   依然として勉強を続ける。


唯「(……よしっ、このまま勉強を続けよう)」


ペンを動かす手を一切休めずに、唯はなけなしの脳味噌に知識を詰め込んでいく。
澪から教えてもらったことを思い出しながら、机にかぶりつくようにして集中した。
その様子を、いつの間にか来ていたお馴染の顔が心配そうに見つめていた。


律「ど、どうしちゃったんだ唯の奴……?」

紬「真剣な唯ちゃんって新鮮ね~うふふっ」

和「唯は、いったん集中するとまっしぐらなのよね」

澪「唯……ふふっ」


四者四様の視線を受けながら、唯はただひたすら勉強を続けていた。


唯の【勉強】ステータスが 0/5 → 0.5/5 にアップしました!


※澪が唯を見直し始めているようです。


364 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/05(土) 01:44:24.67 ID:1v0jwBUf0



すると、急に教室のドアが開き、長い髪をたなびかせてさわ子が入ってきた。
いそいそと教卓に立ち、ちらりと教え子たちを一瞥する。
その視線に、雑談をしていた生徒たちも慌てて席についた。
さわ子はにっこりと笑い、早速口を開く。


さわ子「さて、今日はテストの日よー。もちろん、ちゃんと勉強してから大丈夫よね?」


試すようなさわ子の物言いに、「大丈夫じゃないでーす!」、「勉強してませーん」という小さな野次が飛ぶ。
さわ子ははあ、と一息をつき、言葉を続ける。


さわ子「あなたたちも三年生なんだし、来年は受験もあるんだからもう少し本腰入れてやらないとだめよ? ……じゃあ、テストだから朝礼はこれくらいで」


そう言って足早に立ち去ろうとしたさわ子の視界に、恐るべき速さで黙々と勉強に取り組んでいる一人の生徒の姿が映った。
さわ子は怪訝そうな表情をして、思わず声をかける。


さわ子「……平沢さーん?」

唯「…………」

さわ子「平沢さーーーーん?」

唯「…………」


声のトーンを大きくして呼び掛けたにもかかわらず、一向に唯は顔を上げない。
さわ子は先ほどよりも大きく息をついて、すう、と息を吸う。


さわ子「ひぃーらぁーさぁーわぁーさああーーーーん!!?」

唯「ふええええっ!!? はっ、はいい!?」


三度目の呼びかけで、ようやく唯が反応を見せた。
驚いたように肩を飛び上がらせ、教卓で眉をハの字にしているさわ子を見つめる。
唯のいつもの様子が戻ってきたことに、クラスメイト達もほっと胸を撫で下ろした。


さわ子「ったく……熱心になるのもいいけど、やりすぎは体に毒よ」

唯「う……で、でもぉ……」

さわ子「でももかももないの、あなたはあなたのペースで頑張れば、それが一番いいんだから。……あっ、他のみんなもそうだけど、それでもちゃんと勉強はするのよー?」

律「結局どっちだよ……」


最後に全体に向けて軽く注意をすると、さわ子はすたすたと歩いて教室を出ていった。
唯はぽっかりと口を開けながら、なんとなく気分がすっきりと楽になっていくのを感じていた。
それから入れ替わるように一時限目の教科の教師が中に入ってきた。


さわ子「(……まったく、あの子は集中するとすぐああだから)」

さわ子「(でも、ある意味すごいのかもしれないわね……極端だけど)」

さわ子「(すごい、って言葉が似合う柄でもないか……時折、しおらしくなったり)」

さわ子「(……かと思えばちゃんと成長していたり……よく笑ったり)」

さわ子「(……ふふ、不思議な子)」



さわ子の【尊敬】ステータスが 0/5 → 1/5 にアップしました!

さわ子の【気になる】ステータスが 1/3 → 2/3 にアップしました!


365 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/05(土) 01:44:55.58 ID:1v0jwBUf0




あっという間にテストが始まり、チャイムの音と共に紙を表に返す乾いた音が響いた。
それから、こつこつとシャープペンの小気味いい音が教室中から聞こえ始める。
唯も同様にペンを紙に滑らせながら、何とか集中力を持続させた。


唯「(うう……難しい……でも頑張らないと!)」


唯はさわ子の言葉を思い出し、大きく深呼吸をして再び試験用紙に向かった。
空白を少しずつ埋めては問題用紙を読み返し、を繰り返している間に試験終了の時間が刻々と近づき、そしてチャイムが鳴った。



-------テストについて------------

・テストも、物語を進める上で重要なイベントとなります。
・テストの出来は、【勉強】ステータスももちろんですが、そのときの疲れ、精神状態、ストーリーにおいても左右されます。
・基本的には、ステータスが高ければ失敗する可能性は低いでしょう。
・そのときまでの物語の進め方によっては、テスト中にイベントが起こることもあります。

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366 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/05(土) 01:50:13.72 ID:1v0jwBUf0


身を削られるようなテストの時間が終了し、唯はぺたりと机に頬をつけて休んでいた。
窓の景色はすっかり夕暮れ時を迎えていて、穏やかな空気が教室に入り込んでくる。
唯は不思議な達成感と、ほんの少しの疲労感を覚えていた。
ふううぅ、と細く長く息をつき、ふと教室中を見渡す。
放課後にもかかわらず、まだ大部分の人が残ってにぎやかに話し合っているようだ。
テストが終わったという解放感からか、どこかその表情も晴れ晴れとしていた。


唯「……そうだよね。ようやくおわったよ~」


唯は軽く伸びをし、胸を反ってから、ぱあっ、と勢い良く息をはく。


唯「テストが終わった後って、なんだか無性に楽しくなっちゃうよね! どうしようかなー?」


*選択肢*

A:「まだまだ教室に残っていようかな!? わくわく!」
   何かいいことがありそうな予感? ちょっと教室に残ろうっと。

B:「なんだか体力が有り余ってる感じ! そうだ、学校の中を歩いてみよう!」
   テストが終わった後って色々新鮮に見えるよね。どこにいこうかな?

C:「まだ帰りたくないけど教室にいるのもね……なにか買ってこようかなー?」
   教室に荷物を置いてちょっと外に出てこよう。なにしようかなー?

D:「部活はしちゃだめだけど、部室には入っていいんだもんね!」
   部室でまったりのんびりしよう! やっぱり落ち着くな~。

E:「よーし、早めに家に帰って自由な時間を満喫だ!」
   テストも終わったしいつもよりも足取りが軽いよ! 下駄箱へ。

368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 01:57:31.16 ID:yzHLqYnno


D

375 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/05(土) 02:31:46.87 ID:1v0jwBUf0



→D:「部活はしちゃだめだけど、部室には入っていいんだもんね!」
   部室でまったりのんびりしよう! やっぱり落ち着くな~。


鞄に筆箱などを詰め、唯はよいしょと持ち手を肩にかけた。
さすがにギー太はもってきていないが、それでも足は自然に部室へと進んでいく。
教室を出るときに、誰かから呼び止められたような気がしたが、気にせず歩いて行った。


唯「やっぱり放課後と言ったら……部室だよね!」


静かな空気が部室の扉を包み込んでいるようだった。
唯はドアノブに手をかけ、ぐいと手首をひねる。
がちゃり、という音と共にドアが開き、唯はすきまから目を覗かせた。


唯「うんん? ……誰もいない?」


誰かがカギをかけ忘れたのかもしれない。
すんなりと開いたドアに首を傾げると、不意に何かの気配を感じた。
どことなく薄気味悪く感じた唯がその方向を見ようとすると……。


*選択肢*

A:「ひいいっ!! あ、脚がっ!!」
   ソファーの端からすらりとした脚が覗いているよっ!?

B:「えっ、えっ、な、なにこの水音!?」
   ぴちゃぴちゃぴちゃ……水が零れ落ちる音が聞こえてくるよ……わわわっ……!

C:「うわあっ!! だだだだ誰っ!?」
   ぽん、とゆっくり肩に手を置かれる。に、逃げられない……。

377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 02:35:59.40 ID:yzHLqYnno


A

395 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/13(日) 02:13:45.75 ID:ctJ7pyZn0



→A:「ひいいっ!! あ、脚がっ!!」
   ソファーの端からすらりとした脚が覗いているよっ!?


長く、スレンダーな脚が、ソファーのあたりからにょきっと伸びてくるのが見え、唯は思わず硬直した。
体は固まりながらも、視線だけは動かしてじっと凝視してみる。
よくよく見ると、脚は肌色のストッキングに包まれており、つま先にヒールの靴を引っ掛けて軽く伸びをしている。


「ん~~っ……はあ……」


軽く力んだような声が聞こえてきたと思うと、脚は伸びをやめてゆっくりと床に下ろされる。
唯がわずかに意を決してドアをいっそう大きく開くと、そこにはよく見知った姿があった。


唯「さ、さわちゃん……? 何してるの?」

さわ子「ふぅ……ってえっ? その声は唯ちゃん?」


唯がいよいよ部屋に入り込むと、担任のさわ子がソファーに深く腰かけて、秀麗な脚を惜しげもなく投げ出している。
さわ子は入ってきたのが唯だと認めると、さらに体から力を抜き、大きく息をついた。


唯「さわちゃん、どうしたの……? ため息なんかついちゃってさ」

さわ子「……ふっ、大人には色々な事情があるのよ……」

唯「ふーん、まあ別にいいや」

さわ子「こらこらぁっ!!」


さわ子は声を張り上げると、力を使い果たしたかのように突然へなへなと体を崩す。
先ほどより大きな息をつきながら、唯の背後にある部室のドアを恨めしげに見つめた。


さわ子「はあ……何か疲れたわね……ムギちゃんに早くお茶を淹れてほしいわ……」

唯「……? 何言ってるのさわちゃん。今日はテスト期間だから部活は無いよー?」

さわ子「えっ? あ、あっ!! そ、そういえばそうだったわね……。ああ、もう……」

唯「私ですら知ってたのにぃ~。さわちゃんってうっかりさんだよねえ」

さわ子「た、たまたまよ! それに、それをいうならどうして唯ちゃんも部室に来たのよ?」

唯「えー? えっと……」



*選択肢*

A:「えへへ……実は私も忘れておりました……」
   ほ、本当は分かっていたもんね! でも、部室って来たくなっちゃうんだよねえ……。

B:「うーん……ちょっと落ち着いて考えたいことがあったんだ……さわちゃん、ちょっと聞いてくれる?」
   さわちゃんと二人なんて珍しいよね! せっかくだから何か相談してみようかな?

C:「なんとなーくだよ! ……それよりさわちゃん、お疲れみたいだけど大丈夫?」
   年のせいかな? 他の何かかな? ちょっと聞いてみちゃおう!

D:「自然に足が向きまして……確かに喉かわいたなぁ……よしっ、やってみよう!」
   やっぱりティータイムっていいよね! ムギちゃん直伝の淹れ方のおさらいをやってみちゃおう!

E:「特に理由は無いよー。やっぱり皆いないみたいだし、早く帰ろうかなぁ」
   テスト終わったし、早く家に帰った方がいいのかな? さわちゃん、また明日ね!



397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/13(日) 02:58:00.31 ID:0F6ZXbA5o


D

410 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/14(月) 01:59:24.17 ID:gAK3gZXK0



→D:「自然に足が向きまして……確かに喉かわいたなぁ……よしっ、やってみよう!」
   やっぱりティータイムっていいよね! ムギちゃん直伝の淹れ方のおさらいをやってみちゃおう!


話途中に突然ポンと手を叩き、くるりと背を向けて部屋の奥へと歩き始める唯。
さわ子は目をぱちくりさせながらその背中に声をかけてみる。


さわ子「ちょっと唯ちゃん? どうしたの急に……」


すると、ティーセットがしまわれている棚の前まで来た唯が、にっこりと振り返る。


唯「えへへ……私も喉かわいたし、さわちゃんにお茶を淹れてあげようと思って……」

さわ子「えっ!? 唯ちゃんがお茶!? ちょっと、無理なことはやめなさい!」

唯「む、無理じゃないよ! 一度ムギちゃんに教えてもらったんだもん!」


恐れ慄くさわ子の反応に、ぶすっと口を尖らせる唯。
やがてぷいと踵を返すと、とうとう棚からティーセットを手にとって準備を始めた。
ソファーでくつろいでいたさわ子も、そんな場合ではないとばかりに立ちあがって近寄り、不安げに唯を眺めている。


さわ子「……ああ……心配で見てられないわね……今からでも遅くないからやめていいのよ。お茶なら今日はいいから……」

唯「むうぅ……大丈夫だよぉ。すぐできるもん」

さわ子「でもねえ……唯ちゃんのことだから」

唯「心配し過ぎだよぉ……前はちゃんと一人で淹れられたもんね!」

さわ子「でも、そのときはムギちゃんが一緒にいたんでしょ」

唯「うっ……で、でも、ムギちゃんは美味しいって褒めてくれたよ!(……他の皆はそうじゃなかったけど……)」

さわ子「……はぁ……はいはい、もう分かったわよ……でも、くれぐれも気をつけてね」


411 :1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/11/14(月) 02:00:10.05 ID:gAK3gZXK0




必死に言い張る唯に、しぶしぶさわ子が折れた。
唯は、ぷうと一度頬を膨らませてから、紬に教えてもらった手順を思い出しながら懸命に手を動かして作業を続けた。
初めはおっかなびっくりで見守っていたさわ子も、唯の熱心な姿にほんの少し笑みを漏らす。
かちゃかちゃと茶器が響く中、どことなく落ち着いた空気が流れていた。
その中に甘い紅茶の香りがかすかに漂ってくる。


さわ子「……あら、いい香りがしてきたわね」

唯「ふう……ね、だからいったでしょ?」

さわ子「はいはい。……ま、でも問題は味ね! そこは辛口で行くわよ!」


なんとか茶を淹れ終えたらしい唯に一安心したのか、さわ子はいつものように強気で気さくな口調を取り戻した。
机の椅子を引き、唯がトレイにティーカップ等をのせて運んでくるのを待っている。


唯「大丈夫っ! 上手くできたと思うもん! 期待しててよ!」

さわ子「あら、本当にぃ~? よーし、じゃあ早速……」


そこまでさわ子が言いかけた瞬間。
少しだけ机から出ていた椅子の脚に、唯の右足が引っかかった。
机のすぐ近くまで来ていた唯の体がぐらりと揺れる。


唯「ひゃっ―――!」

さわ子「ゆ、唯ちゃんっ! 危ないっ!」


唯は体が浮き上がるような感触に襲われた。


*選択肢*

A:腕を精一杯伸ばしてトレイを机の上に届かせる。

B:前に二、三歩歩き、バランスを取ろうとする。

C:倒れないよう、手近にあった椅子の背もたれをもつ。

D:後ろに体重をかけ、踏みとどまろうとする。


415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) 2011/11/14(月) 05:01:40.08 ID:m9jWuRzd0


乙、ちょっとでも更新なるのは嬉しいよ
この選択肢はどれ選んだらいいのか全くわからないなww
Aで


唯「私は、誰と恋をする?」 【百合シミュレーションSS】 Part4 7

最終更新:2012年09月27日 21:49