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遊義皇第4話 - (2008/02/11 (月) 04:56:59) の最新版との変更点

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カゼくらい一晩で直せるでしょ?」 頭の中に展開する夢をドアを引く音と二人の声が引き離した。 …なんだったんだ、あの不愉快極まりない夢は? 風邪薬の副作用か? 薬といえば、熱や症状はほとんど治まっている。    「起こしちゃったかな、おはよう、刃咲くん。」    「ああ、おはよう、フク、壱華。」    「さて、刃咲も起きたところでデュエルしましょうか、     1人余るし3人のバトルロイヤルにする?」    「あのルールは遠慮する…〔強制転移〕がルール上使えないんじゃ俺に勝ち目ねぇし。」 俺のデッキで基軸になるカードといえば、間違い無く強制転移だ。 〔共鳴虫〕・〔ドラゴンフライ〕・〔電動刃虫〕・〔ゴキポン〕の送りつけコンボで強力な敵を除去する。    「うーん、だったら私と福助くんでやるわ、刃咲は・・・。」 うがあああああああ!    「何? 今の音は?」    「悲鳴でしょ、とにかく行けば分かるわ!」    「気にしないで良いぞ、あれは…ってオイ!」 人の話を聞かずに飛び出す福助と壱華、それを追う俺。    「よぉ刃咲、今の悲鳴は……」 ドアを駆け抜けると、そこには見舞いに来たと思われる二封気が居るが、無視! 診察室では呻く金髪中年の腕を、母さんが握って指を捻じ曲げている。    「どうしまし…って、クロック!? 何やってんだ!? お前!」 追い付いた    「あれ、二封気さん知り合いですなんですか、 あのおじさんと。」    「…アアアア!? 二封気がただのサンなのに、たった2歳差の俺はオジサン!?」    「子供にキレるんじゃない! まず自己紹介!」 後頭部に母さんのスリッパによる一撃を当てられ、悶絶するクロック、こいつもダメ大人。    「あぁー、こんにちは…っても初対面はサン付け少年とお嬢さんだけだが、     俺の名はクロック・ジュフ、何年か前にゴロツキに指を全部切断されてな、     助姫さんに直してもらって以来、定期的に通ってるんだ。」 言いつつ俺たちに指を見せる中年クロック、 俺の位置からは、右手の指がそれぞれが荒糸で繋ぎ止められ、繋ぎ目から先は浅黒く変色していることだけが確認できる。    「あぁー、まあ、見た目はちょいとグロテスクだけどな、血は通ってるし爪も伸びる。     左に比べれば違和感は有るがちゃんと動くぜ。」    「前に言ってた『凄い医者の居る病院』ってここか……世界って広いようで狭いな。」 ひとりで納得したように二封気はコクコクと頷いた、どうやら知り合いらしい 俺の母さんは、俺が生まれた前後にアメリカで医者として働いていたらしく、 オセロ村に引っ越してからも、その時に治した患者が定期的に来ている。    「今の悲鳴は痛覚のテストで指を捻じ曲げたら、少し曲げすぎただけよ。」    「少し曲げすぎ、で、あそこまで痛がるかな?」 福助の至極コドモらしい質問を、母さんは華麗にスルーする。    「ではジュフさん、今ので検査は終わり、お大事に。」    「あぁー、ところで二封気にガキども、暇ならよォ、     ちぃいっとばかし、俺の指の動作確認に付き合ってくれないか?」 紫色のコートの中から、これまた薄紫色のデュエルディスクを取り出し、 左腕に構える金髪中年……ポーズは中々決まっているが、冷めた目で見るとこの上なくダメ大人っぽい。    「へぇ、おじさんもデュエリストなんですか、     僕もドリアードデッキの〔錬金生物 ホムンクルス〕の調子を見たかったところです、勝負です。」    「あぁー……俺も蕎祐みてぇな捻じ曲がったガキならともかく……、     おまえみてぇな屈託のねぇ目のガキに『アレ』を使うのはどうもなぁ……、     ……っつーわけで、相手は二封気か蕎祐にやって貰いてえな。」 二封気も待ってたぜ、とばかりにどこからともなく、愛用の角付きデュエルディスクを取り出した。 ……見舞いに、玩具を持ってくるという発想が、二封気のダメ大人たる所以だと俺は確信している。    「あぁー、先生、廊下をちょっと借ります。」    「他の患者も居ないしな、     音量を低く設定して遊ぶなら文句は無いわ。」    「あぁー、じゃあガキども、ペナルティーもねぇし、違和感が有ったら一声掛けてくれ。」 状況と自分達が何を求められているかを把握しきれず、顔を見合わせる福助と壱華。    「…違和感ってなんのこと?」    「あぁー、お嬢さん次第だが、見ていれば判るはずだ。」    「手早く行くぜクロック、俺も暇じゃないんだ。」 暇でもないのに見舞いに来るのは……大人としてはダメだが、人としては及第点といったところか、ダメ大人。    「あぁー、先攻は貰うぜ、二封気。(手札6枚)     俺は裏守備モンスター置き場と魔法・罠置き場を1枚ずつ伏せて終了だ。(手札4、伏せ1)」 無音で縦に2枚連なって浮かび上がる裏向きソリッドビジョン、今のところ不自然な点は無い。    「ドローしてーっと(手札6枚)……、     まずは〔キラー・トマト〕を攻撃表示で召喚し、〔抹殺の使徒〕でクロックの壁モンスターを消すぜ。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>キラー・トマト</Td><Td>闇属性</Td><Td>植物族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1400</Td><Td>DEF1100</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の<br>闇属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>抹殺の使徒</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">裏側表示のモンスター1体を破壊しゲームから除外する。<br>もしそれがリバース効果モンスターだった場合お互いのデッキを確認し、<br>破壊したモンスターと同名カードを全てゲームから除外する。</Table>) 裏守備モンスター:クロックのフィールド→除外置き場    「場が開いたところで〔キラー・トマト〕で、殴らせてもらうぜ、クロック!」    「あぁー、その攻撃は通らねぇぜ二封気ィッ     伏せ罠、〔メタル・リフレクト・スライム〕発動ぅ!」 指のテストだっつーのに、既に盛り上がっているダメ大人二人。 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>メタル・リフレクト・スライム</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">このカードは発動後モンスターカード(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、<br>自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。<br>このカードは攻撃をする事ができない。(このカードは罠カードとしても扱う)</Td></Table>) サバかアジのような青魚系のように曇った銀色のスライムが、廊下を塞ぐように出現した。    「っち、伏せカードを1枚出して、ひとまずターン終了だ。(手札4・伏せ1)」 突如、空間に歪みが出現し、そこからは眼球を模した機械が這い出してくる。    「あぁー、言い難いんだが〔抹殺の使徒〕で除外されたカードは〔異次元の偵察機〕だからな、効果を発動させてもらうぜ。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>異次元の偵察機</Td><Td>闇属性</Td><Td>機械族</Td><Td>レベル2</Td><Td>ATK800</Td><Td>DEF1200</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードがゲームから除外された場合、<br>そのターンのエンドフェイズ時にこのカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。</Td></Table>)    「〔抹殺〕無駄打ちかぁ、痛いね、二封気さん。」 誰にと言うわけではなく言ったのは、デュエルを真剣に観戦する福助だった。    「あぁー(手札5)、俺は〔閃光の追放者〕を攻撃表示で召喚し、〔強欲な壺〕を発動して2枚ドロー、     ……あぁー、一応〔異次元の境界線〕を発動して終了だ。(手札4・伏せ0・発動2)」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>閃光の追放者</Td><Td>光属性</Td><Td>天使族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK00</Td><Td>DEF00</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードがフィールド上に存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へ送られず、ゲームから除外される。</Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>強欲な壺</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">カードを2枚ドローする。</Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>異次元の境界線</Td><Td>永続魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分の墓地に魔法カードが存在しない場合、お互いのプレイヤーはバトルフェイズを行う事ができない。</Td></Table>) 緑色のぼやけた壁が、二封気とクロックの間に出現し、お互いの領域を完全に遮断した。    「…でもあれだと〔強欲な壺〕が墓地にあるから効力が……。」    「福助、よく見てろ、中年の場にはどんなカードでも除外する〔光の追放者〕が居るだろ?     あれなら魔法を使っても〔追放者〕が除外して墓地に溜まらず、     〔境界線〕によって〔追放者〕の攻撃力100をフォロー、完全なシナジー効…。」    「ストップだ、クロック。」 俺の言葉を打ち消すように二封気はクロックの手札枚数を一瞥する、 そこで俺もクロックの手札を見るが――クロックの手元にはカードが5枚有る、4枚でエンドしたのに、だ。    「…なにをしたの? 今?」    「コートから1枚出して手札に加えたんだよ、     本来なら余剰1枚をコートの中かデッキに戻すんだが、実行する前に二封気が指摘したんだ。」 クロックの手札入れ替えによるイカサマは、 何年も前から指の点検に来るたびに見せられてるが、一回も見極めたことが無い。    「これが俺の『確認』だ、切り落とされる前は10秒で3~4枚変えられたんだけどな、     今じゃ1枚取り替えるのが一苦労だ。」    「クロックの交換の瞬間は分からないからな、戻す前に手札の数でアヤ付けるんだよ。」 悔しそうにソリッドビジョンを消すクロックと、得意げに笑う二封気。    「それは不正行為で……汚い行為じゃぁないんですか? クロックさん?」 壱華がそう一言。    「あぁー、まぁー、自慢できることとは思わねぇーけどな、     俺の身近ではちょいとばかし『ぬきさしならない状況』ってヤツが多くてな。     こーいう小ネタを持ってねぇと、結構ヤベーのよ。」 別にクロックを弁護する気も糾弾する気もないが、 『イカサマ』という行為は、相手を尊敬していないヤツがすることだ。 尊敬できる人間を見逃し、尊敬しないヤツというのは尊敬の機会を失う損なヤツだと俺は思う。    「で、福助に壱華、お前らは気付いたか?」    「僕は全然分からなかったよ、刃咲くん。」    「私も、ね。」    「あぁー、さっきから目を凝らしてた蕎祐はお二人さんに意識がいったからな。」    「半分不意打ちっていっても、刃咲たちを同時に誤魔化せれば指に支障ないと思うぜ。     ……逆に言えば、このまま続けても俺を含めた4人を騙すのは無理だろうけど、な。」 半分自慢を混ぜ、ニタリと笑う二封気。    「あぁー、点検の直後なら行けるかと思ったが…     おチビさん達が予想以上に目が良かったからな、どうしようもねぇよ。」    「ところで何と何を変える気だったんだ? ダメ大人?」    「あぁー、手札の〔炸裂装甲〕を〔虚構の魔術師〕に変えたかったんだ。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>炸裂装甲</Td><Td>通常罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">攻撃モンスター1体を破壊する。</Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>虚構の魔術師</Td><Td>闇属性</Td><Td>魔法使い族</Td><Td>レベル2</Td><Td>ATK1100</Td><Td>DEF0</Td></Tr><Td ColSpan="6">リバース:除外されたカード1枚を手札に戻す。(オリカ)</Td></Table>)    「…って事はクロック、お前はこの状態で〔壺〕を使いまわす予定だったのか?」    「あぁー、もちろん、〔月読命〕も手札に完備だ。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>月読命</Td><Td>闇属性</Td><Td>魔法使い族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1100</Td><Td>DEF1400</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードは特殊召喚できない。召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに持ち主の手札に戻る。<br>このカードが召喚・リバースした時、フィールド上の表側表示モンスター1体を選択し、裏側守備表示にする。</Td></Table>)    「ロックしてドローブーストって事はエクゾディア召喚でも狙うの?」    「あぁー、適当にアド稼いだ辺りで〔月読命〕で〔追放者〕を裏向きにして、     墓地に魔法を送り込んで〔異次元の境界線〕を解除して一気に殴る、ってのがベストな流れだったな。」 壱華の質問に惜しげもなくベラベラ自分の戦術を露呈するクロック。    「ウソ吐くんじゃねえよ、前にエクゾディアを揃えて勝ってただろ?」    「あぁー、 気付いて無かったのか? ありゃ手札5枚を全部纏めて入れ替えただけ。」 なんじゃそら。    「もしかしてその前に使った〔メタポ〕+〔太陽の書〕コンボもか!?」 そこまでコテコテに使って気付かなかったのか、このダメ大人は。    「あぁー、当たり前だろ、手札2枚からコンボが決まって、5枚ドローしてエクゾ、     そんな物どこぞの決闘王でも無理に決まってるだろ……でもシャモン辺りならできるか?」 理由は分からないがクロックの取って付けたような一言に一瞬だけ二封気の顔は歪んだ。    「シャモンさんって誰ですか?」 儀礼的な壱華の質問に、二封気は心底嫌そうな顔でクロックを見てから回答する。    「…俺の弟子で元友人、以上。」    「あぁー、その回答聞いたらシャモンの奴はキレるぜ?」    「そいつもダメ大人か、類は友を呼びすぎだと思うぜ。」    「あぁー、そりゃぁ、適切じゃねぇーな、蕎祐、     あいつはまだガ………」    「ところでクロック、お前は今日はどうするんだ?」 態とらしく、クロックを二封気がかき消すようにさえぎった。 だがクロックは気を悪くした様子も無く、二封気の質問に答えるべく口をすべらす。    「あぁー、帰りの電車はねぇーんだよなぁー、     ……二封気、今日は泊めて貰ってくれよな?」    「……良いぞ。」    「じゃあさ、今日は僕達3人も二封気さんの家に泊り込んで、デュエル大会とかしませんか!?」 デュエルバカ福助、ナイス発案。    「悪くないなそれ、ダメ大人のサマももう少し見ときてぇーしよ。」    「私も参加ね。」    「あぁー、悪ぃなガキども。     今日は大人だけで酒でも飲みたい気分ッつーヤツでよ、なあ二封気?」 オッサンに笑顔で相槌を返す二封気、だが笑みがどうにもいわゆる「大人の笑み」臭い。    「――大会なら刀都屋でイベントを準備中だから、もう少し待ってくれ。     ………俺は帰るがお前らにデュエルディスクを渡しておくぜ。」 二封気はエプロンのポケットからレンタルディスクを3枚取り出し、俺たちに手渡した。    「返すのはバッテリーが切れてからで良いからな。」 妙に気風がよすぎる、いつもは飴玉1つでも渋るくせに。    「あれ? いつもは財布の紐が硬い二封気さんがどうしたんですか?」    「刃咲と壱華のカゼが治った祝いってところかな、福助のは………まあオマケだ。」    「あぁー、それじゃぁ二封気よぉ、酒でも買いに行こーぜ。」    「まだお昼前ですよ?」    「俺たちはダメ大人だからな、酒も朝から飲むんだよ。     ――それじゃあな、3人とも仲良くデュエルしてろよ。」 この後姿を最後に、福助たちは、ダメ大人:二封気の姿を見ることはなかった。 [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/45.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/47.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &counter()
&html(<table border="1" bgcolor="#D7F2F2" width="1200"><tr><td><font size="2"><center>) [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/45.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/47.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &html(<Table Border Bordercolor="#1e332c" Cellspacing="10" cellpadding="5"><Td BgColor="#b2a5cc">タイトル:神の魔法カード?<BR>記事No:15689 投稿日:1999/07/9(Thu)21:15 投稿者 : マイク<BR>はじめましてマイクというものです早速ですが質問です3幻神・3邪神・3幻魔などの<BR>最強のモンスター達は居ますが最強の魔法や罠は無いんですか?<BR><BR>タイトル : Re: 神の魔法カード?<BR>記事No:15691 投稿日;1999/07/10(Thu) 7:42 投稿者 : 最強になりたい人<BR>はじめまして~♪ 最強になりたい人です♪ m(__)m<BR>改行や句読点は入れた方が読みやすいと思いますよ。<BR>今のところそういう情報は無いですね~、マウスコミューンにも出回っていないようですし。<BR><BR>タイトル : Re^2: 神の魔法カード?<BR>記事No:15692 投稿日:1999/07/10(Thu)16:27 投稿者 : ギゴ(アル)バイト<BR>つーか究極のモンが3×3で9枚、魔法・罠もちょうど9種類・・・狙ってるのか? ぺガさんは?<BR>(通常魔法、永続魔法、装備魔法、フィールド魔法、速攻魔法、儀式魔法、通常罠、永続罠、カウンター罠)<BR>…ネタ尽きたならやるんじゃね?<BR>以上、情報サイト「マウスコミューン」掲示板スレッド、「神の魔法カード?」より抜粋。<BR></Td></Table>) 晴ればれとした青空の下、定刻を守らない電車を待ちながらホーティックは言い訳を考えていた。 いくつかは使えそうな主張も有るが、どれも仲間の納得を得られるものではない。    「……やっぱり、素直に云うしかないかなぁ…カードを処分してたって。」 そこにきて、中古らしい音を立てながら、貨物・乗用・先頭の全3両の電車が駅に入ってきた。    「やっと来ましたか…。     二十六分の遅れ、来るときは十三分も到着が早かったのですが……はて?」 ホーティックには、電車に乗っていた2人にホーティックは見覚えがあった。 ひとりは云わずもがなの運転手さん、来たときにも運転していた白い髭の老人だ。 もうひとりは客車両に乗ったアメリカ人、オーバースケールの薄紫色のコートを着込み、寝癖が残る金髪と黒い瞳。 その人物はこのオセロ駅に降りると、真っ先にホーティックに気が付いた。    「あぁー……ホーティックじゃねぇか、なんでこんなところに居るんだ?」 気だるそうな声に、やる気の無い目付き。 そんな覇気のカケラもない男にもかかわらず、殺しても死なないような図太さを感じさせる。    「私は二封気さんに正念党復活の嘆願を伝えた帰りですが…クロックさんは?」    「あぁー、二封気って今、この村に居るのか。」    「知らなかった…ということは、今日は別件で?」    「……あぁー、まあ、色々だ、色々。     まあ、俺も二封気のツラは見てくるし…お前はシャモンにする言い訳でも考えてろよ。」 ホーティックの心中を読み、余裕然で男はセルフサービスの改札を出て行った。 &html(<font size="10"color="#8b4513">第4話</font><font size="10"color="#8b008b"> 如何様</font>) どんな物にも限界はある。 蟻は一匹ではセミの死体を運べないし、ミツバチは一生に一回しか針を撃てない。 限界を超える方法はひとつ。 “誇りある異常者”にならなければならない。 ただ異常ではいけない。 誇りを失わず、新たなる猩々よ、お前は…。    「刃咲くーん、来たよー。」    「寝てるの? カゼくらい一晩で直せるでしょ?」 悪夢は、ドアを引く音と友の声によって霧散した。 ただの夢、風邪薬の副作用だろうか…刃咲には答えが出せないでいた。    「おはよう、刃咲くん。」    「おう、おはよう…。     フク、壱華。」 普段どおり、見覚えのある顔が2つ。 壱華と福助。 怖い夢を見てたなんてカッコ悪いことは云えない、それよりも今は楽しむぜ。    「さて、刃咲も起きたところでデュエルしましょうか。     1人余るし、3人のバトルロイヤルにする?」    「あのルールは遠慮する…〔強制転移〕がルール上使えないんじゃ俺に勝ち目ねぇし。」    「うーん、だったら私と福助くんでやるわ、刃咲は…。」 &html(<font size="8">ぐぁぐおおおぁっあああ!</font>)    「何? 今の音は?」    「悲鳴でしょ、とにかく行けば分かるわ!」    「気にしないで良いぞ、あれは…聞いちゃいねー。」 子供は、ひとり動けばみんな動く生き物だ。 音源目掛けてまっしぐら。    「ん? なんだ? もう鬼ごっことかできるのか?」 二封気のツッコミを後に引きつつ、刃咲が着いた先は診察室。 そこには、呻く金髪の外国人の腕を刃咲の母親が握り、指を試すように色々な方向に捻じ曲げている。    「えーっと…刃咲くんの新しいお父さん?」    「なにをどう見たらアレがラブシーンに見えるッ!?     っつーか、あんなのが新しいオヤジって俺がグレるわッ!」 福助のボケに刃咲がキレ気味にツッコミを入れる中、追いついた二封気と金髪外国人の目が合った。 二封気は露骨に驚いたが、金髪外国人は気さくに“ヨォ”と声を掛けた。    「…クロック。     ホーティックの次は…お前が来たのか?」    「あぁー、そりゃあ自意識過剰ってヤツだ。     お前とはまた別件…見ての通り、指の検査ってヤツだ。」 云いつつ、金髪の外国人―クロック・ジュフ―は右手をブラブラと振った。 五本の指はそれぞれが荒糸で繋ぎ止められ、繋ぎ目から先は不健康に浅黒く変色している。    「クロックよぉ、俺のダチが話に着いていけてねーんだけどな?」 刃咲の指摘に、クロックはワザとらしく立ち上がり、壱華と福助に傅いた。    「あぁー…ハジメマシテ、坊ちゃんに嬢ちゃん。     俺の名はクロック・ジュフ、右指はちょっとした事件で全部切られちまってな。     それから刃咲医院の世話ンなってるが…二封気とは指が無くなったちょっと後に会って、腐れ縁だ。」    「…それ、痛くないんですか?」    「あぁー、まあ、見た目はちょいとグロテスクだけどな、血は通ってるし爪も伸びる。     左に比べれば違和感は有るが、慣れればどうってことはねーぜ。     …で、悲鳴こそ上げたが…検査は終了だよな、刃咲先生?」 自分が書いた資料を見直し、刃咲(母)は頷いた。    「あぁー、ところで二封気にガキども。     暇なら俺の指の動作確認に付き合ってくれねーか?     “コレ”で、よ!」 クロックは紫色のコートの中からこれまた薄紫色のデュエルディスクを取り出した。 手馴れた手付きで左腕に構え、アニメのヒーローのように軽くポーズを決めてみせる。    「わぁあ! 勝負ですか! デュエルですか!?」    「…お前、まだ俺の作ったディスク使っててくれたのか!」    「ゴメン、ちょっとダサい。」    「お前、まだダメ大人してるんだなぁ。」 前の暖かいコメントが福助と二封気、後の冷ややかなのが壱華と刃咲だ。    「あぁー…どっちでリアクションすれば良いんだ?」    「リアクションなんてどうだって構いません!     僕のドリアードデッキとデュエルです!」 凄まじく屈託の無い笑顔で、福助はデッキを構えてみせる。 その神々しさすら感じる挑戦にクロックは眩しそうにしながら二封気の方を見た。    「あぁー…俺も蕎祐みてぇな捻じ曲がったガキならともかく…。     こういうタイプのガキに“アレ”を使うのはどうも…っつーわけで、相手は二封気か蕎祐にやって貰いてえな。」 二封気も待っていたと云わんばかりに愛用の角付きデュエルディスクを取り出した。 当然の用に病院に玩具を持ってきている二封気とクロックに大して刃咲が思いっきり冷たい視線を送っているが…。 こういう常識的な視線に気付けるような人間は、そもそも最初から持ってこない。    「あぁー、先生、廊下をちょっと借ります。」    「他の患者も居ないしね。     音量を低く設定して遊ぶなら文句は無いわ。」    「あぁー、じゃあガキども。     ペナルティーもねぇし、違和感が有ったら一声掛けてくれ。」 状自分達が何を求められているかを把握しきれず、福助と壱華は顔を見合わせた。    「…違和感ってなんのこと?」    「あぁー、そちらさん次第だが、見ていれば判るはずだ。」    「手早く行くぜクロック、俺も暇じゃないんだ。」 暇でもないのに見舞いに来るわけでもないだろう、と刃咲は心中でツッコミひとつ。    「あぁー、先攻は貰うぜ、二封気。(手札6枚)     俺は裏守備モンスター置き場と魔法・罠置き場を1枚ずつ伏せて終了だ。(手札4、伏せ1)」 無音で縦に2枚連なって浮かび上がる裏向きソリッドビジョン。 今のところ不自然な点はなく、通常のデュエルだ。    「ドローして、っと(手札6枚)。     まずは〔キラー・トマト〕を攻撃表示で召喚。     〔抹殺の使徒〕でクロックの壁モンスターを消すぜ。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>キラー・トマト</Td><Td>闇属性</Td><Td>植物族</Td><Td>レベル4</Td><Td>ATK1400</Td><Td>DEF1100</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の<br>闇属性モンスター1体を自分のフィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。 </Td></Table>) &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>抹殺の使徒</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">裏側表示のモンスター1体を破壊しゲームから除外する。<br>もしそれがリバース効果モンスターだった場合お互いのデッキを確認し、<br>破壊したモンスターと同名カードを全てゲームから除外する。</Table>) 裏守備モンスター:クロックのフィールド→除外置き場    「場が開いたところで〔キラー・トマト〕で、殴らせてもらうぜ、クロック!」    「あぁー、その攻撃は通せねぇな。     伏せ罠、〔メタル・リフレクト・スライム〕発動…悪ィな、二封気。」 &html(<Table Border BorderColor="#b21162" Border="2"><Tr><Td>メタル・リフレクト・スライム</Td><Td>永続罠</Td></Tr><Td ColSpan="4">このカードは発動後モンスターカード(水族・水・星10・攻0/守3000)となり、<br>自分のモンスターカードゾーンに守備表示で特殊召喚する。<br>このカードは攻撃をする事ができない。(このカードは罠カードとしても扱う)</Td></Table>) 青魚のように曇った銀色のスライムが、廊下を塞ぐように出現した。 膨れ上がったそれは、オバケトマトの体当たり程度では破れない事は確かだった。    「それぐらいで謝るなって。     俺は伏せカードを1枚出して、ひとまずターン終了だ。(手札4・伏せ1)」    「あぁー…悪ィってのは攻撃を止めるって方じゃなくてな…。」 陽炎のように空気が歪み、そこを泳ぐように眼球を模した機械が這い出した。    「〔抹殺の使徒〕の無駄撃ちさせて悪かったな、って意味だよ。」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>異次元の偵察機</Td><Td>闇属性</Td><Td>機械族</Td><Td>レベル2</Td><Td>ATK800</Td><Td>DEF1200</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードがゲームから除外された場合、<br>そのターンのエンドフェイズ時にこのカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する。</Td></Table>) 古くから〔偵察機〕をセットする場合の最良のパターンである。 どんなカードでも除外してしまう〔抹殺の使徒〕だが、除外しても戻ってくる〔偵察機〕が相手ではどうしようもない。    「あぁー、ドローだな。(手札5)     …俺は〔閃光の追放者〕を攻撃表示で召喚して…〔強欲な壺〕を発動だ。」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>強欲な壺</Td><Td>通常魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">カードを2枚ドローする。</Td></Table>) クロック:手札3→手札5     「〔異次元の境界線〕を発動して…終了だな。(手札4・伏せ0・発動2)」 &html(<Table Border BorderColor="#0f9926" Border="2"><Tr><Td>異次元の境界線</Td><Td>永続魔法</Td></Tr><Td ColSpan="4">自分の墓地に魔法カードが存在しない場合、お互いのプレイヤーはバトルフェイズを行う事ができない。</Td></Table>) 緑色のぼやけた壁が、二封気とクロックの間に出現し、お互いの領域を完全に遮断した。    「…でもあれだと〔強欲な壺〕が墓地にあるから効力が…。」    「福助、よく見ろ。     クロックのフィールドにはどんなカードでも除外する〔光の追放者〕が居るだろ?」 &html(<Table Border BorderColor="#cc7a28" Border="2"><Tr><Td>閃光の追放者</Td><Td>光属性</Td><Td>天使族</Td><Td>レベル3</Td><Td>ATK00</Td><Td>DEF00</Td></Tr><Td ColSpan="6">このカードがフィールド上に存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へ送られず、ゲームから除外される。</Td></Table>)    「あれなら魔法を使っても〔追放者〕が除外して墓地に溜まらねえ。     しかも戦闘面で弱い〔追放者〕も〔境界線〕で守られる…理想的なシナジー効…。」    「ストップだ、クロック。」 刃咲の言葉を打ち消すように、二封気はクロックの手札枚数を一瞥した。 そこで子供たちもクロックの手札を見るが、クロックの手元にはカードが5枚有った。 4枚でエンドしたにも関わらず。    「…なにをしたの? 今?」    「コートから1枚出して手札に加えたんだよ。     本来なら余剰1枚をコートの中かデッキに戻すんだが、実行する前に二封気が指摘したんだ。」 悔しそうに刃咲が解説する。 刃咲は何年も前からクロックが指の点検に来るたびに相手をさせられているが、一回たりとも見極めたことが無いのだ。    「これが俺の“確認”だ。     指が切られる前は4秒もあれば手札全部変えられたんだけどな。     今じゃ1枚取り替えるのも一苦労だ。」    「っつっても、クロックの交換の瞬間は分からないからな。     戻す前に手札の数でアヤ付けるんだよ。」 二人は無効試合の処理をデュエルディスクに入力し、ソリッドビジョンを消していく。 既にこのデュエルの役割は果たし、続ける意味が無いのだろう。    「でも…それは不正行為で……汚い行為じゃないんですか? クロックさん?」 壱華の常識的で、的確な意見にクロックは狼狽することはない。 慣れた質問であるらしい。    「あぁー、まぁー、自慢できることとは思わねぇけどな。     …ただまあ、それでも心が貧しいんでね、勝つのが大好きなんだよ。」    「見破れもしなかったのに…論破するのは負け犬のすることですから、しませんけどね。」 クロックの子供っぽすぎる意見に、壱華は大人なリアクション。 不正行為は許される行為ではないし、不正を経た勝利はただ空しいだけ。 それはどんな理由があっても覆ることはない。    「っつーか…そんなに勝ちたいなら、予告とかするなよ。     お前、相手が知らないときでも“俺は手札入れ替えをするかもしれないぜ?”とか云うだろ。」    「あぁー…油断してるマヌケを騙しても仕方ねーだろ?」 少なくともクロックの手札交換は“子供たちの目には見えなかった”。 つまり、子供たちが戦えば、クロックのイカサマに気付くことすらできないのだ。 それでも、クロックが予告をするのは情けを掛けているわけでも許しを請うわけでもなく、それが彼のルールなのだ。    「あぁー、ところで二封気、帰りの電車は明日までねぇーんだよ。     ……今日は泊めてくれよな?     色々と話も有るし、よ。」 その裏に正念党党員としての…レアハンターとしての牙を光らせ、クロックは云った。    「……良いぞ。」    「サンキュ。 ところで二封気、お前ん家、酒は?」    「いや、ねーけど?」    「あぁー…だと思ったチクショウ。     タバコも来る途中で切れちまったし、ちょっくら買いに行こうぜ?」 こちらは完全に友人として発せられた物だった。 オセロ村では酒を飲む家庭では、自宅で作るのがベター。 そのため、酒屋が遠く、買出し一つが一仕事になる。    「…つーわけで、福助、壱華、刃咲…これ、貸しとくぜ?」 二封気はまたもやどこからともなくレンタルディスクを3枚取り出し、子供たちに手渡した。    「…良いんですか?」    「刃咲と壱華のカゼが治った祝いってところかな、福助のは………まあオマケだ。     返すのはいつでもいいぞ。」 言い残し、病院を出ようとするダメ大人2人の背中が…少なくとも福助には、とにかく遠くに行くものに見えた。    「…二封気さん!     明日、デュエルしましょう! 二封気さんの全力のデッキで!」 二封気は振り向きもせず、背中越しの古めかしいピースサインを返した。 だが、福助が明日、この背中とデュエルすることはできなかったが…このときは知る術はない。 [[前へ戻る。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/45.html]] [[次へ進む。>http://www11.atwiki.jp/84gzatu/47.html]] [[遊義皇トップへ>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/12.html]] [[小説置き場に戻る>http://www12.atwiki.jp/wahamuda84g/5.html]] &html(<table border="1" bgcolor="#D7F2F2" width="1200"><tr><td><font size="2"><center>) &counter()

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