「17-109」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
17-109 - (2009/08/30 (日) 19:02:25) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
伝わらない
----
自覚してからは、境界線がどこまでなのか分からなくなってしまった。
学校帰りにコンビニ寄るのは友達。
そこで買ったアイスを一口交換するのは、
16年来の幼なじみとしては、まあ、アリだろう。
だけど、
俺のガリガリ君に近づくその唇を思わず目で追ってしまうのは、
唇からちらっと覗く赤い舌に反応してしまうのは、
汗ではりつくシャツに何故かこっちが汗をかいてくるのは、
最近目を合わせられないのは、
「和田、溶けてる!」
「あ!?うわ!」
「バッカ、何ぼうっとしてんだよ」
「何って、」
お前の事考えてんだよ
とは言えないから、溶けたアイスでベタベタになった手を
佐野の腕になすりつけた。
「何すんだバカ!」
「うるせ、バカって言う奴がバカなんですぅ」
「ガキか!お前はほんと昔から変わんねぇな!」
昔と同じようなやりとりをしながら、昔と同じように笑いながら
俺は思う。
変わらないのはお前だけだ。
俺は変わってしまったよ、佐野。
今と違う関係を望むようになった。
その手に触れたいと思うけど、
お前が望むのは幼なじみとしての俺だから、
伝えない。
伝わらない境界線を探して、
明日も幼なじみの顔でお前の肩を叩くよ。
----
[[下着の上から>17-119]]
----