いつも穏やかな師匠×素直になれない弟子 ---- 「本当にいいんですか?」 「いいッス。家帰ってもオレ邪魔なだけッスから」 「ですが年の瀬くらいは御実家に顔を出したほうがいいですよ」 「んなコトいって…オレを追い出して一人で好きにするつもりなんじゃないッスか?」 「おや、心外ですね。私は君のためを思って言っているんですよ」 「師匠、オレん家すげー貧乏なんス。師匠のとトコに預けられたのだって体のいい口減らしなんスよ、だから…」 「その貧乏な御実家から、毎月喜捨を頂いていたんですがね」 「え…マジっスか?」 「はい、使わずにとっておきました。これでお土産でも買ってお帰りなさい」 「師匠…」 「この一年、頑張って成長した君を見せてあげなさい。それだけでも立派な親孝行ですよ」 「…はい、ありがとうございます」 「さて、では御両親の前に私も拝見しましょうか」 「ふぇ?」 「君の成長ぶりですよ」 「し、師匠…? って、うゎ、ちょっと待った!まだ大掃除終わってないッスよ、ししょー!!」 ---- [[うるう秒>5-049]] ----