いつも穏やかな師匠×素直になれない弟子
「本当にいいんですか?」
「いいッス。家帰ってもオレ邪魔なだけッスから」
「ですが年の瀬くらいは御実家に顔を出したほうがいいですよ」
「んなコトいって…オレを追い出して一人で好きにするつもりなんじゃないッスか?」
「おや、心外ですね。私は君のためを思って言っているんですよ」
「師匠、オレん家すげー貧乏なんス。師匠のとトコに預けられたのだって体のいい口減らしなんスよ、だから…」
「その貧乏な御実家から、毎月喜捨を頂いていたんですがね」
「え…マジっスか?」
「はい、使わずにとっておきました。これでお土産でも買ってお帰りなさい」
「師匠…」
「この一年、頑張って成長した君を見せてあげなさい。それだけでも立派な親孝行ですよ」
「…はい、ありがとうございます」
「さて、では御両親の前に私も拝見しましょうか」
「ふぇ?」
「君の成長ぶりですよ」
「し、師匠…? って、うゎ、ちょっと待った!まだ大掃除終わってないッスよ、ししょー!!」
最終更新:2010年10月21日 17:30