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痴話喧嘩 ---- がしゃーん! 「もういいよ、国弘のバカッ!」 あーあ、またやってる。 ユキオくんは叩き付けるように扉を閉めると、僕の鎖をほどいて門を出た。 喧嘩の後は僕の散歩。いつものお決まりのパターンだ。 僕の飼い主はクニヒロ。でも僕は、優しくてかわいいユキオくんのほうが好き。 ずんずんと早足で歩くユキオくんの顔を、小走りで追いながらこっそり見上げる。 あ、泣きそう。 もうクニヒロってば、なにやってるんだ。 やがて閑散とした公園につくと、ユキオくんは僕のリードを外してくれた。 本当はダメなんだろうけど、今日は誰もいないし、お目こぼしってことで。 僕はゆうゆうと一周だけ走ると、ベンチに座るユキオくんの膝にあごを乗せた。 ユキオくんは僕の頭をなでながら、ぽろぽろと涙をこぼしている。 ユキオくんはクニヒロが好きなんだ。クニヒロだってユキオくんが好きなはずだ。 なのになんで喧嘩するんだろう。 ユキオくんの細い指が目許をこする。 本当は僕が舐めとってあげたかったけど、我慢。だって、その役目はあいつのもの。 ほら、もうやってきた。 「雪雄!」 立ち上がったユキオくんをクニヒロが抱き締める。ユキオくんはしばらくもがいていたけれど、やがて動きを止めた。 あーはいはいよかったね。 僕は横を向いてあくびひとつ。 喧嘩の後は僕の散歩。そして公園で仲直り。全部お決まりのパターン。 夫婦喧嘩は犬も食わない。そんなまずそうなもの、僕だって食べたくない。 なんでもいいんで明日も楽しくやっちゃってください。 でもユキオくんにエッチなことをするクニヒロにはちょっとむかついたので、足をかじっておいた。 ----   [[自覚なしストーカー>6-949]] ----

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